2014年8月28日 (木)

リチャード・アンセル展(高知県いの町)

 

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辻元玲子が加入している画家の団体「理科美術協会」のリチャード・アンセル先生が四国に移住されましたが、このほど「リチャード・アンセル展 日本の空を飛んだ飛行機画 明治・大正・昭和初期」を、高知県いの町幸町の「いの町紙の博物館」で開催されることになりました。お近くの方はぜひご覧ください。英国から来られたアンセル先生は、日本の航空黎明期の飛行機研究の第一人者です。
 会期は9月13~23日、午前9時~午後5時(最終日は4時)、16日と22日は休館、大人500円、中学生以下100円です。

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2011年7月25日 (月)

「東京展」開催中。

 東京・京橋の「ギャラリーくぼた」にて30日まで「東京展」http://www.tokyoten.com/という展覧会を開催しております。1975年から続く大規模な美術展で、さまざまな顔ぶれが出展しています。で、我が家の玲子画伯も誘われていたんですが、今年は出版の追い込みが厳しく参加は断念しました。
 とはいえ、今回の東京展を見に行きまして、3階に足を運んでいただくと、麻利邑みみ画伯の作品がありまして・・・これがびっくり、うちの玲子にそっくり! 出展はしていないのにモデルとしてデビューすることになりました。麻利邑画伯のイメージとしては、ルネサンス時代に活躍した女性画家のアルテミジア・ジェンティレスキ(1593~1653)、ということだそうで。当時、女性の芸術家という存在が理解されない中で、なんとしても絵を描きたい、という強い意志を秘めた女性・・・というイメージなのだそうです。ぜひお近くにお寄りの方はご覧になって下さい。

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2011年7月21日 (木)

シルク・ドゥ・ソレイユ ZED

 本日は、ディズニーランドそばにありますシルク・ドゥ・ソレイユ・シアターでZEDという公演を見てきました。世界中にファンのいるシルク・ドゥ・ソレイユは、今や最も有名なサーカスだと思います。そして、ZEDは世界でここだけ、常設劇場で公演されている非常にスペシャルな演目です。もう数年前からやっているわけですが、そして、いつかは見てみたいとずっと思っていたわけですが、意外に同じ市内のもの、と思うと行かないものでして、しかし、今回はついに見ることができた次第です。
 天と地の二つの世界の対立から調和へ、というテーマのもと、タロットカードの世界観を引用しながら大きなスケールで演出されるZED。最初に二人の道化師が会場内に現れ、開演前の客席を回りながら笑いを取るのですが・・・ちゃんとこれが伏線になっていて、彼らが本のカギを開くと、ぱっと世界が広がる。するとステージからバックの施設までを覆っていた巨大な布があっという間に巻き取られて、舞台の奈落から下に吸い込まれていく、というオープニングがドラマチックです。
 そして、次から次に登場する演者たち、バンジー、綱渡り、空中ブランコ、とサーカスの演目としてはおなじみなものですが、とにかく洗練され、計算されつくした緻密な舞台構成の中で流れていくので、サーカスとか曲芸というよりはやはりミュージカル、そしてもう大変なレベルの演技をしているのですが、あまりにも軽々とやるので、本当に簡単なことのようにやるので、なんだか不思議な感じがしてきます。「あれ、これってCGでもなければ映画でもなくて、生身の人間がやっているのだよな、ちゃんと重力のあるところでやっているんだよな」という感覚です。
 音楽も見事で、歌も演奏もすべて生演奏、それが演技とぴったりと合い、これも計算されつくされていて、演者のすべての動きをきっちりフォローしています。すごいですね。高いところから宙づりにされて歌う歌手の人がいるんですが、あれだけですごいな、と。もう普通なら高いところに行くだけで歌えません。世界中の24か国から、そんな70人に及ぶ超人的な演者やミュージシャンが集まって、超人的なパフォーマンスを繰り広げます。1時間半なのですが、いやあ、もっと見たかったですね。というか、またこの同じ演目をこの場所で見てみたい、と思いましたね。なにしろそれが生の力、というものです。
 夏休みに入ったとはいえ、平日昼の公演で客席は大入り。これだけのクオリティーで維持していくのは並大抵のこととは思えず、いやあ、これは一度は見てみないと、と思いましたです。
 ◆  ◆  ◆ ・・・といっていたら、実はちょっと嫌な予感があったから見に行った、のではありますが、このZED公演は年内で打ち切り、ということが25日に発表になりました。やはり見ておいて良かったです。あの演目はこの劇場でないと出来ないものなので、見たい人は今の内にぜひ。 

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2010年12月11日 (土)

永山昌克・写真展「チャイニーズ・ウエスタン」

 今日は銀座のNikon Salon(中央区銀座7-10-1)で開催されている、写真家・永山昌克さんの写真展「チャイニーズ・ウエスタン」を見てきました。この写真展は12月14日までです。http://journal.mycom.co.jp/news/2010/11/29/054/index.html
 なんで宣伝してるのかと言えば、この永山さんは私の大学の同級生なんですよ。で、その後はプロの写真家として活動されていて、デジタルカメラ関連の著作もあり、公募写真展の審査員などもされている気鋭のフォトグラファーなわけです。で、実を言いますと、15年前ぐらいまでは、仕事の関連でお付き合いがあったりして、私たち夫婦の新婚記念写真なんかもこの永山さんに撮ってもらったし、それから私の初期の詩集・・・「戦争ってヤツ」とか「僕が港に残ったわけ」などの表紙写真もお願いしたことがあります。
 が、その後、私が異動してしまってからちょっとお付き合いが途切れておりました。しかし今回、この写真展の案内状が私の手元に届いたわけであります。
 いやあ、懐かしいものがありましたね、それは。
 写真展は、「チャイニーズ・ウエスタン」と聞けば誰しも「中国の西部劇?」と思うでしょうが、そのへん、わざとのネーミングだそうであります。「なんだそれ」と思わせるのが妙味というものですね。主にチベット自治区での撮影作品を50点、展示しております。
 銀座にお立ち寄りの方はぜひ。午前10時半~午後6時半、14日は午後3時までとなっておりますので。

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2010年7月17日 (土)

上田信展、麻利邑みみ展、ヴァルカナイズ・ロンドン

 梅雨明けしたそうですね。しかし各地で大きな被害が出ている様子。毎年、梅雨の末期に水害が出るものですが、今年は激しかったようで。
 ところで私どもはその梅雨空が残る中、ちょっと青森まで行ってきました。ここ数日、夏休みが取れたもので・・・。いや、今年は選挙とW杯のせいで少ないのですが。で、まずは浅虫温泉の「宿屋つばき」に一泊。こじんまりしたとても静かでいい宿屋でした。夜は津軽三味線の演奏など聞いて、食事も最高。あれで一人1万円そこそこというのはお安い。そして翌日は、いま、青森県立美術館でやっている「上田信」展に行ってきました。上田先生は青森のご出身なのですね。しかしまあ、上田先生は千葉県在住、本当なら御作品もお願いすれば御近所で拝見できるわけですが、なぜかわざわざ青森の地で・・・。しかし120点もの作品が並んで圧巻でした。戦車や軍艦、ガンダムなどのプラモデルの箱絵、表紙絵、初期の習作から最近のものまで。それに、今同じ美術館でやっているロボット展では、やはり上田先生の作品のほか、高荷義之先生、根本圭助先生、そしてこれらの先生の師である御大・小松崎茂先生の原画も展示されています。
 あの三内丸山遺跡のお隣で、はっきりいって青森市民にとってもけっこう行きづらいところにある美術館ですが、広いこと広いこと、私どもはちょっと、そのロボット展と上田信展以外は見ることができませんでした。
 ◆  ◆  ◆
 こちらに戻ってきて今度は、出版美術家連盟理事で、玲子がお世話になっている麻利邑みみ先生の個展を見に銀座まで行きました。昭和7年に建ったというレトロなビルの一室を借りきった個展は、画家の先生とお客さんの距離がとても近くて、いい感じでした。もともと洋画を学んだ後、「油絵の具の匂いが嫌いで」日本画の画材を用いるようになった、という独特の画風。とにかく個展のやり方とか、作品の額装の仕方といったことまで、いろいろと教えていただき、イラストの世界に入って日の浅い玲子には非常に刺激になったようでした。麻利邑先生、ありがとうございました。
 ◆  ◆  ◆
 そのあと、たまたまある懸賞で商品券をもらった南青山の「ヴァルカナイズ・ロンドン」へ足をのばしました。ヴァルカン・ファイバーのトランクで有名なグローブ・トロッターほか英国のブランド、ジョン・スメドレーやハケット・ロンドン、フォックス・アンブレラ、スウェイン・エドニー&ブリッグ、ターンブル&アッサーなどなどが目白押しの店内であります。ふんふんと見て行きながら、とにかく目に付いたのが緑色のグローブ・トロッター。私は日頃から黒いものを愛用していますが、この緑色は素晴らしい色なので、さっそく買い込むことに。なんでも英国では緑が一番人気、だとか。

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2009年10月 9日 (金)

理科美展2009

 このところはなかなか、会社のほうも忙しく・・・疲労しました。まあそれはそれとしまして、先日、理科美術協会展覧会を見て参りました。http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/8752
これは、図鑑などの精密画を手がけるイラストレーターさんたちの集団「理科美術協会」http://www.rikabi.jp/member/の展覧会で、通称「理科美展」というものです。
 同会員である水野行雄先生・・・プラモデルの箱絵や、モデルアートや学研の艦船イラストなどで著名な先生で、小松崎茂先生門下では艦船画で並ぶ者なし、という方ですが、この方からご案内をいただきまして夫婦共々、勉強しに行った次第です。で、台風の迫る前日、開会日に市ヶ谷駅A2出口すぐの「山脇ギャラリー」にお邪魔しました。
 いやはや、水野先生の原画のド迫力たるや・・・印刷してしまうと随分、色が変わってしまうのだな、と思いました。本で見るよりも鮮やかで緻密な表現、筆の冴え。もちろん商業画ですからそのへんは織り込み済みなわけですが、やっぱり原画はいい。艦船ファン、水野先生のファンはぜひご覧になって頂きたいです。空母瑞鶴、戦艦大和、巡洋艦大井などの原画がずらりと並んでいます。
 そればかりではなく、梶田達二先生のご作品も展示されています。こちらはリンドバーグとセントルイス号、坂井三郎と零戦、さらに理科美展に合わせた動物画まで展示されています。ほかに精緻な航空機の復元画で活躍するリチャード・アンセル先生の貴重な研究成果も見られます。
 その他、そもそも図鑑などの原画ぞろいですので、ものすごいクオリティーの動物画や風景画がぞろぞろと立ち並び壮観です。要するにここには抽象画のたぐいは当然ながらなくて、徹頭徹尾リアリズムに徹した、この分野の日本最高レベルの作品がそろっております。「写真があるからどうでもいいじゃん」と本気で言っている人は、およそ美術というものが理解できない人でしょう。写真を撮っても、肝心のところがよく見えない、陰になって分からない、あるいは写っているけど細かすぎてディテールが理解できない・・・それが普通の写真でしょう? どんなに画素数が多い写真を撮ってもダメなものはダメ。なぜかといえば、カメラは何も「理解」したり「分析」したりしない。ただその瞬間に光線が当たって見えるものを、その瞬間に見えたとおりに写すだけで、解釈が入らない。
 精密画を描く画家は対象に魂を吹き込むまで観察し、凝視し、調査し、一枚の絵を仕上げるまでに気の遠くなるような情報を咀嚼して、画面に入れ込みます。
 そういう画家の執念まで感じ取れる作品群です。14日まで。
 

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2009年9月 3日 (木)

恐竜2009 砂漠の軌跡!!

それにしてもインドネシア、地震が多いですね。震災も気になりますし、またインフルエンザが流行する今、被災者が感染するなんてことがなければいいですが。台湾の水害のほうも、そのへんが気になります。
 他人事ではなくて、日本でも流行期に入っちゃったわけですが、家に引きこもっているわけにもいかず、新型ワクチンというのもなんかかえって体調悪くしないかと心配だったりしますし、それもどうせ私どものような世代の人間は後回しですから・・・それは致し方ないですが、しかしなんであんなに学校というのは感染するのでしょうかね。やっぱりはっきりいって環境が悪いのでしょうか。学校と牢獄、兵営、病院というのはみな近代社会が生み出した市民統制のための施設で、本質は似たようなものといます。今となると学校が一番、収容している人間を大切にしない点で、遅れているのかもしれません。
 ◆  ◆  ◆
 先日の選挙で、11歳なのに投票してしまった小学生とか、逆に21歳なのに投票できなかった女性とかが話題になりました。自分たちの投票所のシステムを思い出しても、別にその人物そのものを見て判断しているとは思えず、投票整理券を持っている人と係員との引き換えのやり取りがきっちりしていれば、若く見えようが老けて見えようが間違いは起こりようがないと思われますが・・・やはりそのような投票所の係員はたるんでいた、ということなんでしょうね。
 ◆  ◆  ◆
 いまさらですが、選挙も終わりほっとしましたので、もう一度夏休み気分で、幕張メッセでやっております「恐竜2009 砂漠の奇跡!!」展を見てきました。http://www.kyoryu.jp/index.html
 何年かに一度、この恐竜展は行われますが、前回はチュアンジェサウルスというのが見もので、今回はマメキンサウルス、じゃなあった、マメンキサウルスの標本というのが目玉です。いや大きいこと大きいこと、全長36メートルですか、もう普通のカメラじゃ全貌が撮影できません。ちなみにマメンキというのは馬門渓、の中国読みだそうですね。いわゆるアパトサウルス系のひょろ長い恐竜ですけれど、体重も50トンはあったのじゃないか、ということはもう戦車並みです。なんでここまで大きい生き物がいたんでしょうか。
 あと、巨大な8メートルも体長がある羽毛恐竜ギガントラプトルとか、ティラノサウルスのご先祖と目される毛深いグァンロン(冠竜)とか・・・もうどう見ても鳥ですね。ほんのちょっと前までは「恐竜=鳥」説は異端、あるいは「そういう説もある」というものだったのに、今は一般常識と化してきました。要するに恐竜は全然滅びていなくて、鳥になっただけなんじゃないか、ということですが、したがって恐竜はかなり頭がよかったに違いなく、イメージもまったく変わってきましたね。
 それからもう一つの目玉はハドロサウルス「ダコタ」の化石展示です。なんと皮膚の跡が残っているんですね。ちゃんとウロコがはっきりわかる。
 あと、うちのカメ好きな妻が大興奮していたのが、カメの化石です。当時はまだ完全に首をひっこめることはできなくて、今でいうヨコクビガメのたぐいだったようですが、まったく構造的には今のカメと変わらず、恐竜より前の時代から今に至るまで生き残っている、という実はすごい生き物なんであります。
 化石ともに今のカメさんとスッポンモドキが水槽に入れられて展示されていました。ずーっとそこで妻が釘付けになっていたのは言うまでもありません。
 ちょっと今までより会期が短くなったようで、不景気なんでしょうか。それにしてもこの巨大なホールでしか展示できないスケール感はいつも見事で、ぜひこれからもやってほしいイベントだと思いました。9月27日まで。

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2008年4月29日 (火)

モデルアート様、マスターモデラー様で紹介

私の新刊「スーツ=軍服!?」で続報です。今日たまたま書店で雑誌を眺めていて発見しました。http://books.yahoo.co.jp/book_detail/32035383

ひとつは「マスターモデラーvol58」(芸文社)99ページの「おすすめ新刊」コーナーで。「スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった、とのキャッチコピーどおり、本書は現在一般的となっているファッションのデザインの中には軍服を起源としているものが多いということをわかりやすく紹介。トレンチコート=イギリス軍の塹壕用野戦コート、などよく知られているものから、かなりマニアックなものまで多種多様なファッション例が記載されている。著者はファッションのみならず、軍服、戦史などミリタリー全般にも詳しい方なので、ミリタリーに詳しい方も(もちろんそうでない方も)安心して読むことができる。

もうひとつ、「モデルアート」6月号(モデルアート社)124ページの「ブックレビュー」。「戦史および服飾史の研究家である著者が、スーツをはじめとする身に着ける諸々についての蘊蓄を傾ける。トレンチコートが塹壕戦に由来することは、ミリタリーファンには比較的知られているが、他にも中世から現在までの、数々の軍服の歴史が綴られる。対象は勲章、靴、鞄、帽子、腕時計など多岐にわたる。多数収録されているイラストは、イラストレーターである著者の奥さんによるもの。284ページ」。

どちらも私がいつも愛読させていただいている模型専門誌。こういう編集部から紹介していただけるのはまことに光栄です。

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2008年4月27日 (日)

本を出版する方法

それにしてもウィンドウズ・ビスタ、使いにくいですね。なんでこう面倒なものにしたのかな。普通のユーザーは性能や安全性はは高めてほしいが、機能や操作はあまり変えてほしくないのじゃないかと思いますが。
 ところで、身近の人から「本というのはどうやって出すものなんですか」と聞かれました。それで、ご存じの人にはありきたりの話ばかりでしょうが、こういう世界に無縁な人とか、漠然と「いずれ著者になってみたい」という方もいらっしゃるでしょうから、自分の経験の範囲で少し書いておきます。
 いわゆる自費出版については自費出版専門の版元があるのは今では誰でも知っていますし、それがこのところ経営破たんしたり、大変であることも知られています。要するにハードルが低くて誰でも出版してくれる反面、後の面倒は全然みてくれないので、著者の不満が高まったのは当然です。そもそも基準が甘いのだから、仕方ないとは言えます。
 大体のところ、ああいうところで全額自費で出版すると、まあ100万円ぐらいが最低出資額だと思います。企画によってもっと安いところもあるでしょうが、まあ宣伝を万全にやり、豪華な造りにし、部数を増せば上限はいくらでも上がるでしょう。200~300万円出した人もいると思います。
 次に、ちゃんとした商業出版社からの企画出版をするにはどうするか。まずは、一番、王道なのはなにかの文芸賞をもらってデビューすることです。しかし、これは才能がある人であっても一生の間に受賞できるかどうかは相当に運次第なのは明らかで、その僥倖を待っていてはいつまでたってもデビューできません、というかなにがなんでもデビューしたい、というなら、30代半ばぐらいまでの若い内はともかく、受賞を前提にしているわけにはいかないでしょう。それに、どなたもお気づきのように、世間に出回っている書籍のほとんどは別に文学賞をとった作家が書いているわけではありません。著者になるには文学賞は必須条件ではないことになります。
 文学賞タイトルが絶対必要なのは、文芸作品の企画出版です。だから、無名の人が文芸作品の原稿を版元に送ったり持ち込んでも、まあほとんどの場合、何事も起こりません。見てもくれません、通常は。漫画と違い、持ち込まれても簡単に概要を理解できないので、時間を作ってくれないのが普通でしょう。ごくまれにそれでうまくいった、という話がありますが、それはいい編集者と縁があったためで、まれだからそういう話が有名になるんですね。
 もし文芸でとにかくデビューしたい、という人は、実は小説よりも詩歌のほうが本そのものは出しやすいのですが、ただしこれはほぼ100%が自費出版となります。流通することはゼロではないが、ほとんど期待できません。しかし、詩歌については自費出版が昔から常識なので、ほかの分野と違い自費だから格が低いとは言われない、というメリットがあります。つまりちゃんと実績になる。詩歌の世界の文学賞の審査対象にもなるし、詩歌の世界で一人前として扱われる。ただし、そういうわけだから詩歌の専門の版元は、お金の面では自費なのに、けっこう審査基準は厳しく、なんでもいいから出してくれる普通の自費出版社のようにはいきません。通常は、既に実績のある先生の下でしばらく様子を見て、その紹介を得る、といった手順を踏んだ方が確実です。
 さてそれで、本当に版元の企画出版として出してもらうにはどうするか。こちらは、文芸を狙わない方が間違いなく有利です。小説のたぐいはあまり相手にされません、どうしても小説家に、という人はなにがなんでも文学賞をとるしかないでしょう。しかし「とにかく著者になりたい」ということなら、文芸じゃない分野でまずは何か原稿を書くことです。
 次に、その原稿を持って多くの版元を大きいところから小さいところまで回ってみることです。私の今までの経験ですと、非文芸でそれなりの内容の原稿だと、大抵の版元は読んでくれます。50~60社ぐらい打診すると内容次第でしょうが、10社ぐらいから前向きな返事が来たりしましてその後は具体的な条件交渉に入ったり、あるいは、この企画はこのままじゃ駄目だけど、別の企画で書きませんか、という話になったりします。まあこれはあくまで私の経験です。
 一度、それで軌道に乗ると、少しずつほゥの話も見えてきたり、ものによっては空中分解したり、という中で、形になるモノが出てきます。そして、やっと企画出版できるというわけです・・・。この場合も、いい編集者と縁があるかないか、が最も重要になります。自分に惚れ込んでくれるような編集者に巡り会えばいうことはありません。逆に大手版元から声がかかっても、担当編集者と反りが合わず駄目になる、ということも私自身経験していますので、結局は人の縁ほど大事なモノはない、というのはどこの世界でも真理です。
 これも、ある程度の買い取りを求められることが珍しくないですが、しかし経験的にいって著書は100冊以上は手元に残しておくべきです。その後、次の企画の売り込みやらなんやらで、けっこう2、3年もするとなくなってしまいます(50社に売り込むなら50冊ななくなりますから)。新聞社や雑誌社に売り込みをするならもっと必要でしょう。だから200冊ぐらいを買い取りしても後で見ると、別に無駄にはなりません。
 その買い取りをしても、20~40万円ほどですから、100万円以上かかる自費出版とは全く次元が違うし、宣伝もしてくれるし、流通もちゃんとしてくれます。従って、なにがなんでも自費ではなくて企画出版しないといけない、ということです。
 印税なんてものは実に微々たるモノで、入ってきてもお小遣い程度です。これで生活できる著者は部数10万部を超える人だけで、今の出版不況下でそんなに売れる人は、そういません。1000円の本が1万部売れて売り上げ1千万円、印税5%なら50万円。まあこれなら赤字にはならない、お小遣いとしてはいいかな、というところ。10万部売れれば500万円、こうなると職業として意識できるでしょう。本の単価が高ければ印税も増えるでしょうが、それだけ部数は伸び悩むのは言うまでもありません。
 にしても、ロングセラーとなるような内容で、増し刷りにこぎ着ければ、れっきとした著者としてやっていけることになります。少なくとも赤字のない程度にやれれば、活動としては成り立つことになる。ただ、プロのライターだけで暮らすというのなら、常に1万部以上、できれば10万部を超えるような売れるような本を出す必要があり、大変でしょう。
 また、著書があると、ほかの雑誌などの依頼がある場合がある、また文芸家協会やペンクラブに入れる(著書3冊以上が最低条件で、いずでも理事の先生の推薦が必要)といったことがあります。ここまでくれば、一応、どこに行っても「私は文筆家です」と名乗れるレベルには達するわけです。当然、次の売り込みがしやすくなります。儲かる、儲からないという次元ではなく、その方面で一応の見識がある人、専門家、ということも言われるようになります(内容次第ですけど)。
 それ以後は、本人の努力次第でしょうし、私も目下、努力している次第です。
 とにかく、こういう時代でもいわゆる活字をやってみたい、まずはデビューしてみたいという方は、ベテラン世代にも若い人にも多いと思います。しかし上記のようなわけで、最初の1冊を形にするまでに相当な信念と行動力が必要なようで、著者の皆さんはそこを乗り越えてこられた方ばかりということです。
 参考までに書いてみました。お役に立つことあれば幸いです。
 
 

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2008年4月14日 (月)

スーツ=軍服!? 朝雲新聞に登場

 さて、拙著も刊行以来、ちょうど1か月たちましたので、そろそろこの話題も打ち止め・・・と思ったのですが、これは自分の記録としてもぜひ載せておかないと。自衛隊関係者向けの専門紙「朝雲新聞」様4月10日号の新刊紹介に載ってしまったのです。本当に驚きました。http://www.asagumo-news.com/
 
「スーツ=軍服!? スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった」
 http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0277911305
 日本人の男性がふだん着ている洋服は、元々は西欧の軍服から発展したということはよく知られているが、スーツはフランスのルイ14世時代の軍服に由来し、ブレザーは英海軍の軍艦名であり、トレンチ・コートは塹壕戦用の野戦服だったと認識している人はそうは多くないだろう。
 本書は今日の洋服のルーツを歴史的に明らかにし、漫画家の著者夫人が描いたイラストと共に、古今東西のさまざまなミリタリー・ファッションを体系的にまとめた軍用被服の研究書だ。
 スーツ、ブレザー、コート、ネクタイ、ブルゾン、靴、帽子などの項目別に分かれ、それぞれの由来やその後の発展について詳述。カーディガンはクリミア戦争が起源で、タキシードは英海軍の礼装から生まれたことなどが紹介される。英国人男性が今も色や柄の美しいレジメンタル・タイに特別な関心を寄せるのはそれがレジメント(連隊)識別用のものだったからというのは興味深い。
 このほか階級章や勲章の歴史、敬礼の裏話など逸話も抱負に盛り込まれ、さらに随所に挿入されたナポレオンやマッカーサー、ロンメル将軍などのイラストはとてもファッショナブルで、眺めているだけで楽しい。

 これまで「産経新聞」様のほか、アパレル専門紙「繊研新聞」様、銃器専門誌「アームズ・マガジン」様などに取り上げて頂いて、専門的なお立場からご紹介頂いたことは本当に光栄です。この場を借りまして御礼申し上げます。

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