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2019年12月24日 (火)

【映画評 感想】スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

Photo_20191224130901 スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けSTAR WARS: THE RISE OF SKYWALKER を見ました。1977年の第一作(エピソード4)から新旧合わせて9部作、40年以上にわたる大河シリーズの完結編、エピソード9です。アナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダー)、ルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナ、ベン・ソロ(カイロ・レン)と引き継がれたスカイウォーカー一族、3世代(厳密に言えばアナキンのお母さんシミも登場したので、4世代でしょうか)の物語も、ついに終焉を迎えます。

 

今の三部作の最大の謎。それはヒロイン、レイとは一体、何者なのか。これにつきます。なんの修行もせずに、初めからあまりに強大なフォースを操る彼女は、スカイウォーカー一族と関わりがある「レイ・スカイウォーカー」なのか。それとも違う出自の人なのか。あるいは全くの突然変異の天才なのか。物語の核心部分が解き明かされることとなります。

 

三部作の完結というだけでなく、9部作の完結ですので、いろいろと往年の事物に言及されることにもなります。ダース・ベイダーの基地があった星ムスタファーが登場し、かつて二つ目のデス・スターが堕ちたエンドアではイウォークたちが空を見上げる場面が描かれます。アナキンとルークの出身地、砂漠の星タトゥイーンでは、二つの太陽が見られます。前作で戦死したアクバー提督の息子アフタブが登場することや、旧シリーズの重要人物ランド・カルリジアンが、俳優も同じビリー・ディー・ウィリアムズで再登場するのも、昔からのファンには嬉しいサービスです。チューバッカがレイアの旧友マズ・カナタから、古い勲章を受け取るシーンなど感涙ものです。これはエピソード4のラストで、レイア姫の救出とターキン総督率いる最初のデス・スター破壊の功績をたたえて、ハン・ソロが授与されたものでした。

 

フォースと一体化した歴代の偉大なジェダイの魂が、苦戦するレイを応援するシーンが終盤に出てきます。ここではアナキン(ヘイデン・クリステンセン)、アソーカ(アシュレイ・エクステイン)、メース・ウィンドゥ(サミュエル・L・ジャクソン)、オビワン・ケノービ(ユアン・マクレガーとアレック・ギネス)、クワイガン・ジン(リーアム・ニーソン)、ヨーダ(フランク・オズ)といった懐かしい声が復活します。この他にも、すでに世を去ったはずの意外な人物たちが再登場します…。

 

何よりの懐かしくも衝撃的な展開は、皇帝パルパティーンの復活。少し前から、最終作で皇帝が帰ってくる、それもイアン・マクダーミドが同じ役で再演する、というのが話題になり、それで少しは先が読めた、と感じた方も多いでしょう。つまり、エピソード8であまりに唐突に訪れたファースト・オーダーの最高指導者スノークのあっけない死の意味について、です。本当のラスボスは皇帝で、スノークは傀儡に過ぎなかった、という設定はすぐに察しがつくことでした。

 

その他いろいろと消化不良、といわれたエピソード8ですが、本作を見てからだと、ああ、そういう背景があったのか、と見えてくるものがあるようです。

 

2016年末に60歳で急逝したキャリー・フィッシャーさんですが、本作でもたくさんの登場シーンがあって、驚かされます。つまり、レイア姫の登場すべきシーンは、すでにフィッシャーさんの生前(それもエピソード7の時点)にほとんど撮り終えていた、ということのようです。恐らくですが、エピソード8でどこまで話を進めるか、いろいろとプランがあったのでしょう。場合によっては、エピソード7あるいは8でレイアが絡むシーンを全て使ってしまう進行もあり得たのかもしれません。製作側が、フィッシャーさんの出演シーンについて、CGで無理やり追加映像を作る必要はないし、そもそもフィッシャーさんの急逝によって、レイアの登場シーンが減ることも、設定や脚本が大きく変わることもなく、当初からの予定通りに進行する、と発表していたのは、そういう事情だったのでしょう。

 

そうしてみると、エピソード8について、スノークの死と、ルークの退場以外、大筋の話が一向に進まない、といって批判されたのも、このへんに理由があったのかもしれません。つまり、エピソード9にレイアと息子カイロ・レンに絡む重要シーンをすべて回そう、という判断が働いた結果なのかな、と感じています。レイアが急にフォースをかなり使いこなせるような人物になっている点に違和感がある、という声もありました。これも、本作で描かれますが、前の戦役から後、レイアがルークから本格的な指導を受け、フォースに開眼していたという設定を知れば、なるほどと思われるところです。

 

【ストーリー】前作で最高指導者スノーク(アンディ・サーキス)を倒し、ファースト・オーダーの支配者となったカイロ・レン(アダム・ドライバー)ですが、スノークは単なる操り人形で、背後に黒幕がいた、という事実を知ります。祖父ダース・ベイダーの基地があったムスタファーで、フォースの暗黒面を信奉するシスの本拠地エクセゴルに到達するための道標となるウェイファインダーを手に入れたレンは、その地に赴いて、復活した皇帝パルパティーン(イアン・マクダーミド)と出会います。ファースト・オーダーの存在もスノークも、皇帝にとって単なる足がかりに過ぎなかった、という事実にレンはショックを受けます。さらに皇帝は、間もなく無敵艦隊ファイナル・オーダーを整備する最終局面にあると言い、レンが次代の皇帝になる手助けをしよう、と言います。しかしその条件として、レイ(デイジー・リドリー)を捜し出し、殺せと命じます。いぶかるレンに、皇帝は真相を告げます。「あれは、ただの小娘ではないのだ…」

 

その頃、ポー(オスカー・アイザック)とフィン(ジョン・ボイエガ)、チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)たちは、シンタの炭鉱で協力者のブーリオに接触し、ファースト・オーダー軍の中にいるスパイからもたらされた最新情報を入手します。エイジャン・クロスでレイア・オーガナ将軍(キャリー・フィッシャー)の指導を受け、ジェダイの修業を積んでいたレイは、その情報に接して驚きます。皇帝が復活し、わずか16時間後には最後の決戦を挑んでくる、というのです。

 

レイを加えた一行は、かつてルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)がエクセゴルの所在地を探索するための旅を続けた結果、手がかりを失った終着点の星、パサーナに向かい、ランド・カルリジアン(ビリー・ディー・ウィリアムズ)と出会います。彼はかつて、ルークと共に探索をし、シスの暗殺者オチという人物の足取りを追っていた、と言います。オチの宇宙船は今でもパサーナの砂漠にある、と教えられた一行はそこに向かいます。そこに現れたのはカイロ・レンでした。敵の捕虜となったチューバッカが乗せられた輸送船を巡り、レンとレイはフォースを出しあい、目に見えない綱引きをしますが、レイの手から放たれた雷光が輸送船を破壊してしまいます。自分でも制御できない強大な力に、レイ本人は元より、周囲にいた人たちも呆然としてしまいます。

 

自分がチューバッカを死に追いやったのだ、と落ち込むレイをなだめ、ポーとフィンは探索を続けようとします。オチの宇宙船にあった古い短剣に謎を解くカギがあったのですが、短剣はレンが持ち去ってしまいました。短剣を見てデータを読み取ったC3-PO(アンソニー・ダニエルズ)の記憶だけが頼みの綱。しかし彼は、旧共和国の定めた規則による縛りがかかり、シスの言語を翻訳することが出来ません。

 

ポーはキジミに行き、C3のデータを取り出すことのできるドロイド修理屋バブーに会うことにします。すでに帝国軍の兵士でいっぱいのキジミで、かつてポーといい仲だったスパイスの密輸屋ゾーリ・ブリス(ケリー・ラッセル)の協力を得た一行は、バブーの店にたどり着きます。データを得るために、今までのメモリーをすべて消去することになったC3はためらいますが、犠牲を払うことを決意します。こうして得られたデータは、エンドア星系のケフ・バーにある第2デス・スターの残骸の位置を示していました。

 

ケフ・バーで、ファースト・オーダーからの脱走兵ジャナ(ナオミ・アッキー)たちの支援を受けて、デス・スターの廃墟に到達したレイは、皇帝の玉座の間でもう一つのウェイファインダーを見つけます。しかしここで、またもやカイロ・レンが姿を現したのです。一騎打ちのさなか、レンはレイが何者であるかについて、皇帝から聞いた真相を告げます。それは、レイにとって衝撃的なものでした。そしてレンは、一緒に皇帝を倒し、2人で手を携えてシスの玉座に上ろう、と提案するのです。レイが恐れているものは、結局、自分自身の正体でした。シスの女帝となる。それは彼女自身も見たことがある恐怖のビジョンだったのです…。【ストーリーここまで】

 

ということで、ここから後は物語の終幕を飾るにふさわしい、劇的な展開となっていきます。もはや泣いても笑ってもこれでおしまい、という最終盤。感動的な幕切れに向かってお話は一直線に加速していきます。なるほど、そういうことだったのか、と思わされること請け合いです。

 

最後に、レイはタトゥイーンで現地の人に名前を尋ねられて答えるのですが…。今まで、親に見捨てられて姓のない孤児として育ったレイにとっても、自分自身を知る旅が終わりを迎えたのですね。彼女はためらいなく、ある答えをします。この力強くも静謐なエンディングが美しいと感じました。

 

リアルタイムで一作目(エピソード4)からシリーズを体験してきた世代の私としましても、感動の幕切れだった、と思います。こうして一つの映画史に残るシリーズが40年以上の歳月をかけて終幕した、という感無量の思いも合わさり、本当に見てよかった、と思いました。

 

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