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2019年4月27日 (土)

【映画評 感想】アベンジャーズ:エンドゲーム

Photo_33 「アベンジャーズ/エンドゲーム」Avengers: Endgameを見ました。まさに10年以上にわたり、22作の映画で語り継いできた大河シリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバースの完結編です。平成最後のアベンジャーズ、といううたい文句はなかなか粋です。

今回の作品は、アクション映画というより、タイムトラベル映画という色が濃いもので、作風もどこか物悲しく、哲学的な要素が強い異色の作品となりました。壮絶な死闘は前作「インフィニティ・ウォー」までで充分に描き切った上で、今作は総決算、総集編的な意味合いが強い一作と言えるでしょう。

前作のラストシーンで描かれたように、サノス(ジョシュ・ブローリン)が六つのインフィニティストーンを使って「全宇宙の生命の半分を消滅」させたことから、トニー(ロバート・ダウニーjr)、スティーブ(クリス・エヴァンス)、ハルク(マーク・ラファロ)、ソー(クリス・ヘムズワース)、ナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)、ウォーマシン(ドン・チードル)、ネビュラ(カレン・ギラン)、ロケット(ブラッドリー・クーパー)、キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)以外の主要キャラは、皆、姿を消してしまっています。また、アントマン(ポール・ラッド)とホークアイ(ジェレミー・レナー)は最終決戦に加わらず、行方が分かりません。

しかしながら、本作のキャストには、ブラックパンサー(チャドウィック・ボーズマン)やワンダ(エリザベス・オルセン)、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)、スパイダーマン(トム・ホランド)、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)、マリア(コビー・スマルダース)、バッキー(セバスチャン・スタン)、ワスプ(エヴァンジェリン・リリー)、ハンク・ピム(マイケル・ダグラス)、ジャネット(ミシェル・ファイファー)、グルート(ヴィン・ディーゼル)らの名があり、これらの「サノスに消された人々」も何らかの形で再登場することは公開前から分かっています。

それだけでなく、これまでのシリーズで活躍して、すでに死亡などの理由で退場したと思われる人物、つまりソーの弟ロキ(トム・ヒドルストン)、ソーの母親フリッカ(レネ・ルッソ)、ソーの元恋人ジェーン(ナタリー・ポートマン)、アイアンマンことトニー・スタークの父ハワード・スターク(ジョン・スラッテリー)、ドクター・ストレンジの師匠エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)、シールド評議会の理事ピアース(ロバート・レッドフォード)、サノスの養女ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、さらにキャプテン・アメリカことスティーブと悲劇的な生き別れとなった元シールド長官ペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)などが、続々と登場します。

本作は、かつての時代にタイムトラベルする描写が多く、こういったかつての人物、かつてのシーンが次々に再現されることになります。ずっとこのシリーズを見てきた人には、それだけで感慨深く、それらの人々が、その後、どういう運命をたどるのか分かっているだけに、心を揺さぶられます。

日本人にとっては意外なキャストとして、暴力団の組長の役で真田広之が出演しています。ちょっと「日本」を描いているシーンとしては、疑問を感じるところも多々ありますが、そもそもこの作品に日本とか東京とかいう設定が出てくるだけで嬉しいともいえます。

また、シリーズにずっとカメオ出演を続けていたマーベル・コミックの総帥スタン・リー氏も元気な姿を見せています。昨年11月に95歳で亡くなったリー氏にとって、これが最後の出演になるそうです。

名優ロバート・レッドフォードも本作への出演後に引退しましたので、これが最後の映画となります。

全体的には、多くの人の死を前提とした物語で、暗いトーンの作品と言っていいですが、いろいろとコミカルなシーンが用意されており、たとえば不摂生のために太ってしまったソーとか、ものすごく知的になったハルクとか、子供に戻ってしまったアントマンとか、抱腹絶倒ものの描写が随所に盛り込まれています。

前作の衝撃的な結末を受けて、一体、どう話を決着させるのだろうか、というのが最大の関心事だったわけですが、ラストシーンまで見て「こう来るのか」と唸らせられること必至です。劇場では、感涙するお客さんが多数、いらっしゃいました。

 

Photo_34 国連のソコヴィア協定に基づき、アベンジャーズ・チームとは距離を置いて、家族との平穏な暮らしを送っていたホークアイ。しかし、彼の妻や子供は皆、サノスの「生命半減計画」の犠牲となって消滅してしまい、半狂乱となった彼は姿を消してしまいます。

前作での死闘の結果、宇宙空間に取り残されて漂流していたトニーとネビュラは、ニック・フューリーが最期に送ったSOSにより、新たに加わった新戦力のキャプテン・マーベルに救出され、無事に地球に帰還。ネビュラの情報を得て、サノスが隠棲している惑星を発見したアベンジャーズは、奇襲をかけて彼を捕獲することに成功します。しかし、サノスはストーンを処分してしまっており、もはや起きたことを元に戻せないことが分かります。絶望したソーはサノスの首を斬り、とどめを刺します。

それから5年。心に傷を負った人々は立ち直ることができず、暗い日々を送っています。そんな中、姿を消していたはずのアントマンことスコットが現れ、スティーブとナターシャを驚かせます。スコットは、自分が量子の世界から戻って来られたという事実から、タイムトラベルの可能性を示唆します。過去に戻ることが可能ならば、サノスが計画を発動する以前の時点に戻って、全てをやり直すことができるかもしれません。

アベンジャーズ・チームが再召集され、酒浸りになっていたソーや、ペッパー(グヴィネス・パルトロー)との間に子供が生まれて、新たな試みに消極的になっているトニーも、計画に加わることになります。あの日以来、殺し屋となってすさんだ生活をしていたホークアイも参加し、チームは三つに分かれて、過去のある時点に飛び、六つのストーンをサノスの手に落ちる前に手に入れようとします。

それぞれの時代で、懐かしい人々と再会するヒーローたち。多くの困難が待ち受けており、容易ではない道のりながら、徐々にストーンが集まってきます。しかし、過去に戻って行動しているネビュラから情報を読み取ったサノスは、未来の自分が計画を達成したこと、そしてアベンジャーズが過去にさかのぼって、それを打ち消そうとしている事実を察知してしまいます…。

 

複雑な作品世界と時間軸を、見事にさばいて脚本化している手際には本当に感心します。3時間の長尺ですが、一つの無駄もなくストーリーは、この作品の終着点、そして10余年間、22作品の壮大な起伏のゴールを目指していきます。

こういう大河シリーズの総決算を目撃できる今、劇場の大画面で見るに値する作品ですね。私は、公開初日にこれを体験出来て、本当によかったと思っています。

Photo_35 なお、26日公開記念として、先着来場者特典の人形が配布されていました。起き上がり小法師となっており、全6種類あるようですが、私たち夫婦は2人とも「ホークアイ」人形でした。

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