« 【映画評 感想】ふたりの女王メアリーとエリザベス | トップページ | 辻元よしふみ、玲子の宣伝です。 »

2019年3月17日 (日)

【映画評 感想】キャプテン・マーベル

Photo_3


映画「キャプテン・マーベル」
CAPTAIN MARVELを見ました。マーベル・コミックを原作とする、マーベル・シネマティック・ユニバースもついに21作目にして、女性スーパーヒーロー(こういう場合はヒロインとは呼ばないようですね)の単独作品が登場しました。そして、この作品から直接、流れを受けて、来月公開の「アベンジャーズ/エンドゲーム」の内容に関わっていくことになっています。

前の「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のエンディングで、強敵サノスの行った「宇宙の全生命の半分を抹殺する」という計画が発動しました。ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は自らが消滅してしまう直前、誰かに向かって信号を発していました。その相手というのが、このキャプテン・マーベルだったわけです。

それで、キャプテン・マーベルが以前にフューリーと出会ったのが、1995年のことだといいます。今となっては四半世紀も前ですね。そこで、今回の映画では、1990年代の若いフューリーを、当時のジャクソンの出演映画を基にCGで再現し、若返らせています。さらにこのシリーズの長年のファンには嬉しい話ですが、初期のアイアン・マンやマイティ・ソー、アベンジャーズで活躍したものの、殉職してしまったフューリーの部下、コールソン捜査官(クラーク・グレッグ)も若き日の姿で登場します。

そして、ニック・フューリーはなぜ眼帯をしているのか、という理由や、フューリーがヒーロー軍団の創設を企画した時に、なぜ「アベンジャーズ」と名付けたのか、といった重大なお話も語られます。つまり、シリーズのファンとしては必見の一作、ということで、またまたうまい仕掛け方だな、と感心してしまいますね。

なお、亡くなったマーベルの総帥スタン・リー氏も、本作に元気に登場しており、おなじみのカメオ出演を果たしていますのでお見逃しなく。

 

地球時間で1995年のこと。宇宙空間ではクリー帝国とスクラル帝国という二大勢力が死闘を繰り広げていました。クリーのエリート特殊部隊スターフォースに属する新人隊員ヴァース(ブリー・ラーソン)は指揮官ヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)の薫陶を受けながら、出撃の日に備えていました。しかしロッグも、またクリーの全システムを統治し、個人を支配する超コンピューター「スプリーム・インテリジェンス」も、ヴァースについて、能力は高いのだが、精神が不安定ですぐに感情的になるのが弱点で、不完全な戦士と見なしています。ヴァースはなぜか6年より前の記憶を失っており、しばしば、今の自分とは無関係の別人の記憶を想起してしまうことに悩んでいます。

ある日の戦いでスクラル軍の罠にはまったヴァースは捕虜となり、スクラルの将軍タロス(ベン・メンデルスゾーン)に脳内の記憶を覗かれます。ところが、そこで彼女は、自分がこの世界でC-53惑星と呼ばれる、文明の遅れた星での記憶を思い出します。

スクラルの宇宙船を脱出したヴァースは、ある惑星に墜落します。ビデオ・レンタル店の屋根を突き破って目覚めた彼女は、すぐにそこが問題のC-53、つまり地球であることに気付きます。

ヴァースを追って、タロスの率いるスクラル人の部隊が地球に潜入してきます。彼らはどんな姿にも自由に見た目を変えられる特技を持っており、発見は困難を極めます。ふとしたことからヴァースと出会った国際平和維持組織シールドSHIELDの中堅捜査官フューリー(ジャクソン)は、ヴァースがこの地球で「本来の自分」探しを望んでいることを理解し、協力することになります。

タロスの尋問を受けた際に、ヴァースは自分の記憶から手掛かりを得ていました。地球のアメリカ空軍で進んでいたペガサス計画の一環として、ローソン博士(アネット・ベニング)が開発していたある技術が、スクラル人にとって興味のあるものらしいこと。そして、かつては自分もこの計画に関わる空軍のパイロットで、当時の同僚のマリア(ラッシャーナ・リンチ)に会えば、かつての自分が分かるかもしれない、ということでした。

スクラル人との攻防を重ねた末、空軍のペガサス計画の資料庫で、ヴァースはローソン博士が、実はクリー人の諜報部員マー・ベルだったことを知ります。

さらに、ついに再会したマリアから、ヴァースは自分の本名を聞かされます。キャロル・ダンヴァース空軍大尉。自分はもともと生粋の地球人であるという事実を知ったそのとき、タロスの部隊が襲ってきます…。

 

ということで、予備知識がないと、冒頭の宇宙戦争の部分が分かりにくいかもしれませんが、ここで登場する人物のうち、クリー軍爆撃隊の指揮官ロナン(リー・ペイス)と、ヨン・ロッグの副官コラス(ジャイモン・フンスー)は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で敵キャラとして登場した2人です。彼らはその後、クリーに対する反逆者として身を落とし、ガーディアンたちに倒されるに至ったようですね。

本作で久々に登場する「四次元キューブ」とは、元々、マイティ・ソーの父オーディン王が地球に隠匿していたものを、ナチス・ドイツの一派ヒドラ党のシュミットが悪用しますが、キャプテン・アメリカが奪取して冬眠状態に。その後、クリー人であるローソン博士が回収して研究していた、ということのようですね。さらにこの後、SHIELDが武器に使用しようとした後、同組織の解体を経て、アスガルドに戻り、ソーの弟、ロキが所有していたものの、前作ではサノスに強奪されてしまった、ということになります。

それにしても、アカデミー賞女優のブリー・ラーソンを始めとして、ジャクソンに、ジュード・ロウに、と豪華絢爛たる配役。もはやCGがどうの、映像が素晴らしいのというのは当たり前のことで、むしろ、こういう役者としてはいろいろ制約の多そうな物語を、果敢にアクションにも挑戦して、大物たちが演じきっている、というドラマの部分こそが際立って見えるように感じます。この「アベンジャーズ」を核とした大河シリーズが、延々と20作以上、続いており、成功を重ねている理由も、この手のジャンルを、お子様向けのコミック作品、というものから、予算と豪華キャストを惜しげもなく投入した重厚な映画作品として昇華しているからだ、というのがよく感じられる一作です。

なんといっても、まだ苦労知らずで、異星人の存在すら認識していない(そして、左目が健在な)無邪気で動物好きな捜査官ニック・フューリーのコミカルな演技が見ものです。ここで描かれるキャロルとニックのどこか間抜けたコンビは、シリーズの中でも白眉のひとつで、今後、この時代の2人でスピンオフを作ってもらいたいような気もします。

キャプテン「大尉」という軍の将校の称号を正式に持ち、宇宙戦士として実力的にも圧倒的に他のヒーローより強いと思われるキャプテン・マーベル。それは、これまで「アベンジャーズ」を統率してきたキャプテン・アメリカのように、指揮官の器であることを意味するのかもしれません。キャプテン・アメリカやアイアン・マン、ソー、ハルクが中心となってきた、これまでのシリーズは、次作で一応のリセットを迎えるとされており、今後は彼女が第二期の中心人物として、舵取りを任される可能性もあちこちで示唆されます。

シリーズのファンなら、ここは絶対に、見逃せない作品と言えそうです。

|

« 【映画評 感想】ふたりの女王メアリーとエリザベス | トップページ | 辻元よしふみ、玲子の宣伝です。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【映画評 感想】キャプテン・マーベル:

« 【映画評 感想】ふたりの女王メアリーとエリザベス | トップページ | 辻元よしふみ、玲子の宣伝です。 »