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2018年12月31日 (月)

2018年、平成最後の大晦日にあたりまして。

 2018年、平成30年もいよいよ最後の一日。平成最後の大晦日になりました。日頃、西暦を使う人も、昨今は「平成」という年号を意識されるのではないか、と存じます。

 その平成と共に、各界で勇退する人、方向転換する人の話題を多く聞きました。また、亡くなった方も多かったように感じます。

 ご近所で言いますと、半世紀にわたって親しまれてきた「浦安魚市場」が来年3月に閉場となり、まさに平成と共に去っていくことになりました。

 平成元年に社会に出た私も30年が経過したわけで、感慨深いものがございます。

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 私どもとしましては、今年はなんといっても、あしかけ6年がかりで防衛省陸上幕僚監部からのご依頼により関わってまいりました、陸上自衛隊の制服「16式常装」の改正が実施された、というのが大きな出来事でした。実際に改正されたのは今年の3月なのに、なぜ「16式」なのか、と思われる方もいるでしょうが、最終案が正式決定したのが2016年だったから、こういう制式名となっております。

 3月には、山崎幸二 陸上幕僚長より「陸上幕僚長感謝状」が、よしふみと玲子に別個に授与されました。まことにありがたいことでございました。

 810月には陸上自衛隊幹部親睦会の会誌「修親」に、「軍装の歴史から見た陸自新常装」という解説記事も連載させていただきました。関係の皆様に厚く御礼申し上げます。

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 その他にも、NHK Eテレの「美の壺 選」に出演させていただいたのを始め、テレビ局様や新聞社様から、いろいろとご依頼、取材の申し込みをいただきました。こちらもまことにありがたいことで、ミリタリー関連ばかりでなく、芸能人の服装や、DA PUMPさんの話題、ファッションモデルの世界の話、サッカーや野球のユニフォーム、W杯での選手の仕草の話題など、本当に幅広い分野でご質問をいただきました。

 

 来年も一層、幅広くいろいろな事に挑戦できれば、と思っております。ますますのご指導ご鞭撻、お引き立てを賜りたいと存じております。何卒宜しくお願い申し上げます。

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 ここに掲げている写真は、ダイエーで実施中の「シールを集めてホワイト テディベアをお得に特別販売価格で手に入れよう!」キャンペーンで手に入れた白いテディベアです。買い物をすると、1000円で一枚シールが貰え、そのシールを専用の台紙に貼って、集めたシールの枚数ごとに、びっくりするほど安くぬいぐるみが買える、という人気企画です。114日までですので、欲しい人はお早めに。

数年前に茶色いベアが買えるという企画があり、「ああ、これでダイエーのこういう商戦も終わりだろうな」と思ったものですが、その後、奇跡的な復活というか、ダイエーの屋号は消滅することなく、逆にイオンからダイエーにブランド転換したお店まであり、驚いたものです。ダイエーの名は、平成と共には去らなかったわけですね。

 

では皆さま、本年も誠に有難うございました。どうぞよいお年をお迎えください。

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2018年12月24日 (月)

パン工房「シエル」(千葉県浦安市)が開店!

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  ご近所に「パン工房
 シエル」さん http://pankoubou-ciel.main.jp/ がオープン! きょうのクリスマスイブから27日までプレオープン中で、来年早々に正式開店します。さっそく通行中の人々がパンを買い求め、焼きあがる横から売れていました! Photo_2


  私たちも
3種類だけ、何とか買えましたが、焼き立ては非常に美味でした!

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2018年12月23日 (日)

服飾史・軍装史家 辻元よしふみ、辻元玲子の宣伝です!

今まで私どもの仕事の内容につきまして、クライアント様からご質問の多かった事柄を基に、下記の要領をまとめました。

 年末に当たりまして、改めて辻元よしふみ、玲子の宣伝を掲載させてください。これからも月に1回ほど、宣伝させていただきますが、ご了承くださいませ。以下宣伝文です。

 

私どもは 軍装史・服飾史研究家 辻元よしふみ

 

      歴史復元画家・イラストレーター 辻元玲子 でございます。

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服飾史全般の研究者として、主に英語でユニフォーモロジーUniformology「制服学・軍装史学」と呼ばれる領域を扱っております。

①古今東西の人類の服装、服飾の歴史を古代シュメールや古代ローマから、中世、近世、近代、さらに現代に至るまで追求しております。特に西洋の男性服飾・紳士服の発展史を得意としているほか、女性の服飾、および日本を始め世界中の服飾もテーマとしております。

②特に軍装、軍服の歴史については、古代シュメール軍から古代ギリシャ~ローマ軍、中世の騎士、ルイ14世やナポレオンの率いた華麗な軍隊、南北戦争や第一次、第二次大戦期、日本では武家の甲冑の時代から明治期~太平洋戦争に至る旧陸海軍、さらに最新の米軍や自衛隊の制服・迷彩戦闘服に至るまで5000年にわたる長大な歴史の変遷を通史として捉え、研究対象としております。これに付随して、ネクタイや勲章、階級章といったデコレーションの歴史も研究しております。

③上記の研究で得た知見を基に、現在では実在していない古代や中世の服装や武具を精密に再現した歴史考証復元画の製作を行っております。

④上記の研究で得た知見を基に、大学や研究機関、防衛省などの関連教育機関での講演や教育活動、出版活動、公的な有識者会議や審査会議への参加、ファッション・デザインのアドバイスやデザイン画の提供、衣装の歴史考証、テレビ番組の情報監修や出演、新聞・雑誌等への寄稿やコメント提供――などを実施しております。

 

主な実績・著書、所属学会、団体はウィキペディアの「辻元よしふみ」「辻元玲子」の項目をご覧くださいませ。テレビではNHK「美の壺」など、紙媒体では「朝日新聞」様、「日刊ゲンダイ」様など、また制服関係では「防衛省・陸上自衛隊」様など、多数ございます。

 

連絡先は 辻元よしふみ tujimoto-yosifuminifty.com

       辻元玲子   reiko-tujimotombg.nifty.com

      いずれも★を@に置き換えてください。

 メールの件名には分かりやすく、御社名、番組名などを明記してくださいませ。

まずはお気軽にご相談ください。

 

※テレビ局関係の皆様へ

●簡単なご質問で即答できるものは無料で構いませんが、時間のかかる情報監修につきましては、監修料を頂いております。料金は応相談、とさせてくださいませ。また、番組放映予定日を事前にお教えいただけますと幸いです。

 

●番組に出演する場合の出演料につきましては、ご相談くださいませ。

 

※新聞・雑誌関係の皆様へ:

●取材、コメント、寄稿などにつきましては、御社の規定に従い掲載時にはコメント料、原稿料を申し受けますので、ご相談くださいませ。また、事前に発売予定日をお知らせいただけましたら幸いです。

 

※イラストの製作、再利用につきまして:

●テレビ、新聞、雑誌などの媒体に関わらず、製作のご依頼につきましては、製作料は応相談で承りますので、まずはご相談くださいませ。

●すでに当方の書籍などで使用したイラストの二次使用料につきましては、こちらもご相談くださいませ。

●辻元玲子はイラスト製作にコンピューター、CGは使いません。カラー画、白黒画、ともにすべて手描きの水彩画です。そこで御利用にあたりましては、作品をスキャンしていただくことになりますので、あらかじめご了承くださいませ。家庭用レベルのスキャンは当方でも可能ですが、書籍など、印刷物に用いる場合は、御社で高性能の業務用スキャナーをご用意いただけますと幸甚です。

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2018年12月19日 (水)

今年も、洋ランが咲きました!

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 洋蘭(らん)は管理が難しい、とよく言われますが、今年もうちの玲子さんが世話している我が家の洋蘭は、綺麗に咲いてくれました。Photo_2

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通行中の人が「見事に咲いていますね」としばしば感心して声をかけてくださいます。Photo_4

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2018年12月18日 (火)

『考証要集2』(大森洋平著、文春文庫)刊行されました!

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NHKの時代考証ディレクターで、私どもとも親交がある大森洋平氏の新刊『考証要集2 蔵出し NHK時代考証資料』(文春文庫)が発売されました。大河ドラマや朝ドラの時代考証はとにかく大変なはず。たくさんの人が見ているので、ちょっとした間違いでも大騒ぎになりかねません。

 戦国時代や江戸時代についての時代考証なら、一般の人でも想像がつきますね。

 たとえば「サボる」という表現。なんとなく昔からありそうな言葉ですが、

 「サボタージュする、の略語だから、時代劇・明治劇の台詞では絶対不可。明治末~大正初めの学生語らしい。以前、ある戦国大河の考証会議で「稽古をさぼってはならぬ」という台詞の間違いに(中略)誰も気が付かず、危うく見逃して大惨事になるところだった」(122ページ)といった具合です。

「赤字」などという言葉も「これは近代語なので、江戸時代の商家のシーンで「今月も赤字だ」等と使ってはいけない」(35ページ)と指摘されると、なるほどと思います。

こんな調子で、戦前や戦時中の軍隊の用語や、作法、服装などの考証が重要なのも、当然なことと理解されます。ところが、最近では、昭和の末ごろの風俗でも分からない人がテレビの現場でも増えてきているそうです。

「昭和四十年代の新宿駅の映像を見ていた若手ディレクターから「大森さん、改札口のところで雑踏に交ってカチカチカチカチという音がずっと聞こえるのですが、一体これなんなんでしょう?」と質問され(中略)もはや改札係の鋏(はさみ)の音が分からない世代が、昭和を扱う番組の担当となる時代になりました」(26ページ)ということで、そうでしょうね。私などは自動改札が普及する前をよく覚えています。関西の方で普及が早く、首都圏では私が大学生ぐらいから人間の改札係がいなくなりました。しかし現在、30代以下の人だと、係員が客から切符を受け取って、ハサミを入れていた時代は知らないでしょう。同様に「最近の昭和ドラマでオフィスのシーンを出すと、うっかりそこで使っている紙をA4にしてしまいがちだが、(中略)A4用紙は八〇年代半ば以降のオフィスOA化によって普及したもので、筆者がNHKに入局した当時でもまだB4、B5が標準だった」(59ページ)などというのも興味深いです。確かに、私の子供のころはB判用紙が普通で、A判が普通になったのは、ワープロが出回った1980年代後半だったと思います。

今現在だと、普通の人でも、1990年代はポケベルの時代で、パソコンやインターネットが本格的に普及したのは2000年ごろから、00年代まではガラケーの時代、2010年代になってスマホの時代、ということを知っていますが、こんなこともあと2030年もすると分からなくなるに違いありません。

という感じで、ドラマの時代考証という枠を超えて、本当に興味深いお話がいっぱいの一冊です。300ページ、本体価格730円。

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2018年12月11日 (火)

日刊ゲンダイ(12月3日号)「ダサかっこいい」にコメントしました。

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  日刊ゲンダイ
123日付けの4ページに、「キーワードの正体 ダサかっこいい ダメでも試す ファッションでは当たり前」という記事が掲載され、わたくし辻元よしふみがコメントを寄せております。ゲンダイ電子版は以下のアドレスです。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/242870

 

 以下、該当部分をご紹介します。

 

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今年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた「ダサかっこいい」は、DA PUMPの「U.S.A.」のヒットがキッカケで流行した。同じように、「かつて一世を風靡したものが時代遅れとなり、ダサいけどそのレトロ感がかえって格好良く見える」という現象はファッションの世界では数年前から起きているのだ。

 

  たとえば、オヤジ世代にはダサい象徴の「上下デニム」「白ソックス」を、今の若者はオシャレとして着こなす。渋谷にたむろする女子中高生のダボッとしたダサジャージーの多くは、父親のお古だ。服飾史研究家の辻元よしふみ氏はこう言う。

 

 「オシャレというのは、正統を知った上でうまく崩して個性を出すのが本質。普通にやればダサいと分かった上で、あえて試みるチャレンジ精神がカッコイイと映るのでしょう。例えば上下デニムの場合、生地や質、ブランドを微妙に変えてメリハリを付けるとか、白いソックスはかつて流行した80年代ごろのプレッピー(アメリカの学生カジュアル)ファッションを意識して全体に古めのコーデを試みるといった具合です」

 

リバイバルは、服飾史的にはしばしば見られるという。

 「例えば中世、ゲルマン人のタイトな服装が主流だった時代に、数世紀前のゆるゆるした古代ローマ人風ファッションが流行したことがあるのですが、これはまさに『ダサかっこいい』の典型ですね」

  ほかにも、ネクタイの元祖であるスカーフ型のタイ「クラバット」は、17世紀に大流行して18世紀末に一度廃れてしまったが、19世紀初めにボー・ブランメルという洒落者がリバイバルヒットさせている。あえて時代遅れなものを持ち出して成功したのだ。

  女性服も同様だという。18世紀に豪華を極めたベルサイユ宮廷風のコルセットファッションは一度廃れたものの、フランス革命からナポレオン戦争の時代が終わったころになるとリバイバル。女性たちは再びコルセットを締めるようになった。

日本史上でも、幕末期に江戸時代初期の髪形が流行したり、江戸中期に平安時代の甲冑が流行したりした。

 

 「つまり『ダサかっこいい』という概念は普遍的なこと。それが今年はDA PUMPの大リバイバルヒットで、ことさら注目されているというのが真相でしょう」

 

  服は捨てずに取っておこう。

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2018年12月 8日 (土)

【映画評 感想】くるみ割り人形と秘密の王国

映画「くるみ割り人形と秘密の王国」The Nutcracker and the Four Realmsを見ました。これはよく知られたドイツの童話、E・T・A・ホフマン作の「くるみ割り人形とねずみの王様」Nußknacker und Mausekönigと、さらにこれを翻案したアレクサンドル・デュマのストーリーを基に書かれたバレエ劇、チャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」Щелкунчикをディズニーが実写映画化した、というものです。20181206232807


とはいえ、ホフマンのオリジナルとも、チャイコフスキーのバレエともかなり設定や展開が相違しており、やはり21世紀の映画、という感じはします。

ホフマンという人は19世紀初めのプロイセン王国の法律家で、ナポレオン戦争で焼け出されるなど、さんざん苦労した後、本業の傍ら、作家、作曲家として活動したわけですが、そもそもは友人の娘マリー・ヒツィヒのために即興で作ったお話が、この「くるみ割り人形」というものだったそうで、発表はナポレオン戦争が終わった年の翌年、1816年。多分に戦争の記憶が反映している内容とも言えます。このホフマン版のヒロインは、友人の娘の名前そのままに「マリー」と名乗っています。

その後、デュマのアレンジを経て、チャイコフスキーが作ったバレエ(1892年初演)では、ヒロインの名は「クララ」と変更されていますが、この名前は、原話のモデルとなった実在のマリー・ヒツィヒのお姉さんの名前だったようです。

そんな経緯を踏まえて、ということでしょう。この映画では、ヒロインの名はクララ、母親の名がマリー、そして、ヒロインの姉としては、ホフマンの原話から登場している「ルイーゼ」の名が踏襲されています。この名の由来は定かではないですが、ホフマンが崇拝していたプロイセン王妃ルイーゼの名にあやかったのかもしれません(ホフマンは実際に、自作のオペラ曲をルイーゼ王妃に献呈しているそうです)。

また、原話ではヒロインの兄として登場しているフリッツは、弟の名前になっています。

ここまでの経緯から言えば、原話はドイツ、その後フランスでアレンジされて、ロシアでバレエ化されたわけですから、英語圏とは本来、かかわりが薄いはず。

しかしながら、この映画では、お話の舞台は19世紀末、ヴィクトリア女王時代のロンドン、ということになっています。科学技術と産業革命が進展しつつある時期、を背景に描きたかったようですね。よって、現実世界の人々は、女性はお尻にバッスルという補正具をつけて、スカートのラインに優雅な曲線美を強調したドレスをまとっています。男性たちはトップハットに燕尾服が定番。ただ、現代のホワイトタイの燕尾服が定着する前、という時代背景を意識しているのでしょう。ヒロインのお父さんは、燕尾服にブラックタイという姿です。これは、ひとつには喪に服している、という設定だからでしょうね。

それから、映画の中でクリスマスツリーもたくさん、登場しますが、この風習を英国に持ち込んだのは、ヴィクトリア女王の夫君で、ドイツ出身のアルバート公。当時の英国人にとっては、新しい習慣だったと思われます。

一方で、名前などは英語風にするでもなく、スタールバウムStahlbaumとかドロッセルマイヤーDrosselmeyerなどとドイツ語のまま。また劇中に登場する不思議の国の宮殿は明らかにクレムリンのようなロシア風です。

兵士たちの服装は19世紀当時のドイツ、英国、ロシアの軽騎兵や擲弾兵の軍服を混ぜた感じ。肋骨(ろっこつ)服にシャコー(筒形帽)ですが、シャコーの形状はドイツやロシアでよく見られた、張り出しの大きいスタイルです。一方で玩具の兵士たちのいでたちは、いかにもドイツの槍騎兵(ウーラン)を思わせるもので、頭にはウーラン専用の四角い頂部を持つチャプカという帽子を被っています。衣装デザインのために厖大な19世紀軍服のリサーチをしたのだろうな、と、私のように日頃から服飾史、軍装史を研究している身からすると、まことに興味深いものがあります。

 

クララ・スタールバウム(クレア・フォイ)は科学好き、発明好きの14歳の少女です。しかし今で言うリケジョのクララは、良妻賢母をよしとした19世紀末のヴィクトリア時代には浮いた存在です。最大の理解者だった母親マリー(アンナ・マデレイ)が亡くなり、スタールバウム家は悲しいクリスマスを迎えていました。クララは母の死を悲しむあまり、表面的には平静を装う父、ベンジャミン(マシュー・マクファデン)ともしっくりいかなくなってしまいます。

ベンジャミンは、マリーの遺言に従って、プレゼントを3人の子どもたちに渡します。長女ルイーゼ(エリ・ボマー)には形見のドレス、弟のフリッツ(トム・スウィート)には兵隊人形と、分かりやすい物が渡されますが、クララには金属製の卵のような形の容器が贈られます。しかし容器を開くには特殊な鍵が必要で、肝心の鍵は同梱されていませんでした。母親からのメモには「この中に、必要なものは全てあります」とあり、クララはなんとしても容器を解錠しなければなりません。

毎年恒例のドロッセルマイヤー邸でのクリスマスパーティーに参加した一家。父からは勝手な行動をとるな、と戒められていましたが、クララはまっすぐに屋敷の主人であり、クララの名付け親、そして母マリーの育ての親でもある発明家ドロッセルマイヤー(モーガン・フリーマン)の元に向かいました。というのも、卵には製作者として彼の名が刻印されていたからです。ドロッセルマイヤーは、自分も鍵は持っていない、とクララに言いますが、その後、彼からクリスマスプレゼントを贈られたクララは、その指示に従って、屋敷の敷地から不思議な森に足を踏み入れます。

そこは現実からかけ離れた異世界で、マリーがクララに遺した鍵がありました。しかし、クララがそれを手に取ろうとすると、ネズミの王(チャールズ・リレイ)が奪ってしまいます。ネズミを追うクララは、途中で「くるみ割り人形」のようないでたちの真っ赤な軍服を着た兵士(ジェイデン・フォーラナイト)と出会います。彼はフィリップ・ホフマン大尉と名乗り、なぜかクララを「王女様」と呼びます。

大尉は、ネズミを追って先に進もうとするクララに、その先は危険な独裁者マザー・ジンジャー(ヘレン・ミレン)が、凶暴なネズミの王とともに統治している「第4の国」で、足を踏み入れることは出来ない、と諫めます。クララは強引に乗り込んで、ネズミの大群や道化の一団に襲撃され、すんでのところで捕まりかけますが、からくも脱出しました。

大尉は美しい宮殿に、クララを案内します。そこは、ホーソン(エウヘニオ・デルベス)が摂政を務める「花の王国」、シヴァー(リチャード・E・グラント)が摂政を務める「雪の王国」、そしてシュガー・プラム(キーラ・ナイトレイ)が摂政を務める「お菓子の王国」と、ジンジャーの第4の国を含めた秘密の王国の中心部でした。この世界を創造したのは母であり、当地では「マリー女王」と呼ばれて神のように畏敬されている事実を、クララは知ったのです…。

 

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  といったわけで、原話ではせいぜい、ネズミの王にスリッパを投げつけるぐらいのヒロインが、この映画では自ら君主として兵隊を率い、ネズミの国との戦争を指揮する、という勇猛果敢さです。クララは肋骨軍服を着て、シャコーを被り、金色のエポレット(正肩章)を肩にきらめかせて出陣しますが、これが実にカッコいい。主演のクレア・フォイ自身、この軍装姿がお気に入りだそうで、「家に持って帰りたい」と思ったとか。フォイは「インターステラー」での演技が大注目された新星で、際立った美貌の持ち主ですが、それがまた
19世紀の女性王族そのものの絢爛豪華な軍服で大活躍する様は、なんとも見事に絵になっており、見惚れてしまいますね。余談ですが、このように女性王族が名誉連隊長として軍服を着る、という習慣は、先述したナポレオン戦争時代のプロイセン王妃ルイーゼが試みたのが、世界初の実例でした。この王妃は、戦争中は指揮官として軍を鼓舞し、戦後もナポレオンとの難しい交渉に力を尽くしたのち、病を得て若くして亡くなり、伝説化されている人物です。

オリジナルの童話やバレエでは、ヒロインと恋に落ちる王子様という役柄のくるみ割り人形。この映画では、彼の立場は王国の一軍人にすぎず、原話やバレエの展開とはかなり違うわけですが、重騎兵か竜騎兵のような派手なヘルメットを被り、どちらかというと軍楽兵のような肩章や房飾りをちりばめた真っ赤な軍服は、彼が本来のタイトルロール(つまり主人公)である、と主張しているようです。演じるフォーラナイトは、今回、大抜擢されたほぼ無名の新人です。

モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイと、そうそうたる大物出演陣が、これらの若い世代をしっかりと支えています。特にナイトレイの役回りは、最後まで見ているとびっくり、というもので、なかなか役作りも難しかったと思うのですが、さすがに上手くこなしています。

チャイコフスキーの美しい楽曲がそのまま、要所に使われており、さらにミスティ・コープランドとセルゲイ・ポルーニンというバレエ界の大スターが舞踏するシーンも盛り込まれています。ポルーニンは近年、「オリエント急行殺人事件」や「レッド・スパロー」などに出演し、映画界でも目覚ましく活躍していますね。

これだけ盛りだくさんなのですが、意外にコンパクトで、上映時間も短め。とにかく豪華な衣装と美術が素晴らしく、映像美として極上といっていい作品です。また大事な家族を失った一家の再生の物語、という側面が心を打ちます。私は個人的に、登場シーンは少なかったものの、ヴィクトリア朝の抑制的な雰囲気の中で、愛妻を失いながら悲しみをぐっとこらえる父親ベンジャミン氏の姿が印象的でした。この役を演じたマクファデンは、「プライドと偏見」でキーラ・ナイトレイの相手役として有名になり、その後もラッセル・クロウ版「ロビン・フッド」でノッチンガムの悪代官、オーランド・ブルームらが出た「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」では三銃士の一人アトス、やはりナイトレイ主演の「アンナ・カレーニナ」でヒロインの兄の貴族オブロンスキー役など、いろいろな役を器用にこなす演技派です。こうして並べて見ると時代劇が得意なようで、本作でもいい仕事をしていると思いました。 

本作は、大ヒット作となった「ボヘミアン・ラプソディ」と公開が重なり、アメリカでの興行的には苦戦した模様。しかも、そもそもはディズニーが製作していた実写版「ムーラン」が延期となってしまい、その本来の公開スケジュールに代わりとして入れられた、という不運な作品ですが、やはりクリスマス映画として今、大画面で見るのにふさわしいと思います。

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2018年12月 1日 (土)

明日の昼「スクール革命!」(日本テレビ系)情報監修しました。

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明日、
122日(日)放送予定の下記番組で情報監修を担当しました。出演ではないのですが、名前はテロップで出るかもしれません。(追記:しっかりと情報提供・辻元よしふみ氏、と何回も出していただきました。日テレ様、ありがとうございました)

★日本テレビ「スクール革命!」

2018122日(日)お昼 11451245

「今と昔で大違い!最初はどうだった?」ゲスト先生:かまいたち

今回は、かまいたち先生と新企画 様々なものの最初の姿を大公開!

まさかの、あの有名人にまつわる最初も? さらに、なぜか山内の不満が爆発!?

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