« 2020東京五輪マスコットを入手。 | トップページ | 辻元出演の「美の壺」9月16日Eテレで再放映します。 »

2018年8月 9日 (木)

【映画評 感想】ミッション : インポッシブル-フォールアウト

Photo_2


  映画「ミッション
:インポッシブル-フォールアウト」Mission : Impossible - Falloutを見ました。テレビシリーズ「スパイ大作戦」を基にしたトム・クルーズ主演の大人気シリーズの6作目になります。ブライアン・デ・パルマが監督した第一作は1996年、ということで、もう20年以上も続いているのですね。「フォールアウト」という言葉は、「予期せぬことが降りかかる」という一般的な意味合いのほかに、「死の灰が降る」という意味もあります。その通り、次々と主人公に降りかかる困難と、核兵器の脅威をテーマにしたのが本作です。

本作は、トムがジャンプして隣のビルに飛び移るシーンで骨折し、撮影が中断。製作が危ぶまれたのが大きな話題となりましたが、まさに「予期せぬ災難」に見舞われながら、完成にこぎつけたわけです。

本作の見どころとして、3作目の「M:i:III」で主人公イーサン・ハント(クルーズ)と結婚したジュリア(ミシェル・モナハン)が再登場します。4作目「ゴースト・プロトコル」で、ハントは敵に妻ジュリアを殺され、任務外の個人的な動機で復讐に走った、としてモスクワの刑務所に収監されている、という設定でした。しかし、ジュリアは実際には死んでいなかった、というわけです。彼女の登場で、ドラマは一挙に重厚さを増していきます。

それから、前作「ローグ・ネイション」で大注目された女スパイ、イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)も引き続き活躍します。

 

前作ローグ・ネイションでIMFImpossible Mission Force=不可能作戦部)は、ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)率いる国際テロ組織「シンジケート」に翻弄されましたが、辛くもレーンを逮捕。シンジケートも壊滅したはずでした。

しかし、ハント(クルーズ)が新たに受け取った指令によれば、シンジケートの残党が「アポストル=神の使徒」と名乗り、テロ活動を再開している、といいます。

東欧の軍事施設から三つのプルトニウム・コアが盗み出され、これがアポストルの手に渡ることを未然に防ぐために、盗み出したマフィア組織と接触したハントとベンジー(サイモン・ペッグ)、ルーサー(ヴィング・レイムス)は、これを買い取ろうとしますが、取引の場に予期せぬ何者かが現れて、襲撃を受け失敗。プルトニウムは奪われてしまいます。

アポストルに協力して核爆弾の製造をしていた反体制科学者デルブルック博士(クリストファー・ヨーネル)から情報を聞き出したハントたちは、アポストルの謎の首領とされる人物「ジョン・ラーク」が、パリで闇社会の仲介人ホワイト・ウィドウからプルトニウムを手に入れようとしていることを知り、IMF長官ハンリー(アレック・ボールドウィン)の指示を受け、現地に乗り込もうとします。しかしそこに、IMFとハントに不信感を抱くライバル組織CIAの長官スローン(アンジェラ・バセット)の横槍が入り、凄腕のCIA工作員ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)が監視役としてハントに同行することになります。

ハントとウォーカーはパリで、ラークらしき男(リャン・ヤン)を襲いますが、相手は格闘の達人で、2人がかりでも大苦戦。そこに現れて「ラーク?」を射殺し、2人を救ったのは、英国情報部MI6の女スパイ、イルサ(ファーガソン)でした。

ハントはラークに成りすましてホワイト・ウィドウことアラーナ(ヴァネッサ・カービー)に接触。アラーナはプルトニウムを引き渡す見返りとして、別の依頼主から注文を受けている仕事、フランス警察が護送中のソロモン・レーンを奪取する作戦に協力する、という条件を提示します。警察を相手にする犯罪に加担することにハントは躊躇したものの、この条件を呑み、アラーナから手付けとしてプルトニウム1個を受け取ります。

しかし、ハントと共同作戦をとるウォーカーは、ハントこそが本当に犯罪組織のボス、ジョン・ラークなのではないかと疑い、上司のスローン長官に、死んだ「ラーク?」から手に入れた情報を渡します。

作戦決行の日、ハントたちはフランス警察の護送車からソロモン・レーンを連れ出すことに成功しますが、そこをバイクに乗って襲ってきたのはイルサでした。彼女はMI6からレーンを暗殺するよう命令を受けていたのです。

激しいカーチェイスの末、その攻撃もかわしたハントは、ロンドンでアラーナにレーンを引き渡そうとします。ところが、そこに現れたハンリー長官は、CIAに渡った情報に基づき、IMFは本件から手を引き、作戦を中止する、と告げます。窮地に立ったハントたちですが、その後、事態は急展開。

結局、プルトニウムはアポストルの手に渡り、世界は核攻撃の危機に見舞われます。身分を偽って密かに生きていたハントの妻、ジュリアも巻き込み、お話はクライマックスに向かいます…。

 

今回、4人の女性が活躍しますが、非常に魅力的に描かれていますね。なんといってもレベッカ・ファーガソンとミシェル・モナハンが人間ドラマの部分まで見せるいい演技をしています。それに加えて、女だてらに闇商売を仕切るホワイト・ウィドウ役のヴァネッサ・カービーという人が素敵です。元々、舞台で活躍し、近年、急速に注目されている若手女優さんだそうで、つい数年前には「ジュピター」でほんの脇役を演じていましたが、その後にテレビや映画で台頭し、期待の人です。それから、非情なCIA長官役のアンジェラ・バセットも存在感たっぷりです。1993年の「TINA ティナ」のティナ・ターナー役でアカデミー賞にノミネートされて一躍、有名になったベテランで、近年では「ブラックパンサー」でも重要な役どころをやっていました。この人も、次回作でも出てくるかもしれません。

トム・クルーズは可能な限りスタントマンを使わない、というのは有名な話で、56歳になった今回も、激しいカーチェイスにアクション、さらにヘリの操縦免許を取得してスカイ・アクションまでこなしています。本作では、街中を疾走してビルからビルに飛び移るシーンで負傷し、医師から全治9か月、と宣告されて、一時は製作が危ぶまれたわけですが、不屈の精神で、なんと6週間後には撮影を再開した、といいます。そういうことを知っているので、映画なのに、生中継を見ているかのように、ハラハラしてしまいます。激しいアクションに付き合うことになったヘンリー・カヴィルも「何度も死ぬかと思うほど危険な目にあった」と言っているようです。スーパーマン役で知られる彼も、本物の超人トムを前にして、圧倒されたようですね。

今作は、妻ジュリアや、ハントが気になっている女性イルサの再登場もあって、これまで超人的なヒーローとして活躍してきたイーサン・ハントなる人物がいかなる人間なのか、そういう内面の人物描写に深みが出ており、単なるアクションだけの娯楽作品ではなく、最後まで見どころが満載でした。このあたり、さすがにアカデミー脚本賞を受けた経歴のあるクリストファー・マッカリー監督の手腕は確かなものです。そもそもトム・クルーズとは「ワルキューレ」の脚本家として知り合い、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」で脚本を担当しているときに、本シリーズへの参加をトム本人から打診された、と言います。

しかし、話が二転三転する盛りだくさんの複雑なストーリーを、2時間半に収めるのには、かなり苦労した感じも受けます。そんなにアップテンポではないのですが、見ていて、ちょっと説明不足というか、ストーリー展開的に分かりにくい印象も私個人は受けました。

そういえば、4作目、5作目で重要な役どころだったブラント(ジェレミー・レナー)は出演していません。本作では全く言及がないので、きっとほかの仕事をしているのか、異動したのか、ひょっとしたら転職したのか…。もっとも、一作目からずっと出ているルーサー、三作目から続投しているベンジー以外は、どの人物も入れ替わっています。そういう意味で、すでに卒業したと思われていたジュリアの復活は、かなり異例だったと思われますね。

きっと、このシリーズは次もある、と思うのですが、本作は、ここまでのストーリーの集大成的な内容でした。今後はますます新展開が期待できそうですね。

|

« 2020東京五輪マスコットを入手。 | トップページ | 辻元出演の「美の壺」9月16日Eテレで再放映します。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122224/67037567

この記事へのトラックバック一覧です: 【映画評 感想】ミッション : インポッシブル-フォールアウト:

« 2020東京五輪マスコットを入手。 | トップページ | 辻元出演の「美の壺」9月16日Eテレで再放映します。 »