« 【映画評 感想】ジュラシック・ワールド/炎の王国 | トップページ | 清澄白河に行きました「完熟屋、チーズのこえ、コトリパン、エアーズバーガー」 »

2018年7月15日 (日)

【映画評 感想】ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

Photo


映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」
Solo : A Star Wars Storyを見ました。言わずと知れた「スター・ウォーズ」シリーズの中核、エピソード5~6で事実上の主人公を務めたハン・ソロの若き日を描く作品です。

本来の主人公ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが顔面を負傷して登場シーンが減ったこともあり、大きくクローズアップされて人気者になったという大胆不敵な宇宙のアウトロー、ハン・ソロ。全体的に日本の時代劇や、往年の戦争映画の影響が強い同シリーズの中で、西部劇的な要素を担っている人物です。演じたハリソン・フォードは当時、ジョージ・ルーカスの初のヒット映画「アメリカン・グラフィティ」(1973年)で脇役を務めた以外、ほぼ無名の役者でしたが、このハン・ソロ役を契機に大スターに成長しました。当初、ジョージ・ルーカスがハン・ソロ役に考えた候補の中には、アル・パチーノ、ジャック・ニコルソン、シルベスター・スタローン、さらにバート・レイノルズまでいたそうです。

それで、すでに語りつくされていると思いますが、本作で主演のオールデン・エアエンライクが、これからわずか10年かそこらの後で、あのふてぶてしく、男くさいハリソン・フォードに成長するものか、というのが大きな疑問を持たれたわけです。正直に言って、私も本作を見て、エアエンライクがやがて、ハリソンになりそうには全く感じませんでした(笑)。

しかし、決して物真似ではないけれど、ハリソンのハン・ソロを想起させるような言い回しやしぐさはしっかりやっているようで、ことに独特の腰を落とした無造作な銃の撃ち方などは、なかなか堂に入っています。実際にハリソン本人が、ハン・ソロを演じるための秘訣をいくつかエアエンライクに伝授したそうですね。

 本作は非常に製作が難航し、監督も出演者も途中で入れ替わりました。ロン・ハワード監督(この人も、アメリカン・グラフィティに主演俳優の一人として出演していましたね。ちなみに、お嬢さんが「ジュラシック・ワールド」シリーズのヒロイン、ブライス・ダラス・ハワード)になってから、全く新規の撮り直しに近い改造がなされて、今の形に落ち着いたといいます。その難行苦行から考えて、意外にといってはなんですが、作品はしっかりまとまっており、一本の作品としてみると、完成度は高いと感じます。監督がいかに苦心したか、と思います。

ただ、公開時期のずれ込みもあって、エピソード8からたった半年後の公開、となったのは、ちょっと不運だったと言えます。「ついこの間、新作を見たばかりなのに、またスター・ウォーズ?」という印象になってしまったのは、間違いありません。

 結局、「あのハン・ソロ」と思うかどうか、でしょうね。先入観を持たずに見れば、大変よくできた作品だと思います。

一言でいえばSF調の西部劇、でして、スラムで育った若者が、師匠の下で修業し、理不尽な悪党集団のボスと対立していく…といった成長物語は、典型的なガンマンもののストーリーです。

 本作では、なぜ「ハン・ソロ」という名前なのか、どういう経歴でパイロットとなったのか、いつチューバッカと出会ったのか、ランド・カルリジアンがオーナーだった高速宇宙船ミレニアム・ファルコン号をどうやって手に入れたのか、そして、エピドード4でハリソンのハン・ソロがオビワン・ケノービ(アレック・ギネス)に語っていた「ケッセル・ランを12パーセクで飛んだんだぜ」という自慢話の真相について…つまり、シリーズのファンにとっては非常に重大な情報が数々、盛り込まれています。その意味で、やはりファンは必見、という一作だと思います。

 

 共和政が崩壊、ジェダイ騎士団が解体し、皇帝の帝国が徐々に銀河を制圧しつつある時代。しかし、帝国による秩序も完成しておらず、あちこちの星では、地方の小悪党や盗賊がのさばっている時期のことです。

惑星コレリアのスラム街に住む貧しい人々は、レディ・プロキシマという独裁者の圧政に苦しんでいました。この星の若者ハン(エアエンライク)は、幼馴染のキーラ(エミリア・クラーク)と共に逃走を試みますが、ハンだけが密航に成功し、キーラはプロキシマの部下に捕えられてしまいます。お尋ね者となったハンはとりあえず、新入隊員を募集している帝国軍に志願し、コレリアを離れることとします。

 それから3年後。泥の惑星ミンバンの戦線に、帝国軍歩兵部隊の一兵卒となっていたハン・ソロの姿がありました。ハンは上官に逆らい地下牢に放り込まれますが、そこで知り合ったのが帝国の奴隷となっていたウーキー族のチューバッカ(ヨーナス・スオタモ)。2人は牢を脱出し、たまたま帝国軍から宇宙船を盗み出そうとしていた盗賊ベケット(ウディ・ハレルソン)の一味と共に飛び立ちます。ベケットの腹心ヴァル(タンディ・ニュートン)はハンたちを全く信用してくれませんが、パイロットのリオ(ジョン・ファブロー)は気に入り、正式に一味の仲間となります。

 ベケットたちは、帝国軍の軍用列車から希少な宇宙船の燃料コアクシウムを盗み出す計画を実行します。しかしもう少しで成功、という時に、周辺を縄張りとする別の盗賊エンフィス・ネスト(エリン・ケリーマン)の襲撃を受けて、失敗してしまいます。

 ベケットとハン、チューバッカは、ベケットの雇い主であり、あたりの星系では最大の勢力を持つ犯罪組織クリムゾン・ドーンの首領ドライデン・ヴォス(ポール・ベタニー)と面会し、作戦失敗を報告することになります。ここでハンは、キーラと思いがけなく再会します。キーラは今やドライデンの片腕となり、組織の大幹部となっていました。

 ベケットはコアクシウムをなんとしても手に入れることをドライデンに約束します。かくて、キーラをお目付け役に加えた一行は、惑星ケッセルにある鉱山から精製前のコアクシウムを手に入れ、宇宙の難所として知られるケッセル星の周辺空間「ケッセル・ラン」を突破する困難な作戦を実行することになります。

不安定なコアクシウムを積んで難所を通過するには、極めて高性能な宇宙船が必要となります。一行はまず惑星ヴァンドアに向かい、高速船ミレニアム・ファルコン号を所有している密輸業者ランド・カルリジアン(ドナルド・グローヴァー)に接触することにします…。

 

 といったわけで、話はやがて、ハンとチューバッカが砂漠の惑星タトゥイーンでジャバ・ザ・ハットの密輸仕事を請け負うようになり、ルークやオビワン・ケノービと出会う方向に進んでいくわけです。そういうゴールが決まっている話なので、ある意味でストーリー上の緊張感が失われるのも事実。だが、本作は何回もどんでん返し、裏切りが相次いで、最後まで巧みに引っ張っていると思います。

 ドライデン・ヴォスを演じたポール・ベタニーは、今や「アベンジャーズ」「アイアンマン」などマーベル・シリーズの常連スターですが、ロン・ハワード監督の大ヒット「ダヴィンチ・コード」で名を上げた俳優さん。今回は、一連のスケジュールの遅れで、本来、同役を務めていた人が参加できなくなり、急きょ、監督の指名を受けて憧れのスター・ウォーズ・シリーズに出演が決まったというラッキーな人です。パンフレットによれば「自分から監督に売り込んだのは初めて」だそうです。

 キーラ役のエミリア・クラークは「ターミネーター」の新作で、二代目サラ・コナーを演じて注目されましたが、熱演しながら、その清楚な美貌がかえって「リンダ・ハミルトンには見えない」という批判が絶えず、苦労しました。ある意味、今回のエアエンライクの立場に似ています。「有名人に似ていないと批判され、物真似をしても批判される」困難さを一番、理解できる女優さんだったかもしれません。

しかし今作での彼女は、今まで全く言及されていない新キャラを演じるということで、生き生きとした人物像になりました。本作で一番、目立った人、成功した人の一人ではないでしょうか。

 それで、この人が最後には、さらに思いもよらない正体を現すのが本作の結末なのですが、ここらへんはネタバレとなるので書かないでおきましょう。

 それにしても、ハン・ソロの初恋の人であるこのキーラ。それほど重要な人物であるのに、エピソード4以後の歴史には全く、名前すら登場しないわけで、ハンもその後に知り合ったレイア姫にどんどん惹かれていくわけです。このあたりをどういう扱いにするのか、今後の作品でフォローするのか、興味深いところです。

 また、本作では、思いがけない登場人物として、エピソード1「ファントム・メナス」で若き日のオビワン(ユアン・マクレガー)に倒されたはずの皇帝の弟子、ダース・モールが出てきます。彼は実際、あそこで死んだわけではなく、外伝などでは復活劇が描かれているようです。これもハン・ソロの物語とどう絡むのか、も気になるところです。

 どうも「ハン・ソロ」シリーズとしての続編、も考慮した展開となっているように思われる本作。一応、三部作を前提としているそうですが、必ず続編を製作する、という話もないようなので、このあたりは大いに気になる、というのが見終わった後の感想です。

|

« 【映画評 感想】ジュラシック・ワールド/炎の王国 | トップページ | 清澄白河に行きました「完熟屋、チーズのこえ、コトリパン、エアーズバーガー」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122224/66941864

この記事へのトラックバック一覧です: 【映画評 感想】ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー:

« 【映画評 感想】ジュラシック・ワールド/炎の王国 | トップページ | 清澄白河に行きました「完熟屋、チーズのこえ、コトリパン、エアーズバーガー」 »