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2018年1月12日 (金)

【映画評 感想】キングスマン : ゴールデン・サークル

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  映画「キングスマン
: ゴールデン・サークル」Kingsman: The Golden Circleを見ました。2014年のヒット作の続編で、「キック・アス」などで知られるマシュー・ヴォーン監督の作品です。

英国のロンドン、サヴィル・ロー街にある高級紳士服店を隠れ蓑に暗躍する、どこの国家にも帰属しない国際諜報組織「キングスマン」。前作では、ハリー(コリン・ファース)にスカウトされて、そのエージェント候補生となったエグジー(タロン・エガートン)が成長していく物語でした。

厳しい教官のマーリン(マーク・ストロング)にしごかれ、上流階級出身のチャーリー(エドワード・ホルクロフト)と対立しながら、最終試験では親友ロキシー(ソフィー・クックソン)に敗れて訓練所を去ることになったエグジー。しかし、人類の人口削減を目指す狂気の富豪ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)と、その部下のガゼル(ソフィア・ブテラ)の手にかかって、ハリーが米ケンタッキー州の教会で殉職。奮起したエグジーは最終的にヴァレンタインの野望をくじき、キングスマンの正式メンバーに迎えられます。さらにヴァレンタインに監禁されていたスウェーデンの王女ティルデ(ハンナ・アルストロム)といい仲になりエンディング、というものでした。

本作は、それから1年後にスタートします。

 

今や立派なキングスマン・エージェントとなり、活躍するエグジー。ある日、候補生時代の仇敵チャーリーが現れ、襲われます。チャーリーは候補生を落第した後、ヴァレンタインの組織に寝返り、その後は死んだと思われていました。エグジーは何とかこれを撃退したのですが、ロキシーの調査により、チャーリーが単なる個人的な復仇の念だけで現れたのではなく、現在では謎の女ボス、ポピー(ジュリアン・ムーア)率いる国際麻薬組織「ゴールデン・サークル」の一員となって行動していることが分かります。

たまたまエグジーがティルデの両親であるスウェーデン国王夫妻と会食している間に、ゴールデン・サークルの放った巡航ミサイルの攻撃を受けて、キングスマンの拠点はすべて壊滅。リーダーのアーサー(マイケル・ガンボン)以下、ほとんどが殉職してしまいます。

エグジーは生き残ったマーリンと共に、まずは組織が危機に瀕した場合の取り決めに従うことにします。指定された秘密金庫には、米ケンタッキー産のバーボンの瓶があるだけでしたが、これにより2人は、アメリカに渡ることにします。

そのバーボン蒸留所で2人を出迎えたのは、テキーラ(チャニング・テイタム)と名乗る武闘派の荒っぽい男でした。敵のスパイと疑われ、手もなく捕えられた2人はそこで、死んだはずのハリーと再会して驚愕します。ハリーはヴァレンタインに頭を撃たれた後、ここの組織の技術担当者ジンジャー(ハル・ベリー)に救出され、一命を取り留めたのですが、左目を失い、自分が諜報員だったことも忘れて記憶喪失となっていました。

この組織は、バーボン蒸留所を表向きとする「ステイツマン」という諜報機関でした。19世紀に「キングスマン」と並んで設立された兄弟組織で、万一の場合には協力し合う取り決めがあったのです。ステイツマンのリーダー、シャンパン(ジェフ・ブリッジス)はキングスマンの組織再編に協力することを約束し、共にゴールデン・サークルと戦うことを決意します。

エグジーは、ステイツマンのエージェント・ウイスキー(ペドロ・パスカル)と共に、まずは所在がつかめているチャーリーの恋人クララ(ポピー・デルヴィーニュ)に接触します。その間にポピーは公然と動きだし、麻薬合法化をアメリカ大統領(ブルース・グリーンウッド)に迫ります。ポピーがカンボジアの密林に築いた秘密拠点には、誘拐されて姿を消していた英ロック界のスーパースター、サー・エルトン・ジョン(本人役)がいました…。

 

というようなことで、いきなり最初の方でキングスマンの組織が全滅、という荒業なのが驚いてしまいます。結果として、前作の要素を引き継ぎつつも、同じような展開をなぞることは一切なく、常に新鮮さを狙うヴォーン監督の大胆不敵な意志の表れでしょう。その後も次々に意表を突く展開、新しいギミック、アイデア満載で、残酷な描写とシュールなブラック・ユーモアがテンコ盛り、と前作の過激なノリを損なわず、マンネリと呼ばせない手際は見事なものです。いい意味で期待を裏切りつつ、トータルで期待を裏切らない、とでも言いましょうか。これは人気作の続編を作るうえで、非常に難しいことなのでしょうが、やってのけている感がいたします。えげつない、不謹慎、と言ってよいような内容なのに、洗練された知的さがそれを包んで、最後まで強引に見せてしまう、というのがこの監督の得意技だと思いますが、まさに本領発揮の一作だと思います。

前作からの出演陣は息もぴったりで、今回から加わったメンバーも非常に豪華絢爛。ジェフ・ブリッジス、ジュリアン・ムーア、ハル・ベリー、コリン・ファースとオスカー受賞者が当たり前のようにたくさんいる状態です。おまけにチャニング・テイタムまで入って、かなり「奇跡のキャスティング」となっております。いずれもアクの強い個性的なキャラクターを演じ、遺憾なく名演を競っています。

これらの大物たちに交って主演を張るエグジー役のタロン・エガートンは、前作では全く無名の新人でした。作中の人物と同様、立派な存在感を示して成長ぶりが著しいです。スウェーデン王女役のハンナ・アルストロムが続編でこれほど活躍するとは思いませんでしたが、前作以上に登場。また、エグジーの母親ミシェル役のサマンサ・ウォーマック、前作の悪役コンビ、サミュエル・L・ジャクソンとソフィア・ブテラもワンシーンですが再登場しているのも嬉しい演出です。

出番は少ないですが、アーサー役として、ハリー・ポッター後期のダンブルドア校長役で有名なマイケル・ガンボンが出ているのも注目。クララ役のポピー・デルヴィーニュは、バーバリーなどのモデルとして知られる人です。この人の妹が、やはり著名なスーパーモデルであり、女優としても「スーサイド・スクワット」などで注目されたカーラ・デルヴィーニュですね。エージェント・ウイスキー役のペドロ・パスカルは、米中合作の歴史劇「グレートウォール」で、マット・デイモン演じる主人公の相棒役をやっていた人です。

しかしなんといってもキャスティングで大注目なのが、エルトン・ジョン本人役のサー・エルトン・ジョンその人です! カメオ出演などというレベルでなく、最初から最後まで出ずっぱりです。「ロケットマン」や「土曜の夜は僕の生きがい」などヒット曲も熱唱。至るところで「この野郎、くそ野郎!」と放送禁止用語を連発。格闘シーンまであって、見終わってみると「本当の主演はエガートンでもファースでもなく、エルトンなのでは?」という印象すら残りました。このへん、大真面目に批評すればバランスを崩すほどの違和感、と感じる人もいるのかもしれませんが、そもそも常識的な枠を破るのが本作の持ち味でしょうから、ド派手な70年代のステージ衣装で暴れまわるエルトンの勇姿こそ、まさに本作を象徴するものではないかと思いました。

シリーズは3作目の製作もほぼ確実なようです。次はまたどんな手で見る者の期待を(いい意味で)裏切って来るか。人気シリーズとなればなるほど、監督としてはますます難行苦行となるに違いないですが、見る側としては、まことに楽しみですね。

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