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2017年12月28日 (木)

【映画評 感想】スター・ウォーズ/最後のジェダイ

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「スター・ウォーズ
/最後のジェダイ」Star Wars: The Last Jediを見ました。鑑賞したのは1227日ですが、この日は奇しくも、ちょうど一年前に、レイア姫ことキャリー・フィッシャーさんが亡くなった命日。そして、去年のこの日も、シリーズの前作で、若き日のレイア姫が最後に登場する「ローグ・ワン」を見ていたことを思い出しました。今作はまさに彼女の遺作となってしまいました。

いわゆるSW正史の「エピソード8」にあたる本作。批評家筋はこぞって称賛しておりますが、一部の熱心な「昔からのSWファン」という人たちからは、多少の違和感も持たれている、という話を聞きます。つまり、SWらしくない、という感じを受けるというのですが、私は、その変化というのは、監督がライアン・ジョンソンに代わったことだけでなく、やはりシリーズ全体の大詰めを迎えていることが背景にあるように感じました。

あえていうと、外伝である前作「ローグ・ワン」に通じるものがあると感じます。簡単にいえば、正史シリーズでは、その後に続く展開から制約が多く、ことに時代を遡って製作された作品の場合、後の時代の作品に登場する人物は「決して殺せない」ということがあります。たとえば、エピソード1~3の間には、ダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーを勝手に退場させるわけにはいきません。

しかしとうとうシリーズもクライマックス。一連の時間軸の最後に当たる今、どの人物をどう扱うかはまさに監督の自由! それが決定的な持ち味の差になっていると私は思います。「ローグ・ワン」は、後の正史との兼ね合いから、ほとんどの登場人物は一回限りで、その後の時代には「活躍してはならない」ということが、かえって緊張感を高めて傑作となりました。

今回のエピソード8にも、そのような緊張感を感じるのであります。それが、明快なスペースオペラだったSWシリーズの中で異質な印象を与えるのかもしれません。

また、ストーリー展開的にも、主要な人物たちそれぞれの人生が思いがけない方向に大きく変転していくこと、さらに脚本構成として、苦境に立つレジスタンス軍、敵の戦艦に潜入する秘密部隊、そしてフォースをめぐり葛藤するレイ、カイロ・レン、ルークの3人による息詰まる心理戦、の三つのお話が並行して複雑に展開し、これも従来の非常に明快だったシリーズとは違う感じをもたらしていると思われます。

 

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。

銀河帝国の残党「ファースト・オーダー」と、新共和国のレイア・オーガナ将軍(キャリー・フィッシャー)率いる私設軍隊「レジスタンス」の戦闘が激化。前作でレジスタンス軍は、ファースト・オーダー軍の司令官ハックス将軍(ドーナル・グリーソン)が指揮する新兵器「スター・キラー」の破壊に成功しました。しかしそれと引き換えに、レジスタンスの拠点、惑星ディカーの位置が知られてしまいます。ハックス将軍のファースト・オーダー艦隊が基地を急襲し、レジスタンス軍は壊滅状態に。ポー・ダメロン中佐(オスカー・アイザック)の活躍により、ファースト・オーダー艦隊の主力艦「ドレッドノート級スター・デストロイヤー」を撃沈できましたが、レジスタンス側の被害も甚大で、生き残ったレジスタンス艦隊は、ハイパースペースへワープして逃走します。ところが、ファースト・オーダー艦隊は、レジスタンス軍のクルーザー(巡洋艦)に仕込んだ追跡装置により、行き先を追尾していました。

そのころ、惑星オクトーの孤島に身を潜めている伝説のジェダイ・マスター、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)を探し当てたレイ(デイジー・リドリー)。ところがルークの反応はそっけないもので、レイは全く相手にされません。しかし、盟友ハン・ソロが、その息子であり、かつてのルークの教え子でもあるカイロ・レン(アダム・ドライバー)に殺されたことを知ると、悩んだ挙句、ルークはレイにフォースの訓練を施すことにします。

 ハイパースペースを抜けたレジスタンス艦隊を、カイロ・レンの部隊が奇襲してレジスタンス側は大敗。総司令官であるレイアが意識不明の昏睡状態になってしまいます。その代理として、ホルド提督(ローラ・ダーン)が臨時指揮官の任に就きますが、慎重派のホルドと熱血漢のポー・ダメロンは気が合わず、人間関係がうまくいきません。

ポーはホルド提督には無断で、敵の追跡探知を阻止する隠密作戦を進めます。フィン(ジョン・ボイエガ)と整備士のローズ(ケリー・マリー・トラン)の2人は、ファースト・オーダーの総帥であるスノーク最高指導者(アンディ・サーキス)が座乗する旗艦「メガ・スター・デストロイヤー」の探知機を破壊するべく、戦艦への侵入コードを解読できる暗号破りの名人に接触するために、惑星カントニカに向かいます。ところが、この星でフィンたちは警察に捕まってしまい、絶望の淵に立たされます。そこで声をかけてきたのは、「俺なら戦艦のコードを破れるぜ」と豪語するあやしげな男、DJ(ベニチオ・デル・トロ)でした。

 そのころレイは、ルークによる訓練を受けるうちに、カイロ・レンと心が接触することが多くなります。動揺するレイとカイロ・レン。そしてルークもまた、レイが父アナキンや、カイロ・レンと同様に、フォースの暗黒面に落ちるのではないかと危惧するようになり…。

 

 といったことで、かなり前作で期待させられたような、予定調和的な展開とはならないで、物事はレジスタンス軍側にとって悪い方に、悪い方にと進んでいきます。苦心して遂行したことがうまく実らず、絶望するというシーンが繰り返されます。多くの登場人物が、特攻隊のような決死の攻撃で命を落としていきます。このあたりの救いのなさが、SWらしくない、といわれるゆえんなのかもしれません。ただ、むしろ日本人的に見ると、何か我々が親しんできた時代劇や戦争映画によくみられる、自己犠牲的なテーマに近く、大いに琴線に触れるものがあるように感じます。私は本作を見ていてなんとなく、登場人物のほとんどが戦死してしまう「宇宙戦艦ヤマト2」を思い出しました。

 ただ、いい塩梅でユーモアあふれるシーンも盛り込まれて、緊迫したシーンの合間、合間のところどころでほっとさせられます。意外に見終わった後の感想は重いものではなく、それは適度なバランスで、緻密に配置された、そうしたくすぐりの効果も高いのではないかと思いました。あの懐かしいヨーダ(声:フランク・オズ)が思いがけないところで登場するなど、嬉しいサービスもあります。

 滅びゆくジェダイ。そしてルークとレイアの物語にも、結末が近付いていきます。これからどのような未来が待ち受けているとしても、もはや古き良き時代は再来しません。前作でハリソン・フォードがシリーズを去り、キャリー・フィッシャーが亡くなったことで、レイアの出番もこれで終わってしまったのでしょう。

 一抹の寂しさを覚えるのは、やはり一時代の終焉を予感させるからかもしれません。1977年に開闢したスター・ウォーズの宇宙も、次作でついにひとつの完結を見ることになります。厳粛で壮大な物語でした。

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