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2017年8月11日 (金)

【映画評 感想】トランスフォーマー 最後の騎士王

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「トランスフォーマー
/最後の騎士王」Transformers: The Last Knightを見ました。製作総指揮のスティーブン・スピルバーグが本作の脚本を「シリーズで最高!」と激賞したそうですが、確かに前作から脚本家を代え、スピード感と新鮮さのある作品になったようです。

 今作は特に、「歴史」というものが大きなバックボーンにある作品です。人類の歴史とあのトランスフォーマーの歴史が関わり合ってきた、というシリーズの核心部分の謎解きがなされるわけです。その舞台として歴史の国、英国を舞台としたのが本作の大きな特徴です。

 

 5世紀のイングランド。ブリトン人の君主アーサー王はサクソン人との戦いに苦戦していました。頼みの綱は大魔術師マーリン(スタンリー・トウッチ)。しかしマーリンの実態は大酒のみのペテン師にすぎませんでした。マーリンはサイバトロン星から飛来したトランスフォーマーの騎士団に頼み込み、苦境を救ってくれるように依頼。騎士たちはマーリンに、エネルギーを蓄えトランスフォーマーに指示を与えることができる杖を授けます。この杖の力でアーサー王は勝利し、マーリンの杖は歴史の彼方で伝説と化していきました…。

 そして現代。正義のトランスフォーマー、オートボットの指導者オプティマス・プライムは独り宇宙に旅立ち、前作で自分たちに刺客を放った「創造主」の真意を確かめに行きます。

 残されたバンブルビーたちですが、前作以後、関係が悪化した人類の側ではトランスフォーマーを根絶やしにする組織TRFが結成され、オートボットたちは追い込まれています。さらに前作で復活した悪のトランスフォーマー、ディセプティコンの指導者メガトロンも行動を再開し、状況は悪化するばかり。

 シカゴでの激戦の廃墟で、偶発的にTRFとオートボットとの戦いが勃発し、これに巻き込まれた少女イザベラ(イザベラ・モナー)を助け出したケイド(マーク・ウォルバーグ)は、偶然、サイバトロンの騎士から伝説の秘宝、タリスマンを授けられます。

 その頃、オプティマスはサイバトロン星で、数千万年前に地球の恐竜を絶滅させ、さらにトランスフォーマーを作り出した創造主クインテッサ女王に捕えられ、洗脳を受けていました。そして、女王はオプティマスに、地球人からマーリンの杖を取り戻すよう命じます。マーリンの杖はもともと女王の物でしたが、騎士たちが女王を裏切って奪い、マーリンに与えたものだったのです。この杖を手にすることで、女王は地球からエネルギーを搾り取り、サイバトロン星を復興させると宣言します。

 危機が迫ったことを悟った英国の貴族フォルガン伯爵エドムンド・バートン卿(アンソニー・ホプキンス)は、オックスフォード大学の女性教授ヴィヴィアン(ローラ・ハドック)と、ケイドを呼び寄せます。伯爵は長きにわたりマーリンの杖の秘密を守ってきたウィトウィック騎士団のメンバーであると言います。そして、伝説のタリスマンを手にしたケイドこそは、かつてのアーサー王と同様、トランスフォーマーの友人であり、地球を守るべき「最後の騎士」であり、そしてヴィヴィアンは実は魔術師マーリンの直系の子孫で、あの杖を起動できる唯一の人物だ、というのでしたが…。

 

 というようなことで、実際にはもっと話は盛りだくさんですが、アップテンポの脚本が見事につないで行って、十分に理解できます。このへんのさばき方は見事なものです。

 今作で何しろ面白いのは、歴史の取り上げ方です。冒頭のアーサー王と円卓の騎士の登場シーンは本格的な史劇そのものです。それから、フォルガン伯爵の屋敷には、今でも第一次大戦が続いていると思っていて、当時のマークⅣ型戦車にしか変身できなくなっているトランスフォーマーがいたりします。ケイドをアメリカから英国に運ぶ超距離爆撃機YB-35や、ヴィヴィアンとケイドをマーリンの杖の在り処に導く英国海軍の戦時中の潜水艦アライアンス号なども、実はいずれも戦争中から現代まで、当時の兵器になりきったままのトランスフォーマーだ、という設定です。

 その第二次大戦中には、バンブルビーが連合軍の特殊部隊「悪魔の旅団」(後のグリーンベレーの前身)に所属していたとか、シリーズ3作目までの主人公サム・ウィトウィッキーが実は、アーサー王の円卓の騎士の流れを汲み、マーリンの杖の秘密を守護する秘密結社ウィトウィック騎士団のメンバーの末裔であったとか…まことに興味深い逸話で満載です。アメリカ独立戦争、ナポレオン戦争、二つの世界大戦など、歴史の要所でトランスフォーマーは暗躍し、人類の歴史に関わってきたという描き方が、非常に効果的です。

 今回、特に秀逸だったのがフォルガン伯爵の執事コグマン。これがトランスフォーマーで、伯爵家に実に700年も仕えている、という設定であるのも面白いところです。また二人のヒロイン、イザベラとヴィヴィアンも魅力的です。短い登場シーンでその人の背景や性格を的確に描いていて、こういう娯楽作品の枠の中で、うまい描き方だと感じます。

 今作では、シリーズ一作目からの出演者であるレノックス大佐(ジョシュ・デュアメル)やシモンズ捜査官(ジョシュ・タトゥーロ)が出ているのも嬉しいところ。

 今後、本作の流れを受けてさらにシリーズはクライマックスに突入していく予感がしますが、この出来栄えなら期待大ですね。

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