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2017年7月17日 (月)

第25回 日本テディベアwith Friends コンベンション

昨日ですが「第25 日本テディベア with Friends コンベンション」(日本テディベア協会主催)を見に、東京・有楽町の東京国際フォーラムに行きました。テディベア作家・岡部紀代美様のご招待を受けてのことでした。

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 日本のテディベア作家を中心に、海外・企業の様ざまなベアが集結し、ぬいぐるみで埋め尽くされる会場は毎度のことながら圧巻です。すごい熱気でしたね。

 会場入り口には、このイベントの名物のビッグぬいぐるみがありました。今回はマンモスや恐竜など、ベアではない珍しいものもありました。

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 ところで、ずっと東京国際フォーラムで開催されてきたこのイベントですが、来年からは高田馬場の住友不動産ガーデンタワーにあるベルサール高田馬場に会場を移すそうです。その理由と言うのが、
2020年夏の東京五輪のために、早くも来年、つまり2018年夏からは準備のために国際フォーラムが使用できなくなる、というのです。Photo_3


 五輪のためにいろいろ影響が出てくる、イベント会場では深刻な問題があり得る、という話がありましたが、現実化してきましたね。

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2017年7月14日 (金)

甲冑武具展ー戦国時代から江戸時代(靖国神社・遊就館)

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 数日前ですが、東京・九段下の靖国神社にあります「遊就館(ゆうしゅうかん)」に行きました。というのも、現在、特別展として「甲冑武具展‐戦国時代~江戸時代‐」というものをやっているからです(上から写真1)。もちろん常設展示はいつも通りで、「彗星艦爆一一型(写真2)」や「零戦五二型(写真3、4)」、「九七式中戦車(写真5)」といった目玉展示もいつもの場所にありますが、今ですと、常設展のほかにこの特別展示を見られるのです。

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  靖国神社遊就館といえば、どうしても太平洋戦争関連の展示を思い浮かべますが、実は戦前には、武家時代の甲冑や武具の展示の方が多かったそうです。そもそも明治以後、文明開化の掛け声の下に、散逸してしまいそうな日本古来の刀剣や甲冑を保存することが、同館の設立目的だったからです。その反面、日本軍の軍服や装備などは、当然のことですが、その時点においては珍しくもなんともなかったわけで、あくまでも戦没者の遺品として大事にする、という意味合いであり、コレクションとしての積極的な収集や保存の対象ではありませんでした。

しかし戦後は、明治以後の戦争を中心とした構成になり、また、日本軍が消滅したことで、その装備品も歴史的資料性が高まったこともあり、そちらが展示の中心となる中、膨大な江戸期以前の甲冑や武具のコレクション展示は大幅に縮小されました。

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  しかしここには、あの小早川秀秋の陣羽織や甲冑(写真6)、織田信長の南蛮帽形兜(写真7)、加藤嘉明の富士山形兜、豊臣秀吉が京極高次に贈った兎耳形兜(写真8)、日根野備中守の唐冠形兜、落合左平次が長篠の合戦で鳥居強右衛門の最期の姿を描いた背旗図、ナポレオン三世から徳川幕府に贈られた騎兵用胸甲、福島正則の直筆書簡、非常に珍しい安土桃山時代の馬鎧一式(写真9)…といった、歴史ファンからすれば垂涎の超弩級コレクションがあり、今回は上にあげたようなものを中心に
60点を特別展示しています。

この展覧会は、【会期】20171210日(日)まで【開館時間】午前9時~午後430分(入室は30分前まで)【拝観料】大人500円、大学・高校生300円、中学生以下無料。ただし、常設展拝観者および同神社の奉賛会員は無料、となっております。

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  歴史好き、特に戦国好きの人は必見だと思います。なお、常設展は撮影禁止ですが、今回の特別展はフラッシュをたかなければ撮影できます。また、大展示室の飛行機や戦車、野砲なども撮影できます。

そういえば、遊就館の売店では、私ども辻元よしふみ&辻元玲子の著作『図説 軍服の歴史5000年』を売っていました(写真10、11)。感激です。

 

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2017年7月13日 (木)

日刊ゲンダイ「街中の疑問」に辻元よしふみがコメントしました。

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 少し前の話で恐縮ですが、「日刊ゲンダイ」の7月
10日付け紙面、4ページの「街中の疑問」コーナーで、わたくし、辻元よしふみがコメントいたしました。

 今回のテーマは興味深いもので「なぜビールの売り子は帽子のかぶり方が変なの?」というタイトル。球場でビールを売る女性販売員の帽子の被り方についての記事でした。ここで私のコメントは、「深く被るほどサングラス効果と言って表情が読めなくなって、周りへの威圧感が増します。軍や警察の帽子がツバ深なのはそのため。逆にツバを上げるほど表情がよく見え、開放的で幼い印象になります」「メイドの髪飾りの変遷に似ています。あれはホワイトブリムといって、白い女性用の帽子が室内用に退化し、ブリム(ツバ)だけが残ったもの。メイドは仕事に従順であると同時に、女性としての愛嬌も多分に求められたため、髪を覆い尽くさない形式的な被り方が定着したと思われます」などとありました。

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2017年7月12日 (水)

【映画評 感想】ジョン・ウィック:チャプター2

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 映画「ジョン・ウィック:チャプター2」
JOHN WICK CHAPTER 2 を見ました。中年期に入って、ちょっとヒット作のなかったキアヌ・リーブスが、50代を迎えて本格的なアクション映画に挑戦し、従来にない孤独な暗殺者像を演じて大きな反響を呼んだ「ジョン・ウィック」(2014年)。好評を受けて早々に続編製作が決まり、キアヌにとっても久しぶりの当たり役となりました。

 それから3年。製作予算も倍増し、前作よりゴージャスな作品となって帰ってきたのがこの一本であります。

 前作からさらに柔術の特訓なども受けて、華麗な投げ技が増えるなど、アクションがますます激しく見応えあるものになっております。豪華なセットやロケ、夥しい数のエキストラ出演者など、明らかに規模の大きな演出の作品となりました。一方で、前作のちょっと貧乏くさい味わいが役柄に合っていたのでは、という感じもしないではありません。とにかく、このジョン・ウィックが成功し、短時間でスクリーンに帰って来てくれたのは嬉しいです。前作の出演陣も皆、作中で死亡していない人物は再登場してくれております。

 

 前作で愛妻ヘレン(ブリジット・モイナハン)との生活のために、すっぱりと引退した凄腕の殺し屋ジョナサン・ウィック(キアヌ・リーブス)。しかし、病魔のためにヘレンを失い、さらにロシア人の不良に妻が残した愛犬を殺され、妻との思い出が詰まった愛車1969年型フォード・マスタングも盗まれてしまいます。怒りにまかせて不良の父親タラソフが率いるロシア人マフィア組織をたった一人で壊滅させてしまったジョンは、さらに愛車を取り返すために、タラソフの弟アヴラム(ピーター・ストーメア)の組織に乗り込み、ここでも邪魔立てするアブラムの部下を皆殺しにしたうえで、矛を収めてアブラムと講和し、壊れかけた愛車に乗って自宅に帰り着きます。

 旧知の盗難車専門の修理屋オーレリオ(ジョン・レグイザモ)に愛車を預け、2代目の愛犬と共に、再び静かな引退生活に戻るジョン。もう二度と殺伐とした生活に戻る気はなく、ヘレンとの楽しく懐かしい日々の追憶にふけるつもりでした。

 しかしそこに現れたのは、イタリア系の世界的犯罪組織カモッラの幹部サンティーノ・ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)。サンティーノはジョンが闇稼業を引退する際に、手助けしてくれた恩人ですが、その折に、約束を履行する証として、裏世界の絶対的な誓約「血の誓印」を交わしていました。つまり、サンティーノは必ずジョンのために一肌脱ぐ。その代わりに、サンティーノが求める場合、ジョンは必ず何であろうとその依頼を無条件で引き受けなければならない、という相互契約を保証するものです。闇社会ではこの「誓印」は絶対的なもので、命に代えても守らなければならないとされています。サンティーノは誓印を盾に、ジョンに殺人稼業への復帰を求めますが、ジョンはろくに依頼の内容も聞かず、言下に断ります。

 当然ながらサンティーノは報復に出て、ジョンの家を焼き払ってしまいます。ジョンは闇稼業の連中が集まる「コンチネンタル・ホテル」に身を移し、愛犬をホテルのコンシェルジュ・シャロン(ランス・レディック)に預けると、ホテルの支配人であり、闇の世界で隠然たる力を持つウィンストン(イアン・マクシェーン)と面会します。ウィンストンはジョンに、闇世界での鉄則2か条を改めて再確認します。つまり「①休戦地帯であるコンチネンタル・ホテル内では人を殺すな②誓印は必ず守れ」です。これを破ると厳しい死の制裁を受けることになります。ウィンストンの忠告を受け、やむを得ずジョンは改めてサンティーノの依頼を受けることにします。しかしその依頼と言うのは驚くべきもので、カモッラの北米首席の座に就いたサンティーノの姉、ジアナ・ダントニオ(クラウディア・ジェリーニ)を暗殺してほしい、というものでした。

 イタリアに飛んだジョンは、コンチネンタル・ホテルのローマ支店に投宿し、支配人ジュリアス(フランコ・ネロ)の面接を受けた後、武器のソムリエ(ピーター・セラフィノウィッチ)、防弾生地を仕込んだ戦闘スーツの仕立屋(ルカ・モスカ)らに次々に会って準備を整え、カモッラの会合の場に潜入します。ジョンとは旧知の友人であるジアナは、ジョンが誓印を持って姿を現したと知ると、覚悟を決めて自決の道を選びます。ジョンが相手では絶対に助かる道はないと悟ったからであり、不本意な仕事を履行しているジョンに同情したからでもあります。

 しかしその直後、サンティーノの部下アレス(ルビー・ローズ)率いる一団がジョンを襲います。ジョンを殺して口封じをし、円滑に姉が亡き後の後釜の首席に座る、という算段です。怒りに燃えたジョンは敵を一掃しますが、今度はジアナの護衛でやはり凄腕の殺し屋カシアン(コモン)に付け狙われることになります。

 そればかりではありません。ジョンがアメリカに戻ると、サンティーノは闇世界のネットワークを通じて、ジョンの首に懸賞金700万ドルをかけてきました。ニューヨーク中の同業者たちが、次々に容赦なくジョンに襲いかかってきます。さすがに傷つき絶体絶命に陥ったジョンは、カモッラやコンチネンタル・グループとは関係がない独立闇組織のリーダー、キング(ローレンス・フィッシュバーン)に助力を求めます。キングはジョンに、一丁の拳銃と、わずか7発の銃弾を与え、サンティーノが潜む建物にジョンを送り届けます。こうしてジョンの壮絶なたった一人の戦争が始まるのでしたが…。

 

 とにかく前作では、理不尽な目に遭って怒りに燃えるジョンが、犬と愛車の恨みのために、84人(パンフレットによれば)の敵を皆殺しにしてしまったわけですが、今作ではさらにそれがエスカレートし、家を焼かれた腹いせに、国際的な犯罪組織を相手に、もうどんどん死体の山を積み重ねていく(同じくパンフレットによれば141人)、という展開になります。ジョン・ウィックと言う男は、右の頬を殴られたら殺せ、売られた喧嘩は殺せ、やられたら倍返しではなく、とにかく無言で殺せ、という信条の人です。絶対に手を出してはいけない相手なのに、なぜかバカな人たちが次々に彼を挑発してしまう(笑)。お前ら、そんなに死にたいのか? そんなセリフがつい、口をついてしまいます。

 そして、ジョンのすべての行動の根底にあるのが、たった一人の最愛の女性を失った悲しみと絶望、それだけなのです。その悲しみと怒りが、彼を挑発した馬鹿どもに次々に死の銃弾を叩き込ませるのです。闇の世界は理不尽ですが、ジョンと言う人物はそれを上回る理不尽さの塊のような人で、純真な悪人、善良無垢な犯罪者で人殺し。そこがとにかく新感覚です。

 前作ではホテルのサービスとして「ディナーを予約したい」と注文すると、死体と殺人現場を片付けてくれる、というのがありました。今回はさらに、お客さんのためにワインではなくお薦めの武器を見立ててくれるソムリエとか、戦闘スーツを誂えてくれる高級テーラーとか、殺しの仕事専門の秘密地図屋とか、さらに興味深い設定の裏稼業の住人が登場します。特に、女性オペレーターに電話すると即座にすべての殺し屋の携帯電話に、暗殺の依頼が届く「アカウント部」という組織の存在が非常に面白い。映画ならではの、実際にあるわけはないけれど、実在したら面白いような設定が目白押しです。

 追記しておきますと、仕立屋役のルカ・モスカは、実はこの作品の衣装担当者でもあります。つまりホンモノなのです。登場シーンの撮影場所も実在の老舗テーラーの店内だそうです。

配役面では、まず往年のマカロニ・ウェスタンのスターで「続・荒野の用心棒」Djangoのジャンゴ役で有名なフランコ・ネロの出演が目を引きます。数年前に「ジャンゴ 繋がれざる者」にも出ていましたね。ローレンス・フィッシュバーンは「マトリックス」三部作のモーフィアス役、ピーター・ストーメアは「コンスタンチン」のサタン役でキアヌと共演しています。

ニューヨークでジョンに襲いかかるスモウ力士の殺し屋を演じた日本人俳優YAMAとは、数年前に角界の不祥事疑惑で引退を余儀なくされた本物の元力士、元前頭・山本山関のことだそうです。なんと第二のキャリアとしてハリウッド・デビューしていたわけですね。これはすごい転身です。

 ただそれにしても、ニューヨークでは一ブロック歩くごとに、あんなにスマホを片手に暇を持て余している殺し屋がうろついているのでしょうか。不景気で、あまりおいしい仕事はないのでしょうかね。

 それに、これはちょっと結末部に触れることを申しますが、今回のエンディングは明らかに「続く」という感じなのです。「え、ここで終わりなの?」という感想は否めません。

 この点で肩すかしの感じはぬぐえないのですが、次作は楽しみでもあります。今後も続編や前日譚、ゲーム化の話などもすでに出ているとかで、ジョン・ウィック・シリーズはキアヌ・リーブスの50歳代のキャリアの代表作となりそうですが、既に年初の全米公開以来、大好評につき3作目の製作が確定し、脚本執筆も始まっているそうで、ここは今後の展開に期待するしかないですね。

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2017年7月11日 (火)

【映画評 感想】パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

 パイレーツ・オブ・カリビアン・シリーズの新作「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」PIRATES OF THE CARIBBEAN DEAD MEN TELL NO TALESを見ました。原題は死んだ者は何も語らない、つまり「死人に口なし」の意味です。20170710231446


2003年にシリーズが開始して以来、すでに14年。撮影開始時にまだ30代だったジャック・スパロウ役ジョニー・デップも50代半ばになっています。ディズニーランドの「カリブの海賊」を基に製作された軽い娯楽作品だったものが、こんなに長く続く大河シリーズに成長するとは、当初は誰も思わなかったと感じますが、今作は特に、大ヒットした第一作のテイストを取り戻しつつ、壮大なスケール感も加えた快作ではないかと個人的に思いました。

一作目の「呪われた海賊たち」にあった軽妙なコミカルな味わいとドタバタ感。あれがよかったという人は多いと思います。その後、二作目「デッドマンズ・チェスト」、三作目「ワールド・エンド」と予算が増えるほどに話が壮大になったのはいいのですが、ちょっと重々しくなり過ぎ、悲愴な感じになりすぎ、という声もありました。そこで、四作目の「生命の泉」では、出演陣も一新してリブートを図ったもののようですが、率直に言って番外編的な展開で、今度は地味になってしまった印象が否めませんでした。

 三作目は、それまでのシリーズを支えてきたウィル・ターナーとエリザベス・スワンの恋が成就はしたものの、ウィルが深海の悪霊デヴィ・ジョーンズの呪いを受け、幽霊船フライング・ダッチマン号に乗って永遠に海をさまよう身になることで、引き裂かれてしまう、という悲劇的な幕切れで終わりました。

 本作は、そのウィルとエリザベスの間に生まれた息子ヘンリー・ターナーが活躍します。そして嬉しいことに、ウィル役にオーランド・ブルーム、エリザベス役にキーラ・ナイトレイが復帰しています。このシリーズで名を上げて、今では押しも押されもしない大スターとなった2人がこの世界に帰って来てくれたことは、初期からシリーズを見ている人には感動的ですらありますね。

 

 幽霊船に捕らわれの身となってしまった父ウィル・ターナー(ブルーム)の呪いを解こうと誓った息子、ヘンリー・ターナー(ブレントン・スウェイツ)は、英国海軍に志願して水兵見習いに。彼は伝説の海賊ジャック・スパロウ(デップ)を探し出し、すべての海の呪いを解除するという幻の秘宝「ポセイドンの槍」を探し出すことを心に決めています。

ヘンリーの乗る軍艦は「魔の三角海域」に差し掛かり、恐怖の悪霊サラザール艦長(ハビエル・バルデム)の幽霊船に襲われ沈没します。サラザールは他の乗組員を皆殺しにした後、恨みのあるジャック・スパロウに、いつか仕返ししてやると伝えるように告げ、ヘンリーだけを解放します。

 生き残ったヘンリーは英植民地セント・マーティンの海軍施設に収容されますが、逃亡兵として処刑されることになります。そんなヘンリーを助け出したのは、18世紀にはまだ異端とみなされた女性天文学者カリーナ(カヤ・スコデラリオ)でした。彼女もまた、父が残したガリレオ・ガリレイの日記を手掛かりに、伝説のポセイドンの槍を見つけようとしており、ヘンリーに興味を持ったのでした。しかし、科学的な知識を持つカリーナは街の人々から誤解され、結局、魔女として告発されてしまいます。

 そのころ、セント・マーティンでは銀行の開業式典が挙行されていました。華々しく最新式の金庫が紹介されると、あにはからんや、金庫の中に忍び込んでいたのはジャック・スパロウその人でした。ジャックの金庫強奪の計画は失敗し、そのドタバタに巻き込まれたカリーナも捕まります。

 逃げ延びたジャックは、酒場でラム酒欲しさに、肌身離さず持ってきた秘宝「北を指さないコンパス」を手放してしまいます。しかしそれは大きな過ちで、コンパスは手放されると、持ち主が最も恐れる敵を解放する、という特性を持っていました。そして、魔の三角海域に長年、閉じ込められていたサラザールは行動の自由を得てしまいます。

 やがて、当局に捕えられたジャックは、見せしめとして、カリーナと共に公開処刑されることとなります。監獄でジャックは、伯父のジャック(ポール・マッカートニー)と再会します。

 処刑場に現れて、ジャックとカリーナを救い出したのは、ヘンリーと、ジャックの片腕ギブス(ケヴィン・R・マクナリー)たちでした。父の呪いを解きたいヘンリー、やはりまだ見ぬ父の残した日記の謎を解きたいカリーナ、そしてサラザールの呪いを封じなければならなくなったジャック。三者ともポセイドンの槍が必要であることで思惑が一致し、こうして一行は海に乗り出します。

 同じころ、サラザールの幽霊船に襲われた海賊バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)も、サラザールに協力して、やはり因縁のライバル、ジャックを追い求めることになります。こうして役者はそろい、伝説の秘宝が眠る未知の島を目指して、話は急展開していきます…。

 

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 ということで、軍装史や服飾史の研究家として一言申せば、シリーズの初期からおそらく
20年以上が経過していることを、登場人物の服装がしっかりと表現していると感じました。物語の途中、ジャック・スパロウが処刑されかけるシーンでは「最近、フランスで開発されたギロチン」が使われるのですが、ギロチン(断頭台)が登場するのは史実ではフランス革命後の1792年。すなわち、今回の映画の時代設定はほぼ、この前後で間違いありません。そして、本作で登場する英国海軍の軍人たちが身にまとっているのは、1774年~1795年の間に使用された軍服に見えました。上の写真のような、紺色の生地に白い襟やベスト、白い半ズボン。金ボタンで金糸の刺繍に、金色のエポレット(正肩章)。そして、髪型は白い巻き髪のウィッグ、三角帽、という具合です。前作でバルボッサ船長が着ていたのは、明らかにこれより古いタイプ、1774年よりも前に使用されていたタイプに見え、さらにシリーズの初期でノリントン代将などが着ていたのも、やはりその頃の軍装に見えました。つまり、服装が新しい時代のものに変化しているようなのです。この後、1795年になると、あのネルソン提督がトラファルガー海戦で着ていたタイプの物に更新され、帽子の形も二角帽となってきます。

 今回の作品でも、ジャックや他の登場人物はほぼ、三角帽を被っています。しかしバルボッサだけは、当時、流行の最先端である二角帽(あのナポレオンが被っていたタイプ)を用いていて、彼が裕福で新しい物好きだったことを示しているようです。二角帽は、フランス革命を契機に「新時代の帽子」として世界的に急速に普及した形式です。

 こうして、徐々に服装が変化して行く様で、カリブの海賊が気ままに活躍する時代が終わりを告げ、近代的な国民国家と近代的海軍、特に大英帝国の海軍が世界の海洋を支配する19世紀が迫りつつあることを予感させているように思います。衣装を担当したペニー・ローズは、荒唐無稽な娯楽作品といいつつも、そのへんをしっかりと時代考証で裏付けし、見る人に感じ取らせようとしているのだと感じました。

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 一方で、海賊退治を専門とするスペインの軍人だったサラザールたちの着ているのは、銀色を基調としたかなり珍しい服装です。
18世紀末から19世紀初めのスペイン海軍の軍装は、上の写真に掲げたような、赤い襟が付いた紺色の軍服だったと思われるのですが、サラザールたちは恐らく、正規のスペイン海軍の軍人と言うより、海賊退治を専門とする私設海軍であり、国家の私掠船免許を持って正規海軍に準じた待遇を受けている民間船、という設定なのではないでしょうか。

 とにかく2人のオスカー俳優、ハビエル・バルデムとジェフリー・ラッシュの演技と存在感が圧倒的です。正直のところ、ジョニー・デップが食われてしまっています。ジャック・スパロウは徐々に本シリーズのアイコンとして、狂言回し的な立場になりつつある気もします。若い2人、「マレフィセント」の王子役で一躍、注目されたスウェイツと、「メイズ・ランナー」シリーズで有名になったスコデラリオの生き生きとした演技もいいですね。特にスコデラリオはハリウッドでも図抜けて目立つほどの美貌の持ち主。今後の活躍が期待されます。

 ポール・マッカートニーの出演シーンも見逃せません。実はあまりに演技がうまいので、かえって彼だと分からない感じです。才能のある人は何をやってもうまいのですね。

 そして、出番は少ないながら、オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイの登場するシーンはとにかく感動的です。ここを見なければ、このシリーズを見てきた意味がありません。

 本作が、初期シリーズの味わいに対するリスペクトを持ちつつ、微妙な相違点も感じさせるのは、どこかこれまでと違う明快さ、脚本の分かりやすさがあると思います。監督はノルウェーから大抜擢されたヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリの2人監督。脚本は「インディ・ジョーンズ」シリーズや「スピード2」のジェフ・ナサンソンが担当し、シリーズの中でも映画としての流れの良さ、ストーリーの無理のなさが本作の長所であると感じました。要するに、これまではどこか雑然としたストーリーが持ち味だったのですが、今回はスマートな作風に感じます。ここは北欧的な洗練が加わったのかもしれません。

 このシリーズが今後どうなるのか、継続するのか否かは分かりませんが、この時点でひとつの集大成的な作品として結実したように思います。若い2人の成長を今後も見てみたい、という気は大いにしますね。

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2017年7月 9日 (日)

GINZA 6(ギンザ・シックス)にて。

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 暑いですね。いよいよ本格的に暑くなってきました。しかし、九州ではあれだけの被害をもたらす大洪水ということなのに、首都圏では水不足が懸念されています。本当に自然相手はうまくいかないものです。
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 さてそれで、先日、GINZA 6(ギンザシックス)に行きました。開業後の喧騒も一段落して落ち着いていました。レストラン街の蕎麦屋さん「真田」でそばを食べましたが、これが非常によかったです。しかし撮影前にそばを食べてしまいましたので、写真にはビールしか映っておりません、あしからず(笑)。
 

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