« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »

2016年12月31日 (土)

2016年も大晦日。皆様よいお年をお迎えください!

Photo


 さて、
2016年も最後の1日、大晦日を迎えました。

 

 今年も熊本の大地震や秋の台風、先頃の糸魚川大火など、いろいろなことがありました。米大統領選や英国のEU離脱、相次ぐテロなど、国際的にも大揺れの一年。また、デビッド・ボウイさん、プリンスさんから、つい先日のジョージ・マイケルさん、キャリー・フィッシャーさん、そして彼女のお母様のデビー・レイノルズさん・・・多くのビッグネームが世を去りました。

 

 ひるがえって私たち夫婦はどうだったかと申しますと、まず8月に『軍装・服飾史カラー図鑑』(イカロス出版)を刊行出来ました。何しろ3年半越しの非常に苦労した出版計画だったので、本当に出せて嬉しかったです。10月には、推薦文をいただいたコシノジュンコ先生が発起人となって、この本の出版記念会をJunko Koshinoブティックで開催していただきました。この際には多数の皆さまにご来場賜り、まことにありがとうございました。さらにこの本は、世界的な高級ブランド、エトロETROのデザイナー、キーン・エトロKean Etroさんのお手元に渡りまして、同氏からは貴重なサインブックを頂戴いたしました。

それから、『図説 軍服の歴史5000年』(彩流社)も7月に3刷を出すことが出来ました。読者の皆さま、関係の皆さまに厚く御礼申し上げます。

また、今年は7月に、NHK BSプレミアムの番組「美の壺」の「華やぎのボタン」の回に出演し、英国海軍から徳川幕府海軍、そして日本海軍に至った錨の紋様がある金ボタンの歴史を解説いたしました。同じ月に、名古屋テレビの朝の情報番組「ドデスカ!」にも電話出演。「全力リサーチ」コーナーで、男性の夏の半ズボン姿について、18世紀末のフランス革命までは、男性の正装はむしろ半ズボンだった、といったコメントをしました。

そして今月には、朝日新聞122日付けの第3社会面「ニュース Q3」コーナーで、「ナチス風-批判浴びた欅坂46衣装」(秋山惣一郎記者)という記事にコメントを寄せ、さらに玲子のイラストも『軍装・服飾史カラー図鑑』からの引用という形で掲載されました。同様のテーマでは11月にも日刊ゲンダイ紙上でコメントしております。

小学館の「メンズプレシャスMen’s Precious春号」に、私が書いた「男心をくすぐる! ミリタリー・ウエア進化論」を掲載していただいたのも、今年の4月でした。

Photo_2


と、こうしてみると、なかなか盛りだくさんな一年だったような気がします。刺激もありましたが、かなりハードな一年でもあったように感じております。なんとか乗り切れましたのは、ひとえに皆さまの御指導・御鞭撻によるところと存じております。ありがとうございました。Photo_3


 

さて、昨年の大晦日は、「リーガル」の年末キャンペーンで贈られるテディベアを紹介しましたので、今年も。2016年のクマさんはポンチョをまとったフォークロア・スタイルという異色のもので、この企画の20周年を記念した特別バージョンでした。今年もよく出来ていますね!Photo_4


 

ということで、2016年もいよいよおしまい。来年はどんな年になりますか。皆さま、よい年をお迎えください。本年はまことにありがとうございました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月29日 (木)

【映画評 感想】ローグ・ワン(追悼:キャリー・フィッシャーさん)

20161228220923


 キャリー・フィッシャーさんがこの27日、急逝されましたね。享年
60歳。昨年、スター・ウォーズのエピソード7でレイア・オーガナ姫として奇跡のカムバックを果たし、今後もエピソード8、9と活躍されるはずでしたが、まだ若いのに・・・。ご冥福をお祈りします。(追記:キャリー・フィッシャーさんの母親で「雨に唄えば」などで知られる往年の大女優、デビー・レイノルズさんが28日に84歳で急逝されました。27日に亡くなった娘キャリーさんの葬儀について親族と協議中に倒れ、亡くなったそうです。お嬢さんの突然の死に大きなストレスを受け、後を追うように逝かれたようですね。2016年12月29日)

 そんな訃報が届いた28日、スター・ウォーズのシリーズ最新作「ローグ・ワンROGUE ONE」を見ました。もちろん、初めからこの日に鑑賞するつもりだったので、フィッシャーさんの訃報と重なったのは偶然でしたが、この作品のエンディングには、若き日のレイア姫が登場します。CG処理で若い日の容貌を再現しているようですが、まさに最盛期のレイア姫と再会できて、胸が詰まりました。

 なんで、若き日のレイア姫が登場するのか、といえば、この「ローグ・ワン」という作品は、これまでの正統な「エピソード1」に始まるシリーズの歴史の中で、まだ描かれていない隙間の時代の真相を描き出す新しい試み「スター・ウォーズ・ストーリーA STAR WARS STORY」の一作目だからでして、本作はエピソード4(つまりシリーズの第一作)の直前の時代、帝国と反乱軍の全面戦争が始まる時期を取り上げております。

 第一作の冒頭、レイア姫はダース・ベイダーに追われて逃げており、R2D2に帝国の究極の最終兵器「デス・スター」の設計図を託して、オビワン・ケノービの助力を得ようとします。そこにルーク・スカイウォーカーやハン・ソロが絡んできて、おなじみのシリーズが始まっていきます。第一作というのは、いかに反乱軍が難攻不落の要塞デス・スターを破壊するか、ということで終始した作品でした(もしシリーズ化されずに、あの一本で終わっても違和感がないような起承転結になっていましたね)。

 しかしでは、その設計図というのは、どうして反乱軍側の手に入っていたのでしょうか? ダース・ベイダーが死に物狂いで追いかけるほどの機密情報が、なぜ? その「なぜ」という部分を解き明かすのが、本作なわけです。そうそう。デス・スターの司令官といえば、おなじみターキン総督ですが、こちらも1994年に亡くなっているピーター・カッシングの顔をCGで再現して登場しています。今の技術だと、故人でも映像で「復活」させることが可能なのですね。

メガホンを執ったのはハリウッド版「ゴジラ」(2014)で知られるギャレス・エドワーズ監督。原案ジョージ・ルーカス、脚本は「シンデレラ」のクリス・ワイツ。

 

 帝国では最終兵器デス・スターの製造が遅々として進みませんでした。建造の責任者である帝国軍先進兵器開発局のクレニック長官(ベン・メンデルスゾーン)は、開発途中で任務を放棄して隠遁してしまった旧友の科学者ゲイレン・アーソ(マッツ・ミケルセン)に、開発計画に復帰することを強要。この際、抵抗した妻のライラは死に、一人娘のジン・アーソは逃げ延びて、父ゲイレンの友人で、反帝国ゲリラの首領であるソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)に救い出されます。

 それから15年後。帝国軍の労働収容所に捕らわれの身となっていたジン(フェリシティ・ジョーンズ)は、反乱軍の部隊に救出されます。というのも、帝国の技術者として兵器開発に当たっている父ゲイレンからメッセージを託された帝国軍の脱走パイロット、ボーディー(リズ・アーメット)が、惑星ジェダのソウ・ゲレラの下に身を寄せたとの情報があったからです。しかし、同じ反帝国の立場でありながら、反乱軍は過激な闘争路線を貫くゲレラとは疎遠でした。そこで、ゲレラが娘同然に育てたジンを彼に接触させ、ゲイレンの情報を聞き出そうと考えた反乱同盟は、情報将校キャシアン(ディエゴ・ルナ)と、ドロイドK-2SO(モーション・キャプチャー:アラン・デュディック)を同行させたうえで、ジンをジェダに送り込みます。

 ジェダで、盲目の戦士チアルート(ドニー・イェン)、その友人のベイズ(チアン・ウェン)を仲間に加え、帝国軍の追及を逃れたジンたちは、ソウ・ゲレラと会うことができ、ジンは父からのメッセージを受け取ります。それは、父ゲイレンが長年にわたって帝国に従うふりをしてデス・スターに重大な弱点を仕込んだ、という極秘情報でした。しかし、その弱点を正確に衝くには、デス・スターの設計図が必要です。

 同じころ、帝国の最高幹部である野心家ターキン総督(CG:ピーター・カッシング)は、クレニックを呼び出し、脱走兵ボーディーによる情報漏洩と、デス・スター開発の遅延についてくどくどと叱責していました。ターキンがこの件の手柄を独り占めしようとしていることを悟ったクレニックは、皇帝に直接、拝謁する機会を得るべく、デス・スターの試験射撃を実施することにします。その標的は、ボーディーが身を潜めた惑星ジェダでした。

 デス・スターの一撃でジェダは壊滅。危うく難を逃れたジンたちは、ゲイレンがいると思われる帝国軍研究所がある惑星イードゥーに向かいます。ジンはここで、懐かしい父と再会しますが・・・。

 これまで得た情報を基に、デス・スターの脅威と、その弱点について惑星同盟の評議会に力説し、ただちに戦闘を開始するよう求めたジンたちですが、この期に及んで帝国軍との全面戦争になることを恐れた評議会は意見が決裂。やむなく、正式な命令を得ないまま、ジンとキャシアンを始め少数の仲間たちは、特攻隊を編成して、デス・スターの設計図がある惑星スカリフの帝国軍要塞に潜入することに。基地を発進する際に、オペレーターから「そちらのコールサインは?」と聞かれたボーディーは、その場の思い付きで「はぐれ者の第1号部隊」つまり「ローグ・ワン」と名乗ります。かくて、生還を期し難い決死の作戦に、ローグ・ワンの面々は挑むことになります。

 そのころ、デス・スターをめぐる一連の動きを苦々しく見ていた一人の人物がいました。帝国の大立者で、皇帝の側近であるかつてのジェダイ、アナキン・スカイウォーカーこと暗黒卿ダース・ベイダー(声:ジェームズ・アール・ジョーンズ)その人です。クレニックの不手際と独断専行を厳しく叱責したベイダー卿は、自らこの件に介入する必要性を感じ始めていました・・・。

 

 ということで、これはもう典型的な、1960年代あたりに盛んに製作された、ドイツ軍の要塞に潜入して、自らの命と引き換えにしても連合軍を勝利に導く・・・というパターンの特攻隊もの、決死隊もの戦争映画そのものです。さらにまた、盲目の武芸の達人や甲冑のような装備を身に付けた荒武者のような登場人物、壮絶な死闘・・・と、日本人の心の琴線に触れる時代劇の王道パターンにもぴったりとはまります。原案のジョージ・ルーカスがあまたの戦争映画や時代劇映画を見て影響を受けていることは有名ですので、もう私のような、そういう作品が大好きな人間としては、まさにツボにはまった一作です。はっきり言って、今までのSWシリーズでいちばん、感動的だったとすら思います。

 そして、大戦争の緒戦であるために、強い帝国軍の描写が生き生きとしております。ターキン総督の元気なお姿を拝することができたのはもちろん、なんといってもダース・ベイダーが元気で強い。後の作品では、だんだん衰えていくベイダーの晩年が描かれていたわけですし、エピソード1~3では逆に完成前の姿でしたから、暗黒卿としての全盛期の姿を描いたのは本作が初めてかもしれません。いやもう、強い、強い。惚れ惚れします。改めて、やっぱりダース・ベイダーさんがいないとこのシリーズは盛り上がらないな、と思いましたね。声を当てているのも一作目からの名優ジェームズ・アール・ジョーンズ。あのダース・ベイダーが帰ってきた、という感じでした。

 そして、最後に出てくる若き日のレイア・オーガナ姫。フィッシャーさんの悲報に接した直後なので、思いもひとしおでした。

シリーズとしては外伝的な位置づけなのですが、特に第一作(エピソード4)が好きな方は、これを見ない手はありません。お薦めの一作ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月25日 (日)

ダイエーのピーターラビット特大サイズを手に入れました!

Photo


 今日がクリスマスで、いよいよ年末のラストスパート。いかがお過ごしでしょうか。
 ところで、ダイエーでは、現在「ぬいぐるみを手に入れよう!」キャンペーンを実施しています。今回は人気の高い「ピーターラビットのぬいぐるみ」がテーマ。
 ダイエーで買い物をして、1000円ごとにレジでシールを一枚もらえ、そのシールを集めて台紙に貼り、15枚集まるとメーカー希望小売価格3240円する、座高28センチのぬいぐるみが激安880円で買えます!Photo_2



 20枚集めると40センチ、5184円の物が1528円に、30枚集めますと、本来なら8100円もする55センチの巨大なぬいぐるみが、2639円でゲットできる、という仕組みです。28センチの物にはピーターラビットのほか、ピーターの従兄ベンジャミン・バニー、ピーターの妹フロプシーのものがあります。40センチの物はピーターとピーターの母親ミセスラビットの2種類、55センチの物はピーターのみです。つまり全部で3サイズ、6種類があるということです。
Photo_3


 私は前に、ベンジャミン、フロプシーと、ミセスラビットを買いました。そしてこのたび、ピーターラビットの55センチサイズを手に入れました。他のものと比べると、でかいですね。
 今回のキャンペーンは2017年1月8日までシール配布、同15日まで商品販売します。いよいよ終盤ですので、興味がある方はお早めに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月24日 (土)

メリークリスマス! Merry christmas!Frohe Weihnachten!

Photo


 メリークリスマス! Merry christmas!

 Frohe Weihnachten!

イラスト:辻元玲子 illustration : Reiko Tsujimoto

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月23日 (金)

一足早くクリスマス&忘年会をやりました!

Photo


 皆さま、クリスマスを入れた3連休ですね。いろいろな過ごし方をされる方がいらっしゃると思います。天皇誕生日の今日、銀座から丸の内を歩いてみましたが、さすがにすごい人出です。一方で、地元の駅前などは閑散としているようで。Photo_2



 私どもは、あいにく世間の3連休はすべて仕事となってしまいましたので、一足早く、22日に日比谷の帝国ホテルのレストランで、クリスマスディナーを兼ねた夫婦忘年会をやりました。この日は平日だったので、お客さんの入りもちょうどいい感じでしたけれど、連休に入ってからは、きっと怒濤の大混雑なのではないでしょうか・・・。Photo_3



Photo_4


 今年もなかなか、大変な一年だったような・・・。おっと、まだ1週間以上ありますね、最後まで気を引き締めていかないといけません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月16日 (金)

衆院議員会館地下の食堂にて。

Photo


Photo_2


Photo_3


Photo_4


Photo_5


 先日ですが、東京・永田町の衆院議員会館地下にある「第二議員会館食堂」というところに行く機会がありました。ご覧のように、玲子は「醤油ラーメン」600円、私は「カツカレー」896円と至って普通のメニューで、普通のお値段。しかし、お味はなかなかのものです。うまいです。あと、普通でないのが、ラーメンに載っている海苔です。表面を削って国会議事堂の絵が浮き出しています。どなたでも、しかるべき議員事務所の関係者とアポイントを取って入館すれば、利用出来ます。会館の地下には、お土産屋さんなどもあり、まあ私たちのような「お上りさん」向けにしっかり設備が出来ているのが印象的でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月 9日 (金)

【映画評 感想】五日物語-3つの王国と3人の女-

20161209015632


 「五日物語-3つの王国と3人の女-」
Tale of Talesという映画を見ました。イタリアの鬼才マッテオ・ガローネ監督が描く17世紀初頭(日本でいえば江戸時代の初め)を舞台としたダーク・ファンタジーです。原作は、ナポリ王国の傭兵から詩人となったジャンバティスタ・バジーレ(15751632)が書いた世界最初の「おとぎ話集」です。「白雪姫」や「シンデレラ」「眠れる森の美女」「ラプンツェル」「長靴を履いた猫」など、後の時代にグリム兄弟やペローなどがまとめた有名なおとぎ話の原話のほとんどが、この五日物語(ペンタメローレ)に収められているそうです。

 原作本は、ある君主が五日間にわたって、毎日、十話ずつ面白い話を話させる、という形式で五十話の昔話が集められています。その中に、たとえば後のシンデレラにつながる「灰被り姫」(ツェネレントラ)といった物語があったわけです。

 それで、この映画では、あまり一般に知られていない「魔法の牝鹿」「生皮を剥がれた老婆」「ノミ」の三つの物語をベースとし、大胆にアレンジ。隣り合う三つの王国の物語として再構成しています。オムニバス形式ではなく、いずれも同時代の隣国の話で、直接のかかわりはないけれど話が交差し、最後には一つのエンディングに結びつく巧みな脚本になっております。

 

 不妊に悩むロングトレリス王国の王妃(サルマ・ハエック)と国王(ジョン・C・ライリー)の下に一人の魔術師が現れます。子宝を授かる方法を伝授された夫妻は、その教えに従い、国王は海に潜って海中の化け物を退治しますが、自分も命を落とします。王妃は魔術師に言われた通り、化け物の心臓を貪り食い、ただちに妊娠します。しかしなぜか、心臓を調理した下女も同時に妊娠。こうして、全く同時刻に王妃にはエリアス(クリスチャン・リーズ)という王子が、下女にはジョナ(ジョナ・リーズ)という息子が誕生します。

 それから16年後、エリアスとジョナは兄弟でもないのに、瓜二つの容貌に育ちます。下女の息子と兄弟のように交わるエリアスに対し、王妃の怒りが爆発します。やむなくジョナは城を出て行くことになりますが・・・。

 

 その頃、隣国であるハイヒルズ王国の国王(トビー・ジョーンズ)は、王妃に先立たれて一人娘のヴァイオレット王女(ベベ・ケイヴ)と暮らしていますが、父王は娘の気持ちに鈍感で、自分の趣味に没頭する子供じみた性格。ある日、一匹のノミに魅了され、それを溺愛して飼育するうちに、ついにはノミであるにもかかわらず、人間を上回るほど巨大に成長してしまいます。そんな変わり者の父親に束縛される生活を窮屈に思ったヴァイオレットは、結婚して城を出て行きたいと懇願します。

 しかし、娘を手放す気などない国王は、思いがけない方法で娘の夫選びをすることを宣言します。この国王の気まぐれのために、王女の夫と定められたのは、なんと山奥に住む恐ろしい人食い鬼でした・・・。

 

 さらに別の国、ストロングクリフ王国の国王(ヴァンサン・カッセル)は好色のために、王宮はハーレム状態。ある日、城下から美しい女性の歌声が聞こえてきます。その美声に聞きほれた国王は、声の主が住むあばら家に出かけ、想いを遂げようとします。

 実は、その美声の主は醜い老婆であるドーラ(ヘイリー・カーミッシェル)で、妹のインマ(シャーリー・ヘンダーソン)と2人でつましく暮らしていたのでした。しかし、インマの心配をよそに、国王の誤解に基づく申し出を一世一代のチャンスと考えたドーラは、暗闇の中で、という条件付きで王と一夜を共にします。ところが王は、ドーラが実は老婆であることに気付くと激高し、城の高窓からドーラを突き落とします。裸で傷を負い、泣いているドーラを見て、通りすがりの魔女が魔術をかけてくれます。こうしてドーラは若さを取り戻し、絶世の美女(ステイシー・マーティン)に生まれ変わります。たちまち国王の寵愛を得て、正式に王妃に迎えられることとなりますが、婚礼の場に招かれたインマは、美しく若返り権力を手にした姉に激しく嫉妬します・・・。

 

 というようなことで、三つのお話が進行していくわけですが、主に三つの王国の3人の女性の欲望や無知、執着心といったものから、人間の醜さ、弱さがあぶり出されていく展開で、お話としては極めて陰惨・残酷で救いがありません。カラッとして分かりやすく、爽快なハリウッド映画に慣れた人にはとっつきにくいでしょうが、そこはイタリア人監督による、美意識に満ちた作品です。いわゆる合理的な分かりやすさを求めてはいけないのだと感じます。別に難解な、哲学的な話はないのですが、すっきりと腑に落ちる謎解き、といったサービス精神は全くないと言ってよく、見る人の解釈や感性に多くを委ねる作風です。

 特に、中世のヨーロッパのおとぎ話などは、そもそもダークで不条理で、意味不明な展開になる場合もしばしばあるもので、本作はそういう中世的な要素から免れる考えなど、初めからないのだと思います。

 とにかく、この作品で最も見るべきは「美意識」そのものなのではないか、と思います。合理性という病に侵される前の時代の過剰な美。それ自体がテーマなのではないかとも思えます。13世紀の神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世(後の時代のプロイセン国王、フリードリヒ大王と同名ですが別人です)が築いた世界遺産、デルモンテ城や、断崖にそびえるロッカスカレーニャ城など、イタリアが誇る国宝級の城塞の数々でロケが敢行されております。

さらに登場する人々が身にまとうのは、まさに17世紀初頭のダブレットや半ズボンにタイツ、襟飾りといった歴史上でも最も華麗に男女が着飾った時代の装束。衣装デザインを担当したマッシモ・カンティーニ・パッリーニは、「ヴァン・ヘルシング」や「ブラザーズ・グリム」といった史劇でアシスタントとして修業を積み、本作では素晴らしいコスチューム・デザインが評価され、4つの衣装デザイン最優秀賞を受賞して注目を集めているそうです。やはりこの作品でとにかくすごいのは豪華絢爛たる衣装でして、これだけで一見の価値があると思います。

監督自身、「僕のアプローチはアメリカ的な映画とは対極にある」とパンフレットで述べています。英語を使っており、英語圏の出演者が多いのですが、絶対にハリウッドからは生まれない作風で、とにかくヨーロッパ、イタリアの美を感じさせる映画です。そういうものが好きな方には必見の一作と思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年12月 2日 (金)

朝日新聞に辻元よしふみと辻元玲子が登場しました。

 

20161202140935


 20161202141010


きょう2016年12月2日付けの「朝日新聞」朝刊の37ページに「ナチス風・・・批判浴びた欅坂46衣装」という記事が掲載されました。私、辻元よしふみがコメントを寄せ、さらに辻元玲子のイラストが『軍装・服飾史カラー図鑑』(イカロス出版)からの転載の形で掲載されました。
 朝日新聞デジタルの記事は下記。
 http://www.asahi.com/articles/DA3S12686244.html?iref=comtop_list_ren_n07

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »