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2016年9月 1日 (木)

X-MEN:アポカリプス ジャングル・ブック

 このところ諸事いろいろあり、映画を見られなかったのですが、ようやく2本立てで見てきました。公開からしばらく時間がたっていますので、間に合ってよかったです。

 

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まず「
X-MEN : アポカリプス(原題 X-MEN : APOCALYPSE)」。2000年に始動した現在のX-MENシリーズも、ウルヴァリンの単独作品を加えると、通算9作目。一応、これでシリーズは完結した、ということになります。

 そもそもこのマーベル・コミックの映画化が商業的に成功し、ヒュー・ジャックマンやハル・ベリー、それに「ロード・オブ・ザ・リング」にも出ていたイアン・マッケランが世界的な映画スターとしてブレイクするきっかけにもなることで、「コミックの映画化は成功する」という機運を作りだし、その後のコミック系映画の隆盛を築いた歴史的シリーズだったと言えます。特にジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーを据えて1960年代の前史から再始動した新3部作は、前作で新旧メンバーが共演する夢の顔合わせを実現した上に、歴史が変わって旧シリーズの設定がいったん白紙になることで、今回の作品が成立しています。このため、旧3部作では主要メンバーだったキャラクターが敵にまわったり、逆に敵として登場した人物が味方となったり、ということが可能になって、作品の幅が大きく広がりました。

 

 古代エジプトで全能のファラオとして君臨したエン・サバ・ヌール(=アポカリプス。オスカー・アイザック)は、人類初のミュータントであり、何度となく他の肉体に転生を繰り返し現人神として生きてきましたが、思いがけず部下の反乱に遭い、永い眠りに就くことに。

 そして1983年。エジプトで蘇ったアポカリプスは、ストーム(アレクサンドラ・シップ)、サイロック(オリヴィア・マン)、エンジェル(ベン・ハーディー)の3人のミュータントを従者とし、現代の社会を征服しようと動き出します。彼が4人目の従者として白羽の矢を立てたのは、ポーランドで労働者としてつましく生きていたものの、ミュータントであることを周囲に知られた途端、家族を殺され、社会から追放されて人間に対する激しい憎悪を復活させたマグニートー(ファスベンダー)でした。

 エジプトで異変が起きたことを察知したプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(マカヴォイ)は、その動きを探っていたCIAエージェントでかつての恋人モイラ(ローズ・バーン)と再会しますが、彼女の記憶はチャールズ自身が封印したままになっています。

 そんな中、マグニートーが動き出したことを知り、レイブン(ジェニファー・ローレンス)はナイトクローラー(コディ・スミット・マクフィー)を伴い、チャールズが主催する「恵まれし子らの学園」に向かいます。学園ではビースト(ニコラス・ホルト)、ジーン(ソフィー・ターナー)、それにアレックス(ルーカス・ティル)とスコット(タイ・シェリダン)のサマーズ兄弟がおり、チャールズの能力を駆使してマグニートーを探すことにします。しかし、この行いのために、アポカリプスはチャールズの精神の中に侵入し、その能力を利用して世界中の核兵器を無力化。さらにマグニートーの力を用いて地球上のあらゆるものを破壊し、世界を支配することを宣言します。

 学園は爆発し、アレックスは死亡。クイックシルバー(エヴァン・ピーターズ)の活躍によりその他の者は命拾いしますが、チャールズはアポカリプスたちに拉致されてしまいます。さらにそこに現れたのは、ミュータントたちの宿敵であるストライカー大佐(ジョシュ・ヘルマン)率いる特殊部隊でした。レイブン、ビースト、モイラが捕らわれの身となる中、ジーン、ナイトクローラー、スコットの3人はストライカーの基地内に潜入。そこで彼らが出会ったのは、記憶を失い生態兵器となっているウェポンXことウルヴァリン(ジャックマン)でした・・・。

 

 というわけで、人類が神だと思って崇拝してきたのは、一人のミュータントだったというのがこの設定。実際、アポカリプスの力は神のごとき全能なもので、これに対するミュータントたちは、まだX-MENとして正式に始動する前の未熟な若者たち。チャールズの強大な精神力がアポカリプスの手に入れば、もはや何者も抗しがたくなる・・・ということになります。かつてはマグニートーの手下として敵キャラで活躍したレイブンやナイトクローラーが今回は正義の側に、逆に一貫してX-MENチームの中核だったストームが敵側で登場するのが興味深いところです。前作で歴史が変わっているので、似たような話が微妙に違う結果になっていく妙味は、やはりこれまでのシリーズをずっと見ていた人ほど楽しめるもののように思います。

 

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次に見たのが「ジャングル・ブック
THE JUNGLE BOOK」。ウォルト・ディズニーの没後50年企画映画で、ディズニー本人が最後に手がけ、没後に公開されたアニメ「ジャングル・ブック」(1967年)の実写映画化です。原作は19世紀末にインド生まれの英国の文豪キプリングが書いた短編小説です。後に本作の影響を受けて、舞台をアフリカに替えてバロウズが書いたのが「ターザン」だと言われており、本作の方が野生児ものの元祖と言えるようです。

 

 インドのジャングルで暮らす野生児モーグリ(ニール・セディ)。彼は幼いころに黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングズレー)に拾われ、アキーラ(ジャンカルロ・エスポジト)が率いるオオカミの群れで育ちます。母親となったのは優しい雌オオカミのラクシャ(ルピタ・ニョンゴ)。しかし人間の子であるモーグリを蛇蝎のように嫌悪するベンガルトラのシア・カーン(イドリス・エルバ)は、モーグリを殺すことを宣言。オオカミの群れに緊張が走ります。

 悩んだ末に、モーグリは群れを離れることを決意。バギーラはモーグリの命を守るには、モーグリを人間の世界に帰すしかないと決断します。しかし、バギーラはシア・カーンに襲われて負傷。たった一人で森をさまようモーグリは、大蛇のカー(スカーレット・ヨハンソン)から、シア・カーンがかつてモーグリの父親を殺したこと、そのときに父親がシア・カーンの顔に傷を負わせたために、カーンが人間を憎悪していることを聞きます。

 カーはそのままモーグリを食べようとしましたが、クマのバルー(ビル・マーレイ)に救われます。気ままに自由に生きるバルーと共に暮らすうちに、モーグリはジャングルの掟に縛られるだけの生き方に疑問を抱いていきます。

 そのころ、シア・カーンはオオカミの群れを訪れ、不意を衝いてアキーラを殺害。群れを乗っ取り、モーグリが復讐するために戻ってくるのを待ちます。

 同じころ、古い人間の寺院に住んでサルたちを支配している類人猿の王キング・ルーイ(クリストファー・ウォーケン)もまた、自分の野望のためにモーグリを利用しようと画策していました・・・。

 

 というようなことで、大筋ではオリジナル版と大きな相違はないのですが、何しろモーグリ以外のすべての背景、すべての動物や植物はフルCGである、というが驚きです。とうとう技術的な進歩もここまで来たか、という感を強くします。このリアルな森も川も、全くインドで野外ロケすることなしに(ただし当然ながら、現地取材は綿密にしたそうです)撮影されているというのは驚くべきことです。豪華絢爛たる声優陣は、さすがにディズニー映画というか、ちょっと考えられないほどの布陣ですが、これほど作り込んだ世界を生き生きと見せてくれるのは、これら名優たちの演技力のたまものでしょう。

 そして何よりも、モーグリ役のセディの熱演ぶり。よく演じきったものです。67年版の陽気な作風からはかなりシリアスになっていますが、しかし「あのテイスト」もバランスよく残している感じがします。まことに驚嘆すべき作品です。

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