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2016年9月30日 (金)

「モデルアート」11月号で『軍装・服飾史カラー図鑑』紹介していただきました。

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 このほど発売の「モデルアートModel Art」2016年11月号(Nr.952)の書評欄に、辻元よしふみと辻元玲子の新刊『軍装・服飾史カラー図鑑』が紹介されました!
 紹介記事では「服飾史・軍装史研究家と、歴史考証復元画家のご夫婦コンビによる軍装史タイトルの3作目。古代ローマから現代までの服装から40種を選び、正確な色調から材質の感触までを正確に再現した労作。さらに資料の入手に一層の困難を伴ったという背部の描写まで含まれている。特徴的な古代の衣装について、構造や着用法も描かれており、一層興味を引く内容になっている」とございました。モデルアート様、まことにありがとうございました。20160929223511

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2016年9月29日 (木)

「繊研新聞」で『軍装・服飾史カラー図鑑』を紹介していただきました。

 

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2016年9月26日付の「繊研新聞」の「新刊」欄に、辻元よしふみ、辻元玲子の『軍装・服飾史カラー図鑑』が紹介されました。アパレル界の専門紙に取り上げていただき光栄です。
 書評では「40テーマで古代から現代までの歴史を解説する――本書冒頭に年表「紳士服と軍服の変遷」を掲載しているので全体を把握しやすい。ローマ軍団百人隊長(1世紀ごろ)から始まり、現代スーツ姿の紳士までを掲載。巻末の軍人の階級入門一覧では日本陸軍、自衛隊、イギリス陸軍、ドイツ国防軍陸軍、企業をまとめ、軍隊の編成の目安も一覧にしている。また主要参考文献も掲載。オールカラー大判手描きイラストで後ろ姿やディテールも徹底再現されている」とありました。繊研新聞様、誠にありがとうございました。

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2016年9月25日 (日)

「モデルグラフィックス」11月号で『軍装・服飾史カラー図鑑』紹介!

 「月刊モデルグラフィックス」2016年11月号(Number 384)の「MGスープレックスホールド」58ページにて、私どもの『軍装・服飾史カラー図鑑』(辻元よしふみ著、辻元玲子;イラスト。イカロス出版刊)を紹介していただきました。
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「古代から現代まで、軍服や紳士服の歴史を紐解くオールカラー豪華版服飾史図鑑。服飾の解説とともに、軍服や軍装が紳士服の歴史のなかでどういう位置づけになるのか、軍装と一般の服のあいだの影響を明らかにしていく。イラストは全点手描きオールカラー。後ろ姿や着用方法、装飾品などのディテールも抜かりなく詳細まで紹介している」とございました。厚く御礼申し上げます。20160925041720

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2016年9月21日 (水)

「MC★あくしず」2016秋号に『軍装・服飾史カラー図鑑』紹介!

 

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 発売されたばかりの「MC★あくしず」誌2016秋号(vol.42)の112ページ、および135ページに、『軍装・服飾史カラー図鑑』(イカロス出版、税込3500円、辻元よしふみ/著、辻元玲子/イラスト)の宣伝が掲載されております。20160921233709



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 改めて内容をご紹介しますと、ドイツの武装親衛隊や昭5式軍衣の日本軍将校、現代の自衛隊儀仗隊などから、古い時代では古代ローマ軍団の百人隊長や十字軍の騎士、オスマン帝国のイェニチェリ、ポーランドの有翼騎兵、ナポレオン軍の華麗な軍装、フリードリヒ大王から第二次大戦期までの歴代のプロイセン~ドイツ帝国~第三帝国の軍服など・・・また、ボー・ブランメルをはじめスーツやフォーマル・ファッションなど一般紳士服の歴史も紹介し、紳士服の歴史の中で、騎士や軍人の服装がどんな位置づけになるかを詳細に解説しております。
 ご要望の多い「後ろ姿」や「剣や刀の帯び方」、「勲章や徽章、階級章」のシステムや由来なども可能な限り図解化。オールカラー手描きイラストで精細に表現しております。
 軍装に興味のある方、歴史的なコスチュームに興味のある方、一般の紳士服とファッションが好きな方、またファッション・デザイナー、漫画家、アニメーター、ゲームクリエイター、歴史的な設定の作品を書かれる作家の方・・・などにもぜひお読みただければ、と思っております。
 宜しくお願い申し上げます。

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2016年9月18日 (日)

【映画評 感想】スーサイド・スクワッド

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 映画「スーサイド・スクワッド
SUICIDE SQUAD」を見ました。原題は意味としては「自殺部隊」です。マーベルと並び立つアメリカン・コミック界の雄、DCコミックスが生んだヴィラン(悪役)を集めた悪人版アベンジャーズ、といったところ。スーパーマンやバットマンといったスーパーヒーローとは対極の存在。重罪人である彼ら彼女らに、死ぬのが必至のまさに「自殺的な」危険な作戦を遂行させる、死んでもどうせ元から死刑か無期懲役の連中だから問題にはならず、万が一、作戦に成功して生き延びたら減刑してやる、といった条件で戦わせるという発想です。

が、こう聞くと思い出されるのが、かつての名作映画、1967年の「特攻大作戦」(ロバート・アルドリッチ監督)です。ノルマンディー上陸作戦の直前、警備厳重なドイツ軍の将校クラブを襲撃するべく、米軍刑務所に収監されている凶悪犯罪者の兵士が集められ、決死隊が編成されます。演じたのはチャールズ・ブロンソン、アーネスト・ボーグナイン、テリー・サバラスといった一癖ある俳優ばかり。リー・マービン演じる型破りの少佐が囚人部隊を統率していく過程が非常に面白く、映画はヒットしました。私はこの映画を小学生のころに初めて見て、「デス・バイ・ハンギング(絞首刑)」という英語を覚えました。というのも、兵士たちのプロフィールが冒頭に紹介されるのですが、どいつもこいつも「軍法会議の結果、絞首刑」ということで、デス・バイ・ハンギングという言葉を何度も聞くことになったからです。

それで、映画のパンフレットによれば、本作のデヴィッド・エアー監督は「特攻大作戦を参考にした」と明言しております。もともと軍歴があり、脚本家として「U-571」、監督して「フューリー」といった純然たる戦争映画も手掛けている同監督は、アメコミの映画化というよりも、一種の戦争映画としてこの作品を作った、といいます。実際、本作のテイストには、ひとつひとつの戦場の状況把握、敵味方の心理を追う手法やら、非常時において、必死に戦う前線の兵士と裏腹に、ひたすら保身に走る上層部の姿、といった描き方に、戦争映画的なリアリティーを感じます。いかにもコミック的な非現実的ファンタジー、という作品ではありません。あえていえば、怪獣映画なのだけど、実際には戦争映画であり政治映画である「シン・ゴジラ」と、どこか似ているのではないでしょうか。

 

スーパーヒーロー、スーパーマンが死に、国葬が行われます。アメリカ国民は悲嘆に暮れていました(コミックの設定的には、古代の異星人が作り上げた生体兵器ドゥームズデイとの戦いで、スーパーマンが命を落とした時期、ということだそうです・・・結局その後、復活したようですが)。

そして、スーパーマン亡き今、また別の危険な化け物、通常の警察や軍隊では手に負えない未知の危険が出現したらどうするのか、が安全保障上の大問題になりました。

そこで、政府諜報部門の高官アマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)は一計を案じ、かつて存在した秘密の犯罪者による特殊部隊「タスク・フォースX」を再編成することを軍高官に認めさせます。どうせ犯罪者集団なので、作戦上で問題が起きても政府は責任を問われることもなく、隊員が死傷しても知ったことではない。このアイデアの下、スーパーマンやバットマンに捕らえられ、連邦刑務所に収容されている悪人たち、特に釈放される可能性のない重犯罪者たちが集められます。

無数の生命を奪った暗殺犯で、狙撃の名人デッドショット(ウィル・スミス)、元は精神科医だったが、犯罪都市ゴッサムシティの闇社会の帝王ジョーカー(ジャレッド・レト)の愛人になることで悪に落ちたハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、殺人ブーメランが武器のその名もブーメラン(ジェイ・コートニー)、ナパーム弾のように何者も焼き尽くしてしまう人間火炎放射器ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)、ロープ使いの名人スリップノット(アダム・ビーチ)、爬虫類のような無敵のワニ男キラークロック(アドウェール・アキノエ=アクバエ)。

これを率いる部隊長は、リック・フラッグ大佐(ジョエル・キナマン)ですが、当然、普通のやり方でこの連中が言うことを聞くはずはありません。そこで、隊員たちには全員、首筋にナノ爆弾を埋め込み、責任者のアマンダか隊長のフラッグが端末を操作すれば、瞬時に爆発して頭部が吹き飛ぶ、という仕掛けにしました。さらにお目付け役として、フラッグの用心棒である日本人の女性剣士カタナ(カレン・フクハラ)が従い、命令に服さない隊員は容赦なく必殺の日本刀で斬り捨てる構えです。デッドショットが自嘲して言います。「つまり俺たちは、自殺部隊というわけだな?」

しかし実は、もう一人、本来は部隊の最強メンバーとなるべき候補者がいました。彼女の名は考古学者ジューン・ムーン博士(カーラ・デルヴィーニュ)。ただ一人、犯罪歴などない全くの善良な民間人です。しかし不幸なことに、ジューンはかつて密林の奥の遺跡で古代の危険な呪術の遺物にふれ、実に6000年以上も前から女神、魔女として君臨する悪霊エンチャントレス(デルヴィーニュの一人二役)に取り憑かれてしまったのです。ジューンはエンチャントレスをいつでも呼び出すことが出来ますが、呼び出したが最後、ジューンの意思は失われ、制御は出来なくなります。そこで、ジューンを保護したアマンダは魔女の弱点である心臓を手に入れ、魔女が従うしかない状況にして、無理やり言うことを聞かせることにします。さらにフラッグにジューンを警護させることで、アマンダのねらい通りに二人は恋に落ち、フラッグもこの危険な任務から逃れられない状況を作って、すべてを統制した、はずでした。

しかしエンチャントレスはそんな甘い相手ではなく、弟の魔神も現世に呼び出して力を増強させると、アマンダの支配から逃れて世界征服に乗り出します。

この状況で、タスク・フォースXに出動命令が下りますが、単なるテロリスト掃討が目的と告げられて、相手が何者なのかは知らされていません。施設に取り残された要人を救出しろ、という命令に従い彼らは出撃しますが、襲ってきたのはエンチャントレスによって醜い化け物に変身させられた無数の人々のなれの果て。話が違う・・・と混乱するメンバー。脱走を企てる者、疑問を持つ者、もともと強制的な命令に従っているだけの部隊の弱さというもので、メンバー間では不信感が募り、結束がバラバラになりそうな中、はたして彼らはエンチャントレスの完全復活を阻止できるのでしょうか・・・。

 

ということで、とにかくハードでダークなアクション映画ですが、単なるけれん味で見せるコミックものではなく、先にも書いたように、戦場ものとしてのリアリティーがある作風です。歴代の名優が引き継いできたジョーカー役を引き受けたジャレッド・レトは、本人も非常に重圧だったと言いますが、クレイジーかつ繊細な、新しいジョーカー像を生み出していると思います。マーゴット・ロビーは「ターザン/REBORN」でターザン夫人ジェーンを演じていました。芯が強いとは言えヴィクトリア朝の貴婦人役だったターザンと違い、今回は作品中でも最も常軌を逸したキャラクターですが、設定的に単なる下品な悪役ではダメで、非常に高い知性とその裏返しの狂気を表現しなければならない難しい役所ですが、魅力的に演じきっています。ウィル・スミスの加入は、監督がキャスティングで最初に望んだことだったそうですが、根からの悪党でない、実は心優しい面や正義感も隠し持っている孤独な狙撃手、そして全体のリーダー的存在というポジションをしっかり固めています。

注目されたのが、今作が映画デビューという新人のカレン・フクハラ(福原かれん)。この人は日系アメリカ人で、どうもまだ大学生らしいですが、日本語もしっかり出来るようで、劇中の彼女の日本語セリフは安心して聞いていられます。今まで剣術の経験はないとのことですが、武術は習っていたそうで、見事な女サムライぶりです。日本人としては応援したくなりますね。

スーパーモデルのカーラ・デルヴィーニュは、映画デビューの「アンナ・カレーニナ」などではセリフもほとんどない役でしたが、いよいよ本格的な女優業に乗り出してきました。この人はやはり存在感がありますし、当たり前ですが奇麗ですね。もうちょっと魔女ではなくて、ジューンの状態の姿を見たかったと個人的には思いました。

またベン・アフレックが、ブルース・ウェイン(バットマン)として出演しています。

そもそも、私は「ターザン」のマーゴット・ロビーが出ていると聞いて、どのぐらい違うキャラになっているのか見てみたくて観賞した作品でしたが、これは一見の価値がありました。手応えのあるコミックもの、を見てみたい方はぜひ劇場の大画面でご覧を。

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2016年9月17日 (土)

【映画評 感想】キング・オブ・エジプト

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 「キング・オブ・エジプト
GODS OF EGYPT」という映画を見ました。「エジプトの王様」というタイトルなわけですが、原題をよく見ると「エジプトの神々」。実際、この話の設定ではエジプトを最初に統治したファラオたちは、本当に神々であって、肉体的にも巨人だった、ということになっております。だから時代考証的な古代エジプトではなく、ファンタジー的な古代エジプトということです。かつてレイ・ハリーハウゼンが作ったギリシャ神話やアラビア神話ベースの娯楽映画の現代版、という感じですね。「アイ,ロボット」「ノウイング」などで知られるアレックス・プロヤス監督の7年ぶりの作品です。

 古代神話ではあちこちに見られる兄弟神の相克の物語。エジプト神話においては、太陽神ラーの息子であるオシリスと、その弟のセトが対立します。オシリスがセトに殺されてしまうと、オシリスの妻イシスと、その子ホルスがセトを打倒し、オシリスは冥界の王に、ホルスがエジプトの統治者になる・・・そんな話です。この映画は、そのあたりのお話を大胆にファンタジー化したものです。これまでギリシャ神話や北欧神話はかなり題材として取り上げられてきました。エジプト神話というのは、エジプト生まれのプロヤス監督らしい着眼だと思われます。

 

 古代エジプト文明の黎明期。1000年にわたり善政を布いて民から慕われてきた全エジプトの王、オシリス(ブライアン・ブラウン)が退位し、息子のホルス(ニコライ・コスター=ワルドー)が王位に就くことになります。しかし実際には、ホルスには国王になるだけの器量がなく、愛人のハトホル(エロディ・ユン)は密かに危惧しています。

 即位式典の当日、荒涼たる砂漠の統治者でオシリス王の弟セト(ジェラルド・バトラー)が遅れて会場にやってきます。甥であるホルスの即位を祝いに来た・・・と見せかけて、その実は兄に対する反逆を企てていたのでした。砂漠の軍勢が会場に押し寄せる中、セトは兄オシリス王を殺害し、ホルスを叩きのめして、その両目を抉り取ってしまいます。失明したホルスは逃げ去り、王妃イシス(レイチェル・ブレイク)は自害。ハトホルはセトの愛人となります。クーデターを成功させたセトは人間たちを奴隷として使役し、権力欲を丸出しにして強権政治に走って行きます。

 セトの悪政を倒すには、ホルスの目を奪い返すしかない。セト専属の冷酷な主任建築士ウルシュ(ルーファス・シーウェル)に仕える女奴隷のザヤ(コートニー・イートン)は、ホルスの目を保管しているピラミッドの設計図を盗み出し、恋人である盗賊ベック(ブレントン・スウェイツ)に渡します。ベックはホルスの右目だけをなんとか盗み出し、ウルシュの追撃から逃れることに成功しますが、その途中でザヤはウルシュの放った矢を受け、死んでしまいます。

 悲嘆にくれたベックは、ホルスの神殿を訪れ、ホルスに右目を渡す条件として、ザヤを蘇らせるよう取引を試みます。ホルスは、8日以内ならば死者を現世に呼び戻すことができる、それまでに左目も手に入れるべく、協力するようにベックに要求します。

 2人は、ホルスの祖父である世界の創始者、太陽神ラー(ジェフリー・ラッシュ)の元を訪れ、セトのパワーの根源、砂漠のピラミッドの炎を消すことができる「創造の水」を入手します。

 その間、セトの暴政はエスカレートし、反逆する神々が続出。ついにセトの元妻であるネフティス(エマ・ブース)まで反逆に加担し、怒ったセトはネフティスの翼を切断します。

 さらにセトは、現在の愛人であるハトホルも、実際はホルスに今でも通じているのではないかと疑念を抱き始めます。ハトホルは殺される寸前、元々は冥府の入り口である西方の女王であった経験を生かし、冥界を潜り抜けてセトの元から脱出。そして、ホルスとベックに合流し、セトを倒すべく砂漠のピラミッドを目指します。しかしそこには恐ろしい怪物、スフィンクスが待ち構えており、謎かけに正解しなければ何人であっても生きて帰ることはできません。一行は、知恵の神であるトト(チャドウィック・ボーズマン)を味方に付けようとしますが・・・。

 

 というようなことで、とにかく派手な映像がこれでもか、と続きます。エンターテイメントとしてはこれ以上のものはないでしょう。まあ、変身した神々の姿がトランスフォーマーのロボットみたい、とか、エジプト神話の原話からかけ離れすぎている、といった批評もあるでしょうが・・・実際、原話ではオシリスの復活とセトの打倒、そしてホルスの即位に大きな貢献をした女神イシスが、この映画では、登場はするもののすぐに舞台から姿を消してしまう点などは、人によっては納得しないかもしれません。とはいえ、今作は神々と、とるに足りない人間の盗賊の間に生まれた信頼と友情、というところが焦点なので、神話の本筋としてはかなり異なった展開をあえて選んでいるのでしょう。

 物語の大詰め、分かっていても、ありがちな展開と言えば言えるシーンでも、感動的に描けているのはプロヤス監督の手腕なのではないでしょうか。うまいものだと感心させられました。

 配役ではやはり、太陽神ラーのジェフリー・ラッシュです。今回も一癖ある、本当は何を考えているか底知れない、誰の味方なのかわからない絶対神、という感じで、単純に善玉でも悪玉でもない、という超越的なキャラクターはこのアカデミー俳優にぴったりです。

 「マレフィセント」では冴えない王子様だったブレントン・スウェイツは、今回は体を張ったアクションで主演の一人として大活躍。そして「オペラ座の怪人」や「300」のジェラルド・バトラーは、今作では悪人そのもの、いいところは一つもない役柄ですが、こういう役をやってもカッコいい。もう一人の主演といえるニコライ・コスター=ワルドーは日本ではあまりなじみがないですが、人気テレビ・シリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で活躍している人。映画では「ブラックホーク・ダウン」「キングダム・オブ・ヘヴン」「オブリビオン」などで脇役を演じています。ハトホル役のエロディ・ユンはフランスの女優さんで、本当にきれいな人です。これで国際的な知名度も一気に上がりそう。ザヤ役のコートニー・イートンは「マッドマックス」最新作で注目された新星ですが、モデル出身でまだ20歳。10年後が楽しみな人かも。

 私は本作を見て、悪人だが才気あふれる建築士ウルシュを演じているルーファス・シーウェルの、ちょっとしゃがれていて、しかしトーンの高い声とか、独特の嫌味な語り口とか、どこかで聞いたな、とずっと思っていました。経歴を調べて、「レジェンド・オブ・ゾロ」とか「リンカーン/秘密の書」の悪役を演じていたことを知り、ああ、この声と口調に聞き覚えがあるんだな、と思い至りました。ルックスではなく、声で思い出した俳優というのは、私の中では珍しい存在です。

 とにかく、大画面で楽しむべき大娯楽作品です。しかしそれでいて、神も人も人生において試練を乗り越え、最後にどう生きたかの裁定を受けなければならない、という世界観からは、人がこの人生で生きるというのはどういう意味があることなのか、といった問いかけも感じられる一作です。私はこういう作品は大好きですね。

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2016年9月13日 (火)

「タミヤ・ニュース」に『軍装・服飾史カラー図鑑』紹介。

 このほど発行された「タミヤ・ニュースTAMIYA NEWS201610月号vol.569の「新製品案内」コーナー、32ページに『軍装・服飾史カラー図鑑』が紹介されました。20160913111354

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「古代ローマから現代のスーツに至る、紳士服の歴史の中で、各時代の騎士や軍人の晴れ姿の位置づけを考察するフルカラーの図鑑です。豊富なイラストを交えた衣装解説とともに、前後の時代との関係や影響にも言及することで、服飾史の流れにおける意味も理解できます。軍装や紳士服の服飾史資料としてはもちろん、資料の少ない後ろ姿や着用方法はフィギュアの製作資料などにも役立つ一冊です。イカロス出版発行、辻元よしふみ 著、辻元玲子 イラスト、B5判、230ページ、3500円(税込み)、書店またはWEB書店にてお求めください」とあります。株式会社タミヤ・グラフィックデザイン課の皆様に厚く御礼申し上げます。

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2016年9月 9日 (金)

グランド・イリュージョン 見破られたトリック

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 「グランド・イリュージョン 見破られたトリック(原題:
Now You See Me 2)」を見ました。ちょうど3年前、2013年秋のヒット作「グランド・イリュージョン(原題:Now You See Me)の続編です。原題は「さあ、よくご覧ください」というマジシャンの決まり文句ですね。フランス人監督の手になる洒落た感じの作風だった前作から、ジョン・M・チュウ監督に代わったことで、国際的スケール感の大きな、アクションも多い作風となりましたが、おなじみの出演陣がほぼ再集結し、何よりも最後まで目の離せないどんでん返しに次ぐどんでん返し、という意表を突く展開は今作にも踏襲。華麗なマジックの実演シーンも一層リアルになり、見応えある作品となっています。ことにマジックの監修には、当代一の人気マジシャン、デビッド・カッパーフィールドがあたっており、映画内でのマジックはすべて舞台で再現可能、という折り紙つきです。

 

 前作では、現役FBI捜査官にして、実は秘密結社アイのメンバーであり、世直し奇術師の集団「フォー・ホースメン」の黒幕でもあるディラン(マーク・ラファロ)が、偉大なマジシャンだった亡き父親の敵を討つべく、30年かけて練りに練った復讐劇だった、というのが落ちでした。そして、父を死に追いやった「マジック見破り人」ことサディアス(モーガン・フリーマン)はディランとフォー・ホースメンの罠にかかり、刑務所に収監されてしまいました。

 

 それから1年。じっとアイからの次の指令を待っていたメンバーたちですが、あまりに音沙汰がないために、ヘンリー(前作ではアイラ・フィッシャー)が待ちくたびれてフォー・ホースメンを脱退。アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、メリット(ウディ・ハレルソン)、ジャック(デイヴ・フランコ)の3人もしびれを切らしていました。そこへディランから次の目標が示されます。IT企業オクタ社が発売する新型スマートフォンが、世界中の情報を違法に収集する計画の道具であることを暴くため、マジックを使ってオクタ社のイベントを乗っ取り、陰謀を暴け、というものです。

 ヘンリーに代わる紅一点として新顔のルーラ(リジー・キャプラン)を加え、フォー・ホースメンの4人はまんまとニューヨークで開催されたオクタ社のイベントをかき乱して乗っ取りに成功しますが、その途中で思わぬ妨害が入ります。そして、オクタ社の秘密を暴露するどころか、逆に世間では死んだと思われていたジャックが健在なこと、さらにFBI捜査官であるディランが実は「5人目のフォー・ホースメン」であることが暴露されてしまいます。ディランの上司であるFBI副長官ナタリー(サナ・レイサン)はディランを逮捕しようとしますが、ディランはすんでのところで会場を脱出。

 一方、屋上からの脱出ルートを使って逃げ出した4人は、逃走用のトラックに到着するはずが、なぜか見覚えのない中華料理店の厨房に着いてしまいます。そして、その地が近所の中華料理店などではなく、本当にマカオであることを知り愕然とします。待ち受けていたのはメリットの弟で、兄に遺恨があるらしい悪党チェイス(ハレルソンの一人二役)でした。さらにそのボスとして現れたのは、昨年、オクタ社の経営幹部から解任され、その後、死んだとされていたITの天才ウォルター(ダニエル・ラドクリフ)でした。

 ウォルターはフォー・ホースメンの4人に対し、マカオにあるオクタ社の施設から、世界中のコンピューターやネットの情報を違法収集するチップを盗み出すことを強要します。

 同じころ、ディランは仇敵であるサディアスを刑務所から脱走させます。サディアスはフォー・ホースメンの4人がマカオに拉致されたことを知っており、彼らの救出に手を貸すと申し出たのです。

 フォー・ホースメンの4人は、チップの売買に興味を持った南アフリカのギャングの関係者を装ってオクタ社の施設に潜入し、チップを手に入れることに成功します。しかし彼らはそれをウォルターに渡すことを拒みます。そこに現れたディランが盾になることで、4人は逃げおおせることに成功しますが、ディランはウォルターに捕まってしまいます。捕らわれの身のディランの前にウォルターと共に姿を現したのは、意外にも1年前にフォー・ホースメンの活躍で資産をすべて奪われ破産した悪徳保険王・トレスラー(マイケル・ケイン)でした・・・。

 

 ということで、この後、舞台はロンドンに移り、さらに大きな規模のマジック合戦が繰り広げられることになります。前作から続投の面々は息もぴったりで、新顔のキャプランも違和感なく溶け込んでいます。そしてマイケル・ケインとモーガン・フリーマンの大物2人は相変わらず余裕綽々の名演ぶりです。

 今作ではFBIを追われ、危機に陥るディランが中心人物と言え、まさに実力派マーク・ラファロの独壇場です。彼の芸達者ぶりが遺憾なく発揮されています。

 さらに何よりも注目なのが、ハリー・ポッターで知られるラドクリフの悪役ぶり。頭はいいが良心のかけらもない役柄で、科学はマジックに勝つ、と豪語するわけですが、少し前まで魔法使いの中の魔法使いを演じていた彼が、こういう役をやるのも興味深いですね。

 何かこう、あまりに簡単に誰にでも催眠術が利きすぎるのが「ほんまかいな」という感じもあるのですが、それにしても説得力のあるマジック描写は、伊達にカッパーフィールド監修とうたっていません。

 シリーズ化という考えが元々、あったものなのかどうか知りませんが、前作からの展開は見事といってよい脚本です(前作を見ていないと、ちょっと人物関係が理解しにくいかもしれません)。この調子で、ぜひ3作目も見てみたい、と私は思いましたが、どんなものでしょうか。東京五輪を前に、日本を舞台にして、なんて一作を見てみたいですね。

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2016年9月 8日 (木)

「歴史群像」10月号(学研)で『軍装・服飾史カラー図鑑』紹介!

 このほど発売の「歴史群像10月号」(学研プラス)のBook Review【新刊紹介】コーナーの123ページに、辻元よしふみ、辻元玲子の『軍装・服飾史カラー図鑑(イカロス出版)』が紹介されました。同誌では3名様にこの本をプレゼントします。20160907232856

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 書評では「軍服や紳士服を服飾史の視点からひも解く豪華オールカラー図鑑。古代ローマの百人隊長から極楽鳥のような色彩のランツクネヒト、ポーランドの有翼騎兵フサリア、陸上自衛隊第302保安警務中隊の儀仗服に至るまで40のテーマを収録、欧米で発展した軍装と紳士服の関係性を系統的に理解できる構成だ。立ち絵姿の大判イラストを中心に、後姿やベルト・刀剣類など、史料的制約から考証の難しい部分も徹底再現。着用の手順解説があるのもうれしい。」ということで、丁寧な紹介をいただき、厚く御礼申し上げます!

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2016年9月 1日 (木)

X-MEN:アポカリプス ジャングル・ブック

 このところ諸事いろいろあり、映画を見られなかったのですが、ようやく2本立てで見てきました。公開からしばらく時間がたっていますので、間に合ってよかったです。

 

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まず「
X-MEN : アポカリプス(原題 X-MEN : APOCALYPSE)」。2000年に始動した現在のX-MENシリーズも、ウルヴァリンの単独作品を加えると、通算9作目。一応、これでシリーズは完結した、ということになります。

 そもそもこのマーベル・コミックの映画化が商業的に成功し、ヒュー・ジャックマンやハル・ベリー、それに「ロード・オブ・ザ・リング」にも出ていたイアン・マッケランが世界的な映画スターとしてブレイクするきっかけにもなることで、「コミックの映画化は成功する」という機運を作りだし、その後のコミック系映画の隆盛を築いた歴史的シリーズだったと言えます。特にジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーを据えて1960年代の前史から再始動した新3部作は、前作で新旧メンバーが共演する夢の顔合わせを実現した上に、歴史が変わって旧シリーズの設定がいったん白紙になることで、今回の作品が成立しています。このため、旧3部作では主要メンバーだったキャラクターが敵にまわったり、逆に敵として登場した人物が味方となったり、ということが可能になって、作品の幅が大きく広がりました。

 

 古代エジプトで全能のファラオとして君臨したエン・サバ・ヌール(=アポカリプス。オスカー・アイザック)は、人類初のミュータントであり、何度となく他の肉体に転生を繰り返し現人神として生きてきましたが、思いがけず部下の反乱に遭い、永い眠りに就くことに。

 そして1983年。エジプトで蘇ったアポカリプスは、ストーム(アレクサンドラ・シップ)、サイロック(オリヴィア・マン)、エンジェル(ベン・ハーディー)の3人のミュータントを従者とし、現代の社会を征服しようと動き出します。彼が4人目の従者として白羽の矢を立てたのは、ポーランドで労働者としてつましく生きていたものの、ミュータントであることを周囲に知られた途端、家族を殺され、社会から追放されて人間に対する激しい憎悪を復活させたマグニートー(ファスベンダー)でした。

 エジプトで異変が起きたことを察知したプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(マカヴォイ)は、その動きを探っていたCIAエージェントでかつての恋人モイラ(ローズ・バーン)と再会しますが、彼女の記憶はチャールズ自身が封印したままになっています。

 そんな中、マグニートーが動き出したことを知り、レイブン(ジェニファー・ローレンス)はナイトクローラー(コディ・スミット・マクフィー)を伴い、チャールズが主催する「恵まれし子らの学園」に向かいます。学園ではビースト(ニコラス・ホルト)、ジーン(ソフィー・ターナー)、それにアレックス(ルーカス・ティル)とスコット(タイ・シェリダン)のサマーズ兄弟がおり、チャールズの能力を駆使してマグニートーを探すことにします。しかし、この行いのために、アポカリプスはチャールズの精神の中に侵入し、その能力を利用して世界中の核兵器を無力化。さらにマグニートーの力を用いて地球上のあらゆるものを破壊し、世界を支配することを宣言します。

 学園は爆発し、アレックスは死亡。クイックシルバー(エヴァン・ピーターズ)の活躍によりその他の者は命拾いしますが、チャールズはアポカリプスたちに拉致されてしまいます。さらにそこに現れたのは、ミュータントたちの宿敵であるストライカー大佐(ジョシュ・ヘルマン)率いる特殊部隊でした。レイブン、ビースト、モイラが捕らわれの身となる中、ジーン、ナイトクローラー、スコットの3人はストライカーの基地内に潜入。そこで彼らが出会ったのは、記憶を失い生態兵器となっているウェポンXことウルヴァリン(ジャックマン)でした・・・。

 

 というわけで、人類が神だと思って崇拝してきたのは、一人のミュータントだったというのがこの設定。実際、アポカリプスの力は神のごとき全能なもので、これに対するミュータントたちは、まだX-MENとして正式に始動する前の未熟な若者たち。チャールズの強大な精神力がアポカリプスの手に入れば、もはや何者も抗しがたくなる・・・ということになります。かつてはマグニートーの手下として敵キャラで活躍したレイブンやナイトクローラーが今回は正義の側に、逆に一貫してX-MENチームの中核だったストームが敵側で登場するのが興味深いところです。前作で歴史が変わっているので、似たような話が微妙に違う結果になっていく妙味は、やはりこれまでのシリーズをずっと見ていた人ほど楽しめるもののように思います。

 

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次に見たのが「ジャングル・ブック
THE JUNGLE BOOK」。ウォルト・ディズニーの没後50年企画映画で、ディズニー本人が最後に手がけ、没後に公開されたアニメ「ジャングル・ブック」(1967年)の実写映画化です。原作は19世紀末にインド生まれの英国の文豪キプリングが書いた短編小説です。後に本作の影響を受けて、舞台をアフリカに替えてバロウズが書いたのが「ターザン」だと言われており、本作の方が野生児ものの元祖と言えるようです。

 

 インドのジャングルで暮らす野生児モーグリ(ニール・セディ)。彼は幼いころに黒ヒョウのバギーラ(ベン・キングズレー)に拾われ、アキーラ(ジャンカルロ・エスポジト)が率いるオオカミの群れで育ちます。母親となったのは優しい雌オオカミのラクシャ(ルピタ・ニョンゴ)。しかし人間の子であるモーグリを蛇蝎のように嫌悪するベンガルトラのシア・カーン(イドリス・エルバ)は、モーグリを殺すことを宣言。オオカミの群れに緊張が走ります。

 悩んだ末に、モーグリは群れを離れることを決意。バギーラはモーグリの命を守るには、モーグリを人間の世界に帰すしかないと決断します。しかし、バギーラはシア・カーンに襲われて負傷。たった一人で森をさまようモーグリは、大蛇のカー(スカーレット・ヨハンソン)から、シア・カーンがかつてモーグリの父親を殺したこと、そのときに父親がシア・カーンの顔に傷を負わせたために、カーンが人間を憎悪していることを聞きます。

 カーはそのままモーグリを食べようとしましたが、クマのバルー(ビル・マーレイ)に救われます。気ままに自由に生きるバルーと共に暮らすうちに、モーグリはジャングルの掟に縛られるだけの生き方に疑問を抱いていきます。

 そのころ、シア・カーンはオオカミの群れを訪れ、不意を衝いてアキーラを殺害。群れを乗っ取り、モーグリが復讐するために戻ってくるのを待ちます。

 同じころ、古い人間の寺院に住んでサルたちを支配している類人猿の王キング・ルーイ(クリストファー・ウォーケン)もまた、自分の野望のためにモーグリを利用しようと画策していました・・・。

 

 というようなことで、大筋ではオリジナル版と大きな相違はないのですが、何しろモーグリ以外のすべての背景、すべての動物や植物はフルCGである、というが驚きです。とうとう技術的な進歩もここまで来たか、という感を強くします。このリアルな森も川も、全くインドで野外ロケすることなしに(ただし当然ながら、現地取材は綿密にしたそうです)撮影されているというのは驚くべきことです。豪華絢爛たる声優陣は、さすがにディズニー映画というか、ちょっと考えられないほどの布陣ですが、これほど作り込んだ世界を生き生きと見せてくれるのは、これら名優たちの演技力のたまものでしょう。

 そして何よりも、モーグリ役のセディの熱演ぶり。よく演じきったものです。67年版の陽気な作風からはかなりシリアスになっていますが、しかし「あのテイスト」もバランスよく残している感じがします。まことに驚嘆すべき作品です。

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