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2016年5月 1日 (日)

フィフス・ウェイブ

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  GW皆様いかがお過ごしでしょうか。けっこう肌寒いですね、今年は。北海道などこの季節に積雪だそうですが。さて、私は「フィフス・ウェイブ」(
The 5th Wave)という映画を見ました。主演はクロエ・グレース・モレッツ。原作はアメリカで人気のヤングアダルト小説ということで、近年よくある、若者を主人公にした近未来ディストピアものの一つです。基本的には宇宙人による侵略もの、なのですが、「宇宙戦争」とか「インデペンデンス・デイ」とか、「宇宙戦艦ヤマト」のように、異星人が大艦隊を送り込んできて、正面から堂々の侵略戦争をするタイプの話ではありません。どちらかといえば「寄生獣」とか「遊星からの物体X」「光る眼」「ボディ・スナッチャー」といった、徐々に人類の中に異星人が紛れ込んで、いつのまにかすりかわっていく「浸透型」の侵略タイプの作品です。しかしその「浸透作戦」は最後の仕上げで、その前段に何回も攻撃の波「ウェイブ」があるのが、この作品の特色と言えます。

この映画に出てくる異星人は「アザーズ」と呼ばれています。つまり「よそ者、ほかの奴ら」です。いかにも招かれざる客、というニュアンスです。このアザーズは、突然、地球の軌道上に巨大な母艦を出現させ、しばらくは不気味に沈黙しておりましたが、まず第1波として電磁波攻撃をしてきます。これで地球の電気はすべて止まり、飛行機は落ち、車も停止し、コンピューターもスマホも使用不能、水も生活用の電源もライフラインはすべて遮断されます。今の日本などの地震災害を見ていても、これだけでほぼ、現代人の文明はアウトになるのは目に見えています。そして第2波は、巨大地震と大津波。世界中の島嶼部と沿岸部の都市は壊滅します。これで日本も山間部以外は全滅したことでしょう。第3波は鳥インフルエンザ。強毒性のウィルスを蔓延させ、人類が死滅するのを待ちます。ここまでで、設定では「人類の99%」が死滅したということになっております。ここにきて第4波が、「浸透作戦」です。生き残った人類のコミュニティーに異星人が忍び込み、一見すると人間かアザーズか分からない疑心暗鬼の中で、人類は自滅の道をたどります。そして仕上げの「第5の波」フィフス・ウェイヴが、完全な人類の絶滅を意図して開始される・・・そういう流れになっております。

 なんだか回りくどい侵略だな、と思う反面、慎重かつ高等な異星人ならやりそうな手にも思えます。極力、自分たちの手を汚さない、直接の侵略をしない、そして「人類だけを駆除し、人類以外の地球環境は出来るだけ保全する」作戦、なんだということです。基本的に災害や病気といった、地球ですでに人類が経験しているような手が使用され、そして人類は対処できません。第4波以後も、実際に自分たちが浸透して乗り込んでくるのではなく、本当のところは疑心暗鬼を招いて、人類が勝手に同士討ちを始めて自滅するのを待つ作戦、ということのようです。下手に自分たちの兵器や技術、戦法を人類に見せてしまうと、反撃に使われる可能性もあります。間もなく公開の「インデペンデンス・デイ」の続編では、20年前の異星人のテクノロジーを研究して、人類の軍備も革新されている、ということになっています。こういうことを防ぐために、この作品では人類を掃討するためのやり方も人類自身の発明した、おそらくアザーズたちから見れば超旧式の地球の銃や弾薬を用いることが基本となっている、というのが興味深いです。

 

 アメリカ・オハイオ州の閑静な街に住む平凡な女子高生キャシー・サリヴァン(モレッツ)。親友のリサとおしゃべりし、アメフト部のスター選手ベン・パリッシュ(ニック・ロビンソン)に憧れているものの、うまく接近できずに悩む。自分はサッカー部に所属しているけれど、あまり才能があるとも思えない。家族思いで頼りになる父オリバー(ロン・リヴィングストン)と、看護師としてバリバリ働く優しい母リサ(マギー・シフ)、5歳のかわいい弟サム(ザッカリー・アーサー)と共に暮らす4人のサリヴァン一家の何でもない日常。こんな生活がずっと続くと思っていたのですが・・・。

 ある日突然、地球の周回軌道上に出現した巨大な異星人の宇宙船。「アザーズ」と呼ばれるようになった彼らの母艦は、ちょうどオハイオ州の上空で停止します。脅える人々。だが実際の攻撃は苛烈を極めるものでした。ある日突然、襲ってきた第1波、電磁波攻撃で、人類の文明は崩壊。第2波の地震と津波でほとんどの都市は壊滅します。内陸のオハイオ州は海こそないのでそこまでひどいことにはなりませんでしたが、キャシーとサムにはエリー湖の水が襲ってきて、危うく命を落としかけます。そして第3波。ウィルスに感染して続々と人が死んでいきます。親友のリサは施設に隔離され、さらに看護師である母リサも亡くなります。

すでに人類の99%は死滅し、内陸部でわずかに生き残った人々は難民キャンプを築き、開拓時代に戻ったような共同生活で生き延びようとします。そこに突然、やってきたのがヴォーシュ大佐(リーヴ・シュレイバー)率いるライト・パターソン基地の陸軍部隊。アザーズの攻撃で車が使えないはずなのに、なぜこの陸軍部隊は平気なのか、といぶかる声もありましたが、すぐに「これで助かった」という安堵に。しかしそれも束の間、ヴォーシュが皆を絶望させるようなことを言い出します。アザーズの第4波が始まったのだ、と。それは地球人の中にアザーズが浸透し、身体を乗っ取り、地球人に成りすます作戦だというのです。疑心暗鬼に陥った大人たちは暴動を起こし、軍の部隊も交えた銃撃戦となって全滅。ここでオリバーも亡くなります。

 ヴォーシュは子供だけを選抜して、ライト・パターソン基地に連れて行きます。弟サムとはぐれ、父を失って一人ぼっちとなったキャシーは、気丈にも父の形見の拳銃と、軍の部隊が放棄していった自動小銃を手に、弟を取り戻すために基地を目指しますが、途中でアザーズの操る狙撃者に銃撃され、負傷して意識を失います。1週間後、気が付いた彼女は、自分が謎の男エヴァン(アレックス・ロウ)に助けられたことを知ります。

 一方、サムは基地でアザーズに反撃するための少年兵部隊に入れられてしまいます。サムの上官である分隊長は、あのベン・パリッシュでした・・・。

 

 ということで、実はクロエ・グレース・モレッツの成長ぶりが見たい、という動機で見たので、お話にさほどの期待はしていなかったのですが、良くできていましたよ。第4波までが長い、という声もあるようですが、この波状攻撃そのものが本作の特徴ですから。人類を十分に減らした後からでないと、第4、第5の攻撃はしないアザーズたちですからね。

 クロエは「キック・アス」の撮影当時からだと、もう10年近くたつのですが、相変わらず映画の中で存在感がある人です。人を引き付けるものがありますね。超人的な「ヒット・ガール」とか「キャリー」と違い、なんでもない平凡な女子高生、という役どころはむしろ珍しいのですが、これが新境地となるかもしれません。5歳でデビューしてから芸歴すでに15年ほど。子役から大人の俳優になるのはなかなか難しいものですが、この人はうまくキャリアを重ねているようです。ベン役のロビンソンは「ジュラシック・ワールド」に出て有名になりました。それから英国からまた有望な俳優が出てきました、謎の男エヴァン役のアレックス・ロウ。これは人気が出てくるかも。それから、ベンの分隊の隊員リンガー役を演じたマイカ・モンローも注目の女優で、まもなく公開の「インデペンデンス・デイ」の続編にも出演しているそうです。

 最後は、明らかに「続く」という感じの終わり方ですが、続編の予定があるのでしょうか。実際、あの後、どうなるのか気になってしまうエンディングでした。

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