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2016年1月22日 (金)

クリムゾン・ピーク

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 映画「クリムゾン・ピーク」CRIMSON PEAKを見ました。ギレルモ・デルトロ監督の最新作でして、トム・ヒドルストン、ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステインと出演陣には人気俳優が名を連ねています・・・が、何しろこの年末年始は007とSWという東西の2大横綱が新作を出しており、本作はかなり割を食ってしまいました。かなり公開館数が少なく、このあたりでも日比谷シャンテシネか柏おおだかの森ぐらいしかやってくれていない。ただ、私は公開から2週間もたった平日の夜10時に終わる回を見たのに、場内は結構な数のお客さんがいました。なかなか人気があるので、公開館数が徐々に増えていきそうな塩梅です。
 特にトム・ヒドルストンは、「マイティ・ソー」シリーズのロキ役や、スピルバーグ監督「戦火の馬」の騎兵大尉役で有名になった人で、日本でも「トムヒ」の愛称で、映画雑誌で人気投票などやると、1位を獲得するようなアイドル的な人気のある人。海外ではロケ現場に追っかけファンが押し寄せるような人で、本作の撮影時にも大変だったそうです。当然、日本のトムヒ・ファンは東宝さんにいろいろ館数の拡大を嘆願する動きもあったようで、そういうことも奏功したのかもしれません。
 デルトロ監督というと「パシフィック・リム」の成功がどうしても目立ちますが、本来は「ミミック」とか「パンズ・ラビリンス」とかホラー系の名匠です。今作も監督の趣味丸出しの、おそらく本人が撮りたいような映画を撮った、という作品のように見受けます。4階建ての邸宅を実際に6か月もかけて建ててしまうなど、凝りまくっています。とにかく映像美はことのほか見事ですね、衣装も素晴らしい。ゴシック・ホラーはこうでないと、という感じです。
 ◆  ◆  ◆
 20世紀初めのニューヨーク。実業家カッシング(ジム・ビーバー)の一人娘イーディス(ワシコウスカ)は、作家を目指す、当時としてはやや飛んでいる女性です。幼いころに母親を亡くしていますが、イーディスはその母の幽霊を見たことがあります。幽霊は彼女に「クリムゾン・ピークに気を付けなさい」というのですが、それが何の意味の警告かはわかりませんでした。
 社交界に背を向け、出版社巡りをするイーディスですが、女流作家には偏見がある時代、幽霊ものを書いて持って行っても、恋愛ものを書いてください、と言われてしまいます。幼馴染の医師アラン(チャーリー・ハナム)はイーディスに心を寄せていましたが、イーディスの方は今一つ乗り気でない様子。
 そんな中、英国から貴公子然とした準男爵サー・トーマス・シャープ(ヒドルストン)と、その姉のレディー・ルシール(チャステイン)がやってきます。社交界は色めき立ち、サー・トーマスに近付こうとする娘たちがたくさん現れます。イーディスも、ただの貴公子ではなく、風変わりな発明に夢中になる変わり者の面があるトーマスに惹かれていきます。
 娘がトーマスに接近していくのを気付いたカッシングは、探偵を雇ってシャープ姉弟の素性や過去を探ります。そして、トーマスに対し、資金援助をしてやる代わりに、即座に英国に帰ることと、娘と絶縁することを要求します。
 トーマスに冷たくあしらわれて傷つくイーディスですが、すぐにそれが、父に強要された演技だったことを悟り、旅立つ直前のトーマスを追いかけます。しかしそんな中、突然、悲劇的な事件が起こります・・・。
 それからしばらく後、英国の荒涼とした丘陵地帯の古い屋敷に、トーマスの妻となったイーディスの姿がありました。荒れ果てた邸は寒く、危険な秘密があるような気配が。霊感の強いイーディスは恐ろしい体験をするようになります。そして、赤い粘土質の丘の上に立つこの屋敷の一体が、冬場になると雪に粘土が染み出し、真っ赤になること。よって地元では赤い丘、クリムゾン・ピークと呼ばれている事実を知るのです・・・。
 ◆ ◆ ◆
 ということで、ホラーと言えばホラーですが、サスペンスもののような色合いも強いです。心霊現象的な描き方もありますが、一方で、謎を解いていく犯罪捜査もののような手法も見られます。まあ、そんなに心臓が弱い人は見られません、というような作品ではありません。
 トムヒ様はさすがに魅力的な貴公子を演じきっています。ファンは必見でしょう。ミア・ワシコウスカとジェシカ・チャステインも美しいです。それから、幼馴染の医師アラン役は、「パシフィック・リム」の主演だったチャーリー・ハナムです。
 とにかく今時、なんでこういう映画が出てきたのか、といわれると不思議な位置づけの一本なのかもしれませんが、ゴシック美の王道的な作風は今やデルトロ監督しか作り出せないもののような気もします。じわりと人気が出てきているので、御興味のある方はぜひお早めにご覧になってください。

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