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2015年12月31日 (木)

リーガルのバリスタ・クマさんと「よいお年をお迎えください!」

 さて、2015年も大晦日となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。  私たちは昨日、珍しくコミックマーケットに行ってきました。といっても、お世話になっている知人に会いに行くのが目的で、何も買いはしなかったのですが、ほとんど10年ぶりに東京ビッグサイトに足を運びましたので、施設内におしゃれなイタリアン・レストランや中華のお店、コンビニなどがたくさん開業しているのを見て驚きました。一昔前はとにかくなんにもなくて、出展する人は苦労したものですが・・・。

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◆  ◆  ◆
 今年は最後に、先日手に入れたリーガルのクマさんをご紹介します。リーガルRegalといえば有名な日本を代表する靴ブランドですが、こちらは毎年、12月10日から25日のクリスマス期間に一定額以上の靴を買うと、こういうクマのぬいぐるみか、特別会員ポイントをプレゼントしてくれます。
 2015年のリーガル・クマさんは「バリスタ・スタイル」なのだそうです。つまりコーヒーを淹れてくれる人。どうもバリスタというと、法廷弁護士とか、中世まで使われた弩(いしゆみ)とかを思い出しますが(思い出しませんか。私の語彙が変なのでしょうか)いずれもスペルが違います。20151226041353



 リーガル社の前身は明治時代に創業した超老舗の紳士靴メーカーで、特に陸軍向けの軍靴製造で大きくなりましたが、戦後は連合国軍に当然ながら睨まれ、苦労したそうです。今ではアメリカから正式に取得したリーガルの社名で、日本を代表する靴ブランドとなっています。実はこの会社、現在は本社が千葉県浦安市にありまして、私はご近所なので、先日、本社を見学させていただきました。最高級のオーダーメイドの靴は、こちらで一足ずつ手縫いしています。20151226041429



 

◆  ◆  ◆  ということで、今年は私どもとしましては、なかなか厳しい1年だったように思いますが、しかしなんとか前向きに乗り切って来れたかな、と思っています。ひとつひとつを取り上げると、かなり難しい案件が多い1年でした・・・まあ、詳細はここで語りませんが、しかし、いろいろな方のお力添えもありまして、どうにかやってまいりました。  来年こそは、もう4年越しになっております出版企画を形にしたいと思っております。宜しくお願い申し上げます。  この年末になりまして、私どもの旧作「図説 軍服の歴史5000年」がアマゾンで品切れになっております。今でもたくさんの方に読んでいただいていることを幸せに思っております。  準備中の次作では、全ページの図解をフルカラーで、ということにする予定です。そのために膨大な時間がかかっておりますが、もうしばらくお待ちくださいませ。  では皆様、良いお年をお迎えください。  

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2015年12月30日 (水)

スター・ウォーズ フォースの覚醒

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「スター・ウォーズ フォースの覚醒 
STAR WARS THE FORCE AWAKENS」を遅ればせですが見てきました。もはや瞬く間に封切から2週間ほどで興行収入10億ドル(1200億円)超え、ということで、今さら何をかいわんや、でございます。

 私は1977年の第1作「スター・ウォーズ」を小学5年生で体験した世代です。映画の常識を変えてしまったこの作品に圧倒された一人だったのは言うまでもありません。それで、この作品はもちろん、初めからジョージ・ルーカス監督の中では3部作、いや前史も含めた6部作や、後の時代を含めた9部作といった構想は、ある程度あったと思いますが、少なくとも第1作を見る限りでは、これだけで一応の完結、でもすむ感じになっておりました。デス・スターの破壊で強大な帝国を共和勢力が打倒して、主人公のルークとレイア姫が仲良くなっておしまい、という雰囲気でした。ダース・ベイダーとルークやレイアの関係も、後に明らかになる血縁の因縁など感じさせる要素はほとんどなかったように思います。

よって、私の中では、その後に製作されたこの3人の「スカイウォーカー家」の物語であるエピソード5やエピソード6は蛇足なものに感じられ、ましてアナキン・スカイウォーカーの堕落を描くエピソード1~3は無用なものとすら思えた時期がありました。要するに、すべてが第1作から派生した豪華な外伝のように思えたのであります。無論、このシリーズの原点にはSF大河小説「レンズマン」シリーズの映画化を当初は目指していた、ということからも分かるように、ある一族の進化と大きな歴史を描く構想はそもそもあったのだとは思います。というのも、原型となったレンズマン・シリーズも、宇宙の善悪の二大勢力が争う中で、善なる能力を発揮して世界の未来を担うことになる主人公の親子、一族の物語であるからです。

 そういうわけで、個人的には、今日「エピソード4 新たなる希望」と呼ばれている第1作への思い入れが強く、それ以外のシリーズは、もちろん観賞はしましたが、ある頃までは違和感を持っていた、という事情があります。いえ、もう慣れましたので、今ではダース・ベイダーがルークとレイアの父親、というのも当たり前と感じるようになりましたが。

 そういう目で見ますと、今作は、まさに正統な「スター・ウォーズ」の続編、という感じがしますね。砂漠の惑星からの逃走劇、そして潜在的なフォースの持ち主が覚醒していくさまを描くこの作品は、間違いなく第1作「エピソード4」の後継作品、と言いますか、本歌取りのような作品と思えた次第です。

 こういうレジェンド級の作品になると、何をどうしても毀誉褒貶が激しく、そのストレスでジョージ・ルーカス本人が降りてしまったほどの強烈なプレッシャーにさらされることになります。そんな中で、本作の監督を引き受けたJ・J・エイブラムス監督の手腕と勇気はやはり、素直に褒め称えられてしかるべきなのではないでしょうか。

 どこがどう、というのは詳しい方がいろいろと調べていると思いますので、私ごときが何か申す必要もありませんが、随所にエピソード4を思い出させるシーンがあり、エイブラムス監督本人がシリーズの、特にエピソード4のファンであることがよく分かる作品ですので、私のような世代で、エピソード4になじみの深いオールド・ファンは特に納得できる作品となったのではないでしょうか。

  ◆  ◆

 皇帝が倒れ、帝国が滅びて「新共和国」が成立してから30年後。最後のジェダイであるルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)が失踪し、フォースのバランスはまたも崩れかかっている時代となりました。フォースの暗黒面を信奉するシスが復活し、スノーク(アンディ・サーキス)率いる帝国の残党「ファースト・オーダー」が公然と共和政に反旗を翻しつつありました。これに対し、レイア・オーガナ姫(キャリー・フィッシャー)は、ファースト・オーダーと戦う私設軍「レジスタンス」を編成し、自らオーガナ将軍と名乗って陣頭指揮を執っています。両陣営とも、戦いの行方を左右する伝説の人、ルークの居所を突き止めることに躍起になっております。

 そんな中、砂漠の惑星ジャクーに潜む、ジェダイたちの活躍した時代を知る長老ロア・サン・テッカ(マックス・フォン・シドー)がルークの居所を示すデータを持っていることが分かります。レジスタンス軍のパイロット、ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)がジャクーに向かい、テッカからデータを受け取ります。しかし、すぐにファースト・オーダーの指揮官にして、スノークの暗黒の弟子、さらにダース・ベイダーの後継者を自称するカイロ・レン(アダム・ドライバー)が村を襲撃し、村びと全てを虐殺します。テッカは命を落とし、ポーは敵につかまる直前、データを自分のドロイドBB8に託します。

 ジャクーの砂漠で廃品回収業を営み、その日暮らしをしている少女レイ(デイジー・リドリー)は、ふとしたきっかけで、逃げてきたBB8を助けることとなります。

 一方、ファースト・オーダーの高級指揮官ハックス将軍(ドーナル・グリーソン)の部下で、女性指揮官キャプテン・ファズマ(グウェンドリン・クリスティー)が率いるトルーパー部隊の隊員FN2187(ジョン・ボイエガ)は、残虐行為に加担することに耐えられなくなり、軍を脱走することを決意。捕虜となっているポーと共に戦闘機を奪い、ジャクーに降り立ちます。しかしこのときに墜落した戦闘機は砂の中に埋まり、ポーは行方不明に。

FN2187ことフィンは一人で砂漠をさまよううち、レイとBB8に出会います。しかし廃品買取所の経営者アンカー・プルート(サイモン・ペグ)がファースト・オーダーに通報したことにより、またも敵の軍勢が襲来し、お尋ね者であるフィンとBB8と一緒に、もともと無関係なはずのレイもファースト・オーダーから追われる身となります。

 レイとフィンは、アンカー・プルートの廃品置き場に長い間、放置されている古い宇宙船を奪ってジャクーから飛び立ちます。敵のTIEファイター戦闘機が追ってきますが、レイは初めてなのに天才的な操縦がさえ、またフィンも初めて経験する銃座からの射撃で見事な腕前を見せ、なぜか敵を全滅させてしまいます。自分たちに意外な潜在的才能があることに気付き驚く2人。

 しかし宇宙空間に出たところ、宇宙船は正体不明の海賊に乗っ取られてしまいます。乗り込んできたのは、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)とチューバッカ(ピーター・メイヒュー)の2人でした。ソロはつぶやきます。「チューイ。我が家だ」

 レイたちが盗み出した宇宙船とは、ソロが長年、行方を捜していた伝説のミレニアム・ファルコン号なのでした。ソロはルークの行方のデータを担っているBB8を、レイアのいるレジスタンスの拠点に運ぶことに決めますが、まずは長年の友人マズ・カナタ(ルピタ・ニョンゴ)に協力を求めることにします。

 しかしその頃、ニュー・オーダー陣営では、ハックス将軍がかつてのデス・スターを数倍上回る超巨大兵器「スター・キラー」を起動させていました。目標は新共和国の元老院がある首都の惑星。こうして新たな戦争が始まろうとしていました。また、カイロ・レンは、ジャクーから脱走兵フィンと共に逃げたという少女の報告を聞き、彼女が恐ろしいフォースの潜在能力を持っているのではないか、という疑念を抱きます。彼女のフォースの覚醒は、カイロ・レンとファースト・オーダーにとって恐ろしい敵が現れることを意味していました・・・。

  ◆  ◆

 それにしても、今作がどうしても旧作に比べて軽い感じがする、という声もあるようですが、だとしたら、やはり敵であるべき人物が、ダース・ベイダー=アナキン・スカイウォーカーのような熟練の完成された悪役ではなく、まだまだ本人も修行中という身分のカイロ・レンであることが大きいのではないでしょうか。カイロ・レン自身が、偉大なダース・ベイダーに及びもつかない自分、というものに悩んでいるように描かれているわけで、どうしても力不足、という印象は否めません。まあ、新3部作はヒロインのレイと共に、この人の成長も扱うわけでしょうが。

 いずれにしても、スカイウォーカー一族の3代記というシリーズになったわけですが、こうなってみると、やはり三船敏郎さんにダース・ベイダーを引き受けていただきたかった、と思われますね。日本語の「時代劇」から「ジェダイ」という名をつけたとか、登場人物が着物風の衣装を着ていること、C3POとR2D2のコンビが黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」を参考にしている、といった話で明らかなように、このシリーズはSFで味付けしたルーカス流の時代劇、でもありました。だから、ルーカス監督が三船さんに真剣にベイダー役をオファーしたけれど、三船さんはSFなんて子供向けの映画だろう、と軽く考えて断った、というのは有名な話です。もしこれが実現していたら、アナキン役もルーク役も、そして今回から登場するアナキン・スカイウォーカーの血筋に連なると思われる人々の配役も、日系人、少なくともアジア系またはアジア系ハーフやクォーターの役者が抜擢されていたかもしれません。

 私は大満足致しました。まあ、やはりあのジョン・ウィリアムズさんの音楽が流れる中、STAR WARSのロゴが映し出された瞬間、熱いものがこみ上げますね。Xウィング戦闘機やTIEファイター戦闘機が乱れ飛び、ミレニアム・ファルコン号が息を吹き返すシーンを見れば、紛れもなくこれがスター・ウォーズの世界なのだと思い知らされます。

 改めてファルコン号を見直すと、銃座が付いていること、前方の風防が透明になっていることなど、大戦中の米軍のB17爆撃機にそっくりなことに気付かされます。実際、私が70年代に第1作を見たときに最もしびれたのが、ファルコン号の描写がまるで戦争映画「頭上の敵機」のようでカッコよかったから、という理由だったことを思い出します。その当時は、60年代まで盛んに製作された戦争映画が下火になり、それをルーカス監督がSFにアレンジして描きなおした要素もあった、というのもよく知られるところです。空戦シーンの描写は、本当に戦時中の空戦の実写を参考にして作ったという逸話もあります。Xウィングの飛行隊の描き方も、往年の戦争大作「空軍大戦略」などを思わせるものですし、そもそもルーク・スカイウォーカーも初めのころは剣士とか騎士とかいうより、エース・パイロットという扱いの描かれ方でしたしね。今回のポー・ダメロンはそこの要素を引き継いだ登場人物のように見えました。

 こういった原点の本質を、今作は正しく伝えた続編だったと私は思います。エイブラムス監督は8作目のメガホンはとらない、という話も伝わっておりますが、今作は完全に「続く」というエンディングになっております。気がかりな要素をちりばめたまま、終わってしまいましたので、一日も早くエピソード8を見てみたいと思いますね。次に引き受ける監督はさらに難しいし大変だとは思いますが・・・。

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2015年12月25日 (金)

Black tie.

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タキシードが似合う季節です。都内某所にて。
Black tie,Black shirt,without pocket handkerchief.

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2015年12月23日 (水)

舞浜イクスピアリ「ピアリア」のサンタさん

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 いよいよクリスマスですね。これは先日、浦安市の舞浜イクスピアリ地下にあるパン屋さん「ピアリア」で見つけたサンタさんのお菓子です。

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2015年12月18日 (金)

海難1890

 

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  日本・トルコ合作映画「海難1890」を見ました。いいですよ、これは! まあ本日はスター・ウォーズの新作公開でもちきりでしょうが、この映画は見ておくべき一作ですね。
 これは史実に基づいた作品なので、どんな話か、といえば「エルトゥールル号遭難事件」を調べていただければ、その通りの展開なわけです。明治時代も前期のこと、オスマン帝国の威信をかけて明治天皇への謁見をすべく、11か月を費やして日本にやって来たオスマン海軍のフリゲート艦「エルトゥールル」。無事に使節としての任務を果たし、帰途に就いたのが9月。折しも日本は台風シーズンで、危険があることは分かっていたのだけれど、予定から大幅に遅れていた旅程を詰めようとあえての強行。そのために艦は座礁・沈没し、600人を超える乗組員のうち、助かったのはわずか69人。しかし、和歌山県・紀伊大島の樫野の村人たちは、自分らの危険も顧みずに救助に当たり、乏しい蓄えから食料を惜しげもなく供出し、医師たちも無償で治療にあたったといいます。
 エルトゥールルというのは、初代オスマン皇帝であるオスマン1世の父、とされる人物名ですが、実際の治績のたぐいはほとんど分かっていない、まあ伝説上の人物に近い人。そしてエルトゥールル号というのは、1850年代に建造された木造帆走のフリゲートで、まあ、日本にやって来たペリー艦隊の黒船ぐらいの時代の軍艦。当然、1890年には非常に古い艦だったわけで、ただし60年代に蒸気機関を設置して、なんとか持ちこたえていたようなもの。どうしてそんな古い艦をはるばる日本まで、というのは当時のトルコ海軍の事情はよく分かりませんが、ロシアとの度重なる戦争で弱体化する中、同海軍のまともな艦はこれしかなかったのかもしれません。排水量は2200トンほどで、大きさとしては十分な外洋船といえますが、何しろ古すぎたようです。
 この映画のみどころの一つは、やはりこの19世紀のトルコ海軍を描写しているシーン。ことに軍装は必見ですね。頭にはトルコ伝統のフェズ帽、そして士官は当時の海軍軍人としてスタンダードと言えるフロックコートですが、灰色の生地なのがとても珍しい。階級は袖口のラインで表す国際標準式なのですが、肩にもエポレットの名残らしき縦形の肩章があり、これは単純に錨のマークだけが刺繍されています。そして折り襟のレギュラーカラーのワイシャツに、紺色の普通の結び下げ型ネクタイ、といういでたちはかなり現代的に見えます。白いパンツに黒い膝まであるロングブーツ、というのは海軍では珍しいです。そして、士官はサーベルを下げ、刀帯を締めています。一方、下士官兵はセーラー服ですが、明るい青色と、えんじ色のライン、というのが非常に特徴的。頭にはやはりフェズ帽です。このように、将兵の服装ひとつとっても、かなり当時のイスラム圏の中で近代海軍を持っている、遠洋航海もできる、というところを見せ付けることは、オスマン皇帝にとってかなり意味があることだったのだろう、それゆえの派遣だったのだろう、と思わせるものがあります。
 日本海軍の士官や下士官、水兵もちょっと出て来るのですが(ちなみに海軍将校役は小澤征悦さん)このへんもしっかり時代考証されていて、帽子に金ラインの入った明治初期の海軍の服装です。さらに、トルコ軍人たちはドイツ海軍の砲艦に乗って和歌山から神戸に移送されるのですが、そのシーンではちゃんとドイツ海軍の短艇に、ドイツ海軍のセーラー服を着た水兵が乗っていて(制帽にはっきりドイツ帝国の円形章=コケード=が写っています)こだわっているな、と考証の面で感心致しました。なお、神戸からトルコへは、日本海軍の「金剛」と「比叡」(後の大正時代から昭和期の有名な巡洋戦艦ではなくて、先代)が送り届けています。
 さてそれで、海難事件から90年以上を経たイラン・イラク戦争時の1985年、テヘランに取り残された日本人を日本政府は救出する手段はなく、自衛隊を派遣しようにも(例によって)国会の承認がないと動けず、とやっているうちに身動きできなくなってしまいました。そこで、トルコ政府のオザル首相は自国民だけでなく日本人も救出することを決定。このシーンも、ホメイニ師の肖像とか、サダム・フセインの映像とかうまく使って、戦時下のテヘランの風景をうまく描いていました。ひとつひとつ、非常に丁寧にシーンを作っていて、いいです。
 ということで、1890年の海難事件と、1985年のテヘラン救出事件の二つの史実を扱っていますが、もちろん、史実そのままということではなく、映画的な脚色はかなり、されているわけですが、それでも本質をよくとらえて、うまい描き方の映画だと思いました。
 基本的に、史実であり、いい話なので、安心して感動できる作品と言えます。変に批判的な、ひねくれた見方をする必要がないのですよね。実際、私は大感動しました。どういう話か分かっているのだけど、実話の力は強いですね。
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 1889年、イスタンブールを出港したオスマン海軍の軍艦エルトゥールル号。退役した提督の息子である機関大尉のムスタファ(ケナン・エジュ)は、部下の機関科兵曹ベキール(アリジャン・ユジェソイ)と反目しながら、いつしか階級を越えた友情を育んでいきます。しかし艦を率いるオスマン・パシャ提督(ウール・ポラット)が無事に明治天皇への謁見を済ませた後、1890年9月、和歌山県沖で艦は座礁。提督は艦と運命を共にし、ベキールたちも殉職。樫野の町医者・田村(内野聖陽)や助手のハル(勿那汐里)たちは献身的に救助に当たり、佐藤村長(笹野高史)の指導の下、日頃は田村と反目しているライバルの開業医・工藤(竹中直人)や、遊女のお雪(夏川結衣)も手を貸します。村人たちの献身ぶりにトルコ水兵たちも心を打たれ、ドイツ艦に移乗して別れるときは、涙ながらに村人たちと別れを惜しむのでした・・・。
 時は流れ、1985年。イラクの独裁者サダム・フセインが突然、停戦を破ってイランに攻撃を開始。日本政府は邦人の救出が出来ず、日航機も自衛隊機も出せない不始末となります。日本人学校教師の春海(勿那の2役)は、街で出会ったトルコ大使館職員のムラト(エジュの2役)に運命的な出会いを感じます。野村大使(永島敏行)は最後の救出機を準備しているトルコ政府に日本人も救出してくれるように要請。トルコのオザル首相(デニズ・オラル)は、自国民だけでなく日本人も助けるように英断を下し、トルコのパイロットたちも危険な任務にこぞって志願してくれます。そして、空港にやってきた春海たちですが、予想を超えるたくさんのトルコ人たちがいるのを見て愕然とします。当然、トルコ人が優先で、日本人など乗れるわけがないはず。そこでムラトは人々に呼びかけます。「あの日本人たちを救えるのは、あなた方だけなのです。日本人はかつて、我々の祖先を助けてくれました。決めるのはあなた方です」・・・そして、静かな奇跡が起こるのでした。
 ◆  ◆  ◆
 というようなわけで、機会があったらぜひ、ご覧になってほしい作品です。しかし最後に思いますが、この時に英断を下したオザル首相は、国民からも高く評価されて、後に大統領になります。一方の日本は・・・今だって、同じような事態で、日本政府には何らの手もないのはあまり変わっていないのでは? 自衛隊もこういう時に役に立たないのは毎度のことです。もちろんこの一件を受けて自衛隊法が改正され(当時は中曽根政権)、こういう場合は自衛隊機を出せるということにはなっているようですが、実際の動きが悪いのはいつものことです。私は政治的なことは書かない主義ですが、自分の国民も守れない国家、というのは国際的に恥ずかしい、とは言えると思いますね。実際、この逸話もいい話なんだけど、日本として見ると恥ずかしい話でもあるわけです。
 なお、作品の冒頭にエルドアン大統領のメッセージが流れます。
 

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2015年12月10日 (木)

007 スペクター

 

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 007シリーズの最新作「007スペクター 007SPECTRE」を見ました。今回は一言で申せば、「あの007が帰ってきた!」という感じです。第6代ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグが主演する作品も4作目。21世紀版の007として、一種のリブート作品としてボンドの最初の任務「カジノ・ロワイヤル」が映画化されて以来、シリーズはシリアスでソリッドな、良くも悪くもリアリズム寄りのアクション映画という色が強くなりました。かつての設定がいったん、リセットされて、国際テロ組織と死闘を繰り広げるボンドの姿は、もちろん時代にあったものだったのですが、正直申して「しかしこれは、普通のアクション映画じゃないの」という不満が出てきていたのも事実。何か暗くてまじめなクレイグ版ボンドには、往年の007にあったふてぶてしさ、人を食ったせりふ回し、危機に対しても軽口をたたく余裕、英国的なユーモア、そういうものが欠けていたのは間違いありません。このところ「キングスマン」や「コードネームUNCLE」といった、クラシックで娯楽性の高いスパイ映画が次々に登場しているのも、トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」が娯楽度を強めているのも、本家本元の007シリーズへの不満の受け皿を狙う意識があったことは間違いないと思われます。
 何よりもボンドは、女たらしで、大酒のみで、健康面にかなり不安があり、決して真面目な人物ではありません。むしろ上司の命令も無視して独断専行する、困った人です。しかしどうもダニエル・クレイグのボンドは、とても生真面目な公務員に見えてしまう。共産圏のスパイというか。どうもMI6のスパイに見えない。
 というような不満に対し、原点回帰への舵を切る予兆を見せたのが、前作「スカイフォール」でした。Mの秘書ミス・マネーペニーや、装備係Qの復活、愛車アストン・マーチンの登場など伏線が張られている感じでしたね。
 そして今作です。今回は、間違いなくショーン・コネリーからロジャー・ムーアの初期ごろの007映画のムードを盛り込んでいます。
 何しろ、銃口の中からボンドがこちらを向いて撃つ「ガンバレル・シークエンス」が復活しています! 世界各地のご当地名所が次々に出て来る華やかさ、冒頭の007のテーマから作品のテーマ曲をバックにしたタイトル・ロールの妖しい感じの演出・・・このへんも初期の007の再現を感じます。音楽そのものも、あの有名な007のテーマなど、このところちょっと現代的なアレンジをされていましたが、今作では、高音を強調したトランペットと、リヴァーブをかけまくった「ベンベケ」したエレキ・ギターのサウンドが初期のシリーズのものを想起させるものになっています。
 余裕のある、ユーモアあふれるやりとりや、シーンも大幅に増えました。たとえば。

 特殊機能満載の新型アストン・マーチンを007に披露した後、Qが澄ました顔で言います。
「残念でした、この車は009に引き渡されます」
「俺には何かないのか」
「あなたにはこれです」(オメガの腕時計を手渡す)
「これには何か機能が?」
「正確な時間が分かります」
「それだけか!」
「遅刻を防ぐことが出来ます」

 その他、どこか初期のコネリーやムーアのボンドが口にしそうなセリフが連発します。ヒロインを口説きながら、瞬く間にドレスの背中のファスナーに手をかけて裸にしている速効の誘惑なども、あのころのボンドのようです。
 そしてどこかで見たようなシーンやセリフの数々。中南米のカーニバルのシーンから始まるケレンミたっぷりのオープニング、豪華列車の中での格闘、そして敵に火を付けたり、アイスピックで敵に立ち向かうボンド、アルプスの山頂にある診療所から雪山の中で展開する追跡戦、白いタキシード姿のボンド、お遊び要素も満載のボンドカー、最後はヒロインを同乗させて高速ボートで水上を走るボンド・・・本当にどこかで見たな、「これは女王陛下の007かな」「ここらは死ぬのは奴らだ、な感じだな」「これはロシアより愛をこめてか」「このへんはダイヤモンドは永遠に、かな」といったシーンやセリフがこれでもか、と出てきます。
 極めつけは、タイトルともなっている007の永遠の宿敵、スペクターと、その首領アンスタ・スタブロ・ブロフェルドの復活! 2代目ジョージ・レイゼンビーの時代までずっとボンドの敵として登場した仇敵ですが、ロジャー・ムーア時代になって姿を消し、「ユア・アイズ・オンリー」では冒頭であっさりとブロフェルドらしき敵が葬られて、それ以後、ボンドの敵はどこかの狂信的な軍人とか、共産圏のスパイとか、一般的な国際テロリストとなっていきました。
 ブロフェルドが最初にスクリーンに登場したのは「ロシアより愛をこめて」で、ペルシャ猫を抱いた謎の首領ナンバー1として姿を現しました。日本を舞台にした「007は二度死ぬ」で、ついに顔を出しますが、ドナルド・プレザンスが怪演していました。「女王陛下の・・・」では「刑事コジャック」で有名なテリー・サバラスが、「ダイヤモンドは・・・」ではチャールズ・グレイがとても楽しそうに、この映画史に残る悪役を演じています。
 しかし、この人物の背景はこれまで全く、描かれておりませんでした。また、プレザンスが演じたブロフェルドは、顔に深い傷がある姿でしたが、その理由も特に示されていませんでした。
 ところが、今回の作品では、007ジェームズ・ボンドと、ブロフェルドとの関係がただならないものであることが描かれるのですね。そして、顔の傷の理由も・・・。今作でも、ペルシャ猫を抱いて、詰襟の上着を着て、あのブロフェルドを復活させているのは、クエンティン・タランチーノ作品で二度のオスカーを受賞している現代の名優クリストフ・ヴァルツ。
 ボンド・ガールにフランスの躍進著しいレア・セドゥ、そしてガールというには大御所過ぎるボンド・ウーマンとしてイタリアの名花モニカ・ベルッチ。Mにレイフ・ファインズ、マネーペニーにナオミ・ハリス、Qにベン・ウィショーと前作からのメンバーも固定。
 さらに、前任のMことジュディ・デンチも特別出演しています。
 お話の方は・・・。

 メキシコシティのカーニバルの最中、ボンドはスキアラというテロリストを追跡し、街を大混乱に陥れながら倒します。スキアラが指にはめていたのは、黒いタコのマークが刻まれた指輪でした。ボンドの行動は任務外だったため、Mに叱責され、ボンドは停職となります。折しもMI6は廃止され、MI5に統合、00組織も閉鎖、という動きが政府内にあり、MI5の新任の長官マックス(アンドリュー・スコット)はMに圧力をかけているところでした。
 マネーペニーは、前作でボンドが育ったスカイフォール邸が焼け落ち、その焼け跡から見つかった写真をボンドに届けます。ボンドはマネーペニーに対し、なぜボンドが独断で秘密の行動をとっているかの理由を打ち明けます。亡くなった前長官M(デンチ)の遺言で、スキアラという男を追跡し、倒すように、そしてその葬儀にも出て探るように、という命令が残されていたのでした。
 ボンドは、マネーペニーとQに協力を取り付けると、一人ローマに赴き、スキアラの未亡人ルチア(ベルッチ)に接近、スキアラが属していた国際犯罪組織の総会が開催されることを突き止めます。そのままその組織の会議に潜入したボンドは、その首領が、かつてスカイフォール邸で共に育った義兄弟ともいえるフランツ・オーベルハウザー(ヴァルツ)であることに気付きます。殺し屋ヒンクス(デイヴ・バウティスタ)に追われたボンドは辛くも逃れると、この組織の謎のカギを握るかつての仇敵ホワイトの潜む隠れ家を訪ねます。
 ホワイトはすでに、組織の手によって毒を盛られ、瀕死の状態でした。彼は娘マドレーヌ(セドゥ)を守ってくれるなら、秘密を明かす、として取引に応じます。
 ボンドはオーストリアに飛び、アルプスの山頂にあるホフラー診療所の医師となっているマドレーヌに近付きますが、すでにそこにはヒンクスの手が伸びていました。
 なんとか脱出した2人は、ホワイトがマドレーヌに託していた秘密を探り出し、アフリカにあるオーベルハウザーの拠点に乗り込むことにします。彼女は、この恐るべき敵の犯罪組織の名前が「スペクター」であることをボンドに告げるのでした・・・。

 ということで、現代的な要素と、かつての007シリーズの持ち味を見事に融合させた本作。私のような初期シリーズのファンも納得できる、久々に「007を見た」という感じの一作でした。こういう感じなら、ダニエル・クレイグもボンドに見えるな、と感じました。要するに、脚本の問題が大きかったのかな、と思った次第です。ここ何作か、ちょっと肩に力が入り過ぎていたような気がするのです。007の本領発揮で、シリーズの今後の展開が楽しみです。

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2015年12月 3日 (木)

アマガエルの「シャルル君」

 

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 このまん丸い、草餅のような、ヨモギ団子みたいな物はなんでしょう? これは我が家のアイドル、アマガエルの「シャルル君」です。我が家に来て6年ほど、推定年齢は8歳以上。命名の由来は、カエルを名古屋風になまらせて「キャール」に。ここからドイツ語風に「カール」に。さらにそれのフランス語化で「シャルル」になりました。つまり、フランク人のローマ帝国の開祖カール大帝→シャルルマーニュにあやかっております。

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2015年12月 1日 (火)

今年も師走に洋ランが咲きました。

 

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 いよいよ2015年も師走を迎えました。今年は確かにちょっと暖冬ぎみでしょうか? とはいえ北海道や東北方面は寒気が来ているそうで、まもなく関東以南も冷え込んでくるでしょうね。Photo_2



 我が家の洋ランが咲いてくれました。毎年、この時期になるときれいに咲いてくれます。
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 なにやら年末になってきて、訃報が続く感じがします。ここしばらくだけでも阿藤快さん、白川澄子さん、原節子さん、水木しげるさん、という感じです。
 私が学生時代によく読んだ近代文学者の佐藤泰正さんも亡くなった、という記事を見ました。1986年に出された『夏目漱石論』は同氏の畢生の名作で、当時、近代文学を学ぶ人たちに衝撃を与えた一冊でした。

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