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2015年11月20日 (金)

コードネームU.N.C.L.E.アンクル ラスト・ナイツ

 

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  映画を2本立てで見ました。「コードネームU.N.C.L.E.アンクル」THE MAN FROM U.N.C.L.E.と、「ラスト・ナイツ」LAST KNIGHTSです。
 コードネームU.N.C.L.E.は、1960年代に人気を博した「0011ナポレオン・ソロ」のリメイクでして、アメリカのCIAに属するナポレオン・ソロと、ソ連KGBのイリヤ・クリヤキンの「あり得ない」コンビが、国家の枠を超えた組織U.N.C.L.E.アンクルの下で世界の危機に対処する、という筋立て。
 東西冷戦時代の東ベルリンに姿を現したナポレオン・ソロ(ヘンリー・カビル)は、元ナチスの科学者テラー博士の一人娘ギャビー(アリシア・ヴィキャンデル)の自動車整備工場にやってきます。ナチス・ドイツの敗北後、アメリカに渡ったテラー博士は2年前から姿を消し、核兵器の量産法を研究している可能性があると思われ、その行方を追うソロはギャビーに協力を求めに来たのです。しかしそこには、KGBのスパイ・イリヤ(アーミー・ハマー)もやってきて、激しい争いの末にソロがギャビーを連れて西側に連れ出すことに成功します。
 ところが、これで任務成功、と思いきや、上司から突然、米ソが手を組んだ共同作戦でテラー博士の行方を追うことになった、と告げられ、姿を現したのはイリヤでした。
 イタリアに本拠を置き、野心家の美女ヴィクトリア(エリザベス・デビッキ)が率いる海運会社ヴィンチグエラ社に、ギャビーの叔父ルディ(シルベスター・グロート)がいることが分かり、ソロ、イリヤ、ギャビーの3人はイタリアに乗り込みますが、その足並みはそろわず失敗続き。謎の男ウェーバリー(ヒュー・グラント)の影もちらつく中、テラー博士の研究がすでに核弾頭の製造にまで進んでいることを彼らは察知します・・・。
 というようなことで、いかにも60年代の風俗に雰囲気、服装やゴージャスな「気分」が再現されています。初期の007シリーズにもあった華やかさとか色気があります。スパイ映画ってこういう感じだったよね、というのを久々に新作で堪能できる一本。前の「キングスマン」もそうでしたが、何かこういうクラシックなものを観客は求めているのじゃないでしょうか。
 もともとは、トム・クルーズがソロ役のはずだったといいます。それはそれで当たったと思いますが、現役のスーパーマン役者、ヘンリー・カビルは女たらしの諜報員を見事にやっていますし、堅物のソ連スパイには、ソ連研究者の祖父を持つアーミー・ハマーは打ってつけでしょう。それから、謎の美女役のデビッキは、「華麗なるギャツビー」でデビューした女優さんですが、存在感ありますね。こういうゴージャス系の役にはまります。
 ◆  ◆  ◆
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  「ラスト・ナイツ」は、「CASSHERN」「GOEMON」で驚愕の映像を作り出した紀里谷和明監督が海外進出して製作した第1弾。あの日本の武士道の世界を最もよく表している「忠臣蔵」の物語を中世のヨーロッパのような世界(といっても実在の欧州でもない感じで、人種もさまざまな異世界)を舞台に翻案した作品です。日本人にはあらすじは必要ないわけですが、浅野内匠頭にあたるバルトーク卿にモーガン・フリーマン、大石内蔵助にあたる騎士隊長ライデンにクライヴ・オーウェン、吉良上野介に当たる宰相ギザ・モットにアクセル・ヘニー、徳川将軍に当たる皇帝にペイマン・モアディ、そして千坂兵部と清水一角を足したようなギザ・モットの親衛隊長イトーに井原剛志、という配役で話が進みます。
 長い戦乱の世が終わり、一人の皇帝が諸侯を束ねる世の中で、大臣のギザ・モットは諸侯に賄賂を要求し、奢侈に走った生活を送り、権力をほしいままにしていました。これに反感を持つバルトーク卿はついにギザ・モットを怒らせてしまい、モットから辱めを受けます。つい手が出てモットを傷つけてしまい、反逆罪で罪に問われることに。モットは皇帝に入れ知恵し、バルトークに忠誠を誓う騎士隊長ライデンに強要して、その手で、主君を斬首させてしまいます。さらにバルトーク家はお家取り潰しとなり、騎士たちも離散して零落していきます。ライデンも盛り場や遊郭に入りびたり、すっかり無軌道な生活に。もはや、かたき討ちをする気力もなくなっただろう、とギザ・モットやイトーたちは安心しますが、それはライデンが世を欺くための芝居でした。雪の降りしきるある夜、バルトーク騎士団はモットの首を討つべく、その居城を目指して進みます・・・。
 ということで、武士の世界に特有の切腹とか、また浅野が勅使下向の饗応役を仰せつかって、吉良はその指南役で、高家筆頭の家柄で、殿中での刃傷は即日、切腹で・・・みたいな、なかなか外国人には理解しにくい部分をうまく、普遍性のある違う形で換骨奪胎しており、かなり異なっているにもかかわらず、まぎれもなく「あの忠臣蔵」に見えるのがすごいところです。ひたひたと黒ずくめの集団がモットの城に迫るシーンは、「いよいよ吉良邸に討ち入りだ」と素直に見えました。
 本懐を遂げて、バルトーク家の姫君に義士たちが報告するシーンは、涙なくしては見られません。このウエットな感覚は紛れもなく日本的なものです。
 紀里谷監督はこれまで、国内で興行的には立派な成績を上げているのに、あまり正当な評価は受けてこなかったような気がします。有名になったのが、当時の奥さんの宇多田ヒカルさんの名声にあやかって、というイメージになりがちだったのも、損した部分と得した部分、相半ばだったのかもしれません。しかし、これでいよいよ海外で本領発揮して、一層すごい作品を見せてほしいと思いますね。 

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