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2014年9月21日 (日)

NY心霊捜査官

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 20日に封切りしたばかりの「NY心霊捜査官」DELIVER US FROM EVILなる映画を見てきました。原題は「我らを悪から遠ざけたまえ」というところでしょうか。製作はあの「パイレーツ・オブ・カリビアン」などで知られる超大物ジェリー・ブラッカイマー。公開時にはアメリカでかなり話題になったそうです。というわけで、さぞかし鳴り物入りで大興行を打つのか、と思ったら、このあたりではららぽーと豊洲か市川コルトンプラザまで行かないと見られない。それで、わざわざ豊洲まで見に行ったわけですが、一応この作品は18禁扱い。エロい作品でないのに18禁というのは、高校生でも見られないわけですよね。そりゃまたどんなに怖いホラーなんだろう、と思ったわけです。
 これは、実在する元ニューヨーク市警捜査官ラルフ・サーキ氏の実録に基づく映画、なのですが脚本的にはオリジナルで、登場人物も実在しません。ただ、サーキ氏が捜査中に体験した摩訶不思議な出来事を盛り込んでおり、ひとつひとつのディテールは実体験、なのだそうです。
 ◆  ◆  ◆
 お話は2010年、イラク戦線で戦う米海兵隊員から始まります。戦闘中に3人の兵士が、古い洞窟の中に迷い込みます。そこにはおどろおどろしい人骨と謎めいたラテン語の呪文らしきものが書かれた壁があり、3人は正気を失っていきます・・・。
 そして2013年、サーキ巡査部長(エリック・バナ)は相棒のバトラー捜査官(ジョエル・マクヘイル)とパトロール中、動物園でジェーンという女性が錯乱し、自分の子どもをライオンの檻に放り投げて殺そうとした殺人未遂現場に遭遇。70年代のロックバンド「ドアーズ」の歌詞を口走り、常軌を逸している様のジェーンに驚くサーキですが、その場に見るからに怪しい塗装工(ショーン・ハリス)の姿を見かけ、不審に思います。なぜか隔離されているはずのライオンも現れ、サーキは食い殺される寸前、すんでのところで助かります。次いで、妻に対する暴行の現行犯で逮捕した男トラトナー(クリス・コイ)の狂態に直面し、さらに通報を受けて駆けつけた民家の地下室では腐敗した塗装工グリッグスの遺体を発見します。グリッグスとトラトナーは、イラク帰りの元海兵隊員で、驚いたことにジェーンはグリッグスの妻だと分かります。姿をくらましているもう一人の塗装工サンティーノ(ショーン・ハリス)も、やはり元海兵隊員でした。サーキは一連の不審な事件の黒幕がサンティーノだと断定し捜査を続けますが、徐々にこれが通常の事件ではなく、超常的な要素の問題であることに気づいていきます。捜査の過程で知り合ったメンドーサ神父(エドガー・ラミレス)にその事実を諭されますが、サーキはなかなかそれを受け入れることが出来ません。
 一方、サンティーノの黒い影はサーキの愛妻ジェン(オリヴィア・マン)や一人娘にまで及んできます。また、サーキ自身にも人には言えない暗い秘密が過去にあり、誰にも打ち明けられずに悩んできましたが、悪霊はどうもこのサーキの弱みにつけ込もうとしてくるようです。そしてついに、メンドーサとサーキは悪霊との対決に挑むことになりますが・・・。
 ◆  ◆  ◆
 というような流れで、さすがに実録に基づいている描写はリアルで、大変に迫力がありますが・・・しかしなんですね、激辛ですよ、といわれて食べてみたら、案外に普通だったという感じも否めません。ディスカバリー・チャンネルでやっている実録もの人気番組「怪奇現象の研究」の拡大スペシャル、という感じで、ああいうものを見慣れている人には、おなじみの感じかもしれません。そもそも欧米の悪霊は、キリスト教文化に基づく「悪魔」というスタイルで登場するパターンが多いので、日本の叙情的で湿っぽいホラーが好きな人は違和感を覚えるかも、とも感じますね。全体としては、おどろおどろしいホラー、というよりも犯罪捜査もの、刑事もの作品という側面が強いです、特に前半は。
 ところで、実在のラルフ・サーキ氏は、その「怪奇現象の研究」でもおなじみの著名な心霊研究家ウォーレン夫妻の指導を受けて、今では警察を辞めて、心霊現象に悩んでいる人たちのための活動をしているそうです。そういう意味で、やはりあの番組の豪華予算をかけた長尺特番、という印象です。
 出演者は、何しろ悪霊に憑依されている役をやる人たちが多いわけで、それはもう大変だったと思います。主演は「トロイ」で人気者になり「ミュンヘン」で有名になった後、「ブーリン家の姉妹」とか「スター・トレック」以来、ちょっとここ数年、ご無沙汰気味だったエリック・バナ。奥さん役のオリヴィア・マンはどこかで見た顔、と思うと「マジック・マイク」で主人公の長年腐れ縁の恋人である医学生の役をやっていた人ですね。その他、ブラッカイマー作品だけに、超有名人はいないながら、地味でも実力のある役者さんが脇を固めており、神父役のラミレスは「タイタンの逆襲」の軍神アレス役などが記憶にあります。悪霊に取り憑かれる元兵士の塗装工サンティーノ役のハリスは「プロメテウス」でも個性的な、ちょっといかれた技術者ファイフィールドを熱演していた人(あの作品ではエイリアンに寄生されてしまう役柄でした)ですが、今回もこの人の演技力が光っています。主人公の相棒バトラーを演じたマクヘイルは、ヒット作「テッド」に出ていましたね。それと、この映画でいちばんすさまじい演技をしていたMVPは悪魔に憑りつかれた母親ジェーン役の女優さん。ショッキングなシーンはほとんど、この人で持っている部分がありますね。ところが、公式パンフレットでも公式サイトのキャスト紹介でも、名前すら紹介されていません。この女優さんはオリヴィア・ホートンOlivia Hortonという人で、少なくとも1989年には映画出演しているようなので、かなりのベテラン。それに、今作では憑依されて化け物みたいなシーンばかりですが本当はとても綺麗な人のようです。これまでそんなに目立った活躍はない人ですが、これを機に注目されるかも知れません。
 とにかく、割とひっそり公開中ですので、ご興味のある方はお早めに・・・。
 
 

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