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2014年7月31日 (木)

ゴジラGODZILLA

 

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 アメリカ版「ゴジラGODZILLA」を見ました。1998年のあまり評判が芳しくなかったローランド・エメリッヒ監督版とは異なり、54年公開の第一作ゴジラに敬意を表した作品で、渡辺謙が54年版に登場する「芹沢博士」と、同作品の本多猪四郎監督の名を合わせた日本人のゴジラ研究家「芹沢猪四郎博士」として登場しています。また、モーション・キャプチャーでゴジラを「演じている」のは、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ以後、この分野の第一人者であるアンディ・サーキスだそうです。
 ◆  ◆  ◆
 1950年代、アメリカは世界初の原子力潜水艦ノーチラス号を実用化しますが、そこで謎の古代の巨大生物が深海で覚醒したことを悟ります。米軍は、さらに何度も大洋で水爆実験を繰り返しましたが、その真の狙いは明かされないままでした。
 そして1999年、フィリピンの鉱山で巨大な生物の化石と、謎めいた生物の卵らしきものが発見されました。巨大生物を研究する秘密機関モナークに属する日本人・芹沢博士(渡辺)と助手のヴィヴィアン(サリー・ホーキンス)は、それが彼らの追っている生物の化石であることを確かめますが、さらに、ここから卵の一つが孵化し、海に出て行ったことを突き止めます。
 同じころ、日本のジャンジラ市にあるジャンジラ原子力発電所が原因不明のメルトダウンを起こして崩壊。技術責任者のジョー・ブロディ(ブライアン・クランストン)は、妻であり助手でもあるサンドラ(ジュリエット・ピノシュ)を目の前で助けることが出来ず、失います。二人の子であるフォードは心に深い傷を負いました。
 それから15年たった2014年。海軍の技術将校となっているフォード・ブロディ大尉(アーロン・テイラー・ジョンソン)は、忙しい任務の合間を見つけて休暇を取得し、妻のエル(エリザベス・オルセン)と息子サムが待つサンフランシスコの自宅に帰ってきます。しかしそこに思わぬ連絡が。相変わらず日本のジャンジラ市周辺にとどまっている父ジョーが、日本の警察に逮捕された、というのです。かつての忌まわしい記憶を思い出したくないフォードですが、急きょ、日本に行き、警察でジョーの身元を引き受けて釈放してもらうことになります。ジョーはいまだに15年前の事件が納得できず、放射能汚染地域として退避区域となり、閉鎖されている原発の跡地に踏み込んで、調査をしているうちに警察に捕まったといいます。もう昔の悪夢を振り返らないように父をいさめるフォードでしたが、ジョーはあれが単なる地震でも事故でもなく、日米の当局者が原発の跡地に何かを隠している、と主張して、再び退避区域に潜入。やむなくフォードも同行することになります。
 退避区域では明らかに放射能などなく、当局が何かを欺瞞している、とジョーは喝破しますが、その直後、またも父子は逮捕され、ジャンジラ原発跡地にある秘密の施設に連行されます。
 その折も折、施設では卵が孵化し、芹沢博士たちの目の前で、巨大な古代生物MUTO(ムートー)が覚醒していました。ムートーは翼を広げて飛び去り、事態はステンツ提督(デヴィッド・ストラザーン)指揮下のアメリカ第七艦隊に委ねられることに。芹沢は15年前の事件の詳細を知っているブロディ父子に同行、協力を求めます。
 その後、ムートーはハワイ・ホノルルに出現して街を破壊。それを追って、ムートーの天敵である巨大生物ゴジラが出現します。さらに、かつてフィリピンで発見されたもう一つのムートーの卵が、ネバダ州の核廃棄物場で孵化。このもう一匹のムートーはメスで、ラスベガスを破壊して海岸に向かいます。最初のムートーは海を渡り、サンフランシスコに向かって行きます。それを追ってゴジラもアメリカへ。フォードは3匹の怪獣を倒すべく用意された核弾頭を操作する任務に志願します。その間にも、フォードの妻子が住むサンフランシスコは怪獣大決戦の戦場となろうとしています。人類の未来は、そして、フォードは家族と再会できるのでしょうか・・・。
 ◆  ◆  ◆
 ということで、54年版のゴジラを意識した作り、特に今作では地震に津波、原発事故と避難区域・・・という大いに東日本大震災以後を思わせる設定が盛りだくさん。ちょっと日本人としては見ていてシリアスで苦しい、という感じもしないではありません。しかし逆に、オリジナルのメッセージも踏まえた非常に日本人にも納得できる描き方、というものがあり、パニック映画とか娯楽作品という枠組みでは収まらない、なかなかの仕上がりなのではないか、と思います。
 ゴジラの鳴き声は、54年のオリジナル音源を研究し、何年もかかって再現した苦心の作ということで、確かに「あのゴジラの鳴き声」です。製作側の執念を感じます。
 ドラマ的には、とにかくジョーとサンドラの夫婦の悲劇がかわいそうで、印象も強いです。比べると主人公であるフォードとエルの若夫婦はとってつけ、という感じもあります。ちなみにテイラー・ジョンソンとオルセンは、アベンジャーズ・シリーズの次作で双子の役で共演するそうですが、これは全くの偶然だそうです。そんなこともあるのですね。それから、謙さんはいいです。存在感がありますね。さすがです。出番も想像していた以上に多く、非常に大事な役どころであり、最初から最後まで登場します。
 まあ、相変わらず日本の描き方はちょっと変な感じもあるのですが、まあ、かなりましな方ではないかと思います。ただジャンジラ市、というのはちょっと日本の地名としては・・・。何かムエタイの有名なボクサーにジャンジラさんという人がいるようですが、そのへんがネーミングの出どころでしょうか。もう少し日本的な名前にしてほしかったところですが、デリケートな話でもあるので、つまり原発が崩壊して放射能汚染で封鎖されている町、というわけですので、日本のどの地名とも似ていない妙な名前をわざと持ち出したのかもしれません。
 アメリカでの好評を受けて、本作はシリーズ化の続編製作がすでに決まっているとかで、聞くところでは今後、モスラとかキングギドラまで出演するのではないか、と言われています。ぜひ今後も、日本のオリジナルの要素を大事にしたハリウッド版として続いてほしいものです。もちろん渡辺謙さんはじめ日本人も出してほしいですね。
 
 
 

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2014年7月19日 (土)

第22回日本テディベア・コンベンション開催中。

 

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 ただいま有楽町の東京国際フォーラムで、第22回日本テディベアwith Friendsコンベンションが開催されています。国内外のテディベア作家さんが一堂に会する、日本では最大級のイベントです。私どもをご招待いただいた岡部紀代美さんも出展されています。シュタイフやケーゼンのレアなクラシックベアも販売しています。このイベントはあす20日まで、午前10時~午後4時まで。

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日刊ゲンダイ「辻元よしふみ鉄板!おしゃれ道」第29回「マリンファッション」

 

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  きょう7月19日発売「日刊ゲンダイ」のp13(カラー)下に私、辻元よしふみの連載「鉄板! おしゃれ道」第29回が掲載されました。今回は「マリンファッション」です。本連載は隔週土曜日掲載で、次回は8月2日(土)発売号の予定です。

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2014年7月18日 (金)

オール・ユー・ニード・イズ・キル

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 トム・クルーズ主演の最新作「オール・ユー・ニード・イズ・キル
EDGE OF TOMORROW」を見ました。これは、日本の桜坂洋さんの小説『ALL YOU NEED IS KILL』を原作としていますが、英語である原作タイトルを、エッジ・オブ・トゥモロウ・・・なんでしょう、直訳すれば「明日の刃」とか「明日の先端」といった程度の意味でしょうか、そういうものにわざわざ変更しています。なんでも製作側の判断で、killという題名はよくない、ということだったそうです。英語圏の人には、「お前に必要なのは殺しだけ」という原題は、殺伐としすぎる印象があったようです。しかし日本では原タイトルで公開している次第です。

 そして、大筋では原作小説どおりなのですが、原作では日本人の新兵キリヤ・ケイジというのが主人公ですが、これをそのまま今や52歳になったトム・クルーズがやるわけにはいかないので(とはいっても、せいぜい40歳前後に見えますが、今でも)、宣伝広報担当の軟弱なアメリカ人、ウィリアム・ケイジ少佐、という設定に置き換えています。ヒロインのリタ・ブラタスキという名前は原作通りですが、これも少女という設定から、エミリー・ブラント扮する鍛え抜かれたベテラン兵士、という感じになっています。

 この話は、いわゆるループもの、です。つまりロールプレイング・ゲームのように、何回も同じ時間が繰り返されることで、登場人物の経験が増し、少しずつ問題が解決されていく、というタイプの物語です。

 時は近未来。謎の異星人ギタイが地球に侵攻してきて5年が経過しています。連中はまずドイツに降り立って欧州占領を図っており、すでにフランスも陥落、全欧州がギタイの支配下に入りつつあります。地球側は70か国が参加する統合防衛軍UDFを編成して抵抗していますが、徐々に打つ手がなくなってきています。最後の頼みの綱は、強力な新型パワー・スーツ。これを使用して鬼神のように暴れまくり、久々にフランス、ヴェルダンの戦いで地球側に勝利をもたらした女性兵士、リタ・ブラタスキ曹長(ブラント)は「ヴェルダンの女神」として英雄視されています。

 まもなくブリガム将軍(ブレンダン・グリーソン)が指揮するフランス奪還作戦が行われようとしており、アメリカ軍からUDFに出向している広報担当官ウィリアム・ケイジ少佐(クルーズ)はテレビに出まくって大いに宣伝に努めています。ロンドンのトラファルガー広場に軍用ヘリで降り立ったケイジは、ブリガム将軍の司令部に呼び出され、ノルマンディー海岸への上陸作戦に従軍し、最前線レポートをテレビ中継するよう命令されます。しかし、もともと広告マンで実戦経験ゼロのケイジは命令を拒否、将軍を激怒させます。ケイジは憲兵隊に逮捕されて、階級を剥奪され、脱走兵としてノルマンディー上陸部隊に送り込まれてしまいます。

 ファレウ曹長(ビル・パクストン)指揮する曲者揃いのJ分隊に二等兵として配属されたケイジは、慣れないパワー・スーツを着込み、ノルマンディー海岸に降り立ちますが、すぐに恐ろしい激戦に巻き込まれます。J分隊が全滅し、リタが戦死する様を目撃したケイジは、最後に一匹の見慣れないタイプの青いギタイを倒し、その血を浴びながら自分もあえなく戦死してしまいます。

 ところが次の瞬間、彼は自分が出撃前夜の英国の基地にいることを知ります。ファレウ曹長につかまり、J分隊のみんなに紹介され、訓練に出て・・・。全く同じ経験が繰り返されることにケイジは驚愕します。そしてまたノルマンディーに出撃し、戦死。ところがまた英国の基地に戻り・・・そう、なぜかケイジは何度でも死ぬと同じ場面まで人生がリセットされて繰り返されるというループ現象に巻き込まれたことを悟ります。

 何回でも同じ経験を繰り返せるため、ズブの素人だったケイジも少しずつ経験を蓄積し、また次に起こることが予測できるため、戦闘能力が向上していきます。そして、あるループでリタから、「今度、目覚めたら私を探して」と言われます。次の機会からケイジは、できるだけ早くJ分隊から離れ、施設でトレーニング中のリタに出会うようにします。リタは驚くべき話をし始めます。つまり、リタも以前に同じようなループ状態になることで戦闘能力を増し、ヴェルダンの戦いで超人的な活躍をすることができたのだ、というのです。しかし負傷して輸血を受けた後、リタからその能力は失われてしまいました。

リタはループの秘密を共有するカーター博士(ノア・テイラー)にケイジを会わせます。博士によれば、ギタイは時間を操り、何度も同じ経験を積むことで戦局を有利にする、という能力があるといいます。その能力を持つ特殊な青いギタイが「アルファ」で、その血を浴びた者は自分もループするようになるのだとか。しかし、本当に「アルファ」を操っているギタイの中枢といえる個体が「オメガ」で、これを倒さない限り、ギタイに勝利することはできないというのです。リタにループ能力がなくなった今、戦局を打開してギタイ・オメガに迫ることができる者は、ケイジのほかにはいません。こうして、何度も生き返ってはリタにしごかれ、トレーニングを繰り返して、出撃し、戦死する。また蘇って同じ経験をするが、少しずつ強く賢くなり、今まで試していない手を試して試行錯誤し・・・という経験を何百回と繰り返す日々をケイジは生きることになりました。

ケイジは無限に繰り返されるリタとの訓練と、彼女の戦死を見ているうちに、自分が彼女に特別な感情を抱きつつあることに気付きます。しかし、リタにとってはいつでもケイジは初対面のよく知らない男です。そんな一方通行の思いの中、ケイジはリタを守り抜き、人類の危機を打開し、そして地獄のループから抜け出すことができるのでしょうか・・・。

このお話はヴェルダンとかノルマンディーとか、かつての人類の世界大戦を彷彿とさせる地名が舞台設定されているのが興味深く、ケイジやほかの将校が着ている統合軍の制服も、近未来の話と言いながら、とてもクラシックで、大戦中を思わせます。パワー・スーツという新しい要素も、現在、各国で実際にこの手のものが研究されていますが、もちろん撮影に使っているのは見かけ倒しの偽物ですので、パワーなどなく、重いだけの代物。重量4050㌔にもなるというそれを着込んで、熱演する兵士役の皆さんには拍手を送りたいです。とにかく見るからに撮影は過酷だったろうな、と思わせる映像が目白押しで、何度も何度も同じようなシーンを繰り返して撮る現場はさぞかし厳しいものだったろうな、と。

日本の原作ということで、イギリスの統合軍基地では英語やドイツ語に混じり、日本語が聞こえてくるシーンがあり、またパワー・スーツの武器も日本製らしく、コンピューターが日本語で「安全装置、解除!」などと言う興味深いシーンもあります。

主演のクルーズとブラントの2人。情けない口先野郎から戦闘マシーンに変貌していくクルーズの演技力はすごいです。1981年に映画「タップス」で狂信的な陸軍幼年学校の生徒役で注目された頃を覚えていますが、あれから30年以上たって、今でも一番人気のあるスターであり続けている・・・毀誉褒貶いろいろあると思いますが、とにかくこれだけ長くハリウッドに君臨するというのは、すごい人です。またエミリー・ブラントは、これまで「プラダを着た悪魔」や「ヴィクトリア女王~世紀の愛」での演技が絶賛されてきた女優さんですが、こういう激しい戦争アクションの役柄は初めて。しかしどこから見ても筋金入りの鬼曹長に見え、なんとも凛々しい女戦士ぶりに、心ときめいてしまいます。

ループものとしての面白さと、謎解きの興味深さもあって、2時間があっという間にすぎさりました。エンディングへの盛り上げ方と、落ちの付け方も秀逸。これは快作だと私は思いましたよ。原作を読んでいる方も、どこらへんがどう、味付けが変わっているのか、見てみると興味深いのではないか、と思いました。

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ダイバージェント

 

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 映画「ダイバージェントDivergent」を見ました。この言葉の意味は、異なっている、とかずれているとか、合っていないとか・・・要するに「異端者」の意味で使っています。何かというと周囲に合わせる集団主義といわれる日本人にとっては、いわゆるKYというか、異端者であることはかなり大変ですよね。それでこの作品では、社会全体がいくつかのグループ分けされ、そのような集団主義的圧力で覆われている近未来社会を描いているわけです。
 原作はヴェロニカ・ロスの大ヒット小説で、すでにこの映画はシリーズ化が決まっており、3作目、あるいは4作目まで製作が予定されているそうです。主演は、今もっとも有望な若手女優であるシャイリーン・ウッドリーです。
 ◆  ◆  ◆
 今から150年ほど後の近未来。世界は最終戦争のために荒廃しており、ごく一部の生き残った人たちは比較的、小さなコミューンを作って生活しています。ここ北米のシカゴでは、人々は五つの「派閥」に分かれて社会グループを構成しています。司法家たちの集団「高潔=キャンダー」、学者や研究者の集団「博学=エリュアダイト」、軍事や警察を担当する「勇敢=ドーントレス」、行政を司る「無欲=アブネゲーション」、そして農業を行う「平和=アミティ」です。それぞれの派閥の家庭で生まれ育った子供たちは、一定の年齢になると「適性検査」を受けます。この結果、95%の子弟は親と同じ派閥に分類され、そのまま同じ派閥に属しますが、5%ほどの少数者は、親とは異なる道を選びます。それぞれの派閥内では、さらに正式なメンバーに昇格するまでに数段階のテストがあってふるいにかけられます。途中で脱落した者は、そのまま社会から落伍した「無派閥者」となり、役立たずとみなされて社会参加を許されず、「無欲」の人々の施しを受けながら細々と暮らすしかなくなります。
 しかし、それだけではなく、テストの結果、ほんの少数ながらどの派閥にも分類できない人間が発見されます。そのような者は「ダイバージェント=異端者」として排除され、多くの場合は命を奪われます。彼ら彼女らは常に変革者の素質を持ち、社会の安寧を損なう存在で、安定した社会秩序の邪魔者だからです。
 だが、中には自分が異端者であることを隠して生き延びる者もいます。「無欲」の指導的な立場にあるアンドリュー(トニー・ゴールドウィン)と、ナタリー(アシュレイ・ジャッド)夫婦の間に生まれ、慎ましい無欲の生活を送って育ったベアトリス(ウッドリー)は、しかし自分がどこか「無欲」には向いていないのでは、と悩んでいます。兄のケイレブ(アンセル・エルゴート)と共に適性検査を受けますが、試験官のトーリ(マギーQ)は顔色を変えます。「あなたは、勇敢にも博学、無欲にも適性がある。つまり分類できない。異端者よ」。そして「絶対にこのことを人に知られないように。命を奪われる」と諭されます。
 その後、ベアトリスとケイレブは、自分の属する派閥を決める儀式に参加しますが、両親の期待を裏切り、ケイレブは「博学」を、ベアトリスは「勇敢」を選んでしまいます。
 「勇敢」にはベアトリスのほかに、他の派閥からの転向を望んだ「志願者」がいました。「高潔」出身のクリスティーナ(ゾーイ・クラヴィッツ)や、ピーター(マイルズ・テラー)らと親しくなったベアトリスは、「勇敢」派閥の中では名前を改めてトリスと名乗ることにし、厳しい選抜テストに臨むことになります。新人たちを担当する教官は冷血なエリック(ジェイ・コートニー)と、どこか謎めいた陰のあるフォー(テオ・ジェームズ)。トリスはなんとはなしに、フォーに惹かれていきます。一方、フォーもトリスに興味を抱き、彼女が本当に「勇敢」の適性の枠に収まるのかどうか、疑い始めます。そんな中、「博学」に進んだ兄ケイレブから、「博学」グループと「無欲」グループの間に確執があることをトリスは聞きます。さらに、「博学」グループのリーダーであるジェニーン(ケイト・ウィンスレット)が不自然にトリスに接近してきます。人に知られてはいけない秘密を抱えつつ、何か大きな陰謀が進行していることを予感するトリス。さらに、フォーや、自分の母親ナタリーにも秘密があることが分かりますが・・・。
 ◆  ◆  ◆
 ということで、なんといってもシャイリーン・ウッドリーののびのびした演技が魅力的です。確かにこの人は才能があるな、と感じます。何かこう、訴える力がある人です。飛んだり跳ねたり、戦ったりと、相当に激しいアクションシーンにも体当たりで挑戦しています。それからお相手役のフォーを演じるテオ・ジェームズ。この人は精悍でカッコいいです。この人、どこかで見た顔だと思えば、「アンダーワールド~覚醒」でもヒロイン役のケイト・ベッキンセールを庇って守る、という役柄でした。ちょっと似た役柄ですが、誠実な雰囲気が確かにそういう役に合う人です。それから、兄ケイレブ役のアンセル・エルゴートもどこかで見たな、と思えば「キャリー」でクロエ・グレース・モレッツ扮するキャリーのお相手役だった人。この人も注目株で、若手の中では引く手あまただそうです。
 「勇敢」というのは軍事・警察部門ですので、ここで新人が鍛えられていく、という展開は学園ものとか、軍隊ものとかではよくあるパターン。当然、若手の有望な俳優さんがたくさん出ており、きっとこの中から、もっと有名になる人が出てきそうです。
 今回の配役でいちばん大物といえるのはケイト・ウィンスレットですが、まあ悪だくみをしている政治家といった役どころなので、あれでいいのでしょうが、「タイタニック」のころを覚えている人からすると、あんなに出来上がってしまって・・・と感じるかも。もちろん役柄からいえば絶対に必要な、見事に堂々たる貫禄を見せつけています。
 原作がよく出来ている、ということなのでしょうが、最後まで引きつけられる展開でした。続編が予定されているとうことで、エンディングもそのような終わり方ですが、十分に本作だけでも盛り上がる内容だったと思います。今後の、若い出演者たちの成長ぶりを見てみたいですね。
 

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2014年7月12日 (土)

マレフィセント

 

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 ディズニー映画「マレフィセントMALEFICENT」を見ました。こう聞けば、ああ、あのディズニー・アニメ「眠れる森の美女」に出てくる魔女だな、と思い出す方も多いでしょう。私もあのアニメはかなり好きで、古典的なストーリー展開ですがなかなか盛り上がるもので、音楽もよく、それになんといってもマレフィセントなる魔女が絵にかいたような悪女なのが魅力的で、非常に印象に残ったものです。
 それで、今回はそのマレフィセントを主人公にした映画化、というちょっと聞くと、そんなものが成り立つのかな、というような企画。しかも演じるのはアンジェリーナ・ジョリーです。確かにアンジーの雰囲気はマレフィセントにぴったり。それにオーロラ姫をやるのがダコタ・ファニングの妹で人気上昇中のエル・ファニング。それから、オーロラ姫の父のステファン王をシャールト・コプリー・・・と聞いて驚く人もいるのではないでしょうか。ニール・ブロムカンプ監督の「第9地区」とか「エリジウム」で、かなり狂気の入ったあくの強い怪演ぶりを披露してきた彼が、なんでこのおとぎ話で、「家族思いの優しい王様」であるはずのステファンという役柄をやるのだろうか。
 それが、ちゃんと理由がありまして・・・。
  ◆  ◆  ◆
 昔々、ヘンリー王の治める人間の王国と、妖精たちの棲むムーア国が隣り合っておりました。両国はかねてより険悪な関係にありましたが、ムーア国の翼がある妖精マレフィセントは、ふとしたことから人間の国の少年ステファンと知り合い、恋に落ちます。彼女が16歳のとき、ステファンは真実の愛のキスをして永遠の愛を誓いました。
 しかし時は流れ・・・。マレフィセント(ジョリー)はムーア国の守護者としてリーダーに成長していました。しかしその傍らにステファン(コプリー)の姿はありません。貧しい平民出のステファンは、いつか王宮に暮らす身分になる、と決心してヘンリー王の城に仕官していたのです。そのヘンリー王はムーア国に侵略の軍を進めますが、マレフィセントたちにさんざんな目にあい敗北します。王は、マレフィセントを倒した者に、自分の娘と結婚させ、後継者にすると宣言。ステファンはムーア国にやってきて、マレフィセントを油断させ、彼女に薬を飲ませて眠らせて殺そうとしますが、それは思いとどまり、代わりに背中の翼を切り落とします。
 マレフィセントの翼を持ち帰ったステファンは王位継承者となり、国王に即位。マレフィセントはやがて、カラスのディアヴィル(サム・ライリー)の知らせにより、ステファン王と王妃の間に王女が生まれたことを知ります。マレフィセントは王宮に現れ、オーロラ姫に「16歳の誕生日の日没までに、糸車に指を刺して永遠の眠りにつく。その目を覚ますのは真実の愛のキスだけである」という呪いをかけます。
 ステファンは国中の糸車を集めて破棄し、オーロラを3人の妖精に預けて森で秘密に育てます。しかし3妖精は全く無能で、その隠れ家はたちまちマレフィセントの知るところとなります。初めは憎悪していたオーロラの無邪気さに、マレフィセントは母性の目覚めのような感情を覚え、呪いをかけたことを後悔し始めます。しかし、自分のかけた呪詛は強力すぎて自分自身でも解除できないことが分かり、悲嘆にくれます。そんなことを知らず、やがて美しく疑うことを知らない少女に育ったオーロラ(ファニング)は、マレフィセントを母親のように慕うようになります。そんな中、彼女の16歳の誕生日がやってきました。ステファン王はマレフィセントを倒すべく秘策の限りをめぐらして城で待ち受けます。一方、森の中で偶然、オーロラと出会った隣国の王子フィリップ(ブレントン・スウェイツ)が呪いを解くカギだと判断したマレフィセントは、彼を城中に運び込みますが、呪いの発動には間に合わず、オーロラは糸車に指を刺して眠りについてしまいます・・・。
 ◆  ◆  ◆
 というような展開ですが、すでにして「あれ、なんだかオリジナルとは違うな」と思われる方がほとんどでしょう。マレフィセントは悪い魔女などではなくて、信じていた男に裏切られた被害者で、おまけにオーロラを実の娘のようにかわいがっていた? 非常に思いがけない設定です。そして、ステファン王というのは成り上がりの野心家で、私利私欲のために手段を択ばない、ろくでもない悪党の中の悪党。これまた仰天するようなお話です。だからシャールト・コプリーが起用されているのですね。
 とまあ、なんともかなり奇想天外というか、あの眠れる森の美女を思い描いてみると、仰天のストーリーです。そこが面白いのですが、付いてこられない人もいるのかも。しかし、なんといってもジョリーとコプリーの熱演がおとぎ話くささを感じさせません。それにファニングがいいです。天真爛漫な役をやらせたら、この人しかいない感じです。
 けっこう、ステファン王が悪い人過ぎて、かなり後味は暗いのですが・・・。いや本当に、この王様はこんな悪人でしたっけ、というのが意外すぎる一本。実は、かなり驚きの作品であるかもしれません。

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2014年7月11日 (金)

トランセンデンス

 トランセンデンスTRANSCENDENCEという映画を見ました。ジョニー・デップの新作です。トランセンデンスという言葉の原義は「超越」です。本作で何を意味するかというと、コンピューターの能力がますます上がって、ついに自我や意識、自立した感情を持ち、人類の脳を超越する、ということ。一般的な用語ではシンギュラリティ(特異点)ということが多いようです。
 人工知能が完全に人間を超えて、意識と自我を持つとはどういうことか。よくこれはチューリング・テストによって判定できる、とされます。人間が質問し、コンピューターの答えが、人間によるものとまったく区別できないようになったら、それはもう機械ではなくて意識のある人工知能である、というもの。アラン・チューリングという学者が提唱したものですが、これにちなんで、本作でもヒロインが訳あって身を隠しホテルに宿泊する際、フロントで「予約していたチューリングですが」と偽名を名乗るシーンがあります。
 さてそれで、すでにそういう人工知能と呼べるレベルのコンピューターが実用化し、そこに科学者の記憶をすべて移したらどうなるか・・・。これはSFではそんなに珍しい設定ではないですよね。しかし、いかにも漫画的な遠い未来の話ではなく、もはや目の前に迫ったリアルな問題として取り上げているのが、本作の特徴です。
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 天才科学者ウィル・キャスター博士(デップ)。彼は妻のエヴリン・キャスター博士(レベッカ・ホール)と共に人工知能の開発に明け暮れ、やがてコンピューターが人類の能力を凌駕するトランセンデンスが起こり、人類の歴史が変わるだろうと予測していました。しかし、そのような事態に反対する組織RIFTは、有力な科学者たちを一斉に殺害する同時テロを断行。ウィルも銃撃を受け負傷します。軽い傷だったため、夫妻の恩師であるタガー博士(モーガン・フリーマン)やFBIのブキャナン捜査官(キリアン・マーフィー)の来訪を受けて、現在、極秘に開発中の新型人工知能PINNを披露します。PINNはすでにチューリング・テストをパスするレベルのものでした。しかしその後、ウィルの容体が悪化。テロリストの銃弾には放射能が仕込まれており、ウィルは被曝、あと数週間の命であることが分かります。
 エヴリンは夫妻の共通の友人であるマックス・ウォーターズ教授(ポール・ベタニー)の協力を得て、ウィルの記憶をPINNのシステムに写し、その自我をコンピューター上に保存することを決意。やがて静かにウィルは亡くなり、実験も失敗したかに思えましたが、ついにコンピュータ画面に「誰かいるか?」というメッセージが現れます。ウィルはこうしてコンピューターの中にダウンロードされたのでした。しかし、ことの重大さにマックスは悩みます。
 酒場にて、突然、謎めいた女性ブリー(ケイト・マーラ)が近づいてきます。彼女はRIFTのリーダーであり、マックスを拉致するとエヴリンの実験室を急襲。しかし一足早く、ウィルの意識は人工衛星の通信回路を経てネット上に逃げ延び、エヴリンも逃走していました。
 ネットと接続されたことで、世界中のあらゆるデータとアクセスすることができるようになったウィルは、まさに全能の天才となり、今や神のごとき存在となります。彼はRIFTのメンバーの情報をFBIのブキャナンに送って一網打尽に逮捕させる一方、エヴリンを田舎町に向かわせ、そこで巨大な研究設備を構築、要塞化します。
 そして2年後。もともとの天才的知性に加えて、疲れを知らない無限の演算能力と情報記憶力を持ったウィルは、ナノテクノロジーを究極的なレベルに進化させていました。もはや人類の歴史は変わろうとしています。タガーとブキャナンはウィルの要塞を訪れ、脅威を感じます。一方、RIFTの協力者となっていたマックスも、事態の進展を知ってウィルを止めなければ、と考えます。さらに、エヴリンも止まるところを知らないウィルの行動に疑問を持ち始めていました。そもそもこのウィルは、本当にあのウィルなのだろうか。こうして、FBIと軍部、そしてRIFTが手を組んでウィルの施設を攻撃することになりますが・・・。
 ◆  ◆  ◆
 とにかく重いテーマです。絵空事ではないだけに、考えさせられてしまう内容です。2時間ほどでそんなに長いわけではないのですが、後味は非常にヘビーです。そして、これは夫婦の愛の物語でもあります。なんとしても愛する人を助けようとする妻、そして、その妻を守り抜こうとする夫・・・。悲しいラブストーリーという側面も強い一作です。
 デップ、ホール、フリーマンらの重厚な演技が、近未来的なお話を決してSFチックな枠に収めてしまいません。
 専門家の話では、実際にトランセンデンス、あるいはシンギュラリティはあと30年ほどすると実現するのではないか、ということです。つまり2045年ごろ、というわけです。今、生まれた赤ん坊が30歳のときです。もうほんのすぐそこ、です。社会は一体、どうなるのでしょうか? 今のような労働とか、社会通念とか、経済とか・・・想像もつきません。
 そのころ私は80歳近くになっていますので、そろそろもうどうでもよくなっていそうですが、しかしそういう時代を目撃する可能性は十分にありそうです。
 本作は、後になって、そういえばこんな予言的な映画があったな、と言われる作品になるのかもしれません。20140711030708

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2014年7月 5日 (土)

日刊ゲンダイ「辻元よしふみ鉄板!おしゃれ道」第28回「ラテンファッション」

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 きょう7月5日発売「日刊ゲンダイ」のp12(カラー)下に私、辻元よしふみの連載「鉄板! おしゃれ道」第28回が掲載されました。今回は「ラテンファッション」です。本連載は隔週土曜日掲載で、次回は7月19日(土)発売号の予定です。

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2014年7月 2日 (水)

ぐんまちゃんとわっしー。

 7月に入り、2014年も後半戦。どうだったか、といわれれば、実は個人的には公私ともにお陰様でかなりいろいろ多忙で。かかわっている企画もいくつかあって、出版関係ではいくつか大詰めを迎えておりまして。これから秋口にかけて、さらにいろいろありそうです。
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それはさておきまして、また昨日、銀座あたりを歩く機会がありました。歌舞伎座向かいの群馬県の公認ショップ「ぐんまちゃん家」店頭には、ぐんまちゃんご本人が来ていましたね。それと共演していたのは、なんだか赤い謎のキャラでして・・・調べたところ、わたらせ渓谷鉄道のキャラ「わっしー」という方だそうです。
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 そのあと、また東銀座の方に出て、旧日産ビルを見ました。周囲にある囲いに掲示されている文章を見ますと、ひょっとしてこのビル本体は「修復工事」であって、完全に解体するのではないのかもしれませんね。私、別に関係者じゃないのでよく分かりませんが。ただし、この本体と連結している別館は「解体」と書いてあるようでした。よくよく見ると、二つのビルを結ぶ連結通路の中に赤い仕切り壁のようなものがありまして、あるいはここの線まで壊して、本体の方は残すのかもしれませんね。

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