« 羽生結弦選手とG・ムーア「パリの散歩道」 | トップページ | 日刊ゲンダイ「辻元よしふみ鉄板!おしゃれ道」第21回「スーツの由来」 »

2014年2月27日 (木)

キックアス/ジャスティス・フォーエバー

「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」を見ました。あのクロエ・グレース・モレッツの出世作となった「キック・アス」から4年、待望の新作ですが、原題はKick-Ass 2と至ってシンプルです。前作ほどの強烈なハチャメチャ感は薄れていますが、凄惨なバイオレンスとずっこけコメディーの奇妙な混交ぶりは相変わらず。前作の監督マシュー・ヴォーンは製作に回り、新人のジェフ・ワドロウが脚本と監督を担います。
 20140227003412 作品の中の世界もあれから数年。前作で父のビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)を失ったミンディ(モレッツ)も高校生となりますが、相変わらず父親代わりの警察幹部マーカス(モリス・チェスナット)の目を盗んでは、最強のヒロイン「ヒット・ガール」となって街の無法者を退治する自警団活動に精を出しています。一方、かつて世間の「正義の味方」ブームの火付け役となった「キック・アス」ことデイヴ(アーロン・テイラー・ジョンソン)は活動を引退し、退屈な日常にうんざりしています。そこで、デイヴはミンディに持ちかけてコンビでの活動を提案。しかしそんな中、ミンディは彼女の自警団活動を気付いたマーカスから、ヒット・ガールとしての活動をやめるように固く言い渡されてしまいます。ミンディは「普通の女子高生」になることにしますが、「クイン・ビー=女王蜂」(アメリカの高校特有の学園の女王様)であるブルック(クローディア・リー)から目をつけられ、いびりぬかれることに・・・。
 一方、ミンディとのコンビを組めないことに落胆したデイヴはネットで知り合ったヒーロー仲間のドクター・グラヴィティ(ドナルド・フェイソン)を通じて新しい正義の世直しヒーロー集団に加入。ヒーロー軍団の合言葉は「正義よ永遠なれ!」。リーダーはスターズ&ストライプス大佐(ジム・キャリー)というカリスマ的な人物です。
 キック・アスが新しいヒーロー軍団と活動を再開したことを知って、かつてキック・アスに父親のギャング組織ボス、フランコ(マーク・ストロング)を殺害されたことを根に持っているかつての「レッド・ミスト」ことクリス(クリストファー・ミンツ・プラッセ)は、思いがけなく母親が死んだのをいいことに、莫大な遺産を手にして、悪の軍団を組織し、自らを悪のヒーロー「マザー・ファッカー」と自称するようになります。その配下には旧KGBの女殺し屋マザー・ロシア(オルガ・キュルクリナ)など凄腕の悪人が集結。キック・アスとその仲間に対して宣戦布告します。
 悪の軍団はキック・アスの仲間たちを襲撃。覆面をした正義と悪の集団が夜の街で殺し合いを繰り返す事態に、マーカスたち警察幹部は業を煮やし、マスクをした者は正義でも悪でもすべて逮捕する、という強硬手段に。デイヴの家にも警察が来ますが、父親のリゼウスキ(ギャレット・M・ブラウン)は息子をかばって逮捕されてしまいます。留置所にマザー・ファッカーの部下が現れ、リゼウスキを襲います。キック・アスの怒りは爆発、ミンディも加わり、ついに正義のヒーローたちと悪の軍団の決戦に・・・。
 というような展開でして、面白いことに、ニコラス・ケイジとマーク・ストロングがやたらににっこり笑った遺影として「出演」しています。そもそもクロエ・モレッツのための作品、という感じの本シリーズ、彼女の魅力は今作でも全開です。近作の「キャリー」そっくりの展開があって、クラスの女王様にいじめられるわけですが、そこがキャリーとミンディの違い、超能力に頼ることなくいじめっ子たちに逆襲していくところが興味深いです。一方、アーロン・ジョンソンは私生活では結婚して子供までいるので、そろそろ冴えないアメリカの高校生、という役柄はきついかもしれません。うまくやっていますが。でも、今やカッコよすぎますね。
 ニコラスに代わる大物としてジム・キャリーが登場。しかし案外、出番は少ないのですね。
 悪の軍団の面々も個性的ですが、とりわけ目を引くのが、今作でヒット・ガールの最大の敵となるロシアの女殺人マシーン、マザー・ロシア。演じるオルガ・キュルクリナは1971年生まれのロシア系イスラエル人で、高跳びとボディビルの選手だとか。ものすごい存在感です。今後も映画界で活躍してくれるかもしれません。それから、サブキャラながらミンディをいじめるブルック役のクローディア・リー。女優としては長編映画初出演だそうですが、劇中で見せたダンスや体当たり演技はなかなかの見もの。憎まれ役というのもなかなか難しいものですが、シンガー・ソングライターとしても有望な17歳だそうで、これからの成長に期待できそうです。
 映画は最後、エンド・クレジットの後の追加シーンで、なんとなく「キック・アス3」を作っても良さそうな雰囲気を匂わせて終わりますが、さてどうなりますか。できれば大人になったミンディとデイヴによる3作目を見てみたいシリーズですね。

 

|

« 羽生結弦選手とG・ムーア「パリの散歩道」 | トップページ | 日刊ゲンダイ「辻元よしふみ鉄板!おしゃれ道」第21回「スーツの由来」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122224/59204983

この記事へのトラックバック一覧です: キックアス/ジャスティス・フォーエバー:

» 「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」ヒット・ガールはパワーアップ、映画全体は前作に及ばず [soramove]
「キック・アス/ジャスティス・フォーエバー」★★★☆ アーロン・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、 ニコラス・ケイジ、ジム・キャリー、 クリストファー・ミンツ=プラッセ出演 ジェフ・ワドロー監督、 103分 2014/2/22公開 2013,アメリカ,東宝東和 (原題/原作:Kick-Ass 2:Balls to the Wall ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブロ... [続きを読む]

受信: 2014年3月17日 (月) 14時57分

« 羽生結弦選手とG・ムーア「パリの散歩道」 | トップページ | 日刊ゲンダイ「辻元よしふみ鉄板!おしゃれ道」第21回「スーツの由来」 »