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2014年1月30日 (木)

「あ々江田島 海軍兵学校物語」

 日本映画専門チャンネルという局がありまして、そこで1959年の大映作品「あ々江田島(えたじま) 海軍兵学校物語」というものを見てしまいました。冒頭、海軍兵学校の生徒たちの亡霊が次々と純白の二種軍装で現れる幻想的なシーンが印象的で、そのまま見ちゃいましたね。20140130183726



 なんといっても前半部、兵学校の日常を描く部分が秀逸でして、三号生徒の入校式とか一号生徒の卒業式、あとは後半にある主要人物が戦死してしまって葬式のシーンがあります。それはもう戦後14年しかたっていない時期の製作なので、よく描かれています。
 冒頭部に近い入校式で演説している校長の将官が出てきますが、昭和17年末というと井上成美中将ということになるんでしょうか。
 それで、新入生を前に上級生が気合を入れる「自己紹介」のシーン。海軍兵学校には自治的な組織がいろいろあって「係」と称していたんですが、一号生徒(3年生)が正式な●●係、二号(2年生)が●●係補佐、三号(新入生)が●●係付き、となる次第。普通の学校にもありそうな「図書係」とか、軍の学校らしい「小銃係」というのはすぐに分かります。で、映画の中ではある一号生徒が「軍歌係、弥山(みせん)係、ヤギ・アキラ」と名乗ると、新入生が「ミセン係とは、どういうお仕事をなさっているのですか?」と聞く場面があります。で、弥山係というのは、年に1回、兵学校生徒が安芸の宮島の弥山に駆け足で登山する訓練を担当する係だ、と説明を受けるんです。
 しかし、私はその弥山係もよく分からないけれど、むしろ最初に分隊伍長(学級委員長、首席の人)が名乗った「第203(ふた・まる・さん)分隊伍長、シュホ・ヨウコウカン・ガカリ、サタ・ケイイチロウ」という方がよほど一般的には分からないように感じました。漢字で書くと「酒保・養浩館係」となります。酒保は要するに売店のこと、養浩館というのは兵学校の社交クラブ・娯楽室のこと。よって、売店・娯楽室担当ということですね。このほか、映画では出てこないのですが「被服・月渡品係」なんてものもありました。ヒフクはいいとして、後の方をゲットヒンと読める人はすでに普通の人ではないのでは? これは月々に支給される生活用品、官給品の係をさします。
 卒業式で、軍楽隊が演奏する中、見事にクラスヘッド(学年首席)となったサタ伍長が「御下賜品拝受者(ごかしひん・はいじゅしゃ」として、天皇陛下から賜る短剣を受け取るシーンなど、本当に見応えがありました。
 後半ちょっととってつけ、な感もありますが、資料価値的にも興味深い映画ですね。

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