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2013年6月27日 (木)

アフター・アース

 

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ウィル・スミスとジェイデン・スミスが7年ぶりに共演する新作映画「アフター・アース」AFTER EARTHを見ました。メガホンを執ったのはM・ナイト・シャマラン監督です。
 ところで私、この親子の初の共演作「幸せのちから」や、ウィルがプロデュースしジェイデンが初主演した「ベスト・キッド」は見ておりません。初めてジェイデン・スミスなる息子が子役となっていることを知ったのは、2008年の「地球が静止する日」でした。あのときは7、8歳だったと思うので、13歳になり大人びてきたジェイデンの久々の姿を見ました。この映画は、基本的にジェイデンの一人芝居のシーンが多く、父親のウィルも引き立て役に徹している感があります。さらに、その他の目立った出演者と言えば、母親役と姉役の女性2人だけ、というわけで、良くも悪くも彼の出来次第が映画を左右している、という作品になっております。
 西暦2025年、というとわずか十数年先ですが、地球環境の悪化により人類は地球を捨て、新天地を目指す計画が決定されます。そして2071年には、6隻の大型宇宙船アークにわずか75万人の人々が乗り込んで地球を脱出、母なる地球は永遠に放棄されました。100年後、惑星ノヴァ・プライムに移住した人類ですが、この星にはすでに異星人が居住しており抗争が勃発、そして異星人は地球人を抹殺するための生体兵器アーサを投入してきます。これは人類特有の恐怖する本能で発せられるフェロモンを感知して攻撃してくる化け物です。しかしここに、一人の英雄が登場します。レンジャー軍の軍人サイファ(ウィル・スミス)はふとしたきっかけに、「危険は実在する、しかし恐怖は心の中にあるだけである」という境地に到達、恐怖心を克服してアーサから感知されない「ゴースト」と呼ばれる立場になります。レンジャー軍総司令官となった彼の活躍で人類は攻勢に転じました。
 西暦3071年、サイファはいよいよ軍からの引退を決意します。そのころ、彼の息子キタイ(ジェイデン・スミス)はレンジャー軍の士官候補生でしたが、最終試験で落第、意気消沈していました。親子の間にはある確執もありました。キタイの姉セイシ(ゾーイ・クラヴィッツ)がかつてアーサに殺されており、その場にいて姉を助けられなかったキタイ、また助けに駆け付けることができなかったサイファとも、わだかまりを持っているのでした。サイファの妻ファイア(ソフィー・オコネドー)は夫に、「今、あの子に必要なのは上官じゃない、父親よ」と諭します。そこでサイファは最後のパトロール任務に息子キタイを伴うことにします。
 ところが、親子の乗った宇宙船は小惑星の激突で故障、緊急ワープの結果、見知らぬ惑星に不時着しました。衝撃でほとんどの乗員は死亡し、生き残ったのはサイファとキタイだけ。しかもサイファは脚を負傷し身動きができません。救難信号の発信器も破損し、予備の発信器は100キロも離れた地点に落下した宇宙船の後部にしかありません。サイファはキタイに、ジャングルの中を100キロ、走破し、予備発信器を操作することを託します。しかし、問題がありました。まず宇宙船の後部貨物室には、演習用に捕獲していたアーサが一匹、積んでありました。これが襲ってくる可能性があります。さらに・・・。サイファはキタイに言います。「この星がどこか分かるか?」「No,sir.(いいえ、分かりません)」「地球だ。1000年の間、人類を抹消するために生態系が進化した星だ」。かくて、キタイは悪意に満ちたかつての地球の変わり果てた世界の中に一人、足を踏み入れて行くのですが・・・。
 というような展開で、最近、なにか目に付く地球文明滅亡後を描いたような作品の一つでもあります。1000年というのは、長いようで生態系の進化にとってはちょっと中途半端な時間でもあるような気がします。だって今から1000年前の1013年ごろ、といえば平安時代の末期ですが、当時から今日までで、そこまで大きな変化をしているとは思えないわけです。
 よって、本作に登場する1000年後の地球には、そんなに奇天烈な化け物が生息しているわけではない模様。だから設定上、アーサという異星人の作った化け物が必要だったのでしょうが。
 とにかく上記のような設定ですので、ほとんど親子2人だけの演技が支えている作品です。よってかなり壮大な設定・背景の割に意外にこじんまりした作品ではあります。しかし、冒険ものとか、少年の成長ものとしては王道の演出で、最後まできちんとメリハリをつけて見せてくれます。地球の生物との意外な交流とか、面白いシーンもあります。なにせ1000年も経過しているので、人造物はほぼ何も残っておらず自然に還っている中、洞窟の中に石器時代の人類が残した壁画があり、唯一、ここが地球であることを暗示するなど、興味深い演出もあります。
 ナイト・シャマラン監督は前作「エアベンダー」(2010年)が興行的には悪くなかったものの批評的には厳しく、キャリアの中でちょっと苦戦中だったかと思いますが、本作の作りはまず手堅い演出、といっていいのじゃないでしょうか。
 原案・制作に出演を兼ねるウィルの「親バカ企画」といえばその通りなのでしょうが、ジェイデンは父親の期待にこたえて、難しい一人芝居や厳しいアクション・シーンをこなしていると思いました。まさに英雄の父と、それを見上げる息子、という図式が現実そのままで、興味深い作品だと思います。そういえばシャマラン監督によれば、ジェイデンの役名「キタイ」は日本語の「期待」なのだそうです。まさにそのままズバリ、という気がしますね。劇中、登場人物が三本で1セットの「未来箸」みたいなもので食事をしていたりして、よくよく見ると面白い発見もいろいろあります。
 それにしても人類文明の滅亡とか、ホワイトハウスが襲われるとか(同じ年に2作もそういう設定の作品が続くのは不思議ですね)、ハリウッド、ひいてはアメリカ人の潜在意識が何かしら未来への危機感を抱いているのでしょうか。なんとはなしに、今の文明の行き詰まりを感じている人が多いのかもしれませんね・・・。

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映画「アフター・アース」★★★☆ ウィル・スミス、ジェイデン・スミス出演 M・ナイト・シャマラン監督、 100分、2013年6月21日より全国公開 2013,アメリカ,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (原題/原作:AFTER EARTH ) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 日本では初登場首位を獲得 アメリカでは3位発進... [続きを読む]

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