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2013年3月28日 (木)

コドモ警察

 映画「コドモ警察」というものを見ました。TBS系の深夜ドラマで人気が出たものの初映画化ということですが、私は実のところテレビ版は存在自体、知りませんでした。「マルモのおきて」で一躍、人気者となった鈴木福君を主演に据えた刑事ドラマ、というのがユニークな作品です。20130327233740



 横浜を拠点に悪事を企む謎の組織レッド・ヴィーナス。これに対抗するべくエリート刑事を集めて横浜大黒署に編成されたのが精鋭部隊「特殊捜査課」。本庁のキャリアエリートたちも、一目も二目も置く大沼デカ長(50歳)、定年まじかで落としの名人ナベさん(59歳)、大食漢の豪快なイノさん(49歳)、プレイボーイ風のチャラいノリだが実は頼れるエナメル(29歳)と、熱血漢で武闘派のブル(28歳)、頭脳派で上品なスマート(39歳)、紅一点のクールな美女マイコ(30歳)、それに新人刑事の国光(23歳)という陣容です。ところが彼らはレッドヴィーナスの罠にかかり、「子供になってしまうガス」を吸うことに。そのために彼らはみな、中身は大人・・・最年長のナベさんなどは60に近いというのに、身体は小学生になってしまうことに。その場にいなかった新人だけが大人で、先輩たちはみな、一見すると子供、というギャップがとても珍妙なことになってしまいます。
 ところが最近、レッドヴィーナスがらみの犯罪があまりにも粗雑すぎることに、一同は不審を覚えます。適当なサラリーマンや女子高生、肉屋の親父などに犯罪をそそのかすだけの手口はあまりにもお粗末で、とても以前のレッドヴィーナスの計画的な犯罪とはほど遠い。あるいはレッドヴィーナスは壊滅寸前で、その名をかたる模倣犯が現れているのではないか、と彼らは疑い始めます。
 そこに、本庁の間警視(38歳、しかしやはりガスを吸って12、3歳になっています)から連絡が入り、レッドヴィーナス名義で、来日するカゾキスタンのハザフバエフ大統領を暗殺する予告があったとのこと。特殊捜査課の面々は本庁のSPと合同で警備に当たることにしますが、SPの指揮官・吉住の態度は冷たく、かつての上官だったナベさんにも子供扱いして無礼な態度をとります。特殊捜査課だけで独自の捜査を、と主張するメンバーに対し、なぜかデカ長は「本庁の指示に従って、この件からは手を引け」と命じます。らしくないデカ長の態度にバラバラになってしまう特殊捜査課。しかしデカ長には何か考えがあるらしく、以前からの愛人でもある鑑識課の美人課員・凛子に「レッドヴィーナスがらみのチャカの種類を改めて調べてくれ」と依頼します。そのころ、エナメルは街で偶然、かつての彼女、絵里子と再会します。また、マイコは小学校の同級生・翔太からデートに誘われてときめいてしまいます。さて、こんなバラバラな状態で、大沼デカ長はレッドヴィーナスの手から大統領を守ることができるのでしょうか・・・。
 ということで、刑事たちのキャラ設定やあだ名でもわかるように、要するに70年代から80年代の刑事ドラマ「太陽にほえろ」とか「西部警察」の刑事たちが、子供だったらどうなるだろうか、という内容です。まだ8歳の鈴木福君がスリーピースの背広を着込んで、ショットガンを構えてヘリコプターから登場する様は、どう見ても渡哲也の大門団長ですし、捜査課のデスクで電話を取ると「なに?」と咆哮する姿は、石原裕次郎のボスそのものです。ほかの子役たちのキャラもどこかで見たような・・・これは松田優作かな、とかこれは殿下の小野寺昭かな、とかいう感じ。そうそう、こういうドラマでは必ず本庁の嫌われ役で、感じの悪い幹部が出てきますが、今作ではそれが小野寺昭さんなんですね。古い刑事ドラマへのオマージュなんでしょう。
 その他、なつかしのドラマを彷彿とさせる展開が随所にあって、わかっているのですが笑わせてくれます。
 なんの小難しい理屈もなく、とても楽しいバラエティー度満点の作品です。上映時間は101分とコンパクトで、肩のこらない作品をお求めの方にはお薦めかも。それにしても、刑事ドラマのパロディーだから、けっこう死人は出ます。映画館では子供向け映画の予告枠になっていましたが、これは本当は子供向け映画じゃないと思います、昔の刑事ドラマを見ていた世代向けの企画だと思うのですが、どうでしょう。
 

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