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2013年3月28日 (木)

ジャックと天空の巨人

 「ジャックと天空の巨人」JACK THE GIANT SLAYERという映画を見ました。いわゆる「ジャックと豆の木」のおとぎ話を映画化したものですが、原題が「巨人殺しのジャック」であることでも分かるように、春休み向け子供向けの軽いお話かと侮るなかれ、ブライアン・シンガー監督の手による派手な戦闘シーン盛りだくさんの正統派ファンタジーになっております。出演も「スターウォーズ」シリーズのユアン・マクレガーや「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのビル・ナイ、「アリス・イン・ワンダーランド」のエレノア・トムリンソンと実は豪華配役。これは拾いものですよ。20130328224602



 時は12世紀ごろ、欧州のクロイスター王国にて。この国には、1000年の昔、エリック大王が巨人を退治したという伝説がありました。エリックは魔導士に造らせた巨人の王の心臓を溶かして作った王冠を被ることで、巨人たちに対しても王権を発揮し、遠く天界の国ガンチュアに彼らを追放したというのです。
 その伝説はおとぎ話となっていましたが、農夫の息子ジャックは、それが真実であり、巨人はいつか攻めてくるのでは、と思っていました。同じころ、王宮でもイザベル王女が同じお話を聞いて育ち、天界の巨人の国を思い浮かべて、冒険に憧れていました。
 その後、ジャックは父親が死に、折り合いの悪い叔父の元で働いていましたが、ある日、馬を市場で売ってわらと交換するように頼まれます。寄り道をして町の芝居小屋に入ったジャックは、酔っ払いにからまれて困っているイザベルを助けます。小屋を出たところ、イザベルの許嫁で王の信任厚いロデリック卿が、修道士を捕まえようとしているところに出くわします。修道士はジャックに豆の入った袋を手渡し、代わりに馬に乗って逃げようとしますが、逮捕されてしまいます。一方、豆だけ持って帰ったジャックは叔父に罵倒され、怒った叔父は豆を床にぶちまけてしまいます。その夜、激しく降る雨の中、ロデリック卿との愛のない結婚話に嫌気がさしたイザベルがたまたま雨宿りにジャックの家にやってきます。
 芝居小屋の件もあってすぐに親密になる二人ですが、突如、叔父が床に捨てた豆の一粒がぐんぐん発芽し、イザベルを家ごと、はるか上空まで運んで行ってしまいます。
 王女が失踪したことを嘆く国王は、騎士エルモントに、豆の木に登って王女を捜索するよう命じます。それに、ロデリックとジャックも同行を志願。幾多の苦難の末、一行はついに天空の世界ガンチュアに到達します。そこには本当に伝説の巨人たちがおり、1000年前にエリック王に与えられた屈辱を晴らし、人間たちに復讐しようと待ち構えていました。イザベルはエリックの子孫として捕えられ、エルモントとジャックは王女の救出に向かいますが、ロデリックは本性を表して、彼の本当の野心をあらわにします。彼はエリックの王冠を使い、巨人たちを使役して、地上を支配しようと目論んでいたのでした・・・。
 ということで、「アバター」で革新的に進んだ技術はここにきて完成の域、といってよく、この映画はおそらく2013年時点でもっともハイテクで撮影された映像の映画だと言っていいでしょう。一昔前なら絶対におもちゃじみた絵にしかならなかった巨人の軍勢と騎士団の死闘、といったシーンがこれでもか、という具合に自然に描かれます。もはやどんな絵でも撮ろうと思えば撮れるのだな、と思わせます。
 スリルありロマンスあり冒険あり、戦闘シーンあり、身分の卑しいものが成り上がるどんでん返しあり、もうこういうジャンルの王道要素がきっちり盛り込まれており、中世ファンタジーの理想形と言っていいかと思います。この手のジャンルの作品が好きな人は見て損はありません。服装、甲冑や武器のたぐいは12世紀というより、もう少し後の時代っぽいのですが、「リンカーン」や「ワルキューレ」など時代物で手腕を発揮してきたジョアンナ・ジョンストンの制作する衣装も見事なもので一見の価値があります。これは春休み映画と見逃すのはもったいないのじゃないでしょうか。

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