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2013年1月31日 (木)

所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!出演記念・英国近衛兵の話④

  あすの金曜日、2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演いたします。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。なお、大橋未歩アナウンサーが御病気のため、この回から秋元玲子奈アナウンサーが出演されるそうです。
 今回の出演にちなみまして、今週は英国近衛兵に関する話題を書いております。今日は、昨日取り上げた近衛スコッツ連隊に続き、英国近衛師団の四つ目の連隊、近衛アイリッシュ連隊の制服を紹介します。
 これまで取り上げた近衛擲弾兵連隊、近衛コールドストリーム連隊、近衛スコッツ連隊が17世紀の清教徒革命から王政復古の時期にルーツを持つ古い部隊であるのに対し、アイリッシュ連隊は1900年創設の比較的新しい部隊です(とはいっても、日本でいえば明治時代ですが)。アイルランドは長らくイングランドから圧迫を受けて屈服した国であり、近年のアイルランド紛争などを見ても、ちょっと複雑な地域です。16世紀にヘンリー8世が英国国教会を創設してイングランドがカトリック教会から離脱した後も、アイルランドではカトリックが主流を占め、宗教的にも対立してきました。結局、第一次大戦後はアイルランドは英国から独立、北アイルランドだけが英領にとどまりますが、今に至るも緊張関係が続いております。
 そういう政治的な難しさがあるわけですが、19世紀末のボーア戦争ではアイルランドの部隊が英国の名のもとに奮戦しました。これを喜んだヴィクトリア女王が、アイルランドの近衛連隊創設を勅命してできたのが、このアイリッシュ連隊です。
 この部隊は、その後のニ度の世界大戦や各地の戦争で奮戦し、第二次大戦中は、ナチスから逃れて亡命中だったルクセンブルク大公子ジャンが所属して戦いました。その縁で、戦後には長くジャン大公が「名誉連隊長」を務めています。
 ちなみに、こういう欧州の歴史ある陸軍連隊には、「名誉連隊長」というものがあります。実際に指揮を執る連隊長(通常、階級は陸軍大佐colonel)は当然、常にいるわけですが、それとは別に皇族や王侯貴族など、それに特に功績のあった将軍などがこの名誉職に就きます。英国の場合、名誉連隊長の上にはさらに「総連隊長」colonel in chiefというものがあって、女王陛下がその職におられます。君主が近衛連隊の連隊長を兼ねると言うのは普通のことで、たとえばナポレオンも、親衛連隊の総連隊長でもあり、前線では常に親衛連隊の連隊長の軍服を着ていました。1353670184_458845528_4irishroyalgua
 2011年にウィリアム王子が名誉連隊長に就任。王子は軍人としては空軍大尉の階級ですが、王族として連隊長の格式を与えられているわけです。それで、キャサリン妃との結婚式ではこの連隊の制服を着ていたわけです。ところで、上記のように複雑な問題があるため、アイルランド出身者に限定した新兵募集は難しく、現在ではこの連隊の場合、連合王国、英連邦全体から兵士が志願しているといいます。
 さて、この連隊の制服は、金ボタンの数は「4」が基調です。4個のボタンが2セットで8個、並んでいます。その下に赤い隠しボタンが1個あるのは他の部隊と同じです。袖口のボタンも4個ですが区切り線がなく、4個で1組であることを強調しています。
 明日は最後に、近衛ウェルシュ連隊を取り上げましょう。

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