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2013年1月11日 (金)

ジャベール警部のあの帽子は?

 2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
 さて、映画「レ・ミゼラブル」で、ヒュー・ジャックマンやアン・ハサウェイがアカデミー賞でノミネートされた、と聞きました。ジャベール警部役のラッセル・クロウはお呼びがかからなかったようですが、彼はもう貰っていますからね・・・。395e2ca879e391aec06ded5c4e4c2348
 ところで、ある方から、ジャベールの被っているあのでかい「ナポレオンみたいな帽子」について聞かれました。私がこの手の、古い衣装を研究していることを知っている方ですけれど、「あれは19世紀には普通の帽子だったんですか」と。
 「そうです、だいたい18世紀の後半から19世紀の半ばまで、軍の将校や、ジャベールみたいな警察の士官なんかが主に被っていました。普通の人もフランス革命期には被ってましたね」
 「しかし、映画でジャベールがあの帽子を被って、馬で疾走するシーンがありましたけど、風で飛びませんか、ああいう面積が広い帽子は」
 「はい。危ないです。あれは二角帽といって、もともと普通のハットのツバを、銃を撃ちやすいように前後、折り重ねた物です。しかし実用として、風で飛びやすい。だから、ナポレオン戦争のときには、すでに角を前後にして被るのが普通になっていて、英国軍などはその『縦被り』を正式とするよう、規則を改めたほどです。が、ナポレオン本人は頑として、あの横被りを好んだので、フランスではかなり後まで横被りが多かったですね」
 「で、ああいう帽子はいつ頃まであったんです?」
 「19世紀の後半には、日常用の帽子としては廃れてしまうけれど、礼装用では残っていて、日本なども、戦前の大礼服では、ああいう二角帽を被っていましたよ。日本の場合は英国式に縦被りで、ナポレオンやジャベールみたいな横被りじゃなかったんですが」
 「なーるほど」
 ・・・というような会話を致しました。私はどうも、こういう話になると嬉しくなってしまうのですよね。

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コメント

たいへん、参考になりました。ジャベール警部が被っていた二角帽が気になっていましたので~縦被りと横被りについては、映画では横被りが多かったと思いますが、使い分けているんですね。興味深いです。それと映画では男性は殆ど、シャツの襟を立てて着ていました。職業や階層にもよるのかも知れませんが。余談ですが、あのナポレオン帽を見ると帽子芸の早野凡平さんを思い出します。

投稿: 川瀬昌彦 | 2013年1月20日 (日) 13時33分

川瀬様 コメントいただきまして誠にありがとうございます。19世紀半ばには「縦被り」が普通となり、英国ではコックドハット、つまり「とさか帽」と呼ぶのが通称となりましたようです。シャツについては、あの時代の男性用のシュミーズは糊を利かさず柔らかいのですが、クラバットを付ける際に襟を立てるのが通例だったようでございます。

投稿: 辻元よしふみ | 2013年1月20日 (日) 16時02分

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