« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »

2013年1月31日 (木)

所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!出演記念・英国近衛兵の話④

  あすの金曜日、2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演いたします。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。なお、大橋未歩アナウンサーが御病気のため、この回から秋元玲子奈アナウンサーが出演されるそうです。
 今回の出演にちなみまして、今週は英国近衛兵に関する話題を書いております。今日は、昨日取り上げた近衛スコッツ連隊に続き、英国近衛師団の四つ目の連隊、近衛アイリッシュ連隊の制服を紹介します。
 これまで取り上げた近衛擲弾兵連隊、近衛コールドストリーム連隊、近衛スコッツ連隊が17世紀の清教徒革命から王政復古の時期にルーツを持つ古い部隊であるのに対し、アイリッシュ連隊は1900年創設の比較的新しい部隊です(とはいっても、日本でいえば明治時代ですが)。アイルランドは長らくイングランドから圧迫を受けて屈服した国であり、近年のアイルランド紛争などを見ても、ちょっと複雑な地域です。16世紀にヘンリー8世が英国国教会を創設してイングランドがカトリック教会から離脱した後も、アイルランドではカトリックが主流を占め、宗教的にも対立してきました。結局、第一次大戦後はアイルランドは英国から独立、北アイルランドだけが英領にとどまりますが、今に至るも緊張関係が続いております。
 そういう政治的な難しさがあるわけですが、19世紀末のボーア戦争ではアイルランドの部隊が英国の名のもとに奮戦しました。これを喜んだヴィクトリア女王が、アイルランドの近衛連隊創設を勅命してできたのが、このアイリッシュ連隊です。
 この部隊は、その後のニ度の世界大戦や各地の戦争で奮戦し、第二次大戦中は、ナチスから逃れて亡命中だったルクセンブルク大公子ジャンが所属して戦いました。その縁で、戦後には長くジャン大公が「名誉連隊長」を務めています。
 ちなみに、こういう欧州の歴史ある陸軍連隊には、「名誉連隊長」というものがあります。実際に指揮を執る連隊長(通常、階級は陸軍大佐colonel)は当然、常にいるわけですが、それとは別に皇族や王侯貴族など、それに特に功績のあった将軍などがこの名誉職に就きます。英国の場合、名誉連隊長の上にはさらに「総連隊長」colonel in chiefというものがあって、女王陛下がその職におられます。君主が近衛連隊の連隊長を兼ねると言うのは普通のことで、たとえばナポレオンも、親衛連隊の総連隊長でもあり、前線では常に親衛連隊の連隊長の軍服を着ていました。1353670184_458845528_4irishroyalgua
 2011年にウィリアム王子が名誉連隊長に就任。王子は軍人としては空軍大尉の階級ですが、王族として連隊長の格式を与えられているわけです。それで、キャサリン妃との結婚式ではこの連隊の制服を着ていたわけです。ところで、上記のように複雑な問題があるため、アイルランド出身者に限定した新兵募集は難しく、現在ではこの連隊の場合、連合王国、英連邦全体から兵士が志願しているといいます。
 さて、この連隊の制服は、金ボタンの数は「4」が基調です。4個のボタンが2セットで8個、並んでいます。その下に赤い隠しボタンが1個あるのは他の部隊と同じです。袖口のボタンも4個ですが区切り線がなく、4個で1組であることを強調しています。
 明日は最後に、近衛ウェルシュ連隊を取り上げましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月30日 (水)

所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!出演記念・英国近衛兵の話③

  今週の金曜日、2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。なお、大橋未歩アナウンサーが御病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
 私の出演にちなみまして、今週は英国近衛兵に関する話題を・・・。今日は、昨日取り上げた近衛コールドストリーム連隊に続き、近衛スコッツ連隊の制服を紹介します。
 ところで、英国近衛兵の制服はなぜ赤いかといえば、そもそも、英国陸軍の制服は17世紀以来、赤が基本であって、それが第一次世界大戦でいったん廃止となり、戦後、近衛連隊の礼服でのみ復活したため、今では近衛連隊だけが赤い制服を着ているということを、1回目に書きました。では、そもそもなんで英国陸軍の統一カラーは赤が採用されたのかといえば、この国は赤い染料の原料となるカイガラムシ(エンジムシ)の産地だったからです。赤い色、というのは、じつはアブラムシの仲間であるカイガラムシからとれる染料で出すもので、古代には非常に貴重な色でした。それで、古代ローマ時代のブリタニア属州(今の英国です)は、ローマ皇帝にこのエンジムシ染料を献納していたほどです。名産品だったわけですね。
 しかし、第一次大戦が起こった20世紀初頭となると、もはや英国も海外からの輸入に頼るようになっており、この非常時にわざわざ赤い染料を輸入して、不要不急の赤いパレード服など作っている余裕がなくなった、というわけです。
 さて、近衛スコッツ連隊は、近衛師団の五つの連隊の中の一つで、その名の通りスコットランドの部隊です。英国は連合王国でして、イングランドの王様が、同時にスコットランド、ウェールズ、アイルランドの王様を兼任する、同君国(同じ君主を戴く国)という形で統合しています。かつてのオーストリア=ハンガリー帝国などというのも、オーストリア皇帝がハンガリー国王を兼任する、という同君国として成立していましたが、英国もそういう形なので、それぞれの国の連隊をいわば代表として王室警護の近衛師団に入れているわけです。
 スコッツ連隊も17世紀の清教徒革命のころに成立した歴史ある部隊です。チャールズ1世の警護に当たるアーガイル侯王立連隊Marquis of Argyll's Royal Regimentというのが前身でしたが、チャールズ1世が革命で処刑された際にいったん廃絶。皇太子のチャールズ2世が王政復古した時に、この部隊を再編成しました。Kgrhqj_gwfcfzrn7o8bqtchvc0fq60_35
 スコッツ連隊の制服は、「3」を基調としています。金ボタンが3個、3個と並んだ下に、2個ついていますので、合計で8個です。いちばん下は赤色の小さな隠しボタンが1個あり、ここは白い礼装ベルトを締めると隠れてしまいます。袖口のボタンも3個で、一つずつ線で囲われています。
 明日は、近衛アイリッシュ連隊を御紹介しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月29日 (火)

所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!出演記念、近衛兵の話②

今週の金曜日、2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。
 これにちなみ、今週はちょっと英国近衛兵に関する話題を・・・。今日は、昨日取り上げた近衛擲弾兵連隊に続き、近衛コールドストリーム連隊の制服を紹介します。
 ところで、近衛擲弾兵(このえ・てきだんへい)のうち、近衛というのは、王室を警護する親衛隊の意味ですね。で、擲弾兵というのは、手榴弾(グレネード)を投擲して戦う兵隊、の意味です。敵の間近に接近して、手榴弾を投げつける、というのはとても勇気がいります。なので、擲弾兵というのはエリート部隊とされていました。よって、近衛5個連隊の中でも、この連隊が最も古いと言うだけでなく、いちばん格上なのですね。第二次大戦中のドイツ軍で、総統ヒトラーが歩兵のことを、戦争の後半にパンツァー・グレナディアー(戦車擲弾兵)と改称させたのも、精鋭らしい響きで士気を上げようとしたからでした。
 で、これに次ぐとされるのが、近衛コールドストリーム連隊。この「コールドストリーム」というのは地名です。もともと、清教徒革命の立役者、オリヴァー・クロムウェルが自分の率いるニューモデル軍から、モンク大佐の部隊を分割してスコットランドに派遣したのが始まりです。その後、国王チャールズ1世を処刑して、クロムウェルは事実上の独裁者となりますが、その死後、英国を統治できるほどのカリスマ性がある指導者は見あたらず、ロンドンは混乱します。そこで、モンク大佐は、スコットランドとイングランド国境のツィード川を、コールドストリーム村付近で渡河、ロンドンに赴いて混乱を鎮定し、亡命中のチャールズ皇太子(後のチャールズ2世)が帰国できるように下準備します。この功績により、この連隊はチャールズ2世の近衛連隊に加えられる名誉を得て、彼らにとってのルビコン川を越えた歴史的地名であるコールドストリームを、部隊名に冠したわけです。Coldstream_gaurds_tunic
 この連隊の制服は、二つずつペアの金ボタンを4組で8個、さらにその下に金ボタンが1個で、合計9個付いているのが特徴です。袖には、4個の金ボタンがありますが、二つずつのペアで区切り線が入っています。
 明日は近衛スコッツ連隊をご紹介しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月28日 (月)

「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」出演記念・近衛兵の話①

前に書きましたように、今週の金曜日、2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
 私の出演を記念しまして、今週はちょっと英国近衛兵に関する話題を・・・。女王陛下が住むバッキンガム宮殿の前に立っている、あの「黒くてデカイ帽子」を被り、真っ赤な制服を着た兵隊さんたち。あれが近衛兵(このえへい)です。Royal Foot Guardsというのが原表記ですので、直訳すれば「王室警護歩兵」というような感じになりましょう。この部隊は、最も古い近衛擲弾兵連隊(このえ・てきだんへい・れんたい)The Grenadier Guardsが、17世紀当時、清教徒革命で王政が一度、倒れた後、王政復古によって戻ってきたチャールズ2世の警護隊として誕生、さらに王政復古で活躍したモンク連隊が、近衛コールドストリーム連隊The Coldstream Guardsとして近衛連隊に参加して以来の伝統があります。そして19世紀前半、ヴィクトリア女王の時代から、宮殿前の警護任務、衛兵交代式が確立したようです。現在の規定では、女王が宮殿にいらっしゃる際は4人の近衛兵が、不在の場合は2人の近衛兵が立っているので、一目で分かると言います。
 この後、いろいろ変遷がありますが、現在は上記の二つの連隊と、スコットランドのスコッツ連隊The Scots Guards、アイルランドのアイリッシュ連隊The Irish Guards、ウェールズのウェルシュ連隊The Welsh Guardsの五つの連隊が存在します。
 あの大きな帽子については、「所さん」の番組本編に譲りますが、赤い制服(レッドコート)はなんなのでしょうか? あれはそもそもは、別に近衛兵の専売特許ではありません。19世紀いっぱいまでは、英国陸軍はすべて、赤色の制服を着ていたのですね。記録によれば、1645年にオリバー・クロムウェルのニューモデル軍が、初めて赤い統一色の軍服をそろえたとか。日本史でいえば江戸時代の初めごろからの伝統があるわけです。
 19世紀半ば頃から、ライフル銃の性能が上がってきたため、赤い制服は目立ちすぎる、といわれるようになり、インドに駐留していた英軍部隊で初めて、泥色の制服、カーキ色を採用しました。カーキ、というのはヒンズー語で泥の意味です。以後、ズールー戦争やボーア戦争を経て、20世紀初めには英軍は、基本的にはカーキ色の制服を着るようになり、赤い服はパレードや儀式用の礼服扱いとなりました。
 1914年に第一次大戦が始まると、非常時につき、儀礼用の赤い服はいったん、全部廃止となりました。そして、戦争の終わった1918年に、儀式での登場が多い近衛兵だけが、赤の制服を復活したわけです。これ以後、赤い服は近衛兵、というイメージが出来たんですね。A_grenadier_guards_full_dress_tunic
 さて、上に書いたように、現在の近衛連隊は、イングランドの二つの部隊と、スコットランド、アイルランド、ウェールズの部隊があります。19世紀半ばに大体、この体制が固まった際に、部隊ごとにボタンの数を変えて、一目で区別が付くようにしました。
 上の写真は最古参の近衛擲弾兵連隊の制服。ストレートに八つの金ボタンが並んでいます。一番下には赤色の小さな隠しボタンが一つ、ついていますが、これは白いベルトを締めると隠れます。また、袖口はボタンが四つで、一つずつが線で囲われています。
 明日は、近衛コールドストリーム連隊についてご紹介しましょう。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月26日 (土)

日刊ゲンダイ「辻元よしふみウンチク堂」第45回・ダブルのスーツ

 20130126184157 日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」第45回が、きょう26日発売号に掲載されました。今回は「スーツのダブルは権力の象徴」として、もともと乗馬用の仕様から権威を感じさせる服となったダブルの歴史を紹介。本連載は隔週土曜日掲載(次回は2月9日発売号の予定)です。

 さて、2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月25日 (金)

辻元よしふみ、2月1日の「所さんの学校では教えてくれない」に出演します。

ご関係各位 様

 来る2013年2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」にて、辻元よしふみが、戦史・服飾史研究家として出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。20130118134515

 なお、関東首都圏と、テレビ北海道、テレビ愛知、岐阜放送、テレビ大阪、テレビせとうち、TVQ九州放送では同時ネットで2月1日午後9時に放映予定です。その他では、福島テレビが約2か月後の日曜午後1時、琉球朝日放送が約1か月後の土曜午後10時、など、全国各県で少し遅れて放映されます。

 なにとぞ宜しくお願い申し上げます。                               辻元よしふみ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月21日 (月)

ジャベール警部の勲章。

 2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
さてこのところ、映画「レ・ミゼラブル」のネタが多い、というかジャベール警部ブログのようになってますが(?)、まあそれは仕方ありません、私のような時代考証好きからすると、あの映画で唯一、制服キャラなのがジャベールなんだから。
 で、映画版で、劇場版と違っていた部分で、とても評価が高かったのが、ジャベールが死んでいる少年ガブローシュの胸に、自分の勲章を外して「授与」するシーンです。あれは感動的な演出でした。なんでも、ラッセル・クロウの提案でああいうシーンが出来たとか。なんで革命鎮圧後にわざわざ勲章を着けて、ジャベールが出てくるのかな、と初めから思ったのですが、ああ、そういう伏線か、と思った次第でした。鎮圧に成功したので、受章した、という設定なのでしょう。Javert
 あの勲章ですが、やはり時代からいっても、レジオン・ドヌール勲章の最下位等級シュヴァリエ(騎士章)のようですね。写真で見ても分かりますが、五角形の独特の形状です。あれは1804年にナポレオンが制定した勲章です。それ以前の、貴族が対象のブルボン王朝時代の勲章を廃止して、新時代の勲章として打ち出したもの。特徴は、なんといっても身分に関係なく貰えるということ。庶民の兵卒でももらえる、というのは当時、画期的でした。そして、従来の勲章に多かった、キリスト教の十字架を意味する十字形のメダルをやめて、わざと五角形にしたわけです。ナポレオン時代は最下位等級もシュヴァリエ(騎士)章という、王政を思わせる名称も使わずレジオネラ章(軍団員章、というような意味)といっていました。
 ナポレオン失脚後、王政復古した際に、王朝時代の勲章も復活しましたが、人気の高いレジオン・ドヌール勲章は廃止できず、そのまま維持。上記の「騎士」という名称も復活させています。ということで、囚人の子ども、という設定のあるジャベールが持っているとしたら、やはりこの勲章、となるわけですね。
 この勲章は、もともと反王政の意味が強い勲章なので、ここでガヴローシュに与えるというのはとてもふさわしい、といえましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月20日 (日)

ジャベール警部の帽子でもう一つの話題。

 2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
 さて「英国近衛兵」と「レ・ミゼラブルのジャベール警部」で、古い時代の帽子の話題が続きましたhttp://tujimoto.cocolog-nifty.com/tiger/2013/01/post-1056.html。私も、一応「戦史・服飾史研究家」として、もうひとつ気になった話題を追加しておきます。
 というのも、映画レ・ミゼラブルのジャベールですが、注意深く見た人しか気づかなかったと思いますが、後半はあの大きなナポレオン型の「二角帽」で登場しますけれど、冒頭のジャン・バルジャンが船を曳いているシーン、刑務所の看守時代のジャベールは、頭に船のような形の帽子を被っていました。Sthxu3lzqjv2s00x_o_lesmisrablesclip
 ああいうのを、フォラージュ帽とかギャリソン帽、ドイツ語ではシュイフェン、などと呼びます。要するに「要塞帽」とか「舟形帽」というもので、第二次大戦では、アメリカ、ソ連、ドイツなどの軍隊がよく被っていました。日本軍などではあれは採用しませんでした。
 しかし、実はああいう帽子のルーツは古いのですね。おおむね18世紀の後半、フランスの警察の作業帽、略式の帽子として登場した「警察帽」bonnet de police というのが、あのジャベールの帽子です。
 この「警察帽」は、ナポレオン戦争途中の1812年までフランス軍で広く、作業用、日常用として使用しました。正式な帽子ではないので、あまり絵画などでは描かれていませんけれど。そして、12年以後はポーランドの防寒帽を手本にしたポカレムpokalemという帽子に切り替わります。フランス軍が徐々に東欧、北欧、ロシアなど寒冷地での戦争を志向し始めたからです。P1020335
 しかし、ナポレオンの失脚後、このポカレムは徐々に消滅。というのも、戦争の勝者であるプロイセン式の帽子、ミュッツェが流行し始めたからです。このプロイセンの帽子が、その後の世界の制帽のスタンダードとなって、今の警察官や鉄道員の帽子の先祖になります。一方、警察帽のほうはなぜか、100年以上もたって、1940年代の第二次大戦で復活を遂げたのですね(最初はオーストリア陸軍で山岳部隊用に用いられたようです)。なお、現代の軍隊ではこの船型帽は再びすたれて、ベレー帽が多くなっています。
 ・・・ということで、1815年のフランスの警察官に、ああいう略帽をかぶせたレ・ミゼラブルの衣装担当の人の時代考証は正しいのであります。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月18日 (金)

テレビ・ロケ隊が来訪。

20130118134515  今日はちょっと、我が家的には大ニュース、でございました。実は、あるテレビ局のロケ隊がやって来たのです。ある局の、ある教養番組にて、「英国近衛兵の帽子」について取り上げることになり、軍装史の研究家として出演し、また内容もちょっと監修させていただくことになりまして。
 まだまだ、はっきりした予定は立っていませんので、詳細についてはまた後日、ご報告できれば、と存じます。しかし・・・緊張しました! 中学の文化祭の演劇以来の緊張感でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月14日 (月)

本当に大雪でびっくり!

 雪になるかも、という予報でしたが・・・これはすごいです。首都圏だと、5センチぐらいの雪でも大雪扱いで、豪雪地帯の方からみれば笑止千万、ということが多く、新潟や福井に住んだこともある私も、ちょっとぐらいの降雪ではなんとも思いませんが、今日の降り方はホンモノですね。
 都心よりやや温暖な浦安でも、昼には一面、銀世界=写真上=。午後3時すぎの銀座も、歩くのが困難な状態でした=写真下=。20130114131317
 電車はちゃんと動いていたので助かりましたが・・・はい、私は祝日でも、もちろん出社でございます。20130114151143

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月12日 (土)

日刊ゲンダイ「辻元よしふみウンチク堂」第44回「振り袖」

 20130112193710 日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」第44回が、きょう12日発売号に掲載されました。今回は「振り袖はもともと少年が着る物だった」として、振り袖と羽織袴という晴れ着を紹介。本連載は隔週土曜日掲載(次回は1月26日発売号予定)です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月11日 (金)

ジャベール警部のあの帽子は?

 2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
 さて、映画「レ・ミゼラブル」で、ヒュー・ジャックマンやアン・ハサウェイがアカデミー賞でノミネートされた、と聞きました。ジャベール警部役のラッセル・クロウはお呼びがかからなかったようですが、彼はもう貰っていますからね・・・。395e2ca879e391aec06ded5c4e4c2348
 ところで、ある方から、ジャベールの被っているあのでかい「ナポレオンみたいな帽子」について聞かれました。私がこの手の、古い衣装を研究していることを知っている方ですけれど、「あれは19世紀には普通の帽子だったんですか」と。
 「そうです、だいたい18世紀の後半から19世紀の半ばまで、軍の将校や、ジャベールみたいな警察の士官なんかが主に被っていました。普通の人もフランス革命期には被ってましたね」
 「しかし、映画でジャベールがあの帽子を被って、馬で疾走するシーンがありましたけど、風で飛びませんか、ああいう面積が広い帽子は」
 「はい。危ないです。あれは二角帽といって、もともと普通のハットのツバを、銃を撃ちやすいように前後、折り重ねた物です。しかし実用として、風で飛びやすい。だから、ナポレオン戦争のときには、すでに角を前後にして被るのが普通になっていて、英国軍などはその『縦被り』を正式とするよう、規則を改めたほどです。が、ナポレオン本人は頑として、あの横被りを好んだので、フランスではかなり後まで横被りが多かったですね」
 「で、ああいう帽子はいつ頃まであったんです?」
 「19世紀の後半には、日常用の帽子としては廃れてしまうけれど、礼装用では残っていて、日本なども、戦前の大礼服では、ああいう二角帽を被っていましたよ。日本の場合は英国式に縦被りで、ナポレオンやジャベールみたいな横被りじゃなかったんですが」
 「なーるほど」
 ・・・というような会話を致しました。私はどうも、こういう話になると嬉しくなってしまうのですよね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年1月 5日 (土)

『図説 軍服の歴史5000年』久々に返り咲き!

 2月1日午後9時より、テレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」に、わたくし、辻元よしふみが出演することになりました。内容は「英国近衛兵の帽子の謎」について。出演そのものは1分ほどですが、その後の内容も監修させて頂いております。ぜひ、お時間が有ればご覧いただければ、と存じます。ちなみに、皆様ご存じのように大橋未歩アナウンサーがご病気のため、この回から秋元玲奈アナウンサーが出演されるそうです。
 さて、昨年の1月末に刊行した私どもの『図説 軍服の歴史5000年』(彩流社)について、ちょっと不思議なことがあります・・・。何しろ、すでに発売からまもなく1年がたつわけで、普通なら売れ行きも一巡して大きな動きもなく・・・というものなのですが、なぜかここに来て、昨年末の最終週あたりから今週にかけて、なぜかアマゾンで好調に売れています。なぜなのでしょう? 少し前までかなり在庫もあったのですが、今日5日午前6時現在、アマゾンでの在庫はたった2冊、軍事入門書部門で14位、書籍総合でも6144位に返り咲いています。何やら発刊直後のような勢いなのですが、なにかあったのでしょうか? どなたかブログか何かで紹介してくださった方でもいらっしゃるのでしょうか。20130105055352
 売れてくれるのは嬉しいですが、不思議ではあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年1月 1日 (火)

2013年、あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。2013年も宜しくお願い申し上げます。
 近所の神社でおみくじをいただきましたら、大吉でした。なかなか幸先よい感じです。
 今年、我が家のおせち料理は「オリジン弁当」に注文しました。手作り感があって美味しいです。20130101154131
 という具合で、平穏な元日となりました。巳年がいい一年になれば、と念じております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年12月 | トップページ | 2013年2月 »