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2012年12月13日 (木)

007スカイフォール

 「007スカイフォールSKYFALL」を見てきました。1967年生まれの私としましては007ジェームズ・ボンドはやはりショーン・コネリーかロジャー・ムーアまで、です。率直に言って、ティモシー・ダルトン以後のシリーズはほとんど見ておりません。もちろん、6代目のダニエル・クレイグ版も、テレビ放映しているものをながら見しただけで、ちゃんと観賞したことはありませんでした。20121213063500
 しかし、シリーズ第1作の「ドクター・ノウ」が公開されたのが1962年ということで、今作は記念すべきシリーズ50周年作品。それで、あまりの食わず嫌いもいけないかな、とも思い、劇場に足を運んでみた次第です。
 ところで、本作のタイトル「スカイフォール」というのは何かと言えば、ボンドが子供のころに育ったスコットランドのスカイフォール邸という建物に由来しております。つまり、ボンドが50周年を機に、ルーツを見つめ直す、という制作意図を強く感じる内容になっております。実際、クレイグ本人もインタビューなどでかつての黄金時代の007に回帰する意欲を強く見せております。クレイグ本人はやはり初代コネリーのボンドに憧れがあるそうで、特に「ロシアより愛をこめて」とか「ゴールドフィンガー」が好きだとか。
 本作は冒頭、イスタンブールでの激しいアクションから開幕します。「ロシアより愛をこめて」以来のロケ地となったイスタンブールの市街で、ボンドと謎の殺し屋パトリスが死闘を繰り広げます。パトリスは各地に潜入している諜報員のリストを奪って逃走中で、これが悪用されると組織は壊滅してしまいます。英国諜報部MI6長官Mの指令で、このリストを追うボンドは、爆走する列車の屋根の上でパトリスを追い詰めますが、焦ったMが諜報部助手のイヴに狙撃を命令、イヴは狙いを外し、犯人ではなくボンドを撃ってしまいます。ボンドは90メートルも転落して川に落ち、殉職したものと思われました。
 その後、リストを奪った謎の敵はMI6の本部を爆破、潜入諜報員を次々に処刑し、MI6を揺さぶります。Mの上司である国家情報委員会の新委員長マロリーは、Mに責任をとっての引退を勧告。さらにMは議会に喚問され、大臣から査問を受ける羽目に陥ります。MI6は時代遅れで、諜報部などリストラの対象にすべきだ、というのです。この危機の中、死んだと思われていたボンドがふらりと姿を現します。マロリーはボンドに対しても、引退を示唆しますが、ボンドはMと組織を守るためにも謎の敵に挑んでいきます。リストを奪った殺し屋パトリスは中国・上海で活動しており、ボンドは激闘の末に彼を倒します。さらにここから、マカオに敵の首領がいることを突き止め、マカオのカジノに乗り込みます。謎めいた美女セヴリンと接触したボンドは、ついに敵の親玉であるシルヴァと対面。彼は元英国諜報員で、MI6とMに対して激しい憎悪を抱いている人物でした。
 ボンドはシルヴァを捕まえ、ロンドンに護送しますが、これはシルヴァの仕掛けた罠で、彼は初めから議会で査問を受けるMを襲う計画でした。ボンドはマロリーやイヴと協力してMを守り抜きますが、このままロンドンにいては危ない、ということでMを連れてスコットランドへ。自分の故郷、スカイフォール邸に赴き、シルヴァとの対決を迎えます・・・。
 というような展開なのですが、冒頭の激しいアクションは、とりたててジェームズ・ボンドというよりは、普通のアクション映画です。ところがこれが、少しずつ話が進むうちに私のような昔のシリーズが好きなオールド・ファンにも納得の「原点回帰」精神がにじみ出てくる展開となります。
 まあ、いくつか例を挙げれば、ここ数年は姿を消していた装備係のQや、Mの秘書マネーペニーが復活するのですよ。さらに往年のコネリー・ボンドが乗っていた名車アストン・マーチンまでが復活します。セリフ回しもどことなく、初期シリーズを思わせる英国的ユーモアをたたえたものがちりばめられています。
 そして、本作は最後の最後、衝撃的な展開に向かっていきますが、ここはぜひ劇場で・・・。
 シルヴァ役のハビエル・バルデムと、M役のジュディ・デンチというオスカー受賞者はさすがの演技で存在感を示しています。マロリー役のレイフ・ファインズもいいです。そしてボンドガールのナオミ・ハリスとベレニス・マーロウも魅力的。特にハリスは大活躍しますが、セヴリン役のマーロウは意外に出番は控え目で、もうちょっと見たかったかも。
 まあ、正直なところ、やはりダニエル・クレイグは私のイメージの中では007にはどうしても見えないのですが、しかし上記のように初期のシリーズとの関連付けを意識している本作を見ているうちに、最後の方では彼がボンドに不思議と見えてきたのです。非常に巧みに出来た50周年記念作で、私のような、最近、ちょっと御無沙汰、という人ほど、試しにご覧になってみるといい映画なのでは、と思いましたね。

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