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2012年12月31日 (月)

2012年大晦日。本年もありがとうございました。

 さて、2012年もいよいよ大晦日を迎えました。先ごろ発表された読売新聞の「201210大ニュース」は①山中教授ノーベル賞受賞②スカイツリー開業③ロンドン五輪──という具合。個別に見ればいろいろあるにしても、大災害の類は上位に入らず、まずまず平穏な1年だったといえるのかと思います。年末の政権交代も、誰にとっても予想通りの結果だったため、大した驚きはなかった、というのが大方の実感のようですね。20121230181754

 私個人としましては、とにかく『図説 軍服の歴史5000年』(彩流社)を1月末に刊行できたのが大きい1年でした。さらに瞬間風速ですがamazonの軍事入門書部門で1位を獲得し、東京新聞、中日新聞、週刊ダイヤモンドなど13の新聞、雑誌に書評を掲載して頂き、ついに9月には重版することができました。出版不況といわれ、阿川佐和子さんの『聞く力』が年末の重版で100万部を突破した以外、ミリオンセラーが出なかった、というような今年ですが、その中で無名の私たちの書籍が健闘してくれました。ひとえに読者の皆さま、関係の皆さまのお陰でございます。年末に当たり、改めまして厚く御礼申し上げます。

 日刊ゲンダイ紙上の連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」も通算40回を超えました。こちらも重ねてご愛読に御礼申し上げる次第です。

 来年も、新たな展開ができたら、と考えております。またこのような場でご報告できたら幸甚です。

 どなた様もよい御年をお迎え下さいませ。本年もまことにありがとうございました。

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2012年12月28日 (金)

『対談 東の艮斎 西の拙堂』

年末も押し詰まりましたが、このたび、私の大学時代のサークルの後輩で、現在は福島県郡山市の安積国造神社の宮司を務める安藤智重さんが新刊書『対談 東の艮斎 西の拙堂』(歴史春秋社)を刊行されました。20121228011311
 安藤さんは、郡山にもう古墳時代の昔から鎮座する同神社の第64代、直系の後継者で、また幕末期に活躍した儒学者・安積艮斎(あさか・ごんさい)の父から9代あとの縁者、という立場の方ですが、これと、やはり幕末に活動した斎藤拙堂の子孫、斎藤正和氏が対談した内容をメインに、関連資料を加えた一冊です。
 対談の内容は多岐にわたりますが、お二人の強く言われているのが、精神教育がなくなって、責任感やリーダーシップの欠落した日本の現状への危惧です。「士」としての強い責任感や大局観を養う教育がなくなり、最近でいえば東京電力や政府の幹部の無責任ぶりを見ていると、日本の戦後教育の何が問題だったのか、露わになっている、という視点が強く感じられます。ことに福島県在住の安藤さんにとっては、ことは他人事でないわけです。
 序文を前福島県知事の佐藤栄佐久氏が寄せているのも注目されます。
 本体価格1200円。発行元は歴史春秋出版(電話・0242-26-6567)。

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2012年12月27日 (木)

レ・ミゼラブル

 映画「レ・ミゼラブルLes Misérables」を見ました。本作は1985年初演の同名ミュージカルの映画化です。ですからセリフはすべて歌になっています。前に「オペラ座の怪人」が映画化された時、ミュージカルだと知らないで見てがっかりした、などと映画評掲示板に書き散らす人が多かったのであらかじめ、ご注意申し上げておきます。ミュージカルは苦手、と思う人は初めから見ないように。20121227010741
 というわけで、すでに日本でも何回も上演されているミュージカルですし、原作もあまりにも有名なヴィクトル・ユゴーの「ああ無情」なわけですから、本筋は皆さん御承知の通り。たったパン一個を盗んだ罪で19年にもわたって牢獄につながれたジャン・バルジャンと、その逮捕に異様な執念を燃やすジャベール警部。私は1991年夏に帝国劇場で舞台を見ました。滝田栄、村井国夫、島田歌穂、斎藤晴彦、松金よね子・・・などという面々が出ていた記憶があります。
 劇場の場合、舞台ならではの演出があるわけです。単純に映画にすればいいというものではなくて、舞台だからあっと驚くような仕掛けも、映画ではどうということもない、ということになりかねない場合もあって、じつはミュージカルの映画化はなかなか難しいものだとか。
 しかし今回は「英国王のスピーチ」のトム・フーパー監督と、「レ・ミゼラブル」のほかにも「キャッツ」「オペラ座の怪人」「ミス・サイゴン」と数々の大ヒットミュージカルにかかわってきたキャメロン・マッキントッシュがタッグを組む最強の布陣。バルジャン役に、元々ミュージカル・スターでもあるヒュー・ジャックマン、ジャベール警部にラッセル・クロウ、ファンテーヌにアン・ハサウェイ、コゼットにアマンダ・セイフライド、テナルディエ夫人にヘレナ・ボナム・カーターと実力派ぞろいの豪華キャスト。また、オリジナルの初演時にバルジャンを演じたコルム・ウィルキンソンが、重要な役どころであるミリエル司教役で出ています。
 ときは1815年、ナポレオンがワーテルローの戦いに敗れフランスが王政復古した時代。トゥーロンの刑場で船を引く囚人ジャン・バルジャンは、看守のジャベールから仮釈放の書面を渡されます。晴れて自由の身に、と思うのは早計で、前科者に世間の目は冷たく、行き倒れ寸前のところをミリエル司教に救われます。命を救ってもらった恩をあだで返すように、司教が大事にする銀の祭器を盗み出すバルジャンでしたが、すぐに警察に捕まります。ところが驚いたことに、司教は「その銀器は私が彼に与えたものです」とかばった上に、「これも持って行きなさい」と銀の燭台もバルジャンに与えます。その慈悲の心に打たれたバルジャンは、改心して生きることを決意。
 1823年、マドレーヌと名を変えたバルジャンは、実業家として成功し、モントルイユ市の市長に。しかしここに、ジャベールが赴任してきます。動揺するバルジャン。そのころ、彼の経営する工場を解雇されたファンテーヌは、娘の養育費を稼ぐために髪を切って売り、歯も抜いて売り、ついには娼婦に身を落とします。バルジャンは息絶える寸前の彼女から、娘コゼットの身を託されます。一方、仮釈放の身から逃亡したとして追われているジャン・バルジャンが逮捕された、という知らせを受けて彼は苦悩します。自分が名乗り出なければ、無実の人間がジャン・バルジャンとして牢獄に送られてしまう。バルジャンは法廷に赴き、自分こそがジャン・バルジャンである、と告白します。
 ジャベールが後を追いますが、バルジャンはコゼットがいるテナルディエ夫婦の安宿へやってきます。ろくでもない人種である夫婦に法外な金を支払い、コゼットを助け出したバルジャンは、そのまま姿を消します。ジャベールは正義の名のもとに決してバルジャンを逃さないことを誓います。
 そして1832年、パリの街は貧富の差にあえぐ人々の声で満ち、またもや革命の機運に満ちていました。革命運動に励む青年マリウスは、街で出会った女性に一目ぼれ。マリウスは仲間のエポニーヌに、彼女の家を探してほしい、と依頼します。しかしエポニーヌはテナルディエ夫婦の娘であり、そのマリウスが求める女性がジャン・バルジャンと共に姿を消したコゼットであることに気付きます。同じころ、パリに赴任していたジャベールもバルジャンがパリにいることを知ります。6月、革命に向かって歴史が大きく動いていく中、バルジャンとジャベールの宿命の対決は、そしてマリウスとコゼットの恋は、さらにエポニーヌとの三角関係はどうなっていくのでしょうか・・・。
 というわけで、ヒュー・ジャックマンは最近ではXメンのウルヴァリンのイメージがあまりに強いのですが、今作で実力演技派で歌唱力もあるスターであることを見せつけたのではないでしょうか。それからアン・ハサウェイの熱演は特筆もので、実際に髪を切られる体当たり演技は凄まじいです。またこの作品は、舞台版でもエポニーヌ役と、革命指導者のアンジョルラス役に歌唱力のある人を充てるものなのですが、この映画でエポニーヌは、舞台で同じ役を演じているサマンサ・バークス、アンジョルラスはミュージカル畑出身のアーロン・トヴェイトと、やはり実力派で固めています。それから、なんといっても欠かせないのが、革命派に属する少年ガヴローシュで、舞台でも上手な子役が必ず抜擢されますが、本作ではダニエル・ハトルストーンという子役が見事な演技を見せています。この映画では、歌はすべて演技とともに同時録音しています。つまり、よくありがちな、先に音だけ録音しておいて、あとで口パクで合わせる、というやり方ではなく、実際に演技しながら歌って、そのまま収録している。だから舞台で芝居を見ているようなライブ感があります。出演者は当然、非常に高い演技力と歌唱力を要求されるわけです。それをこなしているのは大変なことです。
 舞台では、バリケードがぐるりと回って、そこで赤い旗を掲げて事切れているアンジョルラスの姿が登場し、観客を驚かせるのですが、映画ではそのままやっても効果的ではなく、うまい方法で解決しています。その他、映画ならではの演出やシーンもかなりあるようで、さらに映画オリジナルの曲も追加されて、舞台版とは少し異なっている部分もあります。
 とはいえ、何しろ名曲ぞろいで出演者は熱演、感動の幕切れはまさしく感涙もので、私が見た映画館でも場内ですすり泣いている人がたくさんいました。
 最後、どうなるか分かっている話なのに、これだけ心を打つのはすごいものです。今年はおそらくこれが最後に見る映画でしょうが、年末に本当にいい映画を見ました。

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2012年12月22日 (土)

日刊ゲンダイ「辻元よしふみウンチク堂」第43回・カフスボタン

20121222183204 日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」第43回が、22日発売号に掲載されました。今回は「カフスボタンはもともとヒモだった」として、シャツの袖口を飾るカフリンクスの歴史を紹介。本連載は隔週土曜日掲載(次回は新年1月12日発売号予定)です。
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 ところで、今号のゲンダイの31ページにはうちの辻元玲子さんのイラストも載っています。いつもの精密でリアルな絵http://www.tujimoto.jp/gallery.htmlとはちょっと違う画風。「内臓の隠れ病は顔に出る」という記事の図説ですが、病気の顔の絵ですから、リアルにしてしまうとあまりに怖くなってしまうとか。それでも、やはりちょいと不気味です。20121222183258

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2012年12月21日 (金)

ホビット 思いがけない冒険

 20121221143442 ピーター・ジャクソン監督の新作「ホビット 思いがけない冒険 THE HOBBIT UNEXPECTED JOURNEY」を見ました。あの10年前に映画界に革新をもたらした「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の続編──、いや、正確にいえば「前日譚」です。今回の「ホビット」シリーズも三部作の予定ですので、全部で6作。そして、先に三部作を作り、それより遡った時代で三部作を製作するという経過は「スター・ウォーズ」シリーズと同様です。すなわち、本作品は指輪物語シリーズの「エピソード1」ということになります。
 原作者のJ・R・R・トールキン教授は、初めに子供のためのおとぎ話として「ホビット」を書き上げました。ところがこれが非常に評判がよく、ここからさらに話をどんどん大きくして、彼の創造したファンタジー世界「中つ国」の世界大戦の模様を壮大なストーリーで描く「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」を書くことになりました。
 映画の製作順は、原作の執筆順とは逆になっているわけですが、そのおかげで、トールキンが続編を書くにあたって、前作をいろいろ整合性をつけるために書き直さざるを得なかったのとは逆に、この映画ではロード・オブ・ザ・リングでの展開を踏まえた伏線をいろいろ張れるわけです。
 中つ国の片田舎で小人族のホビットたちが住むホビット荘。袋小路屋敷の当主ビルボ・バギンズは、平和で満ち足りた暮らしを満喫していました。しかしそこに魔術師ガンダルフが訪れ、さらにドワーフ族の王族トーリン・オーケンシールドほか13人のドワーフが突然、やってきます。トーリンはかつて悪竜スマウグに奪われた離れ山の「山の下の王国」を奪還する決意を固めていました。ガンダルフはビルボを本人に断りもなく「忍びの者」としてメンバーの一人に推薦していたのです。あれこれの経緯の後、ついに安定した生活を捨てて冒険の旅に出かけることにしたビルボ。しかしその行き先には、単に竜を倒して古い王国の宝の山を見つけに行く、というおとぎ話的な展開にとどまらず、中つ国に再び復活し始めていた古の魔王の影がちらつき始めていました・・・。
 ということで、原作はわりとゆるい児童文学なのですが、映画はあくまでもロード・オブ・ザ・リング三部作のエピソード1として、非常に壮大かつシビアな味に仕上げており、前の三部作を見た人は必見です。原作の「ホビット」には描かれていないが、「指輪物語」で大幅に増補した部分が取り入れられてます。たとえば原作では名前しか登場しない茶色の魔法使いラダガストが大活躍したり、サルマンやガラドリエルが参加する白の賢人会議の描写が描かれたりします。ファンには嬉しい要素ですね。また、映画の冒頭部分も、冒険の60年後、そして「ロード・オブ・ザ・リング」の少し前の時点で開かれたビルボの111歳を祝う誕生パーティーを描いており、ここで前作でビルボを演じたイアン・ホルムと、フロドのイライジャ・ウッドが再演してくれているのも嬉しいサービス。昔からの原作ファンなら「ああ、このシーンも映像化してくれたか」と思うこと請け合いです。
 上記の二人のほか、ガラドリエルのケイト・ブランシェット、エルロンド卿のヒューゴ・ウィーヴィング、そしてガンダルフのイアン・マッケランが、とても楽しそうに10年ぶりの役を演じています。そして驚かされるのが、サルマン役のクリストファー・リー。なんと今年90歳を迎えましたがかくしゃくたるもので、前作より60歳若い白の魔術師サルマンを演じています。何しろリーはトールキン教授と会ったことがある唯一の出演者ですから・・・。
 若き日のビルボを演ずるのはマーティン・フリーマン。「銀河ヒッチハイクガイド」で無理やり宇宙旅行に連れ出される情けない地球人の役をやって有名になりましたが、同じような役柄といえますね。また、本作のもう一人の主役であるトーリン役はリチャード・アーミティッジ。これまでですと「キャプテン・アメリカ」でナチスの諜報員などを演じた程度で、まだまだ無名に近いのですが、これで注目されることは間違いありません。国を奪われた悲壮な王子役を熱演しています。
 さらに、本作ではあのゴラム(ゴクリ)がパワーアップして登場。前作ではまだぎこちない部分もあったモーション・キャプチャーももはや完成の域。演じるのはもちろんアンディ・サーキスです。
 この「ホビット」で、ビルボはゴラムから「指輪」を手に入れることになり、これが60年後のフロドの冒険につながっていく伏線になるわけですね。
 とにかく圧倒的な映像美です。ホビット荘、ゴブリンの地下王国、ドワーフの王国、いずれも見事な視覚化で、もはやこれを上回るものは難しいのでは、と思われます。「ロード・・・」の映画のファン、原作小説のファンも見ておくべき映画だと思いました。
 
 

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2012年12月18日 (火)

クリスマス和菓子。

 総選挙が終わりました。結果についてどう思うか? まあそういう話題はやめておきましょう。しかし、3年かけてやったことは公約になかった増税だけ、というどこかの政党が大敗したのは当然じゃないでしょうか?
 これで私もやっと年末モードに・・・。妻の玲子が近所の和菓子屋さんで「クリスマス和菓子」を買ってきてくれました。サンタさんやトナカイのお菓子ですが、こんなかわいい顔を食べるのは、ちょっとかわいそうですね。20121218002737

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2012年12月13日 (木)

007スカイフォール

 「007スカイフォールSKYFALL」を見てきました。1967年生まれの私としましては007ジェームズ・ボンドはやはりショーン・コネリーかロジャー・ムーアまで、です。率直に言って、ティモシー・ダルトン以後のシリーズはほとんど見ておりません。もちろん、6代目のダニエル・クレイグ版も、テレビ放映しているものをながら見しただけで、ちゃんと観賞したことはありませんでした。20121213063500
 しかし、シリーズ第1作の「ドクター・ノウ」が公開されたのが1962年ということで、今作は記念すべきシリーズ50周年作品。それで、あまりの食わず嫌いもいけないかな、とも思い、劇場に足を運んでみた次第です。
 ところで、本作のタイトル「スカイフォール」というのは何かと言えば、ボンドが子供のころに育ったスコットランドのスカイフォール邸という建物に由来しております。つまり、ボンドが50周年を機に、ルーツを見つめ直す、という制作意図を強く感じる内容になっております。実際、クレイグ本人もインタビューなどでかつての黄金時代の007に回帰する意欲を強く見せております。クレイグ本人はやはり初代コネリーのボンドに憧れがあるそうで、特に「ロシアより愛をこめて」とか「ゴールドフィンガー」が好きだとか。
 本作は冒頭、イスタンブールでの激しいアクションから開幕します。「ロシアより愛をこめて」以来のロケ地となったイスタンブールの市街で、ボンドと謎の殺し屋パトリスが死闘を繰り広げます。パトリスは各地に潜入している諜報員のリストを奪って逃走中で、これが悪用されると組織は壊滅してしまいます。英国諜報部MI6長官Mの指令で、このリストを追うボンドは、爆走する列車の屋根の上でパトリスを追い詰めますが、焦ったMが諜報部助手のイヴに狙撃を命令、イヴは狙いを外し、犯人ではなくボンドを撃ってしまいます。ボンドは90メートルも転落して川に落ち、殉職したものと思われました。
 その後、リストを奪った謎の敵はMI6の本部を爆破、潜入諜報員を次々に処刑し、MI6を揺さぶります。Mの上司である国家情報委員会の新委員長マロリーは、Mに責任をとっての引退を勧告。さらにMは議会に喚問され、大臣から査問を受ける羽目に陥ります。MI6は時代遅れで、諜報部などリストラの対象にすべきだ、というのです。この危機の中、死んだと思われていたボンドがふらりと姿を現します。マロリーはボンドに対しても、引退を示唆しますが、ボンドはMと組織を守るためにも謎の敵に挑んでいきます。リストを奪った殺し屋パトリスは中国・上海で活動しており、ボンドは激闘の末に彼を倒します。さらにここから、マカオに敵の首領がいることを突き止め、マカオのカジノに乗り込みます。謎めいた美女セヴリンと接触したボンドは、ついに敵の親玉であるシルヴァと対面。彼は元英国諜報員で、MI6とMに対して激しい憎悪を抱いている人物でした。
 ボンドはシルヴァを捕まえ、ロンドンに護送しますが、これはシルヴァの仕掛けた罠で、彼は初めから議会で査問を受けるMを襲う計画でした。ボンドはマロリーやイヴと協力してMを守り抜きますが、このままロンドンにいては危ない、ということでMを連れてスコットランドへ。自分の故郷、スカイフォール邸に赴き、シルヴァとの対決を迎えます・・・。
 というような展開なのですが、冒頭の激しいアクションは、とりたててジェームズ・ボンドというよりは、普通のアクション映画です。ところがこれが、少しずつ話が進むうちに私のような昔のシリーズが好きなオールド・ファンにも納得の「原点回帰」精神がにじみ出てくる展開となります。
 まあ、いくつか例を挙げれば、ここ数年は姿を消していた装備係のQや、Mの秘書マネーペニーが復活するのですよ。さらに往年のコネリー・ボンドが乗っていた名車アストン・マーチンまでが復活します。セリフ回しもどことなく、初期シリーズを思わせる英国的ユーモアをたたえたものがちりばめられています。
 そして、本作は最後の最後、衝撃的な展開に向かっていきますが、ここはぜひ劇場で・・・。
 シルヴァ役のハビエル・バルデムと、M役のジュディ・デンチというオスカー受賞者はさすがの演技で存在感を示しています。マロリー役のレイフ・ファインズもいいです。そしてボンドガールのナオミ・ハリスとベレニス・マーロウも魅力的。特にハリスは大活躍しますが、セヴリン役のマーロウは意外に出番は控え目で、もうちょっと見たかったかも。
 まあ、正直なところ、やはりダニエル・クレイグは私のイメージの中では007にはどうしても見えないのですが、しかし上記のように初期のシリーズとの関連付けを意識している本作を見ているうちに、最後の方では彼がボンドに不思議と見えてきたのです。非常に巧みに出来た50周年記念作で、私のような、最近、ちょっと御無沙汰、という人ほど、試しにご覧になってみるといい映画なのでは、と思いましたね。

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2012年12月 9日 (日)

日刊ゲンダイ「辻元よしふみウンチク堂」第42回・セーター

日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」第42回が、8日発売号に掲載されました。今回は「セーターの語源は汗をかくための運動着」として、冬の定番ニット衣料の歴史をご紹介。この連載は隔週土曜日掲載(次回は12月22日発売号予定)です。
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2012年12月 1日 (土)

師走ですが、総選挙が終わってくれないと・・・。

いよいよ師走ですね。普通なら、年末モードなんですが、今年は総選挙ということで、私も本業が一応、報道機関であるわけで、これが終わらないとなんとも・・・、という感じでございます。20121201182904
 それにしても政党が乱立して、困ってしまいます。先日は、ようやく「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」なんて長い党名を覚えたと思ったら、瞬く間に「未来の党」に吸収合併されてしまいました。党が多いから候補者も乱立、それも政党が合従連衡するたびに立候補予定区まで調整が入って変わってきますから、もう大変です。
 しかし、ちょうど1年前には、「図説 軍服の歴史5000年」の最終追い込みにてんてこまいしておりました。あれからもう1年、あるいはまだ1年・・・。うーん、どっちともいえますね。ちょっと早いですが、来年も「戦史・服飾史研究家」として新しい仕事をしたいな、と思っておりますけれども。どうなるでしょうか。
 というような、近況でした。

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