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2012年7月 1日 (日)

ニコラス・ケイジの「ブレイクアウト」

 つい先日、公開中の「ハングリー・ラビット」を見たばかりですが、実は先月23日よりもう一本、ニコラス・ケイジの新作が公開されています。その名は「ブレイクアウト」Trespassという作品http://breakout-movie.com/。主演がニコラスと、ニコール・キッドマンという2人のオスカー俳優で、監督は90年代のバットマン・シリーズや「オペラ座の怪人」で知られるジョエル・シューマカー。というわけなので、スペック的には堂々たる映画なのに、扱いは「ハングリー・ラビット」よりさらに悪く、全国でたった22館しか公開しない、というありさまでして、ああまたしても、本当にかわいそうニコラス。ここ数年、ニコラスの主演映画はこんな感じで、見るのに苦労しています。
 そんなわけで、私の周辺でも千葉・幕張でしかやっていないため、わざわざ行ってきましたのがシネプレックス幕張。入ってみますと、昼間の回ですが案外にお客さんがいる。この映画はふと思いつきで見るようなものでもないので、わざわざおいでになった方も多いのじゃないでしょうか。パンフレットを買おうとしたら、製作していないという状態。仕方ないのでチラシをもらってきました・・・。
 さてそれで、見てみての感想ですが、さすがにオスカー男優と女優の競演。脚本もよく出来ていてなかなかの秀作サスペンスです。埋もれさせておくのはもったいないですね。
 ダイヤの取引で成功して財をなし、豪邸に住むカイル・ミラー(ケイジ)。美しい妻サラ(キッドマン)と、娘エイヴリーに囲まれて、仕事に明け暮れる日々を送っております。あまりに仕事にのめり込んでいてサラとの間はギクシャクし始めており、エイヴリーも難しい年頃で交友関係に問題がありそう。その夜も、一家でディナーを、という両親に逆らい、エイヴリーは近所の悪ガキたちのパーティーに無断で出かけてしまいます。
 続けてカイルもまたしても仕事で出かけよう、としたそのとき、豪邸の玄関のモニターに警備員の制服を着た男たちの姿が映ります。「特別警戒中です」という言葉に、彼らを中に通すと、この連中は男性3人、女性1人の4人組の強盗でした。たちまち脅されるミラー夫妻。強盗のリーダー格はカイルに金庫を開けるように要求します。ところが「断る」と言い張るカイルに、サラも愕然とします。「殺されるのよ、どうして」どんなに脅されても、決して金庫を開けないカイルにはなんの秘密があるのでしょうか。
 それに、強盗たちの様子も一枚岩ではなく、なんだかおかしい。明らかに一人の男はリーダー格の部下ではなく、お目付役のように振る舞っています。また、一人の若い男は、明らかにサラを庇いだてしており、「俺は君だけは守る」などと言い出します。この男はサラを知っているのでしょうか。サラも覆面をしていても、その男が誰だか思い出します。この豪邸を新築しているとき、警備システムの設定にやってきた若い警備員の男だということに。さて、この男とサラの関係はなんなのでしょうか。
 そんななか、パーティーに幻滅したエイヴリーが家に帰ってきます。さて、カイルは家族を守り抜くことができるのでしょうか・・・。
 ということで、パーティーのシーン以外はほとんどが豪邸内だけに終始する密室劇です。登場人物もほとんど上記の7人で、緊迫したセリフのやり取りだけで見せる手法。ですから派手なVFXなどあるはずがなく、また室内に限られるのでやたら大げさなアクションシーンもないわけで、役者の演技力が問われる内容になっています。金庫になにか秘密を持っているカイル、強盗一味の一人とかかわりがあるらしいサラ、こういう人物の心理描写が非常に重要な作品で、さすがにオスカー俳優2人の表現力は素晴らしく、最後まで引っ張られます。
 大きなスケールの作品ではないですが、秀逸な密室劇だと思います。派手な仕掛けで見せる映画に食傷気味、という方ならぜひご覧になってはいかがでしょうか。なお、この映画の20120701011044 原題のTrespassというのは「侵入」の意味です。それが邦題ではBreakout「脱走」となっていますが、なにか意味があるのでしょうか?

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