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2012年5月24日 (木)

ダーク・シャドウ

 「ダーク・シャドウ」DARK SHADOWSという映画を見てきました。ジョニー・デップ主演の新作で、製作もデップが担い、監督はデップの盟友ともいえるティム・バートン。そもそも本作に私どもはすごい興味があった、というわけではないのですが、「キックアス」以来、注目しているクロエ・グレース・モレッツが出演していると知り、見てみることに。さらに本作はティム・バートン監督の映画なので、ヘレム・ボナム・カーターは当然として、ミシェル・ファイファー、エヴァ・グリーンと豪華な共演陣です。本作はそもそも1966年から71年の5年にわたりアメリカで放送された人気テレビドラマの映画化だそうです。
 時は18世紀、英国からアメリカ植民地にわたったコリンズ一家は、メイン州で水産業会社を起業し大成功します。何不自由なく育った御曹司のバーナバス・コリンズ(デップ)は使用人のアンジェリーク(グリーン)を愛人にしていますが、やがて本命の美女ジョゼット(ベラ・ヒースコート)と婚約。これに嫉妬したアンジェリークは、実は恐ろしい黒魔術を用いる魔女で、コリンズ夫妻を暗殺し、ジョゼットも自殺に追い込んだ挙句、バーナバスに呪いをかけてヴァンパイアにしてしまいます。アンジェリークが煽動した町の人々は、バーナバスを捕えて棺桶に入れ、生き埋めにしてしまいます・・・。
 それから200年ほどたった1972年。メイン州の旧家コリンズ家の家庭教師として、ヴィクトリア(ヒースコートの二役)がやってきます。この家はかつては大いに栄えたと言いますが、すでに没落して借金まみれ。女当主であるエリザベス(ファイファー)は、反抗期の長女キャロリン(モレッツ)、母親を亡くし落ち込んでいる甥デヴィッド(ガリー・マクグラス)、盗癖と女癖が悪く問題だらけの弟ロジャー(ジョニー・リー・ミラー)、デヴィッドの心理療法をするため雇っているアル中の女流精神科医ジュリア・ホフマン博士(ボナム・カーター)などひと癖ある人物に囲まれ悩み多き日々を送っています。
 さてある日、近くの工事現場で古い棺桶が掘り出されます。200年の眠りから覚めたバーナバスは、コリンズ邸にやってきて、自分の子孫たちの没落ぶりに驚愕。またジョゼットに生き映しのヴィクトリアに一目ぼれします。彼はエリザベスと協力し、コリンズ家を再興しようと動き始めますが、立ちはだかるのは町の水産業を独占しているライバル企業エンジェル社の存在でした。そして、その社長というのは、18世紀末から200年にわたって町に君臨する魔女アンジェリークなのでした・・・。
 ということで、浦島太郎状態のバーナバスが、ヒッピー文化全盛期の70年代アメリカにやってきて、時代錯誤な古めかしい言動で繰り広げる珍妙なドタバタがじつにおかしい。シェークスピア劇みたいな言い回しのバーナバスは、ジョニー・デップの独壇場で、こういう癖のある役をやらしたら本当にうまいですね。
 それに重要な敵役であるエヴァ・グリーンの美しい魔女ぶりはお見事です。この人が存在感がないとまったく駄目なわけですが、本作での悪女ぶりは素晴らしい。清楚な美女役が多かった彼女としても、本格的なコメディーで、しかも悪役は初めてではないでしょうか。
 ミシェル・ファイファー、ヘレム・ボナム・カーターの二人のベテランも大いに存在感を出しています。さすがに安心して見ていられますね。それから、まだ売り出し中といえるオーストラリア出身のベラ・ヒースコートが透明な美しさを出していて、この人は今後、注目されてくるのじゃないでしょうか。
 クロエ・モレッツはサイケデリック文化にかぶれた70年代の屈折したティーンを好演しています。しかし彼女、単に反抗期で屈折しているのでなく、実は大きな秘密を隠していますが、それは見てのお楽しみ。
 70年代のアメリカを舞台にしているので、「ケネディ大統領」とか「ベトナム戦争」という言葉も多く出てきます。また、音楽もそのころのヒットナンバーが効果的に使われています。ヴィクトリアがコリンズ邸に来る途中のシーンでは、ムーディー・ブルースの「サテンの夜」がテーマ曲的に使われています。ほかにもディープ・パープルやブラック・サバスや、カーペンターズのヒット曲が次々に流れます。さらに、ちょうどこの時期に有名になったロック・シンガーであるアリス・クーパーが本人役で出演して2曲、披露するのも見どころでしょう。当時、20代だった彼が、64歳になっているのにあまりイメージが変わらずに、40年前の本人役で出演しているのは考えればすごいことです。
 けっこう、コメディータッチな前半から、後半はシリアスかつ本気のホラータッチになっていきます。そのへんはティム・バートン流ということでしょうか。笑える内容ながら、登場人物たちの抱える弱さや宿命といった部分が、意外に物悲しい後味を残す一作でした。20120524183132

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