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2012年4月19日 (木)

ジョン・カーター/バトルシップ

20120419221720 20120419221800  さて本日は、面倒くさいので映画を一日に2本立てで見てきました。一本はウォルト・ディズニー110周年記念作品「ジョン・カーター」、もう一本はユニバーサル映画100周年記念映画「バトルシップ」。どちらも記念大作映画で、しかも主演も同じくテイラー・キッチュ。じつは見に行くまで、両映画の主演俳優が同じ人だと気づかないで行きましたので驚きました。テイラー・キッチュは、まず長髪の主人公に扮するジョン・カーターを、その後に短髪にした海軍軍人役のバトルシップを立て続けに撮ったようです。
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 まずは「ジョン・カーター」ですが、今から100年も前に書かれたSFスペースオペラの古典「火星シリーズ」の第一作「火星のプリンセス」を原作としています。原作者のエドガー・ライス・バローズは他に「ターザン」でも知られています。砂の惑星の描写や、リアルな異星人など、どこかで見たような感じを受ける方も多いでしょうが、「アバター」も「スターウォーズ」もみな、火星シリーズの影響を受けていますので、つまりこの作品の方が元祖なわけです。
 1881年、一人の青年エドガー・ライス・バローズ(つまり原作者と同名)が、急死した叔父ジョン・カーターの遺産相続人として呼び出されます。ジョン・カーターは宝探しで財をなした人物で、アメリカ南北戦争で活躍した元騎兵軍人です。弁護士はエドガー青年にジョンの残した日記を手渡します。そこには驚くべきことが書かれていました。
 それは13年前の1868年のこと、アリゾナ州で無理に軍隊に復帰するよう強制されたジョンは逃走し、ある洞窟の奥で突然、未知の世界に飛ばされてしまいます。その地は砂漠が広がる世界で、重力が軽く、ジョンは驚くべきジャンプ能力を身につけていることに気がつきます。通りがかったサーク族の族長タルス・タルカスに捕えられたジョンは奴隷扱いを受けますが、そこに飛来したゾダンガ王国とヘリウム王国の飛行船同士が空中戦を開始します。ゾダンガ皇帝サブ・サンは、ヘリウム王女デジャー・ソリスと政略結婚し、両国を統一して支配しようとしております。サブ・サンの手を逃れた王女デジャーが、飛行船から墜落しようというその時、ジョン・カーターは超人的なジャンプで彼女をしっかりと抱きとめ、地上に降り立つのでした。こうして、この世界の戦争に巻き込まれていくジョンは、ここが地球で火星と呼ばれてる星「バルスーム」であり、うち続く戦争の背後に影の支配者「サーン」の暗躍があることを知ります。さて、ジョン・カーターは王女とバルスームの未来を守り、地球に戻ることができるのでしょうか・・・。
 ということで、波乱万丈の物語はさすがスペースオペラの元祖の中の元祖、よく出来ています。この先どうなるのだろう、という興味が最後の最後まで緩むことなく続いて、じつに心地よく出来ています。古典的な作品に、見事に新しい生命を吹き込んだ作品だと思いました。一方、19世紀末のアメリカを描いている部分も重厚で、手抜きはありません。最後の最後になるほど、こういう決着になっていくのか・・・出だしのエドガー青年がなんで必要なのかも最後まで見て分かるようになっております。じつに上手い構成ですね。
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 さて二本目は「バトルシップ」。まずこのバトルシップBattleshipという言葉は何か、というのを正確に知っていないと、この映画の題名の意味とか、最後の方が理解できません。戦争で使う船をなんでも「戦艦」だと思っている人がいますが、違います。戦争で使う船は全体で「軍艦」Warshipといいます。それで、その中には航空母艦とか、巡洋艦とか、駆逐艦とかいろいろな種類があり、戦艦Battleshipはその中の一種類の名前にすぎません。戦艦というのは基本的に、でかい大砲で撃ち合いをするための軍艦です。第二次大戦までは海軍の主力でしたが、その後はミサイルを搭載した、もっと小回りのきく巡洋艦や駆逐艦、あるいは潜水艦、航空機を搭載した空母に主役を譲り、引退していきました。つまり今となっては戦艦は骨董品であり、現役の軍艦ではない、ということが大事なポイントなのです。
 さて、本作の冒頭で主人公のアレックス・ホッパーは、無軌道な青春を送る青年です。彼はふとしたきっかけで知り合った海軍提督の令嬢サムに一目惚れし、彼女のために深夜のコンビニに押し入ってチキン・ブリトーを手に入れますが、警察に御用に・・・。アレックスの兄で海軍軍人のストーン・ホッパーは、弟に「精神を入れ替えて海軍に入れ」と厳命します。それから数年後。立派に海軍大尉にまで昇進したアレックスは、しかし相変わらずの無軌道ぶりでたびたび規則破りをし、今回も環太平洋合同演習で一緒になった日本の海上自衛隊の艦長ナガタと殴り合いを演じ、今度こそ海軍を首になる寸前に。サムとの結婚を提督に許してもらおうと思っていた彼ですが、それどころではなく最大のピンチを迎えてしまいます。さてところで、それまでNASAはある地球外の惑星に生命が存在するのではないかとの予測から、ハワイの電波天文台から強力な信号を発信していました。すると、その星から突如、五つの飛行船が飛来して、一機は中国の香港を直撃、その他はハワイ周辺の海に落ちました。演習中の各国連合艦隊のうち、ストーンの指揮する駆逐艦サンプソン、アレックスの乗る駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズ、そしてナガタが指揮を執るイージス艦みょうこうの3隻が、異星人の船に接近していきます。突如、異星人の船は巨大なバリアを張って3隻を閉じ込めてしまいました。地球の未来はこのたった3隻の日米の艦艇にゆだねられることとなりました。未知の攻撃を繰り出してくる異星人に対し、苦戦する地球側の艦艇。彼らを阻止することはできるのでしょうか・・・。
 ということなんですが、少しネタバレ的なことを付記しますと、結局、上に書いた3隻だけでは止めをさすことができず、ハワイに停泊している記念艦の戦艦「ミズーリ」が引っ張り出されて、その巨砲が火を噴く、ということになります。戦艦ミズーリといえば、太平洋戦争の最後、マッカーサー元帥が日本の代表を呼んで日本の無条件降伏文書に調印したので有名です。まさかこの骨董品の戦艦が役に立つとは・・・というわけで、本作の題名になっているわけです。
 提督役にリーアム・ニーソン、ナガタ艦長に浅野忠信、また女性下士官の役でアメリカを代表する歌姫リアーナが熱演しています。サム役のブルックリン・デッカーも魅力的です。
まあよくよく考えるとけっこう突っ込みどころもありますが・・・やはり、宇宙人が地球の通常兵器で互角に戦える程度の敵である、というのが、そうでないと話が成り立たないからそういう設定なのでしょうが、弱すぎるような感じもあります。がまあ、緊張感あふれる面白い映画になっています。
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 ということでテイラー・キッチュ二本立てでしたが、個人的には長髪のジョン・カーター役の方が似合っていたような感じがします。いずれにしても、正統派の二枚目で、今回の大作に立て続けに出ることで、大いに名を上げるのではないでしょうか。 

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