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2012年4月26日 (木)

タイタンの逆襲

20120426011616  映画「タイタンの逆襲」WRATH OF THE TITANSを見てまいりました。「アバター」で主演したサム・ワーシントンが、その直後に主演した「タイタンの戦い」(2010年)の続編にあたり、やはりワーシントンが主役のペルセウスに扮しています。
 2年前のタイタンの戦いは、1981年の同名映画のリメイクでありました。ギリシャ神話の世界観に基づき、傲慢になって神を信じなくなった人間たちに罰を与えるために、冥界の王ハデスが放った怪物クラーケンを、大神ゼウスと人間の子であるペルセウスが退治するというストーリーです。で、81年版では、クラーケンの生贄として捧げられるところだったアルゴス王国のアンドロメダ王女をペルセウスは救い出して、二人は結婚して仲良く暮らしました、めでたしめでたし・・・という普通の昔話のパターンでした。しかし2010年版はちょっとひねくれており、ペルセウスはアンドロメダ王女を救ったけれど無視して、長年、彼の成長をゼウスの命で見守ってきたイオ(ジェマ・アータートン)という女性と結婚してしまいます。そして、神として生きることも、国王になることも拒否、一介の漁民として地味に暮らす道を選ぶのでした。
 さてそれから10年が経過した、というのが本作の設定です。前作と違って今回はオリジナル・ストーリーなわけです。で、前作でジェマ・アータートンに注目した、という人もいらっしゃるかと思います、私もそうでしたが、残念。今作の冒頭シーンは、イオの墓を詣でるペルセウスの姿から始まります。この10年の間に彼女は死んでしまったようです。そして漁民として暮らすペルセウスは、残された長男と二人で相変わらず地味な生活をしています。と、そこに突然、父である大神ゼウスがやってきます。前作では、親子であるけれどどこかしっくりいかなかった親子。いくらかペルセウスもわだかまりはなくなり、ゼウスを父と呼ぶのにためらいはなくなっています。で、ゼウスはペルセウスにいうのです。力を貸してくれないか、と。人間たちはますます神を信じなくなり、神々は力を失いつつある。その結果、かつてゼウス、ポセイドン、ハデスの三兄弟で地下に閉じ込めた巨神(タイタン)の王であり、この3人の神の父親でもあるクロノスが復活してしまう、というのです。クロノスが目覚めれば、ゼウスが創造した地球も、人類も破壊してしまう、世界は滅亡するというのです。しかしペルセウスはゼウスの申し出を断ります。自分は息子のそばで普通の人間として生きたい、と。
 さて、ゼウスはポセイドンと共に、地下の冥界にいる兄ハデスを訪ねます。3人で協力してもう一度、クロノスを幽閉している地下牢タルタロスを修復し、世界を立て直そう、というのです。が、兄弟を迎えたハデスは、すでにクロノスについて裏切っていました。ポセイドンに傷を負わせ、ゼウスを捕えてしまいます。ゼウスの能力をすべて吸収し、クロノスに引き渡してその復活を企む、というのです。おまけに、ゼウスの息子(ペルセウスからみれば兄)である軍神アレスが、クロノス側についていました。常々、疎んじられてきたアレスは、さらにゼウスの関心がペルセウスに移ったことが気に入らなかったのです。自分の息子に殴り倒されるゼウス。たちまち、クロノスの力が増し、タルタロスから魔物が次々に地上に現れます。
 突如、漁師町を襲撃した双頭の怪物キメラと死闘を繰り広げ、ペルセウスは辛くもこれを倒します。その後、瀕死のポセイドンが現れてペルセウスを訪れます。アルゴスのアンドロメダ女王の元に、彼の息子アーゲノールがいると告げ、二人の神の息子が協力して、地下の国に赴き、ゼウスを助け出し、世界を救ってくれ、と言って息絶えます。本来、不死であった神々ですが、力を失い、もはや死ぬ=消滅するようになったのです。
 さて、天馬ペガサスにまたがったペルセウスは、世界と息子を守るために、アンドロメダ女王の治めるアルゴスに向かいます。彼は父親を救いだし、世界を守り抜くことができるのでしょうか・・・。
 ということで、今作を流れる大きなテーマは父と子、それから兄弟、という人間関係だと言えます。ゼウスたち兄弟の確執、アレスとペルセウスの確執があります。またゼウスとアレス、ペルセウスの親子関係、さらにクロノスというのが神々の父親でもあります。血縁にある人間ほど、愛憎も濃い、ということなのでしょう。
 神々が信じられなくなった時代、戦争が続くため、軍神アレスだけは多くの祈りを捧げられて元気な様子です。そして、人々が彼に祈りをささげると、敵に回っているアレスはその場所を察知し、死神として登場します・・・だから決してアレスに祈ってはならない。神に祈ってはならない、という設定が、「神々の死」に向かう世界観をよく表しています。だからなんとなく、楽天的なギリシャ神話というより、神々の黄昏を描く北欧神話のようなダークな雰囲気です。そしてアクションに次ぐアクションシーン、見事なCG、そのへんは見どころ満載です。
 ということで、娯楽作品であってアクション映画ですが、単純な娯楽作品でなく、重厚な人間ドラマという趣もあります。どこか哀愁のあるサム・ワーシントンがはまり役です。ゼウス役のリーアム・ニーソンも好演しています。見応えのある一本です。

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