« 70億人の憂鬱。 | トップページ | 日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」革靴 »

2011年11月 3日 (木)

三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

 「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」というのを見てきました。これはもう全くの娯楽大作。なんで今さら三銃士、少し前にも映画があったじゃないか、と思うところですが、21世紀的な三銃士で楽しめる作品だと思いましたね。
 それにしても、私は小学生時代に最初にアレクサンドル・デュマの「三銃士」を読んだ時に、なんで題名が三銃士なのか理解できなかったですね。主人公はダルタニヤンという少年で三銃士はわき役じゃないか、と。それに「銃士」Musketeersというのも、つまり原語としては「マスケット銃兵」であって、チャンバラをやる剣士じゃないはずなのに、お話の中ではもっぱらチャンチャン、バラバラ。なにか違和感がありました。
 しかしこの映画だと、もうマスケット銃どころか大砲がどっかん、どっかん。飛行船が宮崎アニメのように出てきて・・・おまけに主人公も三銃士でもなければダルタニヤンですらない! どう見てもこの映画の中心人物はミレディー役のミラ・ジョボヴィッチ。ほとんど彼女の映画のように思えましたし。
 1600年代に飛行船が出てきていいのか、といえば、もちろん史実的には200年以上もずれがあって、この時代にあるわけがない。しかし、物語の冒頭で、三銃士はイタリアはヴェネチアのダ・ヴィンチの秘密の地下室に潜入、レオナルド・ダ・ヴィンチが書き残した飛行船の設計図を手に入れる、というところから始まります・・・いうまでもなく、原作にはないシーンです。しかし、三銃士は首尾よく設計図を手に入れたものの、悪女ミレディーと英国宰相バッキンガム公に横取りされてしまう。
 それから1年後、ガスコーニュの田舎を一人の少年が旅立ちます。彼の名はダルタニヤンといい、父親は国王の元銃士。このころフランスは、若きルイ13世が即位したばかりで、側近の宰相リシュリュー枢機卿は国の実権を手に入れようとしきりに暗躍中。パリに出たダルタニヤンは、三銃士と知り合い、リシュリユー配下でロシュフォール隊長が率いる衛士隊と対立しつつ、ルイ13世の知遇を得て仕えることになります。
 さてリシュリューは、新たな悪だくみとして、国王がアンヌ王妃に贈った首飾りをミレディーに命じて奪取させ、英国のバッキンガム公の手元に密かに忍びこませるようにします。こうして王妃がバッキンガムと通じていることにし、英仏を開戦させ、戦争のどさくさにまぎれて国の権力を奪おう、という魂胆です。5日後の舞踏会で、王妃は首飾りを身に着けないといけません。ここで首飾りがなければ国王は激怒し、開戦となります。さて、ダリタニヤンと三銃士は英国に行き、首飾りをミレディーから奪おうとするのですが、さて・・・。
 という具合で、まあ大筋では意外に原作に近い線で進みます。人間関係はかなり省略していますが。娯楽作品的にはこのぐらいの軽さでちょうどいいかも。
 なんといっても目立つのは悪女ミレディーのジョボヴィッチ。華麗なドレス姿でアクションをこなす彼女は17世紀の秘密諜報員で、なんといってもカッコいい。なにしろポール・アンダーソン監督の奥さんですから、ついつい奥さん中心に撮るのは当然ですね。
 それからなかなかのはまり役は、バッキンガム公を演じるオーランド・ブルーム。この人は現代劇はいまひとつですが、時代劇はなんでもOK。そして初めての悪役もそつなくこなしています。いいんじゃないですか、悪役。似合っていますよ。
 もうひとり挙げれば、「イングロリアス・バスターズ」のナチスSS大佐役で名を上げたクリストフ・ヴァルツのリシュリュー。この人も相変わらずの見事な悪人ぶり。得意のフランス語なんか聞いてみたかったですが、そういうシーンはなかった。
 で、肝心のダルタニヤンは、「パーシー・ジャクソン」で有名になったローガン・ラーマンという人。撮影時は18歳で原作通りとか。熱演ぶりでよかったと思います・・・しかしあれです、やはり今回の映画では三銃士とダルタニヤンはむしろわき役な感じ。上に挙げたような悪役3人組のほうが目立っていました。

|

« 70億人の憂鬱。 | トップページ | 日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」革靴 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122224/53149694

この記事へのトラックバック一覧です: 三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船:

« 70億人の憂鬱。 | トップページ | 日刊ゲンダイ連載「辻元よしふみ おしゃれウンチク堂」革靴 »