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2011年10月28日 (金)

キャプテン・アメリカ/カウボーイ&エイリアン

映画を2本立てで見てきました。ひとつは「キャプテン・アメリカ」。もうひとつは「カウボーイ&エイリアン」。どちらも娯楽作品ですね。そしていずれもSFファンタジーなんですが、また時代劇でもある、という異色作品です。前者は第二次大戦下、1940年代のアメリカが舞台。後者は、南北戦争終了直後の1870年代の米西部が舞台、というわけです。
 「キャプテン・アメリカ」はマーベル・コミックのシリーズ作品の中では最も古いヒーローであるキャプテン・アメリカの誕生話から戦時中の活躍を描いた作品。そもそもこのヒーローは大戦中に戦意高揚として生まれたわけです。で、本作でも軍のキャンペーンでショーをやらされて、大いに士気高揚を手伝わされるシーンが出てきますが・・・しかし、実際に見てみると、そんなアメリカ礼賛色みたいな変な色合いはない映画です。実は、見る前にはそのへんに危惧があったのですが、まったくそんな映画ではなかったです。
 愛国心に燃えながら、生来の虚弱体質で5回も志願兵検査に落ちたスティーブ・ロジャーズ。しかし彼の正義感あふれるまっすぐな性格と勇敢さに興味を持ったアースキン博士は、彼を陸軍の戦略科学予備軍に採用します。博士は、特殊な血清を用いて人体を改造した兵士で結成するスーパーソルジャー計画の責任者。かつてはドイツ人で、ナチスの特殊兵器開発部門ヒドラの長官シュミットに血清を打ったことがある。その結果、シュミットは邪悪な化け物になってしまったわけですが、アメリカに亡命したアースキン博士は、心に邪悪なもののない青年を探し求めていたのでした。そして結局、スティーブは超人になるための血清を打たれて人体改造に成功。その直後に、博士はヒドラの送りこんだスパイに暗殺されてしまい、スーパーソルジャー計画は中止となり、スティーブはただ一人の超人として、軍のキャンペーンを担当するキャプテン・アメリカ(アメリカ大尉)になるのですが・・・しかし、前線を慰問した際、自分の無力さを痛感。そこで、戦略科学予備軍の女性将校ペギーから示唆を受けて、ヒドラに捕えられた親友を救助するべく、ヒドラの秘密基地に乗り込むことになるわけです。かくて、ヒドラとキャプテン・アメリカの戦いの日々が幕を開けるのです・・・。
 ということで、キャプテン・アメリカを演じるクリス・エヴァンスが好演。虚弱な体格の時代の方がおそらくCG処理で、筋肉隆々の変身後が本当の彼なんでしょうが、好青年ぶりがよかったですね。かれの上官のフィリップス大佐にトミー・リー・ジョーンズ。渋い演技でした。ヒドラ長官シュミットにヒューゴ・ウィーヴィング。これも見事な怪演ぶり。それからペギー役のヘイリー・アトウェルが軍服姿もりりしくて魅力的。この人、良かったですね。かっこいいヒロインでした。
 後味もよく、いい映画ですが・・・最後はちょっと、あれではかわいそうでしたね。あと敵役はナチスの一部門なんですけど、服装はオリジナル。で、本物のナチスとしてSSの将校が3人ほど出てくるんですが、ちょっと服装はいい加減。グレーの制服で赤腕章とかはいただけません。一方、米軍の方はかなり時代考証的にちゃんとした軍服のようです。
 ◆  ◆  ◆
 もう一本の「カウボーイ&エイリアン」はさらに異色。要するに、殺伐とした西部劇が基盤にあって、これがかなり本格テイストなわけです。ところがそこへ持ってきて、1870年代に地球に飛来したエイリアン軍団・・・ここらは「プレデター」みたいな感じですね。それがなかなか、面白いブレンドになっている映画ですね。
 1873年、サンタフェに近い西部の荒野で、一人の男が目を覚まします。なにも記憶がない。そして腕には謎めいたごついブレスレットがはまっています。彼は、通りすがりの荒くれ者3人を瞬時に片付けて馬と服、銃を奪い、近くの裏さびれた街へ。この街は南北戦争で名を上げたダラーハイド大佐とその息子が牛耳っていて、街の人に無理無体を押し付けている状況でした。当然、そこにこういう名前も分からないよそ者が乗り込めばひと悶着あるのが西部劇の王道。男は保安官に逮捕され、自分がお尋ね者の悪党ジェイク・ロネガンであることを知らされます。たまたま一緒に逮捕された大佐のバカ息子と共に、サンタフェに護送されそうになったそのとき、ダラーハイド一味が現れて、息子と、それから恨みのあるロネガンを引き渡せと保安官に強要します。さて、ここで普通の西部劇なら一色即発、撃ち合いになるんですが・・・なんとここに、突如なんの前触れもなく謎のエイリアンのUFOが飛来して、街を破壊し尽くし、人々を誘拐し始める。大混乱の中、ロネガンの腕にはめたブレスレットが光り、武器として作動します。そしてUFO一機を撃墜。人々が驚く中、ダラーハイド達はエイリアンに浚われた息子たちを取り戻すため、撃墜したUFOから逃走したエイリアンを追跡することになります。どうも何か事情を知っていそうな謎の美女エラも現れ、さてお話はどうなっていくのでしょうか・・・。
 さて、ロネガンを演じるのはボンド役者のダニエル・クレイグ。ダラーハイド大佐にはハリソン・フォード。二大スターの競演で、もうその存在感だけでこの映画は決まり、なんですが、実際、いい味を出していますね。西部劇のパートの、いかにも西部劇的な展開と、SFになってくる後半とが不思議な持ち味になっていて、まあなんとも奇妙な映画なんですがそれで思ったほど違和感もない。エイリアンは爬虫類系なんでしょうか、なんとも気味の悪い、あまり知性を感じない連中。だけど高度な技術は持っており、まあプレデターっぽいですかね。
 この不思議感は、見てみないと分からないかもしれません。まあ、結構、陰惨な映画でもあり、これもエンディングはちょっと物悲しいですが、見て損はないと思います。 

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