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2011年6月16日 (木)

X-MENファースト・ジェネレーション

 映画「X-MENファースト・ジェネレーション」を見てきました。なんだかんだと、いろいろ文句を言われながらもこのシリーズは続いていて、そして私も、そんなに思い入れがあるというわけでもないのに、結構、ほとんど全作を見ています。そんなわけで、この作品もチェックの対象になったのですが・・・これがなかなかどうして、いい作品でした。本作は、今までのX-MENシリーズの発端編にあたり、どういういきさつでX-MENが組織され、そしてあのような戦いの状況になっていったか、を解き明かす内容になっています。
 まず監督がマシュー・ヴォーン。つい最近、KICK ASSをヒットさせたばかりの若手で伸び盛りの監督です。そして主演がジェームズ・マカヴォイ。「ナルニア国物語」「ラストキング・オブ・スコットランド」そして「ウォンテッド」で印象的な演技を残してきたこちらも若手の伸び盛り。これまでの出演作では殴られたり迫害されたりと、どちらかといえばいじめられ役が多かった彼ですが、今回はX-MENのリーダーとなるチャールズ・エグゼビアを演じています。これの親友にして、後に生涯のライバルとなるマグニートー役に、「イングロリアス・バスターズ」でドイツ語堪能な英軍将校を演じたドイツ人俳優(ややこしいですね)マイケル・ファスベンダーが登場。これが、従来のシリーズで枯れた演技を見せてきたイアン・マッケランのマグニートーとは一味違い、非常にかっこよくてニヒルでアクティブな仕上がりになってるのが注目されます。さすがにヨーロッパの人は違うというのか、ファスベンダーは本作で、英独語はもちろん、フランス語やスペイン語まで操り奮戦しています。
 そして、マグニートーの人生を大きく変えた元ナチス幹部セバスチャン・ショウをベテラン・ケヴィン・ベーコンが嬉々として演じています。悪役というのは、俳優さんにとって本当に楽しそうですね。
 ほかに、「トロイ」などでの好演が記憶に残るローズ・バーンなどが出演していますけれど、なにしろ「ファースト・ジェネレーション」ですので、ものすごい有名俳優・大物というのは出ていません。
 お話は1944年のナチス強制収容所に始まります。特殊な能力があることを認められた少年マグニートーは、ナチス幹部シュミット(後のショウ)に強要されて金属を自在に操る能力を開花させます。そして時代は下り1960年代、特異な読心能力を持つミュータントのチャールズとマグニートーは、米ソの全面戦争を画策するショウに立ち向かうべく、争いに巻き込まれていきます。時まさにキューバ危機のさなか、彼らは核戦争を回避することができるのでしょうか・・・。
 人類とミュータントとの共存を唱えるチャールズと、人類を敵とみなし、少数派であるミュータントが結束して人類を倒そうと考えるマグニートーの思想の違いが、徐々にあらわになっていって、後のシリーズにつながっていく、というわけですが、マグニートーがそもそもユダヤ人であり、強制収容所の出身であることを明示して、彼がこのような思想に走っていく事情が描き出されているわけです。そして、気がついてみると、常軌を逸した選民思想といいますか、優れた新人類による支配を打ち出す・・・それは、仇敵である元ナチスのショウの思想そのものなのですが、まさに敵の考え方を受け継いでしまうわけですね。
 マシュー・ヴォーンらしいテイストで、話のテンポ、展開が非常に分かりやすく、ストレスを感じない2時間20分でした。いろいろな点で原作のコミックとは相違しているようですが、映画版の「エピソード1」として非常にうまくまとまっています。
 娯楽作品ですが、なかなか考えさせられるものがあり、味わいのある映画だったと思います。なお、本シリーズのアイコンでもある「あの人」がワンシーンですが特別出演しています。こちらも注目。

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