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2011年3月 3日 (木)

「ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島」、「英国王のスピーチ」

 このたび初めて二本立てで映画を見ました。先々のスケジュールをにらむと、どうしても一日で片づけておきたいな、ということで・・・。それで、「ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島」と、「英国王のスピーチ」を続けて見ました。
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 「ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島」はシリーズ三作目で、原作小説では「朝びらき丸 東の海へ」と呼ばれているもの。映画の原題も同じくThe Voyage of The Dawn Treaderのままのようです。そして、今作の脚本はこれまでの二作よりも自由に再構成しているというか、もちろん原作の大筋は外れていませんが、前後をずらしたり、中心になりそうな挿話を拡大誇張したりと、いわば、かなり牧歌的な乗りの原作を、ドラマチックなアレンジでデフォルメしているような印象を受けます。そういうことをすると、持ち味が損なわれる場合もしばしばありますが、今作については成功している、そのような映画的な解釈がうまくいっているように私には思えました。
 やはり時代背景は第二次大戦下の英国、前作まで登場したぺベンシー四人兄妹のうち、下の二人、エドマンドとルーシー、それにいとこのユースチスが、ふとしたことからナルニアの海に導かれ、前作でナルニア王となったカスピアン率いる「朝びらき丸」に救出されて、今回は海を舞台にした冒険が繰り広げられる、というわけです。
 先にも申しましたように原作小説と大筋では変わりないのですが、いくつかのハイライトシーンを強調して、ふくらましている感じです。またエンディングも、ちょっと感傷的でいいのじゃないでしょうか。なかなか心を打つ演出になっております。
 気になりますのは、ペベンシー兄妹はこれで出演が最後だ、とパンフレットなどでコメントされている点です。たしかに原作通りだと、これからしばらくペベンシー兄妹の出番はほとんどないわけですが・・・しかしどうなんでしょう。今後、どういう映画化をするのか。全部で7巻ある原作だと第5巻の「馬と少年」という作品と、最終巻である「さいごの戦い」にはこの兄妹が再び、出るようになっているのですが、映画化はしないのでしょうか? ちょっとそのへんが気になりました。ここまで映画化するのなら、ちゃんと最終巻までやってほしいと思うわけですが・・・。
 全編とてもよくまとまっていて、いい映画だったと思います。原作のファンも納得できるのじゃないかと思いました。
 ◆  ◆  ◆
 「英国王のスピーチ」は、先日のアカデミー賞で12部門ノミネート、5部門受賞という快挙を成し遂げたわけで、一躍、注目映画となりました。エリザベス女王の父で、第二次大戦下で国王だったジョージ6世が、吃音で悩みながら、オーストラリアから来た型破りの言語療法士の診療を受けて、少しずつ立ち直っていくようなストーリーで、実話が元になっております。
 なにしろ、国王の後継者としては、兄のエドワード8世、退位後はウインザー公の名で知られる人物がちゃんといたわけで、まさに世界大戦が始まろうという大変な時に、この兄が人妻シンプソン夫人との恋愛というきわめて個人的理由で王位を放棄してしまったために、いやいやながら王位に押し上げられ、人前でスピーチするのが仕事のような立場につかされてしまうわけです。もともと身体的にも頑健でなかったジョージ6世は、戦争の心労で命を縮めたともいわれており、エリザベス王妃(後の皇太后)は最後まで、ウインザー公とシンプソン夫人を許さなかったといわれています。
 なにかとファッション系の雑誌などで、稀代の洒落者だのダンディーだのと持ち上げられることも多いウインザー公ですが、ジョージ6世側からみれば、こういう描き方になる、というのも知っておきたいところです。おまけにこの映画でもちらっとセリフで、エドワード8世が「欧州のことなどヒトラーに任せておけばいい」と口走りますが、エドワード8世ことウインザー公がかなり親ナチ派だったのも有名な話で、まあただかっこいい人だったじゃすまない、政治的にも大問題のあった人だというのは押さえておきたいところ。
 映画は、いかにも曲者の療法士ローグと、かたくななジョージ6世のやりとり、それに優しいエリザベス王妃の3人のやりとりが絶妙に進んでいく、見ていてとにかく安心していられるものでありました。幼いエリザベス王女(今の女王)も登場して、いいワンポイントになっております。
 チャーチルやチェンバレンなど歴代の首相も出てきますが、一部でチャーチルの描き方が史実と違う、というような批判も出ているようです。チャーチルは兄エドワード8世の方を支持していたはず、というようなことらしいですが、がまあ、そのへんは映画上の演出の一種といっていいのじゃないかとも思います。  
 人物たちが身にまとう、いかにも30年代風の重々しくてきちんとした仕立ての紳士服や制服もいい味を出しています。歴史劇というほど昔の話ではないけれど、やはり史劇なわけで、かなりこだわって再現しているように見え、見どころの一つでしょう。
 見終わって非常に、いいものを見た、という余韻が残る映画でした。受賞も納得という感じは致しました。

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