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2010年12月18日 (土)

ロビン・フッド

リドリー・スコット監督といえば、「エイリアン」みたいなSFものと「グラディエーター」のような史劇で有名ですが、その史劇の最新作である「ロビン・フッド」を見てきました。主演はやはりグラディエーターでコンビを組んだラッセル・クロウ。
 さてその「ロビン・フッド」といえば良く知られたイギリスの義賊ですが、これまでに何度も映画化されております。エロール・フリンやダグラス・フェアバンクスの古典的な作品から、ショーン・コネリーとオードリー・ヘプバーンによる晩年のロビンを描いた異色作「ロビンとマリアン」とか、ケビン・コスナー主演の正統派活劇「ロビン・フッド」、コメディー版のメル・ブルックスによる「マン・イン・ザ・タイツ」とか。ではありますが、良く知られている割に、一体そのロビン・フッドというのは何者なのか、については良く分かっていない、それで映画化のたびに設定もまちまち、となっております。
 それもそのはずで、そもそもモデルになった人物が実在したようではあるが、本当のところはさっぱりはっきりしない。あくまで伝説上の存在なんですね。で、今回の映画化は、実在したとしたらこういうことだったんじゃないか、こういうような経緯で、森に潜む盗賊で弓の名人、反権力の象徴となったのではないか・・・そんなところを描いたものです。すなわち史実ではないのだが、真実はこんな感じでは、という推測から生まれた作品となっているのが特徴であります。
 そういうことで、リチャード獅子心王からジョン王の時代、混乱していたイングランドの状況が史実に基づいて描き出され、そこに、ロビンらの架空の人物が絡み合っていく、という描き方になっております。時代的には、いまだ英国とフランスという二大国が明確に分離する前であり、隙あらば領土を取り合おうとしていた状況で、この関係はさらにこの後の時代の100年戦争につながっていくことになります。
 この混沌とした時代に、映画では一介の長弓兵としてロビン・フッドは登場することになります。彼が時代の大きな流れにどのように巻き込まれていくのか、が見ものなわけでありますが・・・まあそのへんはご覧になっていただくとして。
 それにしてもイングランドが誇るロングボウ、長弓の威力、その武器としての力強さが印象に残る映画です。数々の戦闘シーンでこの弓の素晴らしい力が何度も描かれています。王侯や騎士たちのコスチュームも重々しく、こうした史劇の最大の魅力である視覚的効果を十分に発揮しています。
 で、なんといってもラッセル・クロウ。男らしく渋いロビン・フッド像は非常によろしいですね。ワンシーン、鎖帷子を脱いで上半身裸になりますが、鍛え上げられた見事な肉体美です。今作のために、毎日200本も弓を射て鍛えたそうです。役作り、お見事。
 それからケイト・ブランシェットも光ります。今作のマリアンは単なる令嬢ではなく、人生経験も積み、自らの手で運命に立ち向かえる力強いヒロインです。そこらへんを巧みに表現しています。
 史実というわけではない、しかし真相は本当にこうだったのではないか・・・まさにそんな思いにさせてくれる重厚な作品です。

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