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2010年3月28日 (日)

各誌のピッティ特集と「ボルサリーノ2」

516fzqzlg4l__sl500_aa240_  地域によって違うのでしょうが、首都圏は寒いです。もう4月が間近で花見がどうの、という時期なのになんですかこれは。北海道なんかまだ雪が降っているとか。私もはっきりいって冬のコートとマフラーはさすがに片づけて、軽いストールとナイロンのコートにはしましたけれど、夜勤の日は手袋必携です。ぜんぜん違和感なし。この時期には、普通はもうラナパーかなんか塗り込んで片づけてます、レザーのグローブなんて。
 さすがに温暖化って単純なハナシは急にいわなくなりましたね。気象変動とか異常気象であって。右肩あがりの一本調子の温暖化なんてフィクションですよ。
 ◆  ◆  ◆
 さいきんのファッション各誌も、不況下で大変だなあ、と思いながら拝読していますが、この時期になると必ずどこもかしこもピッティ・ウオモの会場で見かけたおしゃれな御仁特集、というのをやりますが・・・どうなんだろう。たいしたことない人もたくさん来ていると思いますけどね、業界関係者ったって千差万別なんだから。特に近頃の、やたらぴたぴたした股引みたいなスラックスとか、ちょっと裾丈が長いジャケットみたいに劣化しちゃったコートとか。本当にあれが格好いいと? 流行=格好いい、は嘘だと思いますが。近年の服装はシルエットだけみると、ブルゴーニュ公国が華やかなりしころ、フィリップ善良公時代の13,4世紀のファッションに似ています。シルエットの重心がやたら上に上がって、足はほとんどタイツ状態で、靴の先がとんがっている。これ、13世紀のハイファッションですよね。おまけに当時の流行色は黒ですから、ますますそう見える。基本的には背が高くて足が長い人じゃないと格好悪い服装でもありました。普通の日本人がやるとダメな道化になります。というか、典型的なピエロのファッションって、だぶだぶタイプとぴたぴたタイプがありますが、後者はこの時代に活躍した宮廷道化師の末裔なので、やはりそんな格好をしている。
 しかしもう、15世紀にはいると今度はでっぷりしたシルエット、首周りにラフ、足元はミッキー靴みたいな円い靴に変化しますから。ごく短い流行でした。色彩もぐっと派手やかになります。だぶだぶ系のピエロはこの時代の末裔でしょうね、きっと。で、まともな紳士服らしくなるのはようやく17世紀に入ってからでございまして。
 私はぴたぴたのパンツに素足履きのギョーザ靴、というさいきんの流行はどうも好きません。むしろだっぷりした30年代風のズボン(ズボンとあえて言いたい)が好きですね、どちらかといって。といって不良学生みたいに乗馬ズボンみたいにふくらませるのも苦手。乗馬ズボン(ブリーチズ)ならちゃんと乗馬ズボンを履いてブーツというのがいい。
 やや幅広のスラックスの裾と、艶のあるひも靴の隙間から、とても上質な靴下がちら、と見える。ときとして大胆な色遣いだったりする。これが、いちばん格好いいですね、自分の個人的な感性では。これほど色気があるものはないですよ。ロラン・バルトいわく「隙間から見えるものほどエロチックなものはない」ですよ。
 ◆  ◆  ◆
 そんな個人的願望を堪能させてくれる映画を手に入れました。去年の春に発売されていたけど、入手していなかったアラン・ドロンの「ボルサリーノ2」です。1974年のフレンチ・ギャング映画ですが、本当にファッションショーみたいな映画。音楽も衣装も小粋で、話のテンポもいい。それに、敵となるイタリア・マフィアはただのごろつきじゃなくて、どうもベルリンのナチス党とか、ローマのファシスト党と関係のある極右集団という設定。映画の中でちら、と出てくるけど、小銃をドイツからマラガへ密輸する話が出てきます。つまりスペイン内戦にも武器を密輸しているわけ。1930年代の混沌とした情勢をいろいろ織り込んでいるのも興味深い。
 しかし何しろ、男たちの格好が良いです。みんなボルサリーノを被っているのは当然ですけれど、コート姿も、タキシード姿も、三つぞろい姿も完璧。トロウザーズは幅広、ラペルは大きい。肩はかっちりしていて、しかし怒らない。シングルのスーツはフィッシュマウスの襟型も見受けます。ナチスかぶれの敵役は、ものすごくでかい剣襟の背広で登場します。おそらくナチスの宣伝大臣ゲッペルスのイメージ。よく出来ています。よくなにか映画のファッションというと、みんな同じように同じような映画と俳優を取り上げますが、ケイリー・グラントとか、ショーン・コネリーとか、フレッド・アステアとか。しかしこの映画のアラン・ドロンは最高です。私はこの映画を観てから、冬場に黒いフォーマルな服を着るときは、何が何でも白いマフラーを巻くようになりました、はい。
 

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