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2009年5月 9日 (土)

胆石症、総胆管結石、腹腔鏡下胆嚢摘出術の顛末

 ということで、ようやく退院いたしました。御関係の皆さま、ご迷惑をおかけいたしましたがいろいろお気づかいをいただきましてありがとうございました。
 ・・・と、こう書いて、詳細をご存じない方もおいでのはずなので書きますと、3月の半ばからここまでに入院3回、手術2回、ということになりました。病名は胆石症、胆嚢炎、および総胆管結石、ということでした。
 ◆  ◆  ◆
 3月13日、夜になって腹部に激痛が走りましたが、3時間ほどで回復したため「もしまたこういうことがあったら病院に行こう」と思いそのまま観察。
 そして3月18日朝、再び同じような激痛があり、タクシーで最寄りの病院に、と思いましたが我慢しがたく、救急車を呼びました。
 担ぎ込まれた病院で「右腹部が痛いなら胆石の可能性も」といわれ、自分もひょっとしたら、と思いました。翌日、CT検査と超音波検査で胆石と断定、肝機能の数値が極度に悪くそのまま入院、絶飲食で点滴、となりました。
 このU病院で、3月19日から27日までお世話になりましたが、肝機能が安定したためいったん退院。土日をはさみ30日に、U病院の紹介状を携えてJ大学病院を受診しましたところ、手術を前提に検査、と指示されまして、またレントゲン、CT、心電図などの測定をするとともに、総胆管結石がある以上、外科的手術の前に十二指腸乳頭部の切開手術(EST)を内科で受けてくれ、といわれました。
 そこで4月1日に内科を受診し、6日に入院、即日にESTを施行と告げられました。これは内視鏡で口から十二指腸に達して総胆管と十二指腸の間の乳頭部という部位を切開、これ以上胆嚢から胆石が落石してきてもつまらないようにする措置です。
 まずは麻酔薬でうがい、ついで麻酔ゼリーを5分間、口に含み、さらに麻酔薬を飲み干しまして・・・しかしマウスピースは大きなもので、生まれつきものを飲み込んだり口を大きくあけるのが苦手な自分には地獄の苦しみでしたが・・・その後、点滴で傾眠状態に入って内視鏡そのものは難なく入りました。しかし・・・切開となると激痛が走り、どうも私はそのへん、麻酔の効きが悪いらしく、ふつうは記憶に残らないのでしょうが、はっきり記憶に残っていまして、「ぐわああ」とうめいてもがいたのを覚えております。
 いやあ、案ずるより産むがやすし、は嘘ですね。完全に産むより案ずるがやすし。
 とまあ、かなり苦痛を伴う切開術でしたがなんとかクリア。その後、合併症などもありうるので10日まで入院しました。
 13日に再び外科に戻って、さらに検査を求められましたが・・・なんと上部消化器を念のために検査するため、またも内視鏡を、と言われこの世の終わりのような絶望感にとらわれました。
 が、医師の指示なのでしかたなく15日にまたも内視鏡検査。今度は傾眠にしないで試しにのんでみましたが、まったくダメで内視鏡を吐き出してしまいました。そんなわけでまた点滴をやり・・・30分で終わるはずが、麻酔さめるまで2時間ほど、またまたひどい目にあいました。いや本当に内視鏡にはトラウマができてしまいました。
 さらに肺活量検査やエコー検査をやって、4月27日に入院、28日に腹腔鏡下胆嚢摘出術、と決定しました。これは大きく開腹せず、胸の中央、右胸部、それにヘソの部分の3か所(場合により4か所)をレーザーメスで切開し、腹腔鏡を差し入れ、肝臓を持ち上げて裏側の胆嚢を探り、胆管をクリップで閉じて、胆嚢を切り取り、ヘソを切り開いた穴から取り出す、というものです。昔は胆石というと大きく腹部を切開し、内臓を全部取り出して裏側の胆嚢を取り出しましたが、1990年ごろから腹腔鏡手術が一般化し、今ではこちらが第一選択、難しい場合にのみ昔のような大きい開腹、ということだそうです。  
 事前にいろいろ調べて、全身麻酔による胆嚢の手術にはイメージがありましたが、とにかく自分の場合は胆石の中では、黄疸まで出たかなり重症のほうなので、炎症、癒着の程度によってはよくある「日帰り胆石手術」のような簡単にいかないことも想定され、かなり不安でした。
 手術前日、ひそかに恐れていた「浣腸」とか「2リットルに及ぶ下剤の服用」とかはなく(下部消化器の手術ではそのような苦痛を伴う準備措置があるようです)、単に下剤として錠剤を二粒、飲むだけですみました。麻酔医、執刀医の説明があり(例によっていろいろリスクを聞かされ、脅されますがまあ想像の範囲内です。全身麻酔の手術ですから万一の場合があるのは当然です)、午後9時から絶食、0時から絶飲食。
 翌28日朝、まずは点滴、それからこれも恐れていた「鼻管」・・・これは胃液を吸い出して万が一の嘔吐の場合、胃液が肺に入ることを防ぐ措置です・・・を医師が鼻から通そうとしましたが、ものすごく苦痛でやっぱり駄目。とにかく私には口や鼻から何かを通すのは全部ダメなんですが、そこで、この管も麻酔で気絶した後に入れてもらうことにしました。
 ほかに、麻酔中に尿管・・・つまり膀胱にチューブを入れ小水を採るものですが、意識がある場合には激痛を伴いますがこれも気絶中に、さらに麻酔をかけると喉に気管挿入といって太いチューブを押し込み呼吸をコントロールしますが、これも気絶中にやります。もちろん普通の状態じゃ絶対にそんなもの、喉に押し込めません。よく全身麻酔の手術ではたばこを吸う人は危険、というのは、気管挿入すると痰が多く出るので危険が伴うのだそうです。また術後も喉がどうしても傷むため、普通の人より痰で苦しむことになります。
 9時に手術室までベッドで運ばれ、そこで浴衣を脱ぎ、手術台に横たわりました。背中から脊髄に注射する下半身局部麻酔と違い、全身麻酔ですのでまずl口にマスクを着け、点滴しながら眠りに入るというものです。
 一番心配していたのが麻酔の効き具合で、前に歯医者でも、また前回のESTでも点滴程度ではかなり意識が残っており、自分は効きにくいかも、という不安がありました。よくいわれる「3つ数えてください」というのはここの病院ではなく、マスクを当てられて数秒、
 「はい、そろそろ効いてきましたか」と聞かれました。「うーん、ダメなようですな」
「・・・そろそろ、効いてきましたか」「いやあ・・・まだ駄目ですね」
「・・・・・・そろそろどうでしょうか」「うーん・・・まあ、そろそろ・・・」
 こういうやりとりを3回、したところで私はようやく気を失ったようです。
 そして、この効いたか、効かないかというやりとりがまだ繰り返されているのか、と自分では思っているうちに(つまり4回目の質問が来るのかな、と思った瞬間に)意外なことに麻酔医から聞かされた言葉は「はい、辻元さん、終わりましたよ」でした。
「お、そうですか・・・なんか、やり取りしてる間に終わりましたね」
「やり取りしてる間、ですか?」と医師がちょっと面白がるように言いました。
「何時ですか」「11時半です」「おや、早いですね。じゃあ順調だったんですね」
「はい、順調でした」
 そんなやりとりをしましたので、まったく意識ははっきりしたまま病室に戻りました。
 しかし徐々に麻酔がさめてくると激痛が襲ってきました。いかに腹腔鏡下の手術とはいえ開腹しているのだから当然です。幸い、これも鎮痛剤を入れてもらって30分ほどで緩和。
 24時間後、心電図と尿管を抜いてもらい・・・この尿管を抜く、というのがまたかなり激痛というか、気持ち悪いのですが、とにかく抜いてもらい、まもなく点滴も終わって、術後1日で、早くも立って歩けるようになりました。傷口は痛いですがまあ、それほどのこともありません。29日の昼からは食事も再開しました。場合により肝臓にドレーン(管)が残る場合もあるようですが、今回はそれもありませんでした。麻酔の気管挿入のため痰も出て身を起こせない間は苦痛でしたが(咳払いするだけで傷口が痛みますし)それも3日ほどで完全になくなりました。
 そして・・・以後の経過は良好で、合併症も起こらず、傷口も問題なく、5月の7日午後に退院となったわけです。
 ◆  ◆  ◆
 結局、入院日数はトータルで25日、手術2回、検査はもろもろで20回ほど。大変なことになってしまいました。世間一般では胆石というとごく軽い病気と受け取る人が多いようですが、それは発症していない状態で、私のように総胆管がつまり黄疸が出て肝臓の合併症までいっているとそう簡単ではすみません。このように2、3か月はかかってしまいます。手術の経過によればさらにもっとかかったかもしれません。
 実はここ1年ほど、ストレスがあったり少し重いものを食べると胃が痛い、と思っていました。特に日頃から早食いで体力に自信があって無理をしてしまうような人のほうが、かえってこの病気にはかかりやすいものです。私もそうでした。
 3月ぐらいからかなり悪くなっていたようで、3月13日の最初の発作以前、たまたま撮った写真を見ても、顔がむくんでいてどす黒いというか、悪い顔色なんです。この段階で気づいていればもっと楽にすんだのでしょう。
 そして、発作が起こらなければもっと悪くなるまで気づかず、最悪の場合、命取りになったかもしれません。不幸中の幸いだったのかもしれない、と思っております。なんにしても胆石の激痛(それは本当にきついもので、脂汗がにじんで立っていることも座っていることもできないような苦痛です)も結局、2回経験しただけで済みました。
 ◆  ◆  ◆
 と、こんな具合で私の胆石症との戦いは一応、終わりました。2か月も寝ていたので体力が低下しておりますが、徐々に回復していくと思います。もし、これから胆石や全身麻酔の手術をされる方のために、一応、経過を書いておきました(私も手術の前にいろいろな方のブログやサイトを拝見して参考にしましたので)。
 ご参考になりましたら幸いです。個人的には、全身麻酔もかなり不安なものですが、2度の内視鏡のほうがいやな記憶が残りましたね。
 
 
 

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