« 2008年4月 | トップページ | 2008年6月 »

2008年5月23日 (金)

ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛

 「ナルニア国物語 第二章 カスピアン王子の角笛」を見て参りました。話題作の第二弾です・・・見終わっての感想を言いますと「なんか、すごい戦争映画になっちゃったな」と。これは悪い意味じゃありません。よくまあかくも立派な活劇に仕立てたものと感心しました。

 といいますのも、実は原作のほうはけっこう地味というか、読んでみるとシリーズの中ではやや、盛り上がらない感じといえばいえるんです。これ、「指輪物語」でも緊迫感ある第一部、クライマックスの第三部と引き比べて、ガンダルフが行方不明になっている間の第二部がちょっと間延びしている、のと似ているかもしれません。また、原作の展開が、本筋の大事なところを登場人物の回想、会話で処理している部分が多いところもちょっと似ています。映画でもロード・オブ・ザ・リングの第二部はいまいち話題にならなかったですよね。なにしろサルーマン軍の壊滅のくだりは原作じゃ、全部、回顧談に出てくるだけという有り様ですから。

 さてそれで、今回のナルニア第二部もそんなところがあって、原作では、久々にナルニア国に舞い戻ったペベンシー兄妹が「おや、ここは昔我々が暮らしたケア・パラベルの城の廃墟だ!」と気が付くまでに相当なページが割かれますし、その後も、捕虜になっていた小人から一部始終か語られるのですが、その中でカスピアン王子の話もあかされる、といった展開。けっこう読んでいてまだるっこい。そしてこの話、全体に何か牧歌的。

 なんでもC・S・ルイスは第一部だけ単発の予定だったが、好評につき第二部以後を書き足したそうで、あとで全部をつなげるとなんとなく一部が浮いている感じがするのもそのため。で、第二部は以後の展開のためのつなぎ的な役目を負ったんですね。

 そういう訳なので、映画化に当たっては原作そのままだとけっこう冴えないことになりかねない、という部分でかなり苦心しています。しかし、後で読み返してみると、確かに大筋としては映画に出てくる通りなので、決していい加減にオリジナルをいじくっていることもなく、なかなか巧妙だと思います。というか、「ああ、つまりこういう話なんだな」と映画を見て見直したような感じ。

 とにかく非常にシビアな戦争シーン満載の娯楽作品に仕上がっております。ファンタジーと言うより中世の合戦映画もののよう。ベン・バーンズ演じるカスピアンは、話の筋からいってちょっと頼りない人物、ということなので、前宣伝のイメージに比べて案外、活躍しない気がします。しかし、この人物は次の第三部のほうが本当の主人公なんでこんなものでしょう。4兄妹は前作同様の熱演ですが、上の二人、ピーターとスーザンがこれで引退なのが残念・・・。どうなんでしょう、ちゃんと原作通りに映画化するなら、ピーターは最後の弟7部でまた登場するはずなんですが、ちょっと役者としては間があきすぎになりはしないかな、と。そして、スーザンは本当に二度と行かない、わけですね。

 原作では話題しか出てこないティルダ・スウィントンの魔女がちょっとだけ出てくるのも、うれしいサービス。この人も、むしろ後の章でまた出てくるはずなんですが・・・。

 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年5月 8日 (木)

スパイダーウィックの謎

 なんか風邪ひきました。暑いのか寒いのかはっきりしないこのごろ、思いきりよく冷房をガンガンつけてくれている電車や建物がありますが・・・勘弁してほしいな、と。けっこう乾燥した風が吹いてきて、蒸していない日など、一発で風邪ひきます。地球温暖化=なんでもかんでも暑くなる、というイメージは違うと私は思うのですが(今でも、本当に人類のCO2が地球の平均気温を左右しているのか、もっと大きな原因によるのか実ははっきりしないとしている科学者も少なくないのですが。今や地球にやさしい、といえば政治家は票が取れる、企業もかえって商品が売れる・・・私はけっこう騙されないようにしないといけないのではないか、とむしろ懐疑的に見ているのですが)。

    ◆  ◆

映画「スパイダーウィックの謎」を見てきました。近頃、大活躍の名子役フレディ・ハイモア主演のファンタジーで、原作は2003年以後、5冊が刊行されている童話だそうであります。

しかしながら、子供向け、というイメージで売り出しているようですが、脚本が巧みでそう一筋縄でいかない作品に仕上がっています。1920年代、妖精学に一生をささげたアーサー・スパイダーウィックが謎の失踪、娘も森の中で妖精に誘拐されたと主張したため精神病院に入れられ、以来、スパイダーウィックの館は主を失い廃墟と化します。それから80年たち、母親に連れられて高校生の娘と双子の兄弟が館にやってきます。特に双子の兄のジャレットは母親に反発し問題児扱いされています。しかし彼はこの古い館で、大叔父にあたるアーサ・スパイダーウィックが残した「妖精図鑑」にまつわる秘密を知ることになります・・・。

まあ、あとはこういう話にありがちなことですが、いくら「妖精をみた」などと言っても信じてくれない母親や姉との確執に悩みながら、いろいろ騒動が持ち上がっていくわけで、その中でばらばらになりかけていた一家が心の絆を取り戻してく、という次第。これと、失踪したアーサー親子の物語が絡んで、「親子の心のつながり」をテーマに据えた脚本は非常にうまく出来ています。ラスト、感動させられます。原作とはちょっと違う展開なようですが・・・。

妖精の造形はスター・ウォーズ・シリーズのフィル・ティペットが手がけており、見事な出来栄えです。

壮大なスケールのハイファンタジー映画が目立ちますが、本作は話が大きくなりすぎず、いい映画だと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年4月 | トップページ | 2008年6月 »