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2008年2月29日 (金)

映画「エリザベス ゴールデンエイジ」

 映画「エリザベス ゴールデンエイジ」を見てきました。これ、9年前に大好評だった「エリザベス」の続編。ケイト・ブランシェットの出世作として有名ですね。にしてもこのシリーズ、当のブランシェットはじめ主要キャストがなぜかオーストラリア出身。監督はインド出身、というわけで、英国のエッセンスをしっかり受け取っているけれども英国人ではない、という面々が非常に多い。しかしだからこそかえって英国の黄金時代の象徴、エリザベス女王を映画化しよう、なんてことが成り立つのかも、とも思います。

 が、サー・ウオルター・ローリー役のクライヴ・オーウェンははまり役。「キング・アーサー」以来、時代劇にも出ていますが、確かにこういう役に合う人。やっぱり日本でもそうだが時代劇には存在感ある人でないと。

 そもそもケイト・ブランシェットっていう人も、時代劇にはまる人ですしね。もう白塗りメークするとエリザベス1世にしか見えないし。この人とか、先日オスカーを獲得したティルダ・スウィントンとか、決してハリウッドじゃ出てこないタイプの俳優さんってのはいます。

 そりゃそうと、今作は基本的に、前作で苦難の日々を乗り越え、晴れて女王となったエリザベスが、今度は一番有名な話である従姉妹のスコットランド女王メアリー・スチュアートを処刑し、さらにフェリペ2世の無敵艦隊アルマアダと決戦、ついにスペインの時代を終わらせ、英国が世界の海を支配する時代に・・・というもう女王本人だけでなく英国史上でもひとつのクライマックスの辺りであります。基本的に史実に忠実なので、ストーリー解説は無用でしょう。時代は16世紀の終わりごろ、日本で言うと本能寺の変から豊臣秀吉、関ヶ原の合戦あたりの時代で、まさに洋の東西で決戦の時代だったわけ。

 とにかくエリザベスの父ヘンリー8世が巻いた種(そりゃ彼のどうしょうもない性欲とそれを誤魔化すための宗旨替え、度重なる再婚、処刑の数々)が、因果めぐってここまで来ちゃった、しかしそれを結果として乗り越えることで、英国は世界帝国となりスペインは没落、女王は世界史に残るヴァージン・クイーンとなった次第。そこらはご覧になればよく分かります。前作と合わせてみれば、英国史の要点がしっかり分かるいい映画。

 メアリー・スチュアートは史実通り、かわいそうなことになりますが、そして描き方としては全くフェリペ2世の陰謀という形になってますが、しかし、エリザベスの没後は実は、彼女の息子のジェームスが即位しますのでもって冥すべしか。

 ここに加えて、女王と、ウオルター・ローリー、女官ベス・スロックモートンの三角関係というのも、史実をちょっと誇張して絡んできます。映画じゃ出てきませんが、エリザベス没後、ジェームス2世の時代にこそローリーとベスの苦難の日々があるんだけどそこは描かれません。

 それにしても、アルマアダを迎え撃つ女王が甲冑に身を包んで将兵を激励するシーン、有名な肖像画がありますが、あれは胸甲だけ着けている、というのが史実のようだが、この映画のように全身白銀の甲冑をまとうのもビジュアル的に素敵。あれはジャンヌ・ダルクのイメージにもだぶりますね。救国の聖処女のイメージ。エリザベス女王が結婚しなかった、という理由が映画でもしっかり描かれてますが・・・これは別に上杉謙信みたいな神懸かりの理由じゃなく、諸国の男性君主にその気を持たせて(つまり英国女王と結婚してしまえば難なく事実上、英国も支配できる。エリザベスの姉のメアリー1世はフェリペと結婚してたから、その時点では英国はスペインの属国同然だった、というのが複線としてあるわけです。ついでにいえば、メアリー・スチュアートもスコットランド女王であると同時にフランス王妃だった時代があり、その時点ではスコットランドはフランスの支配下にあったも同然ですね。昔は縁組一つで同盟も国の合併も簡単にできた、というわけです。最近の王室・皇室のお后選び、なんて次元じゃなかったんですな)外交を有利にする策略だった、というのがいちばん大きいのですが、それに加えて精神的な理由、ジャンヌ・ダルク的な投影があったんだろうな、と。

 蛇足で言えば、後の時代のヒトラーなども同じような発想で独身を続けたのだろうと。不思議と権力者でその気になればどんな縁組でもできるのに、なぜか独身、という人は人気が出る。最近じゃ小泉総理もそうだったかもしれません。

 とにかくコスチュームプレイの魅力満載。ブランシェット以下の配役も完璧。時代劇として言うことありません。歴史好きは必見。あまり出番はないけど、「女王陛下の海賊」ことフランシス・ドレーク提督も海戦シーンではちゃんと登場。

 それにしてもエリザベス1世はオシャレで有名な人でしたから、衣装がすごいです。見事に再現してますね。この時代はファージンゲールという枠みたいなものをスカートに入れて膨らませていたんですが、その形も英国式とかフランス式とかいろいろある。フランス育ちのメアリー・スチュアートはフランス風の角張ったスカートで、エリザベスは英国式のAラインのスカートだとか、なかなか細かい。

 あと、この時代の服装というと、男女問わずラフというでっかいレースの襟飾りが有名です。このへんの時代だけの流行なんですな。

 病気の犬の身体に薬など塗った際、犬がそれを舐めたりしないように、首にでっかい襟巻き状の固定具を着けますが、あれをエリザベスカラー(エリザベス女王の襟)と呼ぶ。女王のでっかい襟飾りはそれだけ有名だったんですね、今でも名前が残っているんです。

 いやあ、いい映画でした。

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2008年2月16日 (土)

アイアン・メイデン

 今でも健在も健在なのだな、と思った。アイアン・メイデンである。
 「英ヘヴィメタルバンド、アイアン・メイデンの世界ツアー日本公演が15日、横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。来日は1年4カ月ぶり12回目だが、今ツアーの“足”は、チャーターしたボーイング757だ。バンドのロゴを塗装し、ボーカルのブルース・ディッキンソン(49)が自ら操縦している。飛行機好きのブルースは、趣味が高じて90年に旅客機操縦免許を取得。今ツアーでは他のメンバーや70人のスタッフ、12トンもの機材を載せ、欧米、インドなど10カ国、約7万キロの空を飛ぶ。ブルースは映画「オーメン」の不吉な数字にかけて「ボーイング666、だぜ」と命名するなど上機嫌で、この日夜の初日を迎えた。ライブは、演奏曲を80年のデビュー盤から7作目までのアルバム内に限定。「魔力の刻印」「鋼鉄の処女」など、日本では14日にDVD化されたばかりの、85年のライブビデオ「死霊復活」の曲目に準じた、代表曲ばかり17曲を披露。超満員4500人のファンを感激させた。」(サンスポ)ということで、私にとってはそりゃポリスの来日よりずっと感慨深いものである。
 ヤニック・ガースが加入した直後のステージをNHKホールで見て以来、私は見ていないが・・・というか、近頃はコンサートに行くこと自体、ないのだが、メイデンならもう一回見てみたいような気がいたします。
 しかし・・・とにかくロックスターの死因でやたら多いのが「飛行機事故」。薬物死と飛行機事故死がとにかく目立って、ちょっと思い出してもバディ・ホリーにポール・コゾフにランディ・ローズに・・・枚挙にいとまがない。それだけ移動が多いわけだが、気をつけてもらいたいものである。
 ◆   ◆   ◆
 アメリカの選挙はそろそろ絞れてきた、ということでいいんだろうか。クリントン陣営の特別代議員抱き込み工作も限界か?
 ◆   ◆   ◆
 ギョーザはあの騒ぎ、皇室はがたがた、政治家たちはなんとも弛緩しているのに、アホな利権ばかりちらちら。うんざりである。
 ◆   ◆   ◆
 「スーツ=軍服!?」ついに入稿した。よって、月末には初刷り、3月はじめには刊行の予定です。http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7791-1305-5.html
 さらに、この後もいくつか、出版の話が来ておりますので、それについてはおいおい。

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