« 平井イサクさんの訃報 | トップページ | あれこれのこと。 »

2007年12月 6日 (木)

映画「ベオウルフ」:ヘリコプター初体験

 映画「ベオウルフ」を見て参りました。あのロバート・ゼメキスの新作であります。
ベオウルフというのは英文学最古の叙情詩でありまして、英語圏の学校ではちょうど日本の古文の時間で古事記とか万葉集を習うように暗唱させられたりするものだそうです。なにしろ7世紀だか8世紀だかの英語ですので、日本で言えば古墳時代ぐらいの言葉なので現代人には当然なじみはなく、はっきりいって肝心の英米の人らには「有名だけど人気がない」教材の筆頭らしい。
要するにベオウルフという名の英雄が化け物退治するというヒロイックファンタジーでして、というか、余に数多あるこの手のお話の原型なのだそうです。wikiの解説によりますれば「『ベオウルフ』(英語:Beowulf、古英語:Bēowulfベーオウルフ)は・・・英雄ベオウルフ(ベーオウルフ)の冒険を語る叙事詩である。約3,000行と古英語文献のなかで最も長大な部類に属することから、言語学上も貴重な文献である。デネ(デンマーク)を舞台とし、主人公である勇士ベオウルフが夜な夜なヘオロットの城を襲う巨人グレンデルや炎を吐く竜を退治するという英雄譚であり、現在伝わっているゲルマン諸語の叙事詩の中では最古の部類に属する」ということ。そして、あのロード・オブ・ザ・リングというのも作者トールキンによれば、このベオウルフ(人間の英雄の時代)以前の時代の物語、というつもりで書いたものだそうです。
しかしロバート・ゼメキスがその退屈で有名な叙事詩をそのままひねりもなく映画化するはずもなく、陰鬱なグレンデルの母親である「魔女の呪い」が、歴代のデンマーク国王にたたり続けているのでありますが・・・そのへんは見てのお楽しみ。ともかく、原話はなにしろ古すぎる上にかなり状態の悪い写本が残っているだけなので、けっこう大事なところが欠落していたりして、そこが逆に現代のフィルムメーカーたちからすると付け入る隙がある、ということらしい。ともかくその魔女というのがアンジェリーナ・ジョリーなので、原作よりもぐっと重要な役回りなのはご想像がつくか、と。
この手のお話Aなにしろ生き残って手柄話をするのは常に英雄本人ですので、それは常に100%信用できるのだろうか、という近代的解釈によるひねり方が絶妙です。
それはそうと、とにかくすごい映像なのですが、ロード・オブ・ザ・リングこのかた、どんな奇想天外な映像も驚かなくなった我々・・・。ところが、今回はまたまた一次元上の映像革命でして、なにしろ役者は衣装も着けずメークもせず、ひたすらブルースクリーンの上で演技に専念、そしてコンピューターに取り込んだ映像では、役者を巨大化するのも縮めるのも、老人にするのも子どもにするのも自在、という最新システムを使っております。つまり役者はあくまで声と動作、表情の「演技」そのものを素材として提供するというわけです。一例挙げれば、アンソニー・ホプキンズがデンマーク王の役ですが、実際よりもずっと太っていて老けて登場します。本人はまったくそんな衣装を身につけず、メークもしていないのだそうです。途中でカットがないので、撮影時間は革命的に短く、ほんの数週間、アンジェリーナ・ジョリーなどはわずか2日で撮影終了したとか。
が、その素材を使った処理になんと2年をかけているというのも驚きです。
一から何もかもをCGで作るのとも違い、奇妙な生々しさととんでもない映像が共に実現できる、ということだそうです。確かにところどころ、ものすごくリアルな絵本を見ているような気がするところがあります。これからの映画の一つの方向性を示しているのだろうと思います。
◆   ◆   ◆
ところで先日、ある懸賞に応募したところ珍しく当選しまして、浦安・舞浜にあるエクセル航空のヘリコプター遊覧ツアーというのを体験しました。
あまりにも近所なために、かえってヘリツアーなんてやる気がしませんでした。まあ、たとえば鎌倉で生まれ育った人がわざわざ大仏見物に行くか、という感じです。それにまあ、最近はけっこうお手ごろ価格になりましたが、それでも相応なお値段はします。
が、無料で、といわれればそれはもうぜひ、ということで、夕方6時45分に空港に集合・・・ここ、毎週のように来ている舞浜の温泉施設ユーラシアのすぐ横、今までここが空港とは知りませんでした実は。で、7時に離陸・・・いやあ、それまでけっこう、ものものしくレクチャーとか持ち物検査とかあって、最近はなかなか大変ですね。それで離陸するというとぐぐっと高度が上がり、たちまち東京駅をすぎ、六本木をすぎ、ものの10分で中野まで・・・さすがに早い。電車で行けば小一時間ですから。
われわれ夫婦は例によって「スツーカや99艦爆の巡航速度もこんなものだろう(250㌔ぐらいは出ているようです)」とか「このぐらいの高度(遊覧は800メートルだそうです)から地上の小さな目標を襲撃するというのは難しいのだろうな」とか終始、そんなことばかり言っておりました。
で、埼玉県境のほうまで出てぐるりと千葉県まで戻り、その間わずかに20分ほどで無地に着陸。
いやあ、自家用ヘリ持っている人はそりゃ病みつきになるだろうな、と。こんなので通勤したらすごいですよ、ものの5分ですから。
さらに調べたら、横浜ランドマークタワーと浦安を結ぶ直行便もあるらしい。たった30分で家の近所まで帰ってこれるなんて、浦安市民の特権ではなかろうか。今度ぜひ、横浜あたりで遊んでヘリで帰宅というのをやってみたい、と思いました。

|

« 平井イサクさんの訃報 | トップページ | あれこれのこと。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122224/17290312

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ベオウルフ」:ヘリコプター初体験:

» なんでも望みが叶う?? [sirayouのあたまのなか]
一言でいえばすごいです。元気がでます いろいろな自己啓発本を読みましたが最高の本ですね 一度読んでみてください どんなものでも所有できる、どんな人にもなれる、どんなことでもできる! 宇宙を支配する強力な法則「引き寄せの法則」をうまく使って、望みを実現する....... [続きを読む]

受信: 2007年12月 6日 (木) 21時44分

» ドイツ(ゲルマン)音楽の形成 [クラシック音楽ぶった斬り]
ゲルマン芸術が、まず何よりも理念、観念の芸術(あるいは哲学的芸術)であるのは、ロマン派以降の大きな特徴であるが、それを具現するために音楽家が行う和声的処理は、音楽の微妙な変化やそれに伴ういわゆる「アウフヘーベン(止揚)された音」を生み出す。 ... [続きを読む]

受信: 2007年12月13日 (木) 22時01分

« 平井イサクさんの訃報 | トップページ | あれこれのこと。 »