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2007年8月15日 (水)

8月15日、映画「トランスフォーマー」

終戦の日である・・・が、近頃は「ミズーリ号上で陸海軍代表が署名するまで正式には終戦ではないじゃないか」という話がある。旧ソ連の理屈というのもそういうもの。ナチスドイツの場合、とにかくソ連の勢力があまりに入り込まないうちに、特に西側の米英と早く手を打ってしまわねば、と焦った。とにかく講話を前提とした休戦発効を全相手国と至急に取り付けてしまわないと、ということがよく分かっていたからである。さすがに欧州の国は敗北慣れしている、ともいえる。1945年の5月2日にベルリン防衛司令官ヴァイトリング中将はソ連軍に降伏し首都ベルリン陥落となったが、5月7日に国防軍統帥部代表としてヨードル上級大将が降伏文書に署名するまで、ドイツは正式に降伏したとは見なされず、よってドイツの敗戦はどこの教科書でも5月7日となっている。ことに軍部代表の署名が国際的に終戦の要件であるというのがあって、その意味で東条英機が「終戦だと軍が思ったときが終戦です」というような答弁を国会でしたのが笑い者になったが、これは東条が軍人としての考えと首相としての考えを混同していたからおかしかったので、あくまで軍部代表の意見としては、実はまったくの的はずれとも言い切れない。野戦軍司令官が「もう戦えません」と表明し降伏文書に署名する、それがその戦線の停戦となるのであり、国軍代表、つまり参謀本部の人間が署名して初めて、一国の軍事組織の敗北が決する。
 そういう意味から言っても、確かに8月15日に日本はポツダム宣言受諾、とはいってもその8月15日が国際的には「終戦の日」ではない、せいぜい停戦の日、というのはまぎれもない事実である。
 不思議な話であるが、日本という国はなんというのか、いつでも国際ルールが分からないままオリンピックに出て恥をかくような、そんな国だな、と思う。これも一例である。日本人の当時の心情としては神聖不可侵の上ご一人が放送する、これだけでもう大変なことなんだから世界的にも認めてくれよ、みたいなことだったに相違ない。が、日本人にとってスペシャルであっても、世界的には国家元首がラジオ放送するなんて当たり前のことだったのだから、理解してくれない、というわけである。
 ◆  ◆  ◆
 映画「トランスフォーマー」を見てきた。4日に封切りされているから今更かもしれないのだけど、とにかく我が家はいろいろ締め切り抱えて忙しかったのよ。
 にしてもすごい映画ですね。これは戦争映画そのもの。どうも米軍全面協力みたいですしね。実際、さいきんの映画じゃ珍しく米軍が格好いいのである。それも無理なくかっこいいのである。えげつないアメリカ映画じゃ、どう見ても他国の人間から見て格好良くないアメリカ軍が無理に格好いいことになっているのだが、これはそのへん、そうではない。
 やはり軍に対する乾いた見方、というのが抑制を与えて、かえっていいのじゃないだろうか、最近は。ひたすらヒーロー扱いするような描写はない。
 いや、別に戦争映画じゃなくて、あくまで特撮ロボットものだし、青春恋愛ものでもあるし、役者たちの演技はさわやかだし、ジョン・ボイト御大もしぶいし(国防長官役というのが渋いですね、なまじ準主役を超人的な大統領にしないのも好感が持てる。そういう設定の映画が多かったからねえ)それに口あんぐりものの特撮、つまりは自動車からロボットに変身するトランスフォーミングのシーンは本当にすごいの一言。これはすごいや。DVDが出たらぜひコマ送りで見てみたい。
 が、それにもましてです。最新の米軍というか、まあ2、3年後の米軍のオンパレードという感じもある。冒頭からオスプレイの編隊飛行で見る人によってはオッと思う。無人偵察機プレデターとか、ハイブリッド装甲を増強した戦車とか、ブラック・ホークにガンシップにA10に、極めつけはまだまだ秘密の多いF22ラプターが当たり前のように実戦配備のフツーの兵器となっている。登場する米兵の携える銃器も現在テスト使用中で、まだ全軍に行き渡っていない突撃銃とランチャーとビーム照準着を登載した新式のシステムらしい。
 そんな大サービスをするのも、近頃の米軍の苦境というのが根底にあるのか、と深読みすてしまうのである。
 いやあ、そんなことはともかく、とにかく痛快で脚本もノリよく、なかなか人物描写も巧みで、マイケル・ベイ渾身の一作じゃなかろうか。これは楽しめる一本ですから。難しく考えるような映画じゃあるまい。
 

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