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2007年4月16日 (月)

サンシャイン2057

 地球温暖化がむしろ問題だという昨今ですが、太陽が急速に輝きを失う近未来・・・もっとも、将来的には太陽も「死ぬ」わけなのですが、とにかくそれがわずか50年後に起こる、そして人類に残された手段は、巨大な核弾頭を宇宙船で運んで太陽の中心部に打ち込むだけ、そんな設定のSF映画「サンシャイン2057」を見ました。
 この人類の未来をかけたミッションに集結した世界中の科学者チーム。それを束ねる船長は日本人の金田(真田広之)なんですねこれが。さて、ミッションは成功して無事、地球は救われるのか、そしてクルーの運命は・・・。という次第なんですが、まあいちばん似ているテイストといえば「2001年宇宙の旅」でしょう、あれを思い出させるシーンが多いです。しかし、招かれざる邪魔者・未知の敵が侵入してきて、正体がわからない、という展開は「エイリアン」を思わせるし、地球を救うミッションに命を懸けるところは「アルマゲドン」のようでもあり、また宇宙空間の密室劇という点では「U・ボート」のような潜水艦ものの持ち味も感じさせる・・・実際に、それらの先行映画を参考にした、という話がパンフレットにあります。
 監督が真田さんを起用したのは「たそがれ清兵衛」での演技が決め手だったとか。ぐっと耐える男、それが日本のサムライ、ということでしょうか。実際、キャプテン金田は本作の中ではじっと耐える男、常に沈着な男・・・実を言うと、今回のミッション「イカロス2号」は人類にとってのラストチャンスで、7年前に出発して謎の失踪を遂げたイカロス1号の失敗をリカバーするためのもの。そして、イカロス1号の失敗はどうも、任務の重圧に負けたピンバッカー船長の乱心に原因があったようで、そう意味でもイカロス2のキャプテンは「絶対に平常心を失わない男」が必要であった・・・そういう設定らしいんですね。そこで日本人が起用され真田さんが出演した、というのは日本人としてちょっと気持ちがいい話ではあります。当初の予定じゃアメリカ人という設定だったらしいのですけど。
 さすがに英国でシェークスピア劇に出て鍛えただけのことはあり、英語も完璧。お見事です。
 実際、前のミッションの失敗と前の船長の乱心、というのがその後のお話に大いに絡んでくるのですが、ま、そのへんは語らないことにしておきます。
 最後まで手に汗握るサスペンス、密室ものとしての緊迫感と非常にシリアスな展開は見物です。それは本当に面白い・・・が、惜しむらくは最後のオチですか。
 ま、簡単に言いまして、結局、一人の不適任な馬鹿者のせいでみんなが苦労しました、というのでは、ちょっと締まらない感じがありますが・・・。
 ヒロイン格の女性がどっかで見た顔、と思ったら「トロイ」のヒロインのローズ・バーン。いい演技をしております。この女優さんは上手いですね。
 宇宙に出ると、人間の精神はかなり変容するという話があり、けっこう帰還してから奇行に走る人もおります。最近でも妄想的な嫉妬心で異常な追跡劇を演じて解雇されたNASAの女性飛行士がおりました。
 本作の理解にはそこらへんが重要ですが、ちょいと感情移入が難しいかな、という思いも残りました。そこんとこ、納得しないと、前船長の乱心の謎もピンと来ないうらみがあるんですね、話として。
 とにかく緊迫した息苦しいほどの密室劇、として見るのが一番、と思います。そういう見方からすると満点かもしれません。非常に疲労します。
 宇宙ものの娯楽系じゃないハードなSFとしては久しぶりという感じもあります。そういう系譜の最新型として一見の価値あり、と思うわけでありました。

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